2025年05月16日

第3674夜:神々の島根和牛【出雲(島根)】(前編)

 島根和牛。2022年に何かの大会か品評会で「肉質日本一」に輝いたというブランド牛である。2023年はどうだったのか気になるところである。

 2024年9月上旬。激揺特急に3時間半揺られて出雲市駅へ。電車は10分遅れ。空腹は10倍増しのまま改札を出て目の前の<麺家>に飛び込む。

 1か月前にこの店で「スサノオラーメン神話セット」を満喫。今回は「島根和牛どんぶりセット」。特急やくも新型車両デビュー記念セットである。

 税込2000円と遅い昼メシにしては怯む金額だが、記念セットではない通常セットなら1,980円。記念セットは20円プラスの代わりに「出雲そば(310円)」が同伴。記念セットは一期一会。来月には無いかもしれぬ。勇気を出して2000円セット召還。

 この店の推しはこのセットとスサノオラーメン。店内に張り巡らされたPOPで分かる。これでこの店の両横綱を撃破。

 POPの中にさりげなく貼られた「甲子園ベスト8 感動をありがとう 島根県立大社高等学校」。2024年の夏は石橋高校(栃木)と大社高校(島根)を応援していた。大社は1回戦で優勝候補だった報徳(兵庫)を撃破。大社を応援している段階で、私はもはや兵庫県民ではない。

 セット降臨。真っ先に私の視線を離さなかったのは「しじみ(味噌)汁」。‘宍道湖産のしじみたっぷり!’とあるが、ネギしか浮かんでいない。メニュー写真とあまりにも違う。

 運んできた女将風店員に念のため、野暮だが本当にしじみ汁か聞いた。女将は困った笑顔で「アハハ、写真と違うわねぇ〜」。私も苦笑し、まずはしじみ汁に口を付けた。

 しっかりとしじみ汁だった。普段酷使している肝臓が喜んでいる。底の方にいくつかしじみが沈んでいた。実を味わうのが困難な極小サイズ。まあ、私はしじみ汁は実を(面倒なので)食べないので、無問題である。

 セットは出雲そば、ミニサラダ、漬物。島根和牛丼、大きな1枚の薄切り肉である。タレが掛かっている。他の具はない。シンプルな勝負が清々しい。

 柔らかく箸で千切れる肉を口に…。甘みが濃い。柔らかいのに歯ごたえもある。噛むほどに旨味が溢れる。すかさずご飯で追いかける。絶品である。

 最初、1枚は少ないなと切なさを感じた。しかし、1枚で充分な満足感。ご飯が思った以上に多い。タレだけでご飯をワシワシ食べ進められる。沢庵もアクセントとして効いている。

 フィニッシュは出雲そば。タレをぶっかける。日本三大そば(後の2つは盛岡わんこそば・信州戸隠そばらしい)を啜る。実を皮ごと挽くため色が黒くて香りが強いのが特徴という。

 出雲そば、2度目である。前回はラーメンとのセットで。今回は和牛丼とのセットで。今は9月。新蕎麦の季節がいつか分からぬが、その際はそばをメインに啜ろうか。〔次夜後編〕

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改札出てすぐのオアシス。

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一期一会。頼まずにいられない。

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旋風を巻き起こした。

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降臨。

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魅力的なメニュー画像。

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どこだ?

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2025年05月07日

第3665夜:神々のスナック【出雲(島根)】

 3度目の正直。使い古された常套句であり、使い古されるほど的を得た心理でもある。

 日中の蒸し暑さが幾分和らいだ神々の聖地・出雲の夜。濃厚なミッションを終え、同世代の同行氏と2人で中町商店街の<ミートショップSイトウ>へ。

 21時半ラストオーダーゆえ、毎回30分勝負を強いられるものの、とんでもない実力のド名店である。大人気も納得。肉屋直営の居酒屋と推測される。何を頼んでも期待を絶対に外さない。むしろ、かなり上回ってくる。

 2カ月前にこの店にハマり再訪。生の後はメガレモンサワーの杯を重ねつつセンマイ刺、ハムカツ、チキン南蛮、ハラミ焼、カルビ焼…。肉の神が乱舞する。

 滞在時間45分ほどで店を出る。お腹は満たされたが、もう少し呑みたい。同行氏に「かる〜く行きませんか?」。氏は「かる〜くなら」と2人で山陰屈指の歓楽街・代官町へ。

 4度目の出雲の夜である。そのうち2回は予備知識なく代官町のスナックにイチゲンで飛び込んでみた。なぜか2回ともママでなくマスター。1回目は若いムキムキの青年、2回目はコワモテのオヤジだった。

 3度目の正直である。今回も予備知識ゼロ。私の衰えた嗅覚に奮起を促す。ただ、あまり店探しに時間を掛けたくない。

 ビルの奥や上層階でなく路面にスナック風の店があった。何となく賑わいオーラがある。天岩戸を開けるがごとくドアを引く。店内はボックスがほぼ埋まり、カウンターが数席あいている。カウンターの女性と目があった。満面の笑みで「どうぞ〜いらっしゃいませ〜」。

 カウンターに陣取る。イチゲンであることを若くて美人で元気満点のママに伝える。ママの横には若い女性バイト。そして、厨房から惚れ惚れするほどムッキムキの毘沙門天が出てきた。ママの旦那さんという。

 とりあえずハイボールを作ってもらい、同行氏と乾杯。店のシステムをお聞きする。耳を疑った。2時間呑み放題で3000円という。充分に良心的だが、特筆すべきでもない。しかし、女性のドリンクも無料に度肝抜かれた。

 通常、女性に飲み物を勧めると平均で1杯(1本)1000円。呑み放題で安くても、入れ替わるレディたちに都度飲み物を勧めると知らぬ間に会計が跳ね上がる。ふと、近江守山の「No!と言える男」のことを思い出した。

 申し訳ない気分になり、角瓶をボトルキープさせて頂く。日本中のスナックでボトルを入れるクセがある私。駄犬のマーキングと変わらぬが、少なくとも年明けまでは月1〜2回ペースで出雲の夜を過ごす。独り無聊な夜に駆け込むこともできる。

 お客がひっきりなしに入ってくる。そして、皆さん若い。この料金とシステムなら安居酒屋より遥かにお得だ。

 明るく気遣いも素晴らしいママや口数は少ないが多芸で笑みが素敵なマスターと談笑していると、2時間を経過した。かる〜く、のはずががっつりと重く。店を出ようとしたらママがゆっくりしてとおっしゃる。2時間は「原則」であり、満席でなければ時間無制限らしい。

 この店で2つ目の度肝を抜かれた後、おでんを勧められた。マスターは料理人でもあるらしい。おでんを見繕って頂く。海老が迫力である。出汁が染みて絶品である。そして、このおでんは無料サービスだった。

 おでんどころか、フードメニューはすべて無料という。釣りもされるマスターの釣りたても味わえる夜もあるそうだ。この夜、3つ目の度肝を抜かれた。楽園の名は<J●●>である。

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大好物のセンマイ刺。
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最も好きな居酒屋料理のポテトフライ。
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分厚いハムカツ。薄い方が好みだが食べ応えあり。
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タルタルたっぷり。
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肉フェス。
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当たりくじを引く。
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これがサービスの慈愛。
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2025年04月10日

第3640夜:神々の薔薇【出雲(島根)】

 バラパン。70年以上出雲市民に愛され続けているソウルフードであるらしい。出雲市駅構内のコンビニで4種類販売されている。POPには、すべて手作りと書かれている。

 20249月上旬時点で、出雲へ3回足を運んだ。合計滞在時間は睡眠時間を除けば24時間も満たない。そんな出雲ほぼ初心者の私でも、出雲からの帰り道にバラパンを買わずにいられない。神戸市民の私にとって、出雲はそばでもぜんざいでものどぐろでもなく、バラパンである。

 食パンらしきものをぐるぐると巻き、その間にクリームを挟んでいる。抹茶クリームとコーヒークリームもある。ノーマルは何ともいえないシャリシャリした甘みでジャンク感たっぷり。

 ノーマルが1160.00(税込)。コーヒーと抹茶が183.60(税込)。小数点以下も表示しているあたりが少々謎めいているが、誠実感が溢れている。

 1ヶのボリュームがすごく、満腹になる。私なら2ヶ。個人的にはコーヒークリームがお気に入り。抹茶とコーヒーはパン生地にも練り込まれている。

 ある残暑厳しい土曜の朝。出雲市駅前の定宿をチェックアウト。特急出発15分前に構内のコンビニへ。迷わず4種のバラパンをレジへ。ノーマルと、もう一つノーマルっぽい商品がある。値段は10円ほど違う。中身は一緒だがパッケージが違うからか。

 出雲から神戸の自宅までたっぷり5時間かけて帰宅。発泡酒2本でノドを開き、出雲の地酒(旭日)と出雲市内の調整元様の駅弁(かに寿し)を満喫した後、バラパンと向かい合う。

 かりに私が空腹時でも、4ヶイッキ喰いは難しい。翌日も2ヶ堪能することに。この夜は2ヶ。

 毎回ノーマルに齧りついているが、ここは我が城。魔改造も可能である。

 バラパンの花弁(というのか)は食パンのような素材。トーストすればどうだろう。

 閃いたら、もう止まらない。焦げないようにほんのり焼き色が付く程度を心掛ける。

 トースターから取り出す。満開である。さらにそこにチューブバターを垂らしてみた。生クリームとの融合。魔改造により、究極のカロリーモンスターが神戸(私の自宅)に爆誕した。

 かじりつく…。パン生地のサクッの後に、シャリシャリした生クリームのジャンクな甘みがヌラリと滑り込む。バターのコクがすべてを抱きしめる。口も手もべとべとに。このモンスターには黒糖焼酎のストレートが相応しい。すっきりと洗い流してくれる。

 コーヒークリームのバラパンもトースターへ。生地も茶色。そして、バラの花弁が焦げて黒味がかかった。「黒薔薇の小太刀」、爆誕である。

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圧倒的な推し。

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全種類ゲット。

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出雲市駅弁と地酒。

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魔改造の夜。

(付記@)

地元のTV局で月から金まで週5日間、朝7時半から『うる星やつら』(20世紀Ver)全話終了後、『らんま12』全話放映。もちろんすべて録画鑑賞。ゆえに『黒薔薇の小太刀』であります。

(付記A)

それから約半年後。出雲市駅構内に売店が新設されていた。そこで「和風バラパン」「夕日バラパン」が販売されていた。迷わず捕獲。和風は美味しいのだがどのあたりが和風が良く分からぬが、夕日は生地も絶妙。満足を極めました。

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posted by machi at 09:48| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする