2020年09月23日

第2527夜:録画days【stay-home】

 録画したドラマや映画。これらを緊急事態宣言期間の2か月間、一生分楽しんだ気がする。

 『魔女の宅急便』は今更ながら初鑑賞。展開は地味だが超名作。音楽も最高。

 『天空の城ラピュタ』。ラピュタは何度観たか分からぬほどだが毎回新鮮。1986年公開当時より今の方が遥かに評価高く人気があるように感じる。目玉焼トースト(ラピュタトーストというらしい)が旨そうだ。

 アニメの声は俳優よりもプロの声優の方が良い。箒や飛行石で空を飛べるなら、移動中の3密を回避できるのに。魔女ならぬ魔男になりたいものだが、私の場合は間男か。

 大林監督尾道3部作『時をかける少女』を最初から最後までじっくり観たのも初めて。もっと時を駆けているかと思いきや、あんまり駆けていない。VFXかCGか分からぬが特撮ショボすぎ感が1983年作品の味わい。昔と比べて現在の若手俳優は演技が上手と痛感。尾道は未踏だが行ってみたいものである。

 たぶん小学生の頃、この作品を少し目にして以来H田知世様の虜に。それから35年たっても今でも理想の芸能人はと問われたら瞬殺で原D知世様と即答。時を駆けられるなら新型コロナ発生前の某国のある都市に行ってコウモリを食べるな注意したいものである。

 『孤独のグルメSeason8』『深夜食堂』『極道めし』……。最近始まった『ワカコ酒Season5』『面白南極料理人』も。こんなドラマ観てたら外呑みしたくてたまらぬが、耐え忍ぶばかり。

 『下町ロケット』総集編一気鑑賞。もっと小さな町工場の話と思いきや従業員200人規模の思ったより大きな会社の話だったが、感動の極み。勧善懲悪の痛快さ。仕事に対する考え方に共感や反省。目の前の靄が晴れ、やってやるぞと力が湧いてくる大傑作。

 テレ東深夜の飯テロドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』は奇数回が男性、偶数回が女性主人公のソロキャンプ。男性(Ⅿ恵さんの息子さん)は缶詰を喰いまくり、女性(K帆嬢)は釣りや山菜で自給自足。夏H嬢は演技上手でワイルドなのに透明感抜群。ファンになりました。

 学生時代バイク旅行でひとりキャンプの経験あり。その際、居酒屋とかで食べて呑んで旅館に泊まる方が私には向いていることを痛感。ゆえに働き始めてから泊りキャンプ経験ゼロ。

 第5話で男性主人公がテントを買って自室に張り、その中で鯖缶喰って酒を飲むシーンが。危なく私も買いに行って自宅の中にテント張ってさらにその中に引き篭もるところだった。

 余談だが、私は特殊体型ゆえジャストサイズがあまりなく、よってYシャツやチノパン、一部ジャケットなど衣類のほとんどがアウトドアブランドのLLビーン。そのすべてを神戸店で買っていたが、GW中に閉店したそうな。コロナ外出期間中、最も悲しい出来事。涙、流れるままなり。

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私も自宅で作ってみました。ラピュタトースト。
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2019年05月16日

第2193夜:ぶっ翔んで埼玉【Cinema】

 『翔んで埼玉』。パタリロの原作者が三十数年ほど前に出版した埼玉ディスリ漫画である。私は2016年に一度だけ御縁を頂き、2017年から2018年にかけて本格的に御縁が深まった。正確に言えば、深まったというレベルではない。1年のうち最も埼玉県内に滞在している。

 蕨、ふじみ野、越谷、寄居、そして川口。年間3か月ほど埼玉ではないだろうか。自宅のある神戸よりも遥かに埼玉県内で宿泊している。

 この漫画が近年話題になっていた。コンビニでも売られていたので、2018年に読んでみた。確かにディスっているが、世界観が独特過ぎてあまりついていけなかった。

 そんな問題作が実写映画化された。

 2019年2月下旬、何日もひたすら埼玉関連の資料を神戸市内の喫茶店をハシゴしながらPC猿打していた。頭の中は埼玉一色である。

 たまたまその年の正月、TVとDVDデッキが同時にぶっ壊れ、1か月半以上も動画を見る生活から離れたまま。集中して観たのは、埼玉県蕨市内の約3分間の商店街PR動画程度である。

 久々に動画、それも映画観て気分転換したかった。しかし、埼玉ディスり映画を仕事モードと離れて楽しむことができるだろうか。

 この2年間、私はほぼ埼玉県民である。単身赴任の方を除けば、私は150万神戸市民の中で埼玉に足しげく通ったベスト5位には入っている自信がある。気分が悪くならないだろうか。怒りを制御できるだろうか。

 神戸三宮の映画館へ。久々の映画館である。いつぶりかも覚えていない。20代後半から30代前半にかけて私は年間「映画館」で100本以上映画を見てきたが、40代半ばの現在、年に1〜2本程度という体たらくだ。

 映画は始まった。いきなり強烈である。埼玉県民の虐げられぶりが面白おかしくSFチックに繰り広げられる。美術セットや設定に何となく『ブレードランナー』のような世界観がある。

 漁獲高最下位(当たり前だ)、貧乳率1位、男の巨乳憧れ率1位、童貞率1位、夏に行きたくない1位、冬に行きたくない1位……。

 埼玉県民を捕獲するための様々な仕掛けに苦笑。都内に潜入するには通行手形がいるそうだ。

 話が進むにつれ、気づいたことがあった。埼玉は思いっきりディスられているものの、さりげなく都内の八王子や西葛西などもディスられている。群馬なんてある意味埼玉より悲惨な扱いだ。栃木や茨城などはディスりよりひどい「ほぼ無視」である。

 そして、埼玉の最大のライバルである「千葉」と壮絶なバトルが繰り広げられる。戦争勃発の前に、河原を挟んだ千葉と埼玉を代表する有名人紹介合戦に大爆笑。そして、戦争の結果は……。

 私が埼玉に通いまくり、かなり地理間も育まれてるからこそ笑えるネタが随所にちりばめられている。草加せんべいの踏み絵シーンも笑ったが、大宮代表と浦和代表が喧嘩を始め、与野代表が仲裁しようとすると「与野は引っ込んでろ!」。声を出して笑ってしまった。コバトンを模した‘埼玉ポーズ’はクセになりそうである。

 後日埼玉県民にこの映画のツボを聞いたら、私でも全く乗り遅れているポイントが山ほど隠されていたようで少しほろ苦い気分を味わった。

 キャストもセットも妙に豪華。主演のGA●KT氏が大熱演。近年観た日本映画では空前のスケール。Hなわ氏のエンディングテーマも笑わずにいられない。

 観終わって、壮大な埼玉賛歌であることに気づく。これほど凄まじい埼玉愛を感じる映画は私が存命中どこか、25世紀なっても制作されることはないだろう。

 どうせなら、埼玉県内でこの映画を鑑賞したかった。プライドの高さでは京都人に双璧な神戸人ではなく、埼玉県民に囲まれながら。

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2015年09月14日

第1290夜:現地でスルース【Cinema】

 四季の会。日本最強の劇団「劇団四季」のファンクラブで、チケットの優先予約など年会費を払えば様々な特典がある。

 私は、四季の会の会員である。10以上前、京都劇場でミュージカル『美女と野獣』を初めて鑑賞し、従来の演劇のイメージを根底から覆された。

 すっかりファンとなった私は、以降『マンマ・ミーア!』『アイーダ』『李香蘭』『ウエストサイド物語』『クレージー・フォー・ユー』『夢から醒めた夢』『コーラスライン』『オペラ座の怪人』『ウィキッド』などを大阪や京都で鑑賞した。『ライオンキング』に至っては、そのために名古屋まで出かけたほどだ。

 上記はすべてミュージカルだったが、初めてミュージカルではない四季の‘ストレートプレイ’を京都劇場で観劇した。『探偵スルース』である。

 ある人気推理作家の郊外の邸宅に、青年が訪ねてきた。青年は作家の妻と不倫しているが、彼女の浪費癖に手を焼いている。一方、作家も妻と分かれて愛人との再婚願望がある。そこで作家は、青年にある計画を持ちかけるが…。

 緊迫感と独特の甘く危険な香りが横溢する推理劇である。休憩時間を挟んで2時間以上の上演時間を、たった2人の役者が演じている。舞台転換もなく、2人の会話のみで成立する。

 会話のみで2時間飽きさせない演出に唸らされる。主演の2人も、全くセリフを噛むことなく見事に演じきる。

 この舞台は映画化され、70年代作品のリメイク版『スルース』を以前映画館で観た。主演はマイ●ル・ケイン氏&ジ●ード・ロウ氏。監督はイギリスの重鎮ケネス・ブ●ナー氏。

 スタイリッシュな映像、主演2人の見事な演技、先を読ませない知的迷宮。この作品に対する予備知識はあったものの、映画と演劇では全く異なった印象だ。

 まちづくりにおいても、映像や新聞記事で知る情報と、実際に現場に足を運んで体感する心象では大きく異なる。メディア媒体は現場のエッセンスを凝縮し非常に分かりやすいが、「影(負)の部分」を捉えることは、様々な制約からあまりないようだ。

 まちづくり屋は、一方的な情報のみを得るのではなく、現地に足を運んで五感で体得すべきである。影の部分に目を奪われがちな時でも、どんな街にも「陽の部分」はある。それを見つける力を養っていかねばならない。ただし、1時間程度の滞在時間では何も分からない。

 最低1泊し、居酒屋やスナックで店主や常連と「会話」しながら、まちづくり屋は「スルース(探偵)」として街の正確な現況と現状に至る経緯、要因を「推理」するのだ。ただし、人情味あふれる店主からボラれるなど、予測不可能な結末が待っているかもしれないけれど。

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2007年に公開されたリメイク版映画『スルース』。
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