2022年12月30日

第3077夜:WKA祭【Cinema】

 WKA。香港の巨匠・ウォン・カーウァイ監督のことらしい。チラシに大きく銘打たれた3文字イニシャル、最初何か分からなかったが、カーウァイ監督が1990年代から2000年代の5作品を4Kにレストア。その特集上映が2022年9月<シネリーブル神戸>で開催されていた。

 私は大学生だった90年代半ば、カーワァイ作品がブームになった。代表作は『恋する惑星』。私は当時、大学内の500人以上が共同生活する寮で暮らしていた。たまに寮のイベントで映画の上映会があった。その時に観たけど、はっきり言って恋する惑星、さっぱり分からなかった。

 それから十数年後、神戸元町の単館系シアターでカーウァイ監督の『ブエノスアイレス』が上映され、時間つぶしか何かで観た。今から十数年前なのであまり覚えていないが、ゲイカップルの映画だった。何故この映画を選んだのか、今でもよく分からない。

 カーウァイ作品は現実感にない浮遊感が特徴か。ストーリーはあってないようなもの。

 カーウァイ作品が好きというと、映画通のように思われる気がする。カーウァイ作品に陶酔するのでなく、それを観ている自分に陶酔するナルシスト映画のような気がしていた。

 マーベル作品やスターウォーズなどのSF、ロード・オブ・ザ・リングのようなファンタジー、またはミステリ系サスペンスしか観ない私にカーウァイ作品は遠いものだった。

 初めてカーウァイ作品を観て四半世紀以上。20年ほど前など、年間100本以上映画館へ。私の映画遍歴もそこそこに仕上がっている。今、カーウァイ作品に触れると新たな印象を抱くかもしれない。

 特集上映期間、三宮のファストチェーンでPC猿打の合間、気分転換に寸暇を惜しんでシネリーブルへ。6本上映の中で4本を観た。以下、実際の公開順でなく私の鑑賞順に。

 1本目は『2046 4K』。1960年代の香港が舞台。トニー・レオン氏とそれを取り巻く美女たちの恋愛映画(?)。途中、未来のSF映像が入り込んだり、アンドロイドが出てきたりと意味不明。

 最もシュールだったのが、キムタク氏。何故か出演しており、しかも氏だけ思いっきり日本語。

 2本目は『天使の涙 4K』。レオン・ライ氏が若い。ミシェル・リー氏は妖艶の極み。圧巻は金城武。浮遊感とポップを兼ね備えた圧巻の演技。よく分からん話だけど。

 3本目は『花様年華 4K』。既視感があったが、『2046』の前日譚。マギー・チャン氏のファッションショーのような作品。トニー・レオン氏とマギー氏の不倫のようで不倫でない恋愛映画。

 最期は『欲望の翼 デジタルリマスター版』。1960年代の香港が舞台。ぶちギレかつ現実感のない演技はレスリー・チャン氏の真骨頂。カリーナ・ラウ氏もビッチを熱演。マギー・チャン氏は儚くて圧巻。最後にトニー・レオン氏が出ていたけど、このシーンの意味は私には全く不明。

 4作品とも30分以上寝てしまった。それでもぼんやりとあってないようなストーリーらしきものは掴めた。しかし、ストーリー以上に「何が面白いのか」あまり分からなかった。映像表現や色彩を楽しむもの、ということで良いのか。

 私の映画鑑賞眼、四半世紀経ても全く成長せず。しかし、WKA新作が封切されるのなら、観に行くかもしれない。なんだかんだと、気になる監督である。

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2022年08月22日

第2999夜:トップガンまでの距離【Cinema】(後編)

 空軍所属の若手パイロットたちのヤンチャな青春が活写されていた。飛行シーンもスリリング。映画館のスクリーンならもっと凄いだろうが、自宅TVでも楽しめた。しかし、若き主人公たちに感情移入できない。

 アラフィフの私は、主人公たち若手ではなく、上官どころか大佐や提督とかに近い年齢。無鉄砲な彼らを注意して説教する役回り。34年の歳月を思う。一方、80年代テイストな音楽が心地よい。主題歌は私でもアガる。

 映画を本格的に見るようになったのは大学生になってから。私にとって、トム氏は空軍パイロットでなく、スパイ。『ミッション:インポシブル』である。確か大学生の頃、寮の同部屋の数人で札幌狸小路の映画館でレイトショーを観た記憶がある。

 携帯かPHSが出回りだした頃。マナーも何もあったものじゃなく、そこらじゅうで上映中に着信音が鳴り、大きな声で通話していた。おおらかな時代だったともいえる。

 我らは酒を呑んだあとのレイトショーゆえ、ほぼ全員寝ていたのではないか。観終わてから誰一人内容を理解していなかったように思える。もちろん、私も。感想も何もなかった。

 トップガンの製作はJェリー・ブラッカイマー氏。アクション大好きな私には、監督や役者を知らなくてもブラッカイマー印で映画を観ることもある。

 1986年トップガン、最後は実戦に。途中で相棒が亡くなるお約束の展開も。全体的にバブルな空気が漂っている。 

 続編大ヒットを受け、ネットニュースに『ベストガイ』という1990年公開の邦画がごく一部で話題になっているらしい。私ももちろん知らない。記事に目を通す。主演はO田裕二氏。

 航空自衛隊全面協力による、トップガンのオマージュ、というかパクリ作品らしい。全くヒットしなかったそうで、織田氏の黒歴史映画であるそうな。逆に見たくなってきた。

 北九州4泊5日の最終日。定宿から徒歩5分のシネコンで続編『マーヴェリック』鑑賞。観客の年齢層の高さに驚く。山田洋次監督作品と間違えたのかと不安になったほどだ。

 オープニング映像でいきなりKO。最高の出だし。年齢的にも私はマーヴェリックにグッと距離が近くなり共感充分。圧倒的迫力のフライト&戦闘シーン。どうやって撮影したのか不思議。結果、私にとっては前作の数億倍面白かった。これぞ、映画。さすがトム様。

 本編上映前の予告でミッション:インポシブル7の予告映像が。強烈に面白そう。トム様、還暦ぐらいと推測されるが超絶無比なスーパースター。地味な映画でなく、度肝抜きまくりの超大作のみに出続けて頂きたいものである。

 トップガン前作をご覧になっていない皆さま、観たけどすっかり内容をお忘れの皆さま、予習してから続編を鑑賞すると、数億倍楽しめますぜ。

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2022年公開版。
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2022年08月21日

第2998夜:トップガンまでの距離【Cinema】(前編)

 『トップガン』。1986年公開の大ヒット作。言わずと知れたトム氏の大出世作である。

 公開時、私は12歳。小学校6年生である。ポスターのイメージは何となくあったが、リアルタイムで見ていない。クラスでの話題にもならなかったはずである。後年、もしかするとどこかの映画館でリバイバル上映を観たかもしれないが1gも覚えていない。

 続編『トップガン マーヴェリック』がメガヒット中という(2022年6月現在)。私のフェイスブック友人たちも感動と熱狂の感想が多数を占めている。

 インスタやツィッターと異なり、フェイスブックは中高年が多用するSNS。要するに、私を含めた中年男女のリア充であり、自慢の投稿である。ゆえに、若い人がフェイスブックなど見向きもしない大きな理由がここにある。

 このバカブログを別にすれば(SNSではないので)、SNSでは何故かフェイスブックしかしていない。ツィッターやインスタはアカウントすらなく、LINEすらやっていない。

 前述したとおり、48歳の私のFB友人は私と同年代かその先輩方ばかり。私より若い人も繋がっていることはいるが、ほぼ投稿を見かけない。私(48歳)のフェイスブック友人たちが『マーヴェリック』で盛り上がっている点がミソである。ここに微妙な差がある。

 40歳以下の男女はリアルタイムで『トップガン』を観ていないだろう。30歳以下となると生まれる前の作品である。彼ら彼女たちにちっては、何故オヤジやお姐さんたちが続編に熱狂しているのか意味不明かもしれない。

 私より2、3歳以上年配の紳士淑女、つまり50歳以上がハマっているようである。リアルタイムの世代、そして青春真っただ中の思春期にリアルで鑑賞されているのだろうから、衝撃はさぞ凄かったのだろう。

 当時小学6年生の私はランドセルを背負い、そのちょっと前はラピュタ、2,3年前までは大長編ドラえもんに没頭していたただのガキ。

 小学校高学年で洋画に触れる機会があった。確か『グーニーズ』だったと記憶する。小学生ぐらいのガキが主人公の冒険譚だから感情移入できたのだろう。そこからトップガンまでの距離は心理的にかなりあった。

 1986年に公開されたレジェンド作品が2022年正月にTVで放映されていた。それを録画し、続編の予習に備えた。自宅で酒を浴びるように呑みながら、再生ボタンを押す。

 最初に驚いたのが、マーヴェリックの意味。主人公(トム氏)の名前(コードネーム?ニックネーム?)だったとは。もし私なら、もっと痩せている時は「ゴルゴ」、今なら「サイゴウ」「ツーフー」などのコードネームを頂けるのか。〔次夜後編〕

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80年代バージョン。
posted by machi at 10:14| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする