2023年03月04日

第3121夜:9分の3【門司(北九州)】(後編)

 アタリ(ハズレ)は3本。コスプレ衣装は3点。チャイナドレス、セーラー服、そしてメイドエプロンである。当初は帝王含め常連6人で行うはずだったようだが、我ら3人が乱入してきたために、6本のマッチくじが9本になった。

 オトコ8人でオンナ1人。体型や肥満度等でエプロンしか着用できないのは、私を含め3名。私がアタれば(ハズレれば)、メイドエプロンを着用。それも、裸にエプロンらしい。

 奥から順番に常連たちが引いていく。一喜一憂。会議所&アヅマの3人が最後に残された。これまでアタリ(ハズレ)は1本ひかれている。残り3本のうち、2本がアタリ(ハズレ)。

 結果。私はきっちりとアタリ(ハズレ)だった。もう一人は会議所M里氏だった。

 まずは常連男性がトイレへ。数分後、チャイナドレスに身を包んで登場。店内、やんややんやの大歓声。体型的にもよく似合っている。違和感もあまりない。

 続いてM里。彼の娘さんが後数年もすればセーラー服を着るお年頃。そんな娘よりも先に人生初のセーラー服を着こんだM里がトイレから登場。

 村S、開き直ったのかポーズを決めてノリノリ。前髪にウィッグをすると、ぐっと女性っぽくなった。スリムで長身の彼が着ると逆にカッコいい。薄毛もウィッグで隠れ若返っている。

 そして、真打というか、大トリが私。嫌な汗がにじみ出る。メイドエプロンを手にトイレへ。 裸エプロンとはいえ、ズボンは着用。作業着と旦過市場Tシャツを脱ぎ、上半身裸に。

 いざ、エプロンを着用しようとしたら、どう着けるか分からない。クロスさせると教えてもらったのだが、私の頭がクロスして混乱してきた。布で出来た知恵の輪に悪戦苦闘するセイウチに。

 小さくドアを開け、カウンター内のSクラ嬢を手招き。サKラ嬢、いきなり爆笑。トイレ内で着用を手伝ってくれるのだが、嬢はずっとクスクス、ゲラゲラ笑いっぱなし。

 カウンターの面々はSクラ嬢の笑い声が気になる様子。そんなカウンター諸氏に嬢は「前掛けみたい」と一言。カウンターからの爆笑が増している。

 トイレから出る。一斉にカメラを向けられる。前の2氏より笑い声が数倍増し。私も調子に乗ってポーズ百景。48歳、年男アヅマ。人生初のメイド服。それも裸エプロン。むっちむちのピッチピチだ。縛られている感覚である。

 カチューシャを渡された。笑い声がさらに増す。これほど人生で写真をせがまれたのは初めて。

 裸エプロンのまま、ラッキーストライクに火をつける。焼酎を呑みながら紫煙を燻らせ、両隣やママたちと普通に話す。ところが、皆の私を見る視線が妙である。

 ふと気づいた。私は自分自身の姿が見えず、様子が分からない。100sを超える丸坊主のセイウチがカチューシャを頭にはめ、裸にメイドエプロンを着用したまま焼酎を呑み煙草を吸っている。店内諸氏には異様な光景としか映っていなかったようである。

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くじに外れた(当たった)3名。

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特にコメントはござんせん。

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2023年03月03日

第3120夜:9分の3【門司(北九州)】(前編)

 9分の3。ある夜の門司駅前スナック<アンジェリーク>で裸エプロンに変身する確率である。

 九州最北端の市場・プラザ祇園ミッション終了後、北Q州商工会議所門司サービスセンターの中堅男性2名と途中の門司駅で緊急下車。軽く呑みに行くことに。

 門司港は始発できなので確実に座れる。しかし、本数が少なく待たねばならない。そんなときは迷わず構内のコンビニへ。

 日本の秋といえば、キリン一番搾り遠野産ホップである。私がこれまで呑んできたビールの中でダントツの旨さ。缶は飲めても生は東北でしか飲めぬ。コロナ以降、宮古と御縁が無くなって生が呑めなくなった。

 そんな無聊を慰めるべく、ロング缶を3本購入。ホームで乾杯したちょうどのタイミングで始発電車の扉が開いた。誰も乗っていない車両で談笑しつつグビビする。

 ちょうど呑み終えた頃に門司駅着。門司港でもなく、小倉でもなく、門司。黄金市場商店街の旦那衆たちと月1回ペースで通っているが、これまで1度しかない黄金ヌキの門司大里呑みだ。

 向かった先は<もぐもぐ>。入るなり、カウンターに座っていたママと常連2人から声を掛けられる。この店周辺も担当エリアな会議所2人よりも私の方がホーム度5億倍高し。

 自家製梅干サワーが鉄板。幾度もお代わりしながら、カウンター内のTカシ氏(ママの息子)に料理をガンガン作らせる。

 普段<もぐもぐ>へは1軒目にたらふく喰った後にピットインすることが多く、毎回呑むだけに。しかしこの夜は一軒目。21時を大きく回って空腹である。

 Tカシは腕を振るう。ステーキ、唐揚、ベビーハム、豆腐鉄板…。目を剥く旨さである。旨い料理ほど茶色という天界の法則に従う。

 門司呑みで1軒で終わるはずもなし。隣に座るママに必ず門司の夜のラストを飾るアンジェの空きを聞いてもらう。3人なら何とか座れるそうだ。

 終電はとっくに諦めてアンジェへ。私は10日ぶりである。店内は門司の夜の帝王・Sワ氏(ママのご主人)が。その左右には常連さんたちが。ちょうど3人分空けて下さっていた。

 我が西郷バカボトル、10日前はハロウィン仕様だったが、ハロウィンが終わったこの夜はパイレーツ仕様に。芸の細かいママに感謝申し上げる。

 店内の酔客たちはすっかり出来上がっているようでゴキゲンな空気が充満。我らは着座し乾杯も終わっていないようなタイミングで、ママが9本のマッチ棒に記を入れ、握りしめた。何故か、嫌な予感しかしなかった。

 この夜、ハロウィンにちなんでコスプレ企画を発動させており、まさに始めようとするタイミングだった。アタリ(ハズレ)が出ればコスプレ衣装に着替えなければならない。〔次夜後編〕

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門司港始発だからこそ。

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大好き、ベビーハム。

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迫力の逸品。

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この夜はパイレーツ。

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2023年03月01日

第3119夜:スパゲティライス【小倉(北九州)】

 スパゲティとライス。あるようでない組合せである。一応は関西(神戸)人の私にとってお好み焼&ライスは定番。焼きそばとライスもアリ。餃子とライスなど有無言わせぬ黄金コンビ。しかし、何故かたこ焼&ライスは私の中では無い。

 スパゲティ&ライスはどうか。数年前、長崎でナポリタン&ライスを食べた記憶がぼんやり残っている。「ぼんやり」というあたりが力弱い。印象に残っていないということは、可でも不可でもなかったのだろう。

 秋の気配が濃密になり始めた11月上旬の昼。小倉駅1階・三十歩横丁へ。昼飯は何にしようか…。入口正面の博多ラーメン店(ShinShin)は横丁内で無双の人気っぷり。この横丁、私は夜呑みでなく昼メシ攻め専門だが、まだ全店未制覇とはいえ満足度高い。

 入り口近くの肉バル<GOCHA>で夏の盛りにカレーを喰ったことがある。その待ち時間にランチメニューをガン見していたら、気になるメニューを発見した。「ポークバタ―パスタセット」。セットの中身は、ライスかパンの選択である。

 ポークバターという響きに惹かれた。スパゲティでなくパスタという響きに偽善を感じた。そして、パンはともかくライスという響きに混迷を感じた。要するに、気になる存在に昇華した。昇華という響きに、自分自身で面倒くささを感じつつ、いざ店内へ。

 ポークバターバスタセットを迷わず注文。セットは、ライスで。胸が高鳴る。結果はいかに。

 水を飲みながらぼんやり待つ。平日の13時ごろというのに、店内はワインなどを楽しんでいるお客多数。謎のカップル風であったり、子育てを20年以上前に終えた雰囲気を漂わせている熟女軍団であったり。

 ブツ降臨。全体的に白っぽい。あまりパンチのないビジュアルである。私は普段から料理に彩りは全く求めないのでサラダ系は不要。しかし、カップスープぐらいは欲しいところだった。 

 まずはバターを絡めずにパスタ、もといスパゲティへ。右手にはフォークでなく割り箸。濃厚コテコテ日本オヤジの作法である。

 あまり期待せずに口に運ぶ…。目を剥いた。電撃を喰らった。何かが弾けた。旨い。旨すぎる。

 スパイシーでマイルド。ニンニク風味濃厚なのにキレがある。醤油系ダレのコクが深い。すかさずライスを追いかける。このスパ、信じらぬほどライスに合う。

 ステーキソース風が掛かっている豚肉を口に運ぶ。ライスで後追い。合わぬわけなし。

 後半からはバターを絡める。ジャンクで淫靡な旨さが倍加している。スパゲティなのに肉を、それもステーキ肉を喰っている不思議な感覚。ライスと合わせれば十分なボリュームなのだが、もう1セットは軽く腹に入りそうである。

 半世紀近い我が麺道。スパゲティに関してはナポリタン9割、ミート1割で他の味が我が選択肢に入る余地などなかった。しかしポークバターパスタ、これまで啜ってきたスパゲティの中で1番旨かったかもしれない。ライスは絶対に欠かせない。

 この店の上階にはナポリタンの<パンチョ>がそびえている。ラーメンや焼鳥が火花を散らす小倉駅構内にて、スパゲティも静かだが、核マントルのごとき巨大なうねりを魅せつつ、天上界の争いとして勃発しているのかもしれない。

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2023年02月28日

第3118夜:ラーメン以外の名物メシ【佐野(栃木)】

 いもフライ。ラーメンが圧倒的な名物である佐野において、たぶん2番手を追走していると思しきご当地料理である。いもフライMAPまで作成されている。

 10月最終日の夜。佐野駅にほど近いホテルでPC猿打後、20時頃にフラフラと屋外へ。佐野は駅周辺に呑み屋が充実。向かった先は半月前に足を運んだ激シブ店<若葉>。

 前回はママが一人で切盛りしていたが、ドアを開けると娘さんぐらいの方と2人で厨房に。小上がりには目視70歳オーバーのゴキゲンなオヤジ3人組。

 瓶ビール()を注文。お通しをツマミながら「もつ煮」「いもフライ」を注文。

 もつ煮は関東の呑み屋定番メニュー。ところが佐野はもつ煮を名物として売り出していないが、ラーメンともつ煮を一緒に食べる文化が存在するという。

 初めて佐野入りした際、食堂でラーメンを頼み、餃子か半チャーハンなどの付け合わせを尋ねたらもつ煮を勧められ、言葉を消化できなかった記憶がある。どちらも汁モノ。あまり試そうという気に何故かならない。

 ラーメンと合わせる気分になれぬ、アルコールなら別。ちなみに私はラーメンとアルコールはあまり合わせぬ。もつ煮は関東では珍しくないが、食し方の文化としての佐野名物といえる。

 この日の今朝、新神戸駅で買ったデイリースポーツ1Oリックス日本一ニュースを読みながらビールとお通しをつついていると、もつ煮降臨。たっぷりである。

 七味をたっぷりふりかけ、まずはもつ…。柔らかい。味が染み込んでいる。根野菜も深い味わい。汁が旨い。佐野だから美味いという以上に、この店が旨いのだろう。

 もつ煮が無くなった頃という絶妙タイミングでいもフライ降臨。じゃがいものフライというそのまんまの料理。関西なら串カツとして定番。この店は串にささっていないが、10ヶほどお皿に。一人客の量ではない。

 まずは塩で。じゃがいものほのかな甘みとホクホクが嬉しい。衣は上品なサクサクで油っこくない。単なるじゃがいものフライかと思いきや、恐れ入った。2ヶ目からはソースを駆使しながら、すべて完食してしまった。

 さすがに腹に溜まる。ビールも大瓶で2本滅失。しかし、もう少し食べて呑みたい。

 3杯目は日本酒にして、3品目はいか焼き。このお店の名物で、半月前も味わった。佐野名物でなく若葉名物なのだろう。

 チビチビやっていると、降臨。圧倒的迫力である。生姜醤油が掛かっているが、好みでわさび醤油も。私はマヨネーズをもらい、七味を掛ける。マヨ七味といか焼き。無双ツマミとなる。酒の冷や(常温)がノドを滑り、胃を焼く。小皿にたっぷり零れているのも嬉しい。

 いか焼きもかなりの大きさだが、美味しく完食。日本酒も無くなった。お通しを含めて4品。瓶ビール大2本と日本酒1合。所要時間は50分。かなりの満足度。満腹である。

 店を出る。ブラブラホテルに向かう途中「らーめん」という文字が視界に。満腹だけど近づいてみたら「らーめん予備校」とあった。佐野ラーメン店開業を志す者たちの予備校。2か月ほど前にその仕掛け人の方とお会いする機会があった。ここに予備校はあったのか。

 翌日は午前中が佐野ミッション。午後からは神戸に戻るだけ。明日の昼は佐野最強名物・佐野ラーメンを啜るか。不気味な笑みを浮かべながらホテルに戻る。

ロビーに備え付けられていたスポーツ新聞が視界に。神戸では一面が当然オリックス日本一。佐野では、というより関東では「タッキー ジャニーズ事務所退社」。……。日本は広い。

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激シブ旅情。

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もつ煮とビールと贔屓チームの優勝記事。至福。

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地醤油(たぶん)。

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いもフライ。量多し。

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いか焼き。量多し。

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入学せんばいけん。

(付記)

後日、池波正太郎先生の食エッセイを読んでいたら「ポテトフライ」の話が出てきた。ファストフード系でなく、まさに佐野で食した「いもフライ」。エッセイを読んで、また食べたくなった。ビールのお供として。キャベツの千切り&ウスターソースを添えて。


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2023年02月27日

第3117夜:脱毛適齢期【栃木(栃木)】

 <UOULE>。「渦」「うねり」を意味するフランス語である。この言葉を冠した「COFFEEICE CREAMcaféが栃木市内の蔵の街大通りと巴波川の中間に位置する絶妙の好立地に202210月オープンした。

 202210月最終日。このCafé20227月にオープンした脱毛サロン<hug>へ店舗訪問する機会を得た。

 HOULEオーナーのK戸間氏は超若いイケメン。珈琲&カフェ好きには超常識な<猿田彦>珈琲から独立された。猿田彦仕込みの本格珈琲が栃木市内で味わえる。カレーやホットドッグ、フレンチトーストも発売している。

 圧倒的人気を誇っているのがオーナー手作りのアイスクリーム。この仕込みのために週休2日にせねばならぬほどの手間暇。1350円とリーズナブル。

 Caféといえば若い女性中心のオシャレなイメージである。この店もオシャレだが、小さな子供を連れた母親の憩いの場所であることもコンセプトらしい。ゆったりしたレイアウトに納得させられる。奥様に入れて頂いた猿田彦コーヒー、絶品だった。

 続いて美女2人が創業した<脱毛サロン hug>。私は体型も脳みそも縄文人であり、体毛も「HOULE(渦・うねり)」な縄文人級。しかし脱毛など1oも興味なかった。

 店舗訪問の少し前『Aメトーーク』で脱毛芸人を特集していた。この特集を見て脱毛というメカニズムを知った。ちなみに芸人たちの脱毛は「医療脱毛」。医師免許が無ければ施術できない強力なタイプらしい。特集を見てもさほど関心を持てなかった。

 Hugのウリは「介護脱毛」。美容脱毛は一般的で、私も脱毛と言えば美容脱毛しか思い浮かばなかった。美容脱毛でどうやって地域の課題を解決できるのか不思議だったが(そういう制度の創業サポート)、お店を訪問して激しく納得した。壮絶に興味関心が高まった。

 介護する側もされる側も、体毛、特にYやOの部分はストレスらしい。特に衛生面しかり。介護が必要になってからでは手遅れらしく、若すぎずも元気なうちに介護脱毛を始めるのが良いそうだ。ちなみに、男性客は4割を占めるという。男性は髭の脱毛が多いらしい。

 美女たちから私も脱毛を勧められた。私もこのような不摂生を続けていれば、すぐにでも介護が必要になるかもしれない。4050代が介護脱毛の適齢期らしい。私は48歳。まさに、脱毛適齢期と言える。

 しかし、まだ早すぎないか。10年後でも間に合うか。そう申し伝えると「白髪にならないうちに」とアドバイスされた。脱毛器、色素で反応するらしく、白髪になってしまうと脱毛できないそうな。もちろん、下半身の白髪である。

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アイスクリームが大人気。

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すでに地域の拠点。

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脱毛ならココ。

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初めて見た。

posted by machi at 08:06| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする