2026年01月02日

第3821夜:ドランカー東のプラプラ勃ち喰い麺・東北編【Aho-Boiled】(その4)

🍜宮城・仙台駅構内<社>の「えごまたまごセット(ミニかけそば)」

 えごまたまご。宮城県色麻町の大自然に包まれながら、無農薬栽培の「えごま」を飼料に加え、丹精込めて育てられた親鳥から産み落とされた極上のこだわり卵という。普通の生卵よりカロリーが低めにも関わらず、α―リノレン酸という何やら強そうな成分が豊富らしい。

 十数年前、仙台駅構内の立喰いそば屋<杜>にてかき揚げそばを注文。余談だが、そばトッピングの揚げもの系において、東日本は野菜たっぷりかき揚げが、関西はほんのわずかの干しエビが埋め込まれた衣だけを固めた天ぷらが主流。私は関西風のモロモロする安っぽい天ぷらの方が圧倒的に好みだった。それから十数年、どちらも大好きに

 小銭を券売機に入れ、ボタンを押そうとした瞬間、券売機周辺に張り巡らされた色艶やかなPOP類に何気なく目を移した。数あるおススメメニューの中で、圧倒的な存在感を放っていたのが「えごまたまごセット」だった。

 えごまたまごなる極上の生卵が2つ、丼に入った熱々の白飯が1杯、そして味噌汁がわりなのかミニかけそば(ネギ・ワカメ入り)も添えられている。わずか420(当時)。アツアツごはん最強の友として、生卵はかなり上位にランクインしている。

 かき揚げそばボタンを押そうとした指を決死の思いで急降下させ、生卵白飯ボタンに指を衝突させた。わずか2秒ほどの間に脳内で葛藤の一大ドラマが繰り広げられたため、ぼんやりしてしまいお釣りを取り忘れるところだった。

 厨房で戦場の炊き出しのごとくそばを茹で、天ぷら系を揚げまくっている店員熟女に県を渡し、番号札を代わりにいただく。水道水を呑みながら、しばし待った。

 「31番札をお持ちの方〜、お待たせいたしました〜」の声に我に帰り、31番のメタボ男()はセットを受け取った。もちろん立喰いである。

 2ヶの生卵を二つとも湯気をたてる白飯の上に落とした。黄身の色と形がたまらなくセクシーだ。心の震えが止まらない。

 箸で黄身を少し崩し、カウンターに備え付けられている「エゴマ醤油」を垂らした。卵かけご飯専用のダシ醤油である。完全に混ぜ合わせるのではなく、8回ぐらいかき混ぜ、白身と黄身がそれぞれ主張を残しておく程度の混ぜ具合がポイント。私は生卵ご飯自称3段の腕前だ。

 まずはかけそばの出汁を啜る。かつおだしが良く効いており、二日酔い気味の体に優しい。ワカメとたっぷりのネギが入っているので、すでにかけそばの領域を超えている。

 白飯を手に取り、箸でえごまたまごが絡んでトロトロになった飯つぶを啜りこんだ。……。濃い、甘い、旨い。新鮮極まりないマイルドで官能的なノドごし。あまりの旨さに勢いが付き過ぎ、鼻からも吸い込んでむせてしまった。〔終〕

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15年以上前の死蔵ネタ。1oも覚えておらず。

(付記)

 福島県の郡山駅構内は改札内と改札外に立ち蕎麦屋が私の知る限り2軒ある。私は改札内を主に利用。郡山は乗換ばかりで用事もなく途中下車することが基本的にないため、改札から出るのが面倒だからだ。

 店名も分らぬが「自慢の三品」が大きくフューチャーされている。海老天が3本入った「海老天そば」「唐揚げそば」「月見とろろそば」である。喜多方ラーメンも絶品だが、郡山駅改札内立ち蕎麦三部作もスルー出来な逸品トリオである。

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2026年01月01日

第3820夜:ドランカー東のプラプラ勃ち喰い麺・東北編【Aho-Boiled】(その3)

🍜宮城・仙台駅ホームの「黒石つゆやきそば+黒石やきそば」

 黒石つゆやきそば。青森県黒石市のB級グルメとして確固たる地位を築き上げている東北の雄である。東日本大震災の前年、仙台駅在来線ホームで昼食を兼ねた遅めの朝食を腹に入れようとホーム中ほどに見える立ちそば屋を目指した。空腹のため急ぎ足だ。

 券売機の前で、我が目を疑った。定番中の定番・天ぷらそばを注文しようとしたが、メニューにない。あるのは3種類。「ラーメン」「黒石やきそば」「黒石つゆやきそば」のみ。呼吸と指が止まってしまった。これは面白い。

 1000円札を投入。黒石系のどちらのボタンを押すか迷った。13秒ほど悩みに悩み、決断した。両方のボタンを押した。程なく130円のお釣りが吐き出された。

 調理熟女に2枚手渡した。「2種類両方ですね」と何度も念を押された。大きな誇らしさと、小さなし恥ずかしさを感じた。

 焼きそばは作り置きと思っていたら、何と鉄板で一から調理し始めた。駅のホームの立ち麺屋にて、鉄板がある店など他に知らない。私は度肝を抜かれた。ジャージャー、ジュッジュという音色とともに、スープの香ばしい香りがホームに立ち始めた。

 まずは「黒石やきそば」(380円)。ソースの暴力的なまでに魅惑的な香りが鼻に飛び込んでくる。少し酸味の効いたソースが平打ち麺に見事に馴染んでいる。出来たての旨さに痺れる。

 続いて真打ち「黒石つゆやきそば」(390円:当時)。調理過程をつぶさに観察していたのだが、先程のソース焼きそばを皿ではなく丼に入れ、ツユを注いて刻みネギと天かすをトッピング。ダシは真っ黒。黒石の名に恥じない力強いビジュアルである。

 まずはダシ。……。うどんダシに焼きそばからにじみ出たソースが溶けだしている。ソース味の和風だしというのか、とにかく怪しげな旨さだ。ソースの味が少しする細うどん、といった風情。うどんと焼きそばの固定観念を覆す全く新しい味といえる。

 ソースと和風だしをうまく取り持っているのが天かす。天かすからにじみ出るコクが両者を絶妙に融合させている。国際結婚を取り仕切る神父のような存在と言えばよいのだろうか。

 とにかく怪しげな旨さだ。完全にハマってしまうと抜け出せそうにない。結局ダシも麺も一滴一本残らず食べつくした。もちろんダシに浸かっていない黒石やきそばも完食。当たり前だが満腹だ。つゆ入りの方が10円高いだけ(当時)という芸の細かさにも感心する。

 おそらく家庭でも似たような味は再現できるのかもしれない。うどんダシにソース焼きそばをぶち込めばよいのだから。私は試そうとも思わないが、決して上手くいかない気がする。やはり免許皆伝を得た本場の秘伝が隠されているはずである。〔次夜最終〕

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(付記)

上ネタも年明けうどん代わりに15年以上前の死蔵ストックより。このバカブログをご笑覧のセニョール&セニョリータ、新年あけましておめでとうございます。旧年中もご愛顧賜り誠にありがとうございました。本年も半年〜1年の遅れの時空歪み投稿になりますが、何卒御贔屓に。

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2025年12月31日

第3819夜:ドランカー東のプラプラ勃ち喰い麺・東北編【Aho-Boiled】(その2)

🍜岩手・盛岡駅構内<はやて>の「磯のりそば」

 <はやて>。盛岡駅構内にある立ち蕎麦屋である。コロナ以降、岩手と御縁が無くなったので本日時点でその存在は定かでない。乗換時間が余りない空腹時はよく利用した。

 十年ほど前の冬の冷え込んだ盛岡駅の朝。<はやて>へ向かう。天ぷら、月見、めかぶなど様々な種類あれど、私はこの店では「磯のりそば」を偏愛。黒い磯の香りがスープと湯気に溶け抜群。天かすとの相性も見事。思わずうっとり笑みを浮かべてしまう。

 見慣れぬPOPがドアに貼られていた。「三陸岩手わかめフェア」。何と「わかめ盛り放題」イベントが開催されていた。時間は10時からとある。時計を見る。957分だった。

 心が騒いだ。しかし、冷静になった。今飛び込むと、わかめ取り放題祭をフライングしてしまう。店の前でアザラシのようにウロウロしながら3分間待つ。カップ麺の出来上がり時間より長く感じられる。

 10時ちょうど。店に飛び込んだ。厨房のオネエサンが丼鉢にたっぷり盛られたわかめをカウンターに置いている姿が横目で確認できた。券売機に小銭を投下し、「磯のりそば」(370)のボタンを押す。鼻息を荒げつつ、オネエサンにチケットを手渡す。

 1分ほどで「磯のりそばのお客さま〜」とお声が掛かる。私はブツを受取り、わかめに目を移した。トングに手を伸ばし、たっぷりと乗せる。あまり乗せすぎると冷めそうだし、何より視線が気になる。「あんまり取るなよ、このデブ!」と心の声が聞こえてきそうだ。

 恥ずかしいほどこんもりと乗せて我が領地に戻る。店のオネエサン以上にすでに啜っていた客たちが唖然としていた。わかめを今から乗せてもいいものか迷っている様子が伝わる。

 一味唐辛子をパラパラかけ、啜る。わかめと磯のりの海草ダブルパンチ。これを葱と天かすが仲人を決める。わかめのシャキシャキ感が凄まじい。ポン酢で喰ってもウマいだろう。

 三陸岩手わかめは歯ごたえ良く、冷たく栄養に富んだ親潮が寄せる岩手の冬の荒波にもまれ、切れ込みが深く肉厚になるそうだ。岩手県内だけでも洋野町(最北)から陸前高田(再南)まで産地(漁協)が24もある。我が宮古市内だけでも3か所(田老・宮古・重茂)だ。

 わかめは葉体とくき、めかぶに分かれる。捨てるところなく2mに成長するらしい。三陸わかめフェアは約2か月間開催されており、盛岡駅構内の飲食店がほとんど参戦。

 パンフレットを読む。よく通った<小吃店>の三陸岩手わかめスープじゃじゃ、立呑<えびすけ>の三陸岩手わかめのおつまみかきあげにも惹かれるが、すでにそばで満腹。

 何か持ち帰ろうと、よく利用した<iwate tetoteto>で海の幸とアボカドのバジルソースサンド(三陸岩手わかめ入り)を捕獲。帰神後にかぶりつく。……。ヘルシーである。酸味のバランスがスバらしく、わかめもアクセントとしてシブい仕事をこなしていた。〔次夜その3〕

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(付記)

十数年前の死蔵ネタをピックアアップ。大晦日は、やっぱり蕎麦ネタで。古すぎてガラケー撮影ゆえ、データが小さくてが画像もミニサイズに。

このバカブログをご笑覧の全宇宙ウン十人の皆々様、本年もご愛顧有難うございました。皆々様にとって新年もステキな1年でありますように。大晦日の夜も、ご安全に。新年も、御贔屓に!

posted by machi at 09:27| Comment(0) | あ〜ほボイルド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする