2020年05月12日

第2441夜:伊丹空港「空のすき焼き御膳」【take-out】

 「空のすき焼き重」。伊丹空港で捕獲したすき焼き系空弁である。

 空弁というより駅弁世界において`すき焼´は定番ジャンルの一つである。特に地元にブランド牛が存在する地域はかなりの高確率で捕獲可能。肉系駅弁はブランド牛を甘辛く煮込んだ「牛肉弁当」と親しまれているが、それが派生すると第2グループが「焼肉弁当」「すき焼弁当」となる。第3グループは「ステーキ弁当」「しゃぶしゃぶ弁当」か。
 
 すき焼弁当は冷めても旨いところに大きな特徴がある。しかし、幾分味が単調になる弱点がある。箸休めの漬物が欠かせない。

 ある昼。伊丹空港で前述の「空のすき焼御膳」を比較して伊丹空港サクララウンジに持ち込んだ。空弁コーナーでは最高値の1,340円。中身が分からないがズシリと重い。調整元(販売者)はライトハウス様。以前捕獲した同じ調整元の空弁「空の肉重」の安定感とコスパに空弁を再評価せねばならぬ機運が私の中だけで目覚めていた。

 パッケージを開けた。……。目を見開いた。口が半開きになった。宝石のごとき玉手箱だった。少女漫画のごとく私の瞳は煌めいていたかもしれない。しかし少女漫画では絶対に出てこないコテコテ神戸オヤジの私は居てもたってもいられなくなり、ラウンジ内の無料生ビールコーナーへ猛ダッシュ。キンキンの冷えた生を一気に半分呑み干して、心を落ち着かせた。

 普通のすき焼弁当なら、肉、糸蒟蒻、牛蒡を甘辛く抜詰めたものが敷き詰められている。一面褐色の海だ。せいぜい人参の朱がアクセントになる程度。ところがこの空弁、恐ろしいほど具だくさん。定番具材に加え、舞茸、筍、栗、蕗……。パプリカの赤黄が目にも鮮やかだ。黒毛和牛肉もたっぷりである。小さめにカットされた具材が絶妙の酒のツマミになる。

 サイドも気合が入っている。ほうれん草白和え、出汁巻玉子、サンマの巻き物、鶏炭火焼、肉団子、ウィンナー……。桜漬の酸っぱさが舌を引き締める。さすがに手を出さなかったがデザート(たぶん抹茶わらび餅)までついている。

 空港内の飲食は一般的に下界より高値だが、この空弁は通常の駅弁よりも、外界の店よりコスパボリューム申し分なし。空弁だけでなく私が実食済のすき焼弁当の中で最高最強の酒のアテ弁当である。

 生があっという間に2杯無くなった。ご飯はそのまんま、チビチビつまんだオカズは半分以上残っている。ウィスキーに切り替えようか、それとも生か。生を半分呑んでからトマトジュースを注ぎ、レッドアイ作戦に切り替えるか。

 戦略を練っていると、搭乗時間が迫ってきた。

 私は涙を堪えて一気に白飯をかきこんだ。この空弁、一時間は持つ。最近の空弁の充実ぶりに改めて再検証せねばならない。

200512空のすき焼き御膳@伊丹空港(2015年8月実食).jpg
2015年8月実食(らしい。1gも覚えておらず)。
posted by machi at 07:54| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月08日

第2440夜:伊丹空港「泉佐野名物サンド」【take-out】

 イヌナキン。大阪府泉佐野市のイメージキャラクターらしい。ゆるキャラというより、超人。我ら80年代少年のオッサンたちをカギの頃に興奮の坩堝に陥れたあの『キ●肉マン』原作者・●でたまご先生がデザインされている。実に格好いい。

 日本中にゆるキャラを含めたイメージキャラは何体活躍しているのか存じ上げないが、ゆ●たまご先生デザインのキン肉超人キャラはそれほど多くないだろう。アン●ンマンのやなせ●かし先生が生み出されたご当地キャラは多いとお聞きしている。

 ちなみに北九州市黒崎地区で酔いつぶれると「キン`内´マン」に強制変身させられる。私も確か一度変身した(させられた)ことがある。

 イヌナキンと私の出会いは、伊丹空港の売店。朝7時半ごろ手荷物カウンターを潜りぬけ、腹ごしらえを試みた。飛行機の時間は8時ごろ。30分の持ち時間だ。

 頻繁に飛行機を利用する私はサクララウンジ使い放題のいつの間にやらサファイア会員に。ビールやウィスキーは午後から仕事を控える身として御法度だが、トマトジュース、珈琲、各種ジュースも飲み放題。のんびり寛ぐことができる至福の空間だ。

 呑み物と場所はサクララウンジで。食料を何にしようか。オニギリ、サンドイッチ、寿司……。売店の空弁コーナーに足を運んだ私に、圧倒的な存在感で飛びこんできたパッケージがあった。小学校時代夢中になったキン肉超人がプリントされている。

 思わず手に取る。`泉州まるかじり´とある。商品名は「泉佐野名物サンド」。あまりにも直球なネーミングにクラクラしながらレジへ。735円という価格に思わず目が覚める。

 泉佐野名物サンドイッチなのか。それとも泉佐野の名産をパンに挟んだという意味だろうか。泉佐野は泉州地区と思われる。泉州名物といえば私は水茄子しか思い浮かばない。水茄子の漬物は大好物だが、パンに合うのだろうか?期待よりも不安が大きくなる。

 珈琲とトマトジュースをデスクに置き、パッケージを眺める。調整元はオリエンタルベーカリー様。超人名は「一生犬鳴!イヌナキン」。……。何のことかサッパリ分からない。胸には泉佐野市の市章と思しきマークが刻みこまれている。なぜか豚のような耳がある。

 パッケージをさらに読みこむ。全然存じ上げなかったが、泉佐野は「犬鳴豚」というブランド豚を有するらしい。この豚肉をベースに泉州たまねぎ、泉州キャベツ(12月〜4月使用という細かさ)、生姜焼のタレ(地タレ)らしい「もんくたれ」を使用そうだ。「文句たれ(文句ばかり言う輩)」と掛け合わせているところが、いかにも泉州らしい。

 産地偽装表示が横行する中、自信を持って進めているところが頼もしい。肝心の味は……。マヨネーズがびしっと効いている。豚の甘味とキャベツの甘味、鮮度、歯ごたえ、生姜焼タレの甘味が渾然。パワフルな甘味のコンチェルトだ。思った以上にボリュームもあった。トーストサンドにするともっと旨いだろうが、文句をタレず黙々といただいた。

200508泉佐野名物サンド@伊丹空港.JPG

(付記)
今回の空弁ネタもテイクアウト応援ゆえ死蔵ストックから。恐らく2013年〜14年ごろ実食したと思しいが記憶皆無。
posted by machi at 07:19| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月30日

第2434夜:盛岡駅「あわびうに飯」「本まぐろ御膳」【take-out】

 ある日の午後。新幹線まで1時間の待ち時間発生。盛岡駅構内の駅弁売場へ。ウニ系の充実ぶりが際立っているが、どれも1000円オーバーは避けられない。三鉄も全線開通。昨晩は全く魚介系を攻めていないので「あわびうに飯」(あべちう)1250円を召還。待合室で掛け紙を外す。

 煌めている。鮑が5切れ。肝が1切れ。黄金色の海に漂っている。出汁で炊きこんだと思しき岩手県産米ひとめぼれのヒジキ飯、煮物(がんもどき・人参)、漬物(蓮根・紫蘇の実・茄子)。郷土愛が詰まっている。噛みしめるほどに海のエキスがあふれ出す。あっという間に食べ終えた。

 もう1箱、ウニ系を攻めようか。しかし昼飯に3000円近く消費している場合ではない。後ろ髪をわしづかみされながら新幹線に乗り込んだ。

 それから1か月後。盛岡駅構内の駅弁売場は改札内1か所、改札外1か所だが、駅弁専門ではない総菜屋の弁当が極めて充実している。コスパも抜群だ。

 数日前に読了した『車窓のグルメ』という駅弁呑みをテーマにした漫画コミックが抜群だったゆえ、王道の駅弁に。八戸を拠点とする幸福の寿し本舗様の「本まぐろ御膳」。1300円である。

 地ビールは銀河高原を2本。リュックにはウィスキーやサラミ&チーズ、途中の道の駅で捕獲したにんにく味噌や唐辛子漬などが控えている。盤石である。

 バスが花巻空港に向け動き出した。車中ガラガラである。最後尾に陣取る。周囲は誰も乗客無し。地ビールをカシュっと開け、グビリとやる。染みる。夕日が眩しい。

 駅弁の掛け紙を外す。ほほう、という笑みが漏れる。まぐろそぼろ、まぐろステーキ、漬けまぐろ、漬けあぶり切り身、ねぎとろ。まさに本まぐろづくしである。脇役として野菜の煮物と漬物(桜漬)が控えている。

 5種のまぐろをつまみながらビールをゴキュゴキュ。車窓は雄大な岩手の自然。昔はこの路線でよく駅弁呑みを決行したが、久々である。いつぶりかと懐かしんでいたら、まぐろが無くなった。ご飯だけが余っている。

 リュックサックから数時間前に捕獲したばかりの唐辛子漬を取り出す。これをおかずに白飯を攻める戦略である。

 まずは唐辛子漬。……。旨い。しかし、辛い。汗がにじみ出てきた。慌ててビールを呷るが、辛さが余計に増す。白飯で舌を冷やす。しかし、唐辛子漬、ビール、白飯のループが止まらない。銀河鉄道モード発動である。

200430あわびうに飯@盛岡(190324).jpg
「あわびうに飯」(2019年3月実食)

200430本まぐろ御膳@盛岡(190510).jpg
「本まぐろ御膳」(2019年5月実食)

200430車窓のグルメ.jpg
超オススメ駅弁コミックであります。
posted by machi at 17:01| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする