2025年05月18日

第3676夜:神々の明石焼風【出雲(島根)】

 「いずも」。出雲市のひらがな読みである。これが店名なら、いかにも観光客相手である。そんな「いずも」の3文字を前面に押し出した看板メニューがあったなら。

 16時半に「島根和牛鉄鍋ちゃんぽん」を満喫してから5時間後の22時前。この夜は独りである。中町商店会内の飲食店も駅前から伸びるくにびき通り沿いの飲食店もお客で溢れている。山陰屈指の歓楽街・代官町はなおさら混みあっているだろう。

 2週間前、代官町のスナックにボトルをキープしたが、いずれにしても腹ごしらえせねば始まらぬ。とりあえず分かりやす過ぎる直球の店舗名<居酒屋いずも>に飛び込んでみた。かなり広い店のようだが、カウンターは空いていた。

 タッチパネルで注文。この日のオススメ「鰆のバターソテー」とあった。鰆とは読んで字のごとく、春の風物詩。それも山陰と真逆の瀬戸内である。

 タッチパネルをいじる。のどぐろなど高級系は2000円を超えるが、定番のアテは300円代から。高そうな店構えだったが、意外とリーズナブルかもしれぬ。

 とりあえず瓶ビールのボタンを押す。そして、とりあえずの一品として‘山陰メニュー’から「生しいたけのバター焼」を召還した。

 ビールで喉を開く。3時間休みなしミッションは議題もタフでヘビー。しかし、全力を出しきった。こんな夜、しかも秋の蒸し暑い夜のビールが不味かろうはずがない。

 メニューは豊富である。海鮮、野菜、揚物、炒め物…ピザもかなり押している。独りゆえあまり頼めない。ピザなど大きさが分からず、ハーフ&ハーフでもないから飽きそうだ。

 「しまね(島根)和牛」という文字がいくつも視界に入ってきた。その和牛を使ったハンバーグは売り切れだった。しかし、コロッケとメンチカツはあった。メンチはオススメとも。

 程なくして降臨。コロッケ(360円)は大きい。メンチは小ぶりが2ヶで420円(税込)。安すぎないか。これまで食べた島根和牛メニュー(丼・カレー・ちゃんぽん)はどれも高価だった。ちなみにこの店、椎茸のバター焼の方が島根和牛メンチより60円高い。

 食べてみる…。普通に旨い。しかし、和牛入りかと言われても私のバカ舌ではわからない。

 ビールが無くなったので地酒2合を熱燗で。タッチパネル気になるメニューがあった。「居酒屋いずも焼(明石焼風)」。店の名前を背負うメニューである。しかし、写真では何かわからない・天ぷらに見える。出汁が添えられているので、これに浸すあたりが明石焼風か。

 私は一応、兵庫県民である。明石焼(玉子焼)には幼少から親しんでいる。普段なら出雲まで来て絶対に明石焼など頼まないが、それこそ「看板メニュー」。タッチパネルを押した。

 熱燗をチビチビやっていると、店員さんが近づいてきて酒も料理もラストと告げて、私の目の前からタッチパネルを片付けていった。島根和牛サイコロステーキを頼めなかった。

 閉店時間が分からぬまま、看板メニュー降臨…。正体は「揚げたこ焼」だった。天ぷらに見えたのは、サキイカの天ぷらがたこ焼きにトッピング。

 慌てて食べて、熱燗で流し込んだ。ゆっくり味わえず、味も覚えていないが熱かった記憶は残っている。

 滞在時間は25分ほど。昼メシ時より慌ただしい。食べたりないし、呑み足りない。このままなら代官町のスナック前にもう一軒挟まねばならぬ。店を出た私の視界に「ラーメン」の文字が飛び込んできた。

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いかにもヨソモノ相手な店構え。

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椎茸ソテー、絶品でした。

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島根和牛風コロッケ。

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島根和牛風ミンチカツ。

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出汁に浸す揚げタコ焼き。たしかに明石焼き風。

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2025年05月17日

第3675夜:神々の島根和牛【出雲(島根)】(後編)

 そして1か月が経過。島根和牛カレーはJR出雲市駅構内<麺家>のカレーメニューである。単品(サラダ付)で1400円、手打ち割子(出雲)そばセットなら1710円。個人的にはサラダ抜きの100円引きを期待したいところである。

 毎月第一金曜に約3時間半特急に揺られ、夕刻に出雲市駅へ。駅前の定宿にチェックインする前にこの店に立ち寄って遅い昼飯を腹に入れることが我がルーティンになりつつある。

 3回目訪問時にこの店で「島根和牛丼」を堪能。掛け値なく旨かった。セットにしたので2000円だったが、十分に値打ちがあった。その際、次回のメニューを物色していた。

 日本一に輝いた島根和牛を攻めたい。丼以外の島根和牛メニューにちゃんぽんとカレーがあった。なぜちゃんぽんなのかは正直ナゾだが、カレーは理解できる。しかし、メニューの写真ビジュアルが正直すぎる。肉をほとんど見かけないのだ。

 ちゃんぽんか、カレーか…。水を一口飲み、手を挙げた。カレー、と告げた。そして、大盛り、カツ乗せと付け加えた。プラス料金でトンカツをトッピング、ライス大盛に出来る。お会計、しめて1,910円。カツカレーと捉えれば破格値である。ゆえに蕎麦は足さなかった。

 ホロホロしていると、サラダを従えた神が降臨。カツがデカい。カレーの肉片量はほぼメニュー画像通りだが、むしろ少し多い気もする。

 瞬殺でサラダを胃に片付けて無かったことにし、まずはカレールーとライスを絡めて口へ…。不味いカレーなどめったに出会わない。旨いか、ものすごく旨いか、普通か。

 島根和牛カレー、ものすごく旨い。深さと奥行きが無限である。レトルトでは出せぬ。

 カツも島根豚かもしれぬ。ルーに絡めて…。サクッとした所感の後の淡泊な旨味。あっさりだが満足感は申し分ない。

 大盛にして正解である。この日は金曜。月からひたすら壮絶に忙しかった。疲れがピークにきていた。2時間後に大仕事が控えている。体中にパワーが漲る。神が体内で同化した。

 それからちょうど2週間後の同時刻。このお店(麺家)の島根和牛三部作最終章として「島根和牛鉄鍋ちゃんぽん」を召還。情報量の多い名称である。あまりイメージが湧かぬ品である。

 水を飲みながらスマホでニュースを眺めていると、「熱いよ〜」と毎度登場する女将風熟女が鉄鍋を運んできた。確かに熱そうである。ベースは醤油か。この店は4回目。初回の「スサノオラーメン」は味噌だった。

 胡椒をパラリし、まずは熱々のスープ。肉の旨味が溶け込んでいるのか、ほのかに甘い。グッと奥深い味。駅構内のベタな店の品でない。気合と創意工夫が凝らされている。麺は太いちゃんぽん麺。長崎ちゃんぽんをイメージしてはいけない。スープとよく絡む。

 そして、和牛…。蕩けた。ライスが欲しくなった。大き目が2枚も。お値段は1500円(税込)。チャーシューメンでも昨今は1500円でも不思議でない。とんでもないコスパ抜群の逸品だった。スープ1滴残せない。

 3部作で終わりかと思いきた、ビールセットの同伴メニューに島根和牛が2品隠れていた。「高級島根和牛のハチノス(セット)」「高級島根和牛のすじ肉(セット)」。わざわざ『高級』と強調されている。ただし、私の出雲入りタイミングで試すことは難しそうでる。

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2025年05月16日

第3674夜:神々の島根和牛【出雲(島根)】(前編)

 島根和牛。2022年に何かの大会か品評会で「肉質日本一」に輝いたというブランド牛である。2023年はどうだったのか気になるところである。

 2024年9月上旬。激揺特急に3時間半揺られて出雲市駅へ。電車は10分遅れ。空腹は10倍増しのまま改札を出て目の前の<麺家>に飛び込む。

 1か月前にこの店で「スサノオラーメン神話セット」を満喫。今回は「島根和牛どんぶりセット」。特急やくも新型車両デビュー記念セットである。

 税込2000円と遅い昼メシにしては怯む金額だが、記念セットではない通常セットなら1,980円。記念セットは20円プラスの代わりに「出雲そば(310円)」が同伴。記念セットは一期一会。来月には無いかもしれぬ。勇気を出して2000円セット召還。

 この店の推しはこのセットとスサノオラーメン。店内に張り巡らされたPOPで分かる。これでこの店の両横綱を撃破。

 POPの中にさりげなく貼られた「甲子園ベスト8 感動をありがとう 島根県立大社高等学校」。2024年の夏は石橋高校(栃木)と大社高校(島根)を応援していた。大社は1回戦で優勝候補だった報徳(兵庫)を撃破。大社を応援している段階で、私はもはや兵庫県民ではない。

 セット降臨。真っ先に私の視線を離さなかったのは「しじみ(味噌)汁」。‘宍道湖産のしじみたっぷり!’とあるが、ネギしか浮かんでいない。メニュー写真とあまりにも違う。

 運んできた女将風店員に念のため、野暮だが本当にしじみ汁か聞いた。女将は困った笑顔で「アハハ、写真と違うわねぇ〜」。私も苦笑し、まずはしじみ汁に口を付けた。

 しっかりとしじみ汁だった。普段酷使している肝臓が喜んでいる。底の方にいくつかしじみが沈んでいた。実を味わうのが困難な極小サイズ。まあ、私はしじみ汁は実を(面倒なので)食べないので、無問題である。

 セットは出雲そば、ミニサラダ、漬物。島根和牛丼、大きな1枚の薄切り肉である。タレが掛かっている。他の具はない。シンプルな勝負が清々しい。

 柔らかく箸で千切れる肉を口に…。甘みが濃い。柔らかいのに歯ごたえもある。噛むほどに旨味が溢れる。すかさずご飯で追いかける。絶品である。

 最初、1枚は少ないなと切なさを感じた。しかし、1枚で充分な満足感。ご飯が思った以上に多い。タレだけでご飯をワシワシ食べ進められる。沢庵もアクセントとして効いている。

 フィニッシュは出雲そば。タレをぶっかける。日本三大そば(後の2つは盛岡わんこそば・信州戸隠そばらしい)を啜る。実を皮ごと挽くため色が黒くて香りが強いのが特徴という。

 出雲そば、2度目である。前回はラーメンとのセットで。今回は和牛丼とのセットで。今は9月。新蕎麦の季節がいつか分からぬが、その際はそばをメインに啜ろうか。〔次夜後編〕

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改札出てすぐのオアシス。

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一期一会。頼まずにいられない。

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旋風を巻き起こした。

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降臨。

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魅力的なメニュー画像。

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どこだ?

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