「いずも」。出雲市のひらがな読みである。これが店名なら、いかにも観光客相手である。そんな「いずも」の3文字を前面に押し出した看板メニューがあったなら。
16時半に「島根和牛鉄鍋ちゃんぽん」を満喫してから5時間後の22時前。この夜は独りである。中町商店会内の飲食店も駅前から伸びるくにびき通り沿いの飲食店もお客で溢れている。山陰屈指の歓楽街・代官町はなおさら混みあっているだろう。
2週間前、代官町のスナックにボトルをキープしたが、いずれにしても腹ごしらえせねば始まらぬ。とりあえず分かりやす過ぎる直球の店舗名<居酒屋いずも>に飛び込んでみた。かなり広い店のようだが、カウンターは空いていた。
タッチパネルで注文。この日のオススメ「鰆のバターソテー」とあった。鰆とは読んで字のごとく、春の風物詩。それも山陰と真逆の瀬戸内である。
タッチパネルをいじる。のどぐろなど高級系は2000円を超えるが、定番のアテは300円代から。高そうな店構えだったが、意外とリーズナブルかもしれぬ。
とりあえず瓶ビールのボタンを押す。そして、とりあえずの一品として‘山陰メニュー’から「生しいたけのバター焼」を召還した。
ビールで喉を開く。3時間休みなしミッションは議題もタフでヘビー。しかし、全力を出しきった。こんな夜、しかも秋の蒸し暑い夜のビールが不味かろうはずがない。
メニューは豊富である。海鮮、野菜、揚物、炒め物…ピザもかなり押している。独りゆえあまり頼めない。ピザなど大きさが分からず、ハーフ&ハーフでもないから飽きそうだ。
「しまね(島根)和牛」という文字がいくつも視界に入ってきた。その和牛を使ったハンバーグは売り切れだった。しかし、コロッケとメンチカツはあった。メンチはオススメとも。
程なくして降臨。コロッケ(360円)は大きい。メンチは小ぶりが2ヶで420円(税込)。安すぎないか。これまで食べた島根和牛メニュー(丼・カレー・ちゃんぽん)はどれも高価だった。ちなみにこの店、椎茸のバター焼の方が島根和牛メンチより60円高い。
食べてみる…。普通に旨い。しかし、和牛入りかと言われても私のバカ舌ではわからない。
ビールが無くなったので地酒2合を熱燗で。タッチパネル気になるメニューがあった。「居酒屋いずも焼(明石焼風)」。店の名前を背負うメニューである。しかし、写真では何かわからない・天ぷらに見える。出汁が添えられているので、これに浸すあたりが明石焼風か。
私は一応、兵庫県民である。明石焼(玉子焼)には幼少から親しんでいる。普段なら出雲まで来て絶対に明石焼など頼まないが、それこそ「看板メニュー」。タッチパネルを押した。
熱燗をチビチビやっていると、店員さんが近づいてきて酒も料理もラストと告げて、私の目の前からタッチパネルを片付けていった。島根和牛サイコロステーキを頼めなかった。
閉店時間が分からぬまま、看板メニュー降臨…。正体は「揚げたこ焼」だった。天ぷらに見えたのは、サキイカの天ぷらがたこ焼きにトッピング。
慌てて食べて、熱燗で流し込んだ。ゆっくり味わえず、味も覚えていないが熱かった記憶は残っている。
滞在時間は25分ほど。昼メシ時より慌ただしい。食べたりないし、呑み足りない。このままなら代官町のスナック前にもう一軒挟まねばならぬ。店を出た私の視界に「ラーメン」の文字が飛び込んできた。
いかにもヨソモノ相手な店構え。
椎茸ソテー、絶品でした。
島根和牛風コロッケ。
島根和牛風ミンチカツ。
出汁に浸す揚げタコ焼き。たしかに明石焼き風。

