私は解除後の6月から2か月間、久々に突っ走った。その反動か、8月から盆明けまで2週間以上、外泊が入らなかった。例年は盆前後びっしりなのだが、今年は無茶苦茶。しかし、体内の毒素と他者が私に感じる不安を完全に滅失する良い機会でもあった。
北Q州からの来訪者と新長田で懇親した以外は、ほぼ自宅に引き篭もった。自主的な第2次ステイホームである。第1次(4〜5月)は3週間自宅マンションのエレベーターすら乗らない徹底ぶりを決めたが、今回は近所のスーパーへまとめ買いに出かけた。そこで新たな出会いがあった。
マルちゃん正麺シリーズはすべて喰いつくしたと思っていたが、「中華そば」は初めてだった。煮干しの風味が濃厚で、下手な煮干し系ラーメン店より数倍旨し。5ヶ298円(税抜)だった。
「水のいらない横浜家系ラーメン」は冷凍食品。ホント、そのまんま鍋に入れて温めるだけ。ほうれん草と焼豚も再現ぶり半端なし。焼き海苔3枚が別添なのも分っていらっしゃる。神戸でも横浜家系を味わえるようになってきたとはいえ、まさか自宅でこれほど再現緑の高い逸品を味わえるとは。値段は忘れたが、確か200円強。
「ポテトフライ」は駄菓子コーナーで。私は居酒屋で一番好きなメニューがポテトフライ。この駄菓子は丸い煎餅上で4枚入りだが、酒のツマミに無敵。刮目瞠目。確か30円程度。
「白くまアイス マンゴー味」も最高。白くまシリーズはさっぱりと旨いが、マンゴー味が私の浸透圧にどんぴしゃり。
ひたすらミステリと漫画を読みふけり、呑み喰いしながら録画のドラマや映画を楽しむステイホームな日々。第1次(4〜5月)は不安だったが、今やすっかり楽しみ方を取得した。
盆が開け、どうしても買物の必要あり、三宮へ。2週間以上ぶりの外ラーはセンタープラザ地下で見つけた神戸牛の二郎系。センタープラザ地下は飲食店がいつのまにか大充実である。
地下鉄乗車すると、割合として1車両に1人ほどマスク不着用の香ばしいオヤジ出現。オヤジ、キョロキョロと挙動不審。特に空いているわけでもないがそのオヤジの周りだけ結界のごとく充分なスペース。
私も顔を少し顰めながら文庫読んでたら、オヤジが私の近くに急に寄ってきた。
恐怖におののいていると、オヤジはいきなり私の足元にしゃがんだ。
気づかなかったが、私の足元に誰かが落としたマスクが落ちていた。オヤジはそのマスクをワシっと掴み、裏表を確かめて、そのまま耳に引っ掛けて……。
真夏のホラーでありんした。





