最強寒波。朝7時、一面雪景色とまでいかぬが北九州小倉馬借の定宿窓から道路凍結が視界に入る。私は朝10時の新幹線を予約していた。この日の夜は栃木県佐野市へ。19時からアヅマプレゼンツ「さの創業塾」の1回目。絶対に遅れるわけにはいかない。
新幹線の運行状況を確認。10〜15分遅れとある。経験上、米原あたりが相当に危険。予定の時刻に乗り、到着が遅れて結果辿り着けなかったら目も当てられぬ。最善を尽くすしかない。
一念発起し、予定より90分早くチェックアウト。アーケードのある魚町銀天街までは滑らぬようにペンギン歩き。途中、市役所の若手職員(♀)とばったり。政令市だが実に狭い。
小倉駅新幹線改札口着。6分後に出発する東京行きがあった。放送によると、5分弱の遅れで小倉到着らしい。スマホで座席検索。普通車指定席を抑えていたが、変更せねばならない。
東京までの長丁場かつさらに遅れた際はそれだけ長時間乗ることに。グリーン車ランクアップポイントも13回分溜まっていたのでグリーン座席確保。改札内のコンビニでホットコーヒーを買い、ホームに上がったら1分後に入線した。
結果的に予定より90分も早い新幹線に乗れた。小倉発時点で5分遅れ。新幹線は関門海峡を抜けた。トンネルというか、海峡を抜けると雪国だった。徳山駅など吹雪いている。
小倉では5分遅れだったが、広島では20分遅れ、岡山では21分遅れに。私がいつも降りる新神戸駅では30分ほどの遅れになった。新大阪。京都あたりまではこの遅れをキープしていた。
京都を超え、牛走になった。案の定、鬼門の京都〜名古屋間、特に伊吹山の裾野である米原付近が豪雪。思いっきり徐行モードに。まだ滋賀あたりを牛歩しているが、いつの間にか東京到着予定時刻を過ぎていた。まだ名古屋にもたどり着けない。腹も減ってきた。
名古屋に約2時間遅れで到着。いったい東京に着くのは何時になるか…。ところが名古屋から東京はほぼ定刻スピード。しかし、結果的に東京駅へは2時間5分ほどの遅れで到着。
下車直前、あるアナウンスが聴こえてきた。到着予定から2時間遅れると、特急料金が払い戻しされるという。これまで何百回(1000回以上かも)も新幹線に乗っているが、知らなかった。2時間以上も遅れたことがなかったからかもしれない。
払い戻し窓口、長蛇の列かと思いきや数人しかいない。あっという間に順番が回り、あっという間に返金手続き完了。1時間59分遅れも2時間遅れも感覚的には変わらないが、わずか1分の差が、天国と地獄の境目に。ただただ辛い1時間59分と、精神的にかなりリカバーできる2時間ちょうど。しかも私は小倉から東京。恐らく返金最高金額である。
ミッション先に連絡し、設営準備に間に合わないことを詫びる。しかし、本番には間に合いそうだ。安堵感からか、空腹が激しくなった。
とりあえず改札内のコンビニへ。レンジで温める「天ぷら二八蕎麦」があった。セルフレジで購入し、ホームへ。特急料金が浮いた分、グリーン車という贅沢。
ゆったり座り。温めた蕎麦のフタを外す。まだ温かい。車内に私のズルルルルが響き渡る。安堵、空腹、江戸、二八、蕎麦…。
コンビニのレンジ麺だけど、これまで啜ってきた駅そばの中でもベスト3以内に入る旨さに感じた。翌日、同じシチュエーションならベスト100位以下かもしれないけれど。
寒波のホームの熱い珈琲。
たまったポイントでグリーン車に。
瀬戸内と思えぬ風景。
2時間の壁を突破。
しみじみ旨し。