2021年12月15日

第2827夜:ヒラクビルのセレクトブックショップ【Book】(後編)

📚『駅弁大百科』(山と渓谷社)

 2010年から駅弁道に目覚め、最初の数年は順調に年間100箱(種類)ペースを刻んできたが、500箱を超えたあたりからペースダウン。私にとって駅弁は酒のサカナ。酒が飲めないシチュエーションでは縁遠く。また、気に入った駅弁をリピートするように。

 本の冒頭に駅弁の猛者5名が印象に残った駅弁を紹介。猛者は平均して5000箱以上実食。私のペースではとても追いつけない(2020年8月時点で約800箱強)。

 日本津々浦々1000駅弁が紹介。この中で記憶怪しいが我が実食済はちょうど100箱。たかだか800箱程度の私のぶっちぎり1位は当たり前すぎて恐縮だが「崎陽軒シウマイ弁当」。次は…。

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📚『古代史マップ』(ナショナルジオグラフィック別冊)

 様々な地図、写真満載のパラパラするだけで興奮するムック本。文章も分かりやすく簡潔。

 私は‘ムー系’だが、この本はソチラと一線を引いている。史実に基づいた考証と、そこに潜むロマン。

 コロナが終われば、海外の世界遺産クラスの古代史跡を見物したい。これまでギリシャやエジプトの古代遺跡を満喫。いつになれば遺跡訪問できるかさっぱり分からないけれど。

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📚『伝説の謎』(ナショナルジオグラフィック別冊)

 本屋に隣接する<喫茶わに>、よく流行っている。若い女性、それも上品で落ち着いた方ばかり。会話の声も抑え気味で雰囲気が良い。オッサンの私は独り。かなり浮いている。

 その日の夜中、多治見駅前のホテル定宿でウィスキーのポケット瓶を呷りながら、伝説の扉を開ける。メジャーからマニアックまで古今東西の伝説一発目が「アトランティス」。分かっていらっしゃる。古今東西のロマンあふれる伝説に我がムー系の血が騒ぐ。

 本書の基本スタンスは片っ端から伝説の否定。しかし文章が何故か破綻気味で面白い。世界史上「人物」として最も伝説が多いのはアーサー王かもしれぬ。

 世界には、私の知らぬ不思議が満載。謎は謎のままで解明されぬ方が良い。無理な解明は無粋というものである。

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📚『文字渦』(円城塔 新潮文庫)

 帯の甚句が強烈。「翻訳不可能!」。川端康成文学賞と日本SF大賞をダブル受賞した現代最高の奇書という。「文字」が主役の12作品収録の連作集。……。これだけでは、意味不明。

 あまりにも壮大かつユーモアに富む。古今東西の博識が縦横無尽。これまでにない読書体験な短編も。私のボンクラ頭では半分以上が意味不明作品。読書慣れしていない方には手ごわいかも。

 天才しか書けないこの作品、最終回(6回目)に購入。確かに私の新たな読書の地平を「ヒラク」キッカケになったかもしれない。セレクトブックショップは、広大で深遠な知識の海である。

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2021年12月14日

第2826夜:ヒラクビルのセレクトブックショップ【Book】(前編)

 <ひらく本屋>。多治見活性化の司令塔かつ総本山かつ実働部隊である多治見まちづくり梶uヒラクビル」1・2階に屹立するセレクトブックショップである。

 1階はテーマごとに、2階は作家ごとに色分けされている。特に1階のテーマ別本棚に経営者の抜群のセンスが感じられる。

 2021年7月から9月にかけて計6回多治見入りした。初回は右も左も分からずこの本屋を掘り下げる時間がなかった。

 2回目以降は13時に多治見入りし、まちづくり会社O口社長の鰻を喰い、ホテルチェックインの時間までヒラクビルのcafé珈琲を飲みながらこの本屋で買った本をパラパラめくるのが極上の楽しみに。動かせない不動のルーティンとなった。

 どうせならここでしか買えない本を、普段手に取らないテーマの本をと意気込むが、保守的な私は自分の嗜好外の本になかなか手が伸びない。その中でも一般の新刊書店ではフラリ入って手に入りにくそうな本を2回目以降選択するように心がけた。

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喫茶と併設。

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1階はテーマ別(たぶん)。


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階段を上ると…。

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2回は作家別(たぶん)。

 以下<ひらく本屋>で捕獲した書籍群である。

📚『瓶のなかの旅』(開高健 河出文庫)

 酒と煙草をテーマにした文豪のエッセイ集。私も酒と煙草は外せない人生の伴侶。大学生の頃に開高先生の様々なエッセイや冒険記(オーパ!、もっと広く!など)を読んだ。

 先生がラッキーストライクを愛吸されていたので、私もラッキーを20年以上吸い続けいるのかもしれない。パイプが試したことないが、若い頃はジッポー収集に励んだことも。

 「バターを肴に焼酎を飲む」という一文に魂のレベルで打ち震え、実際に日光市内のホテルで試す。まさに魂を賭ける飲み方だった。

 開高先生のエッセイは一気読みではなく、極上のスコッチのごとくちびちびゆっくり味わいながら読み進めるのがよろしい。

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📚『おなかがすいたハラペコだ。A おかわりもういっぱい』(椎名誠 集英社文庫)

 普段の文体よりポップな仕上がり。ただ、椎名先生も後期高齢者。文章の至る所に老いを感じるのが四半世紀以上の一読者としては幾分寂しい。一方で、味わい深さも深まっている。

 先生が箱買いされている「半田めん」。徳島の冷麦である。私は真夏でもホット(珈琲・ラーメン・そば)ゆえ冷や麦など1oも関心ないが、先生絶賛ゆえいつか機会があれば啜りたかった。

 その話を埼玉からの帰路で読み、自宅近所のスーパーに何気なく立ち寄ったら「半田めん」が普通に売っていた。どこでも売っているのか。購入し、翌昼に湯がく。美味しかったです。〔次夜後編〕

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2020年09月22日

第2526夜:よげんの書【stay-home】

 ウィルスパニック系SF。小説、映画等様々なメディアで取り扱われている分野である。謎のウィルスが人類を未曽有の危機に陥れる点はほぼ共通。カミュ『ペスト』がベストセラーにも。

 引き籠り中の2か月、ミステリ、コミックをとにかく読みまくった。1日1冊ペース以上である。しかし本屋に行けないので自宅書庫を見渡し、「今」読むべき作品に改めて驚嘆させられた。

 『20世紀少年(全24巻)』(1999〜2007年)を10年以上ぶりに一気読み。浦沢直樹先生しか描けぬ圧倒的な世界観。私のような40代半ばから60歳ぐらいまでの20世紀少年には最高の物語。

 「よげんのしょ」には細菌がばらまかれて2000年と2015年の2段階で人類滅亡を示唆。争乱、都市封鎖、感染防止対策など、まさに新型コロナが全世界で猛威を振るう今読むべき驚愕のコミック。日本では松本サリン、地下鉄サリン事件が究極。目に見えぬ細菌ほど恐ろしき敵なし。 

 『ザ・スタンドT〜X』(スティーブン・キング 文春文庫)2500ページ10年以上ぶりに再読。まさに今読むべき巨匠畢生の超大作。

 アメリカのどこかの軍事施設から感染率=致死率99.4%のインフルエンザウィルスが漏洩。様々な場面で感染していく経路と様子が不気味。

 初版は1978年で、初読時はインフルエンザウィルスの蔓延など単なるSFでピンとこなかったが、多人数の集会禁止や都市封鎖、旅行の制限など今読むとしみじみ実感させる予言の書。

 U以降は旅の仲間が増減しロールプレイングゲーム状態。免疫を持って生き延びた人々が不慮の事故や自殺、殺戮、別の病気等で「第2波」として死んでいく淡々とした筆致が不気味。

 V以降は108歳の老女の元に集いし生き残りたちが、選挙や法を作って新たな街、というより国づくりを始める。法律が崩壊し無法地帯になった世界で秩序を民主主義によって取り戻そうとする善のグループと、ラスベガスを本拠地に荒くれどもをはじめとした恐怖政治で秩序を保とうとする悪のグループ。人間は悪になびいていくのか。

 最も首肯したのは電力復旧シーン。いきなり通電したから火事やスィッチが入れっぱなしの電気製品が一度に稼働して負荷に耐えられずショート。再稼働させるためにグループを組織してスィッチを切って廻ったりブレーカーを落としていくシーンの妙な細かさに感心。

 そして、壮大なカタルシス。伏線の回収も見事。舞台はアメリカのみにで全世界がどうなったのかは不明。キング作品は長大な上に正直申し上げて我がボンクラ頭では世界に入り込めず、様々な作品にトライしたが完読したのはこの作品と『グリーンマイル』『シャイニング』のみ。

 『JIN-仁-レジェンド』ドラマ総集編。これほど感動して泣いたドラマは初めてかも。普段はSF医療時代劇などのキワモノに1gも関心ないが、これは別格。勢いで文庫コミックス全13冊を捕獲。ドラマと異なるが感動したでありんす。特にコロリ(コレラ)シーンは手に汗握る。

 コロナ無ければ永遠に読む、観る機会なかった作品。自宅を事務所にしているためひたすら引き籠りっぱなしだが、土日昼夜関係なく電話やメールで相談を頂くことも。

 南方仁先生のような名医にはなれぬが、せめて商店街や中心市街地、創業希望者および創業間もない方々にとっての「ヤブ医者」ぐらいになることができれば。

(おまけ)緊急事態宣言期間(4月上旬〜5月下旬)の乱読本。
 以下、読了順。大量のコミック除く。

・蝦夷地別件(上・中・下)@船戸与一/新潮文庫
・煽動者(上・下)@ジェフリー・ディーヴァー/文春文庫
・神の時空 五色不動の猛火@高田崇史/講談社文庫
・今昔百鬼拾遺 河童@京極夏彦/角川文庫
・今昔百鬼拾遺 天狗@京極夏彦/新潮文庫
・新しい十五匹のネズミのフライ@島田荘司/新潮文庫
・陀吉尼の紡ぐ糸@藤木稟/角川ホラー文庫
・ハーメルンの哭く笛@藤木稟/角川ホラー文庫
・黄泉津比良坂、血祭りの館@藤木稟/角川ホラー文庫
・黄泉津比良坂、暗夜行路@藤木稟/角川ホラー文庫
・大年神が彷徨う島@藤木稟/角川ホラー文庫
・濱地健三郎の霊なる事件簿@有栖川有栖/角川文庫
・浮雲心霊奇譚 白蛇の理@神永学/集英社文庫
・心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 沈黙の予言@神永学/角川文庫
・大塩平八郎の逆襲 浮世奉行と三悪人@田中啓文/集英社文庫
・マーベル空想科学読本@柳田理科雄/講談社文庫
・旅の窓@沢木耕太郎/幻冬舎文庫
・ザ・スタンド(全5巻)@スティーヴン・キング/文春文庫
・ヤマンタカ 大菩薩峠血風録(上・下)@夢枕獏/角川文庫
・大相撲殺人事件@小森健太朗/文春文庫
・ミレニアム5(上・下)@ダヴィド・ラーケルクランツ/ハヤカワ文庫
・三国志(全13巻)@北方謙三/ハルキ文庫

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20世紀&21世紀少年。

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ザ・スタンド。

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仁ーJINー。
posted by machi at 08:19| Comment(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする