2024年02月27日

第3366夜:会津田島駅「しんごろう入り南会津おふくろ弁当」【駅弁】

 しんごろう。南会津で実在していたとらしい人名であり、南会津の郷土料理の名称である。

 しんごろうという名の若者が母のためにご飯を半づきにして丸め、じゅうねん(荏胡麻)味噌を塗り焼いたものを食べさせたという。新米が出た時に振舞われるそうである。

 「しんごろう入り南会津おふくろ弁当」を会津田島駅構内で発見、捕獲した。

 会津田島駅は浅草からの東武特急終点(または始発)。私は春日部、栃木、鹿沼、日光あたりから会津若松へ移動(またはその逆)する際、田島で乗り変える。3分ほどしか時間ない時もあるが、だいたい15分ぐらいの乗換時間がある。

 田島駅で購入する「とうがらし味噌」は我が必需品。かなり辛いがニンニクも効いている。そもそもあまり自宅にいないので減らないのだが、田島で降りるとつい買ってしまう。

 田島駅の駅弁コーナーも見逃せない。私の知る限り、会津地方で最も駅弁が充実している。東武線すべての駅においても、私の知る限り東武日光駅と双璧。

 田島駅の「ソースカツ丼」と「南会津さとやま弁当」は実食済。煮込みカツ丼(普通のカツ丼)や稲荷寿司、巻寿司、500円代の弁当も数種類あった。

 12泊13日のムチャ旅11日目。会津若松から快速で会津田島駅へ。時間は10時半過ぎ。売店を除くと、ラインナップが充実していた。もう1時間遅ければ何もなかったかもしれない。

 初見の品発見。冒頭の「しんごろう入 南会津おふくろ弁当」である。調整元は「かどや」様。1200円。ずしりと重い。切らしていた煙草も1箱購入し、一服してから特急に乗り込む。

 ガラ空きの特急が動き出した。車内アナウンスが流れた。この特急、全座席満席という。

 観光シーズンや土日はよく満席に。この時期、私も前日に切符を買うようにしている。田島からはまだ空いているが、1時間後の鬼怒川温泉から思いっきり満席になるはず。私の隣は誰もいない。鬼怒川に着くまでに食べ終えねば。

 懸け紙を外す。裏側に料理の解説がびっしり。「しんごろう」の由来も。そして、南会津の郷土料理が隙間なくびっしり埋まっている。地元素材にこだわった手作り弁当と書かれている。

 「南会津産のアスパラ天麩羅」。4月から10月までらしい。サクサクとフレッシュで、先鋒として申し分なき働きである。「かまぼこ」も歯ごたえありシブい活躍。

 「厚焼き玉子」は使い込んだ銅製フライパンが美味しさの秘密らしい。確かに美味しい。じっくり数時間煮込んだ「自家製いなり寿司」は甘さも爽やか。ジューシーでボリュームある。

 味付けが見事だった「自家製塩糀のから揚げ」にかぶりついた後、冒頭の「しんごろう」。最初、肉の塊に見えた。かぶりつく。甘い。荏胡麻味噌が甘いのか。しかし、上品さがある。

 抜群だったのが「本ぜんまいと打ち豆の煮もの」。青豆を木槌で潰した冬越えのための保存食という。これ、酒、それもウィスキーのツマミに好適。パリッと香ばしく、甘さとコクが絶妙。これだけ別売りで買って帰りたいほど。

 「舘岩特産赤かぶ漬」で舌を引き締めた後、我が好物「にしんの山椒漬」。前夜、居酒屋で売り切れで食べられなかった。身欠きにしんを山椒の葉を入れたつけダレで漬け込んだ料理。会津田島祇園祭のおもてなし料理という。若松でなく田島発祥だったのか。

 これ、無限に日本酒が進む。土産物売り場で見かけない。これも買って帰りたい。

 最後は「地元おばあちゃんの梅干入り青しそおにぎり」。最高の〆である。満腹である。

 私はこれまで800種類ほど駅弁を楽しんできた。この駅弁、ベスト3位以内かも。日本酒があれば一升は開きそうである。数時間後にミッションを控える私は、無糖フルーツティーで流し込まざるおえなかったけど。

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充実の田島駅。

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我が駅弁千物語でベスト3位クラスの絶品。

posted by machi at 08:38| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月20日

第3314夜:会津田島駅「ソースカツ丼」【駅弁】

 会津田島駅。浅草駅を始点すれば、複数ある東武鉄道終着駅の中で私が知る限り最も遠い。東京、埼玉、栃木を経て福島まで。田島からは会津鉄道に乗り換えて終点の会津若松まで旅する。

 会津と栃木(栃木・鹿沼・日光)や埼玉(春日部)を移動する際、タイミングが合えば東武特急を利用する。その際、会津田島駅で乗り換える。乗換時間3分の時もあれば、30分の時も。

 ある夏の朝。新鹿沼駅に行くと巨大ないちごのオブジェが立っていた。新鹿沼駅は半年ぶりだが、こんなのあったか?いちごデザイン押しが激しいバス停標識やいちごポスターに、鹿沼シウマイの冷凍自販機やシウマイ顔はめパネルが交互に並んでいる。陣取り合戦のようだ。

 私も地区外会員である鹿沼商工会議所は「シウマイのまち」として全力で領域展開中。一方市役所のスタンスはあくまでも「いちご」らしい。永遠に相容れない深すぎる溝と闇がある。

 ちなみに、鹿沼市以外の栃木県民の数人に「鹿沼に苺のイメージはあるか」聞いてみた。すべての人が同じ答えの「No!」。しかし、鹿沼はシウマイで町おこしをしていることは95%が知っていた(アヅマ調べ)。私の中ではシウマイの勝利である。

 11時前に乗り込んだ特急はほぼ満席。12時半、会津田島駅着。会津若松行き乗換15分。いったん改札を出て充実している売店へ。

 田島の売店で時間がある時は「とうがらしみそ」を買い込む。大蒜風味たっぷりで、激辛。味噌ラーメン(Sッポロ一番)、テイクアウトした焼鳥にチョン付けすると確変モードに。この日は東武沿線7泊8日タフミッション2日目。この間に消費できぬブツを買う余裕はない。

 猛烈な空腹が襲ってきた。会津若松着後は間髪入れずミッション。夜まで固形物を口にするチャンスはない。

 売店に駅弁コーナーが。「南会津さとやま弁当(松茸ごはん)」「会津ソースカツ丼」の2種。さとやまが1200円、カツが650円。

 ソースカツ丼は会津若松市内の店舗やスーパー、コンビニで数え切れぬほど喰ってきた。さとやまは気になるが梅雨時期に松茸がピンとこない。しかし、あまり迷っている時間はない。

 私は2つとも手にレジへ。一人じゃなくツレの分も一緒に、という空気感を醸しながらお会計。そうせねば、箸は1本、レジ袋1枚に2つとも入れられる。私が2ヶとも一気に喰うと思われる。まあ、間違いでないけれど。

 独りなのにツレがいるフリを装いながら2つの駅弁を手に会津若松行き普通列車へ。嫌な予感がした。いつもは2車両なのに1車両しかない。

 乗り込む。車窓が見える4人掛けはすべて埋まっていた。普段、会津へ向かう(その逆も)際は平日。ゆえにガラッガラ。この日は土曜。観光客でかなり混んでいる。

 横一列シートへ。少々恥ずかしいが、空腹には勝てぬ。さとやま弁当はおかずびっしりなので、ゆっくり酒を呑みながら味わいたい。この夜の夜食にすることに。

 ソースカツ丼を取り出す。南会津町内のレストランが作っているようだ。ずしり重く、650円は駅弁とすれば破格の安さである。

 水で喉を潤し、まずはカツ…。美味い。旨い。甘い。そして、巧い。冷えても抜群。これぞ駅弁である。肉は柔らかく、ソースに胡麻風味がある。キャベツも程よくなじんでいる。

 桜漬を箸休めの夢中で喰う。目の前の車窓を眺めながら…の予定が、前の座席(横一列シート)に一人旅のオヤジが私の同じように駅弁を頬張っていた。オヤジも車窓を眺めるつもりが、私の飯を食う姿を眺めながらなのだからお互いに気の毒な展開である。

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東部新鹿沼駅前。

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光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドン@

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光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンA

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光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンB

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光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンC

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両方とも抱きしめる。

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会津名物。

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膝にのせて。

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その夜の深夜。

(付記)

これから半年後の12月上旬に頬張った会津田島駅の「ソースカツバーガー」(400円)、掛け値なしに絶品でございました。

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posted by machi at 10:56| Comment(3) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月27日

第3199夜:米子駅「吾左衛門弁当」「鳥取牛めし弁当」【駅弁】

 「吾左衛門弁当」。1728円もするが、おこわ、かに寿司、そして棒寿司も入っており、おかずもたっぷり。いいとこどり弁当である。

 節分の翌朝。米子駅前のホテルを10時チェックアウト。10時半の特急で岡山へ向かう前に土産物売場へ。大混雑。皆さん10時にホテルを出て10時半の特急なのだろう。私もそうだ。

 駅弁コーナーへ。数種類となかなか充実。鯖と鯛の棒寿司、かに寿司、おこわ弁当、大山鳥三昧、幕の内、鳥取牛めし…。迷う。どれも中味の写真掲示がある。地味にありがたい。

 残り1ヶだったのが「吾左衛門弁当」。予約せねば買えぬ時もあるようだ。すかさず買物かごに投下。そして、この弁当に入っていない雰囲気の「鳥取牛めし弁当」1458円も。

 これらに合わせるのは米子市内の蔵元の地酒「米子城」。自宅米子晩酌の準備が整った。

 14時ごろ神戸に帰宅。遅めの昼飯として『鳥取牛めし弁当』と対峙。ふと気づいた。「がんばれ受験生!」と銘打たれた神社の鳥居がデザインされたステッカーだった。

 読み込むと「賀茂神社天満宮御祈祷」とある。しかも、数量限定販売だ。よく分からぬが、この駅弁を神社に持参して御祈祷されたということか。

 私が受験生だったのは30年も前。神にすがることなどアラフィフオヤジの私には何もないが、悪くない気分である。しかし、気づかなかったといえ数量限定を私が捕獲してしまい、神にすがりたい受験生に届かなかったのであれば罪悪感もある。しかし、罪悪感は背徳の味。

 パッケージを外す。白葱と大きならっきょうが肉に負けない存在感を放っている。牛肉、米、白葱、らっきょうは鳥取産とある。

 まずは3本ある太い白葱から。しゃくしゃくとした歯ごたえがパワフルである。ほのかな苦みが食欲を掻き立てる。

 そして、牛肉。冷えても旨い系。肉系ははっきりと美味い不味いが分かれるリスキーさが魅力でもあるが、これは完全に旨い系。米と一緒に味わって驚嘆。酢飯だった。酢飯と牛肉が合うとは、恐るべきポテンシャルである。 

 らっきょが絶妙のアクセントとなり、口内をリフレッシュさせる。私、らっきょはかなり大好物。居酒屋でメニューにあれば箸休めに頼んでしまう。カレー屋で卓上に無料入れ放題があれば、出禁になりそうなほどにシャクシャク喰い続けている。

 その夜。晩酌は「吾左衛門弁当」である。懸け紙のイラストも味わい深い。寛永年間、廻船問屋で米屋の五左衛門氏の奥方様が村祭りのご馳走として舟子らに作ったと伝えられている「舟子弁当」という。山陰の風味が詰め込まれている。

 3つの米料理が宇宙を象っている。錦糸卵と蟹が眩しい「かに寿司」、栗がごろごろと迫力の「おこわ」、そして昆布がまかれた鯖寿司である。本来は主役のエビフライが脇に回り、しし唐天ぷら、玉子焼、蒲鉾、つぶ貝黄金和えなどおかずの大充実。チェリーとパイナップルも。

 これは駅弁というより豪華絢爛な仕出し弁当。そう考えると1700円強は安く感じられる。

 いきなり鯖寿司から…。鯖の主張は弱めだが、酢飯と昆布との三位一体感が絶妙。これが2ヶもある。かに寿司、おこわも酒(地酒米子城)に好適。おかずも隙なし。満足度高すぎる。

 おこわ、かに寿司、鯖寿司はそれぞれがメインを張る駅弁としても販売されていた。それが3種類とも詰め込まれたいいとこどり弁当。それぞれがメインの駅弁も味わいたくなる。

 米子へ行く楽しみが増え続けてしまう。次はどれを攻めようか。どの地酒を合わせようか。

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米子の定宿より。

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昼の至福。

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夜の歓喜。

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あっという間に空に。

posted by machi at 06:09| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする