主人公は、非社交的で出世も野心もなく呑みにもいかず友達もおらず、昼飯は自宅にいったん食べに戻る役所勤めの30代半ばの男。趣味は格闘ゲームと蛙の飼育だが、ひょんなことがキッカケになり、10歳近く若い社長令嬢とお見合い。二人ともすぐに相思相愛に。透明、華麗、上品……。35歳の童貞オトコには不釣り合いな美女だが、ある身体的障害を抱えている。
交際への反対や心配、様々な障害を乗り越えながら愛をはぐくむ二人。類似作品も多いかもしれぬが、決定的に違う点がある。牛丼の<Y野家>が極めて重要な役割を果たしているからだ。ゆえに今回のバカブログは「牛丼戦争」シリーズに位置付けた。
家に昼飯を食べに帰らず、外で喰えと両親に説教された主人公。毎昼<Y野家>で並盛を注文するようになる。主人公、微妙に少しだけ成長した姿を見せる。
お嬢様と付き合い始めた主人公。お嬢様、当然のごとくY野家に行ったこともなく、おそらく牛丼そのものを食べたことがないと推測されるほどの箱入りぶり。タイトルは『箱入り息子の恋』だが、明らかに『箱入り娘の恋』の方が相応しい展開だ。
箱入りお嬢様、主人公にY野家で牛丼を食べてみたいとねだる。主人公、戸惑いながらも自分の世界に引き入れることができ、得意満面。箱入りお嬢様がファストフードや立ち呑み店などに庶民派男に連れて行かれ、いちいち色々なことに感動して好感度を挙げるシーンは、ある意味お約束といえる。Y野家、これで2度目の重要シーンでの登場である。
シアワセ絶頂の2人だが、ある事件をきっかけに離別を強いられる。だが、お互いが忘れられない。そして、3度目の最重要Y野家シーン。……。号泣。Y野家で牛丼を食べるだけのシーンなのだが、涙が止まらぬ。私だけではない。館内が啜り泣きでコダマする。ネタばれになるのでこれ以上書けぬが、これほど泣かせる牛丼映画は古今東西他に存在しないはずだ。
3回目のY野家シーンで、お嬢様が食べ放題の卓上紅生姜のフタを下に落としてしまう。両隣りのサラリーマンの迷惑そうな表情。……。これは基本的にコメディ映画だが、要所で心にぐさりと突き刺さるセリフ、シーンが挟まれる。欠点とは、健常者と障害者の違いとは……。
最初、そして2回目のY野屋シーンが絶妙の伏線であることが3回目のシーンで明らかになる。M屋やSき家では出せないY野家ならでは空気感。観終わった後、映画館を飛び出し、M屋でもSき家でもなくY野家に飛び込んだ。ぜひDVDで買うなり借りるなりご覧あれ。観終わった後、Y野家牛丼をきっと食べたくなるはずだ。そして、優しい気持ちになれるだろう。
映画『箱入り息子の恋』
【ONLY POWER,NO BRAIN!】
一昨日(131204)はまちゼミ界の暴れん坊将軍・愛知岡崎M井氏が三陸宮古でまちゼミ指南。心震えるご指導に宮古商人も私も深く感動。懇親会で堪能した鮑の肝刺山盛りにも深く感動。そのまま上様らと鯨飲モードに。
昨夜(131205)は宮古市末広町商店街夜会議終了後、旦那衆と私が愛する東北限定「キ●ン遠野産ホップ‘生’ビール」呑み収め。ジョッキ7杯程度で焼酎湯割に切替。商店街旦那衆やママさんらとTVに映るフィギュアスケートに大興奮。店内が一体に。
今朝(131206)はこれから商店街朝会議。今日の三陸宮古は曇天。気合一発。皆さま、今夜も御安全に。

