2021年05月25日

第2692夜:令和の嗜み【駅弁】

 嗜み(たしなみ)。人間には社会生活を営む上で嗜まねばならぬことが数限りなく存在する。

 その中でも、令和時代、より具体的に言えば令和2年春からの嗜みとは何か。マスクであり、3密回避であり、ソーシャルディスタンスであり、その他もろもろである。

 すべてに共通するのは「飛沫防止」。ウィズコロナだけでなくアフターコロナになっても、飛沫防止は令和時代の嗜みとして定着するだろう。

 令和3年1月の「いい肉」の日。北九州折尾ミッション終了後、通常なら商連の旦那衆とどこかで呑み会なのだが、緊急事態宣言絶賛発令中。よって20時以降は漆黒。商工会議所の若手と缶ハイボール呑みながら電車で小倉へ。北口の定宿にチョッキする。

 今週はステイホテルが続く。呑み屋が空いておらず懇親会もないことは事前に把握していたので、私はステイホテルの肴として新神戸駅で駅弁を捕獲していた。ただしこの日は1月29日。「にくの日」である。

 そのためか、新神戸駅構内で幅を利かせている肉系駅弁がほとんど売り切れ。ゆえに未食だった「令和の嗜み弁当」を捕獲。1000円。駅弁にしては良心的な価格設定である。

 どことなく嗜みを感じさせる。ただし、パッケージだけ見ると、確かに上品な雰囲気あれど、どのあたりが嗜みなのかイマイチ伝わってこなかった。

 ユニットバスに浸かり、缶ビールをカシュ、ゴキュッ。プハ〜である。缶類は大量に冷蔵庫にキープ。バーボン(オールドクロウ)もボトルで机上に屹立している。

 駅弁のフタを開けた。思わず目を剥いた。アマビエ様のイラストが飛び込んできた。アマビエ様の羽のごとく弁当のフタの裏側を広げる。そして、差込口へ。飛沫防止シールドだった。まさに「令和」の「嗜み」「弁当」である。

 正直、全く防げないとは思うがご愛敬。何とも言えない淫靡な個室感がある。こそこそ隠れて駅弁を喰っている気分。しかし内容は大充実。おかず多く酒のツマミに最適。

 中は12ブロックに区切られている。煮物、肉、魚、ご飯……。バラエティ豊かである。

 私は小市民なので、いきなり肉から行けない。まずは蒟蒻や蓮根の煮物、そして山菜。玉子焼などをかわしつつ、魚へ。クライマックスは肉。飯系を平らげ、フィニッシュはデザート。

 肉を頂きとして、そこまでのルートをどう攻略するかが駅弁の醍醐味である。いきなり肉、または好きなものから攻めていく突貫侍に私は慣れない。ラーメンでいきなりチャーシューから攻める御仁にも私は慣れそうにない。これが私の駅弁の「嗜み」である。

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太ゴシック体に嗜みが感じられる。

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御開帳、その1。

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御開帳、その2。
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2021年05月17日

第2687夜:道連れはかにめし【駅弁】

 『道連れ弁当』。昭和から平成に代わる頃に出版されたリイド社出版の駅弁コミックである。内容は令和現在なら許されぬコンプライアンスに満ちている。

 たまたま某大型古書店の100円コーナーで発見。10冊以上発刊されているようだが当然のごとく廃版であり飛び飛びだが5冊迄入手に成功した(2021年1月現在)。

 私は日本中(偏ってはいますが)様々な地で駅弁を頬張ってきた。最近ペースは落ちているが、駅弁道に目覚めた2010年から約10年間で700箱(種)は堪能してきたはずである。

 30年以上前に出版されたこの駅弁コミックで紹介されている調整元や駅弁の多くはこの世から消えている。読み進めると、何とも言えない寂寥感に打ち震える。

 令和3年早々に再発令された緊急事態宣言。発令中一応本拠の神戸に何故か居る際は、買物含め一切の外出(近所のスーパー含む)すら極力控える不要不急なまちづくり屋の私だが、正式なお呼びが掛かれば別。全国各地へお伺いできる有難さを心の底から噛みしめる。

 そんな宣言中、仕事をさせて頂けるありがたみと喜びに打ち震えながら早朝に新神戸駅へ。

 初回の緊急事態宣言中は駅弁販売も中止していた駅が新神戸に限らず多かった。2回目はフルラインナップで揃っている。駅弁業者さんも生産者さんも厳しいなか頑張っておられる。

 最高値だったかもしれない「香住ガニ極かにめし」を選択。年間100回以上乗っている新幹線に乗れる喜びに舞い上がり、朝から1580円のブルジョワっぷりである。しかし3円程度のレジ袋は断るプロレタリアぶりでもある。

 新幹線に乗りこむ。……。私一人である。緊急事態宣言中、新神戸駅から小倉へ向かう途中、広島から私一人になったことあったが、まさか東京方面で……。(注:終点の東京駅まで独りでした)

 かにめしのフタを外す。たっぷりのほぐした蟹の身と、大きな蟹の足身。まずは酢飯と一緒にほぐし蟹。…‥。程よい酸味と蟹の甘さが秀逸。蓮根も見事なアクセント。3本ある蟹足の1本を口へ。……。みずみずしい。ジューシー。旨味と甘みが口の中で猿蟹合戦状態。

 私は普段かにめし系駅弁はあまり口にしない。そもそも蟹が本場のエリアへの訪問頻度が少ないことが要因といえ、値段は高額だが中味は貧相な場合も多々ある。

 香住ガニの実力は兵庫県民なら納得。香住は城崎ほどの地名度はないけど、お得にカニや温泉が楽しめる。蟹の紅白も松の内は開けたとはいえ新年っぽくて良い。

 2度目の緊急事態宣言は一部の県に発令されたが、されていない県や市も何故か必要以上にピリピリモード。移動中も頻繁に入るミッションの相次ぐキャンセルとその調整にため息をつきながらふと車窓を観たら、富士山がクッキリ。

 普段PC猿打かミステリ小説没頭か寝てるかなので車窓など1gも関心ないため目も向けないのだが、何か励まのフォルムは日本人のDNAを揺さぶる。コロナ終息の気配は見えぬが、ステキな1年になりそうである。

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我が家の本棚の駅弁コミックゾーン。

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東京駅まで貸切状態。

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ゴージャス。

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良い1年になりそうである。
posted by machi at 08:47| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月31日

第2653夜:オールスター出場を目指して【駅弁】

 シウマイの街。その称号、平成までは横浜だったが、令和からはその座を奪い取らんとする輩が出現した。栃木県鹿沼市。厳密にいえば市役所ではなく商工会議所である。このあたりの微妙な匙加減はオトナの事情というヤツである。

 ある晩秋の朝。鹿沼の駅前旅館を出て日光線、新幹線や在来線を乗り継いで神田駅へ。

 神田はランチ天国である。街の規模といい、魅力的すぎる昼飯の味の多さといい、東京から一駅と思えぬ落ち着きぶりが私の心と胃袋を捉えて離さない。

 タフな日々が続いていた。この日は帰神するだけである。ご褒美に贅沢して鰻を喰いたかったが、日和って<神山>というラーメン屋さんに初ダイブ。

 特盛(3倍)召還。濃厚ではなくノーマルを選んだが、ちょうど良い浸透圧。分厚いチャーシューも旨し。気づけば1本残らず滅失。〆に割りスープまで堪能。最近、つけ麺にも恋している。

 大満腹のまま神田駅に向かうと、駅構内に<崎陽軒>直営売店が。世界一完成度の高いシウマイ弁当の崎陽軒様は、令和2年から横浜でなく鹿沼のイメージ(の予定)。

 なぜ鹿沼がシウマイなのか。崎陽軒様の創業者様が鹿沼のご出身という。触るだけで切れそうな細い糸だが、現在鹿沼の飲食店はオリジナルシウマイ開発に勤しんでいる。会議所が仕掛けたのかたまたまなのか存じ上げぬが、鹿沼駅前にシウマイ専門店もオープンするという。

 鹿沼と崎陽軒様に愛をこめて自宅晩酌のツマミでシウマイ弁当捕獲しようとしたら「2020オールスターシウマイ御弁当」なる新作を発見。迷わず捕獲した。定番より120円ほど高額だ。

 神戸に帰宅後、荷を解いてシャワーを浴び、晩酌の準備。駅前旅館のフロントでご自由にお取りくださいな雰囲気で積まれていた「木のまち鹿沼」という雑なキャッチコピーがプリントされた木製コースターに栃木県内の蔵元のカップ酒をセットする。

 オールスターなシウマイ弁当が120円高い理由。通常はノーマル5ヶだが、オールスターは「昔ながらの」「黒豚」「えび」「かに」「きのこ」の5種。今まで意識しなかったが、「昔ながらの」が定番なのか。他のおかず構成は定番と同一。

 いつ対峙してもスキのない惚れ惚れする布陣である。どのおかずも酒のサカナに無敵。行木の香りの好もしく爽やかなもち米が凄まじく旨い。これだけで酒のサカナになる。

 2020年下半期になって鹿沼シウマイPJが表面化し、シウマイを意識して口にするようになった。餃子と比べたら地味かもしれぬが、非常に奥深い。

 私は小ぶりサイズよりも551蓬莱や<串カツJu−so>で開発中の大きなタイプが好み。<中華料理嘉蒂>でも<ラーメン山いち>でもオリジナル焼売を開発中。

 令和3年、JR鹿沼駅前にシウマイ像が設置される。それに先駆け、鹿沼産のニラを使ったオリジナルシウマイが発売され、オールスターに加わる日も間もなくである(ような気がする)。

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つけ麺。

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オールスター版。

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通常版。
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