大山どり。中国地方の霊峰・大山あたりで育てられていると思しき地鶏である(たぶん)。
残暑厳しい9月上旬。出雲駅前ミッション終了が21時半過ぎ。ノドの渇き、空腹、疲労のトリプルである。この夜は一緒に付き合って下さる御仁は誰もおらず、ソロ。
22時頃、山陰屈指の歓楽街「代官町」を放浪。22時という時間ゆえ、電気がついて暖簾が出ていてもラストオーダーで撃沈する可能性が高い。店頭に営業時間を書いている店を探す。
代官町、どこも賑わっている。女性の呼び込みや酔客で溢れている。外から店内が見える店はどこも満席ばかり。力強い。
出雲の夜は3回目。いかにも観光客目当ての店より、地元民で溢れる店に行きたい。しかし、山陰ならではの名物も味わいたい。イチゲンの独り客でも入りやすい店が良い。できれば広々としたカウンターで。おまけに新聞などを広げても嫌な顔をされないお店がベスト。
贅沢かつ困難な要望を胸に物色。視界に入ったのが「大山どり焼鳥専門店」というキャッチ。ただの焼鳥ではない。大山どりである。
ガラス張りゆえ外から店内が見える。カウンターが空いている。かなりキレイでおしゃれで焼鳥屋に見えぬ。店員さんも若い。営業時間が24時までと書かれている。
オシャレじゃない方が好みなのだが、それ以外は完璧。私の高すぎるハードルをすべて満たしていた<すみれ>さんへ飛び込んだ。
感じのよい若い女性の接客が心地よい。注文はすべてLINE登録からのQR。昔はしゃらくさかたったが、すっかり慣れた。商品写真もあり、注文履歴や会計金額がリアルタイムなのでむしろ良い。しかも独りだから、じっくり戦略を立てられる。
ホッピーがあったので迷わず「黒」。お通しのキャベツはお代わり無料という。ホッピーをヤリながらメニューを吟味。独りゆえ、頼み過ぎると轟沈する。
豊富なメニュー群から「大山どり」にテーマを絞る。焼鳥は「ねぎまの塩」「王様レバーのタレ」、そして唐揚とトリメンチカツ。大山どり尽くしである。レバー、プリプリ。ねぎまは安定の王道。メンチは肉汁溢れる。唐揚はサクサクジューシー。
その他の逸品メニューで気になったのが「あおさ香る春雨ヘルシーペペロンチーノ」。情報量の多い商品名だが、ヘルシーでさっぱりなのにコクがある。スパゲティはナポリタンが9割、ミートが1割の私にとってぺペロンなど太陽系外だが、春雨には合うのだろう。
ポテトフライを頼みそうになるが、たまには別角度で。「ジュージュー揚げ餅」召還。アヒージョかと思うほどタプタプの油にサイコロカットされた餅がびっしり。熱々でやけどしそうになる。すかさず3杯目のホッピーで追いかける。
かなり腹が膨れてきた。しかし、〆の汁モノを啜りたい。
LINEメニューの「麺」コーナーを確認。濃厚鶏白湯と淡麗鶏だし醤油の2種類のラーメンがあり、それぞれレギュラーとハーフ。50歳のオヤジだが、ハーフなどで日和っていられない。淡麗よりも、濃厚で。「濃厚鶏白湯ラーメンレギュラー」の召還する。
天一系の鶏白湯の店は全国で増えた気がする。この店は大山どりだから、その鶏ガラを使っているかもしれない。
ブツ降臨。鶏チャーシューも分厚く大きいのが2枚。まずはスープ…。目を細める。呑んだ後のこってりがたまらない。麺とスープのカラミも官能的。
啜りつつ会計画面を操作しようとしたら、LINE登録時の初回限定サービス画面が。アンケートに答えると3種類のスィーツから1つプレゼントして頂けるらしい。
若いころは甘いものが全くダメだったが、40を超えたあたりからイケるようになり、50の今、すっかりスィーツオヤジだ。
アンケート、思った以上にタフな内容で時間もかかったが、その分出てきたスィーツが絶品。私が選んだのは「きな粉と黒蜜のアイス」。メニュー写真以上に量が多い。一口サイズ程度と思っていたら、遥かに上回ってきた。
出張先での久々独り晩酌。老眼の進行著しいが、嗅覚の衰えはそれほでもないようである。
代官町の人気店。
ヘルシーな春雨ペペロンチーノ。
ホッピー、唐揚、焼鳥、鶏メンチカツ。
カロリーモンスター。
鶏白湯ラーメン。
かなりタフな設問ぞろい。
紹介画像よりも量多し。

