その中でも、令和時代、より具体的に言えば令和2年春からの嗜みとは何か。マスクであり、3密回避であり、ソーシャルディスタンスであり、その他もろもろである。
すべてに共通するのは「飛沫防止」。ウィズコロナだけでなくアフターコロナになっても、飛沫防止は令和時代の嗜みとして定着するだろう。
令和3年1月の「いい肉」の日。北九州折尾ミッション終了後、通常なら商連の旦那衆とどこかで呑み会なのだが、緊急事態宣言絶賛発令中。よって20時以降は漆黒。商工会議所の若手と缶ハイボール呑みながら電車で小倉へ。北口の定宿にチョッキする。
今週はステイホテルが続く。呑み屋が空いておらず懇親会もないことは事前に把握していたので、私はステイホテルの肴として新神戸駅で駅弁を捕獲していた。ただしこの日は1月29日。「にくの日」である。
そのためか、新神戸駅構内で幅を利かせている肉系駅弁がほとんど売り切れ。ゆえに未食だった「令和の嗜み弁当」を捕獲。1000円。駅弁にしては良心的な価格設定である。
どことなく嗜みを感じさせる。ただし、パッケージだけ見ると、確かに上品な雰囲気あれど、どのあたりが嗜みなのかイマイチ伝わってこなかった。
ユニットバスに浸かり、缶ビールをカシュ、ゴキュッ。プハ〜である。缶類は大量に冷蔵庫にキープ。バーボン(オールドクロウ)もボトルで机上に屹立している。
駅弁のフタを開けた。思わず目を剥いた。アマビエ様のイラストが飛び込んできた。アマビエ様の羽のごとく弁当のフタの裏側を広げる。そして、差込口へ。飛沫防止シールドだった。まさに「令和」の「嗜み」「弁当」である。
正直、全く防げないとは思うがご愛敬。何とも言えない淫靡な個室感がある。こそこそ隠れて駅弁を喰っている気分。しかし内容は大充実。おかず多く酒のツマミに最適。
中は12ブロックに区切られている。煮物、肉、魚、ご飯……。バラエティ豊かである。
私は小市民なので、いきなり肉から行けない。まずは蒟蒻や蓮根の煮物、そして山菜。玉子焼などをかわしつつ、魚へ。クライマックスは肉。飯系を平らげ、フィニッシュはデザート。
肉を頂きとして、そこまでのルートをどう攻略するかが駅弁の醍醐味である。いきなり肉、または好きなものから攻めていく突貫侍に私は慣れない。ラーメンでいきなりチャーシューから攻める御仁にも私は慣れそうにない。これが私の駅弁の「嗜み」である。

太ゴシック体に嗜みが感じられる。

御開帳、その1。

御開帳、その2。