しじみラーメン。出雲名物といえば「出雲そば」「出雲ぜんざい(らしいです)」「のどぐろ」「しじみ」か。そばとぜんざいはともかく、のどぐろとしじみは島根県全体の名物っぽいが、「しじみラーメン」も出雲の名物という。
ラストオーダーに絡めとられ1軒目を25分で退店し、残尿感を抱えた神々の聖地・出雲市駅前の蒸し暑い夜22時過ぎ。1軒目を出た私に「ラーメン」の文字が飛び込んできた。
フラフラと惹き寄せられる。「石引き手打ち 出雲そば」とある。屋号は<ほしえん>さん。出雲そばに負けぬ「餃子 ラーメン」文字が心強い。23時半まで開いている頼もしさだ。
ドアを開ける。店内はかなり広いが8割は埋まっている。カウンターが空いていた。メニューを拝見…。英語と日本語の並列である。外国人観光客も多いのだろう。
出雲そばは特に喰いたくない。とりあえず瓶ビール(いわゆるトリビー)。ツマミに‘おすすめ’とある「手作り餃子」を召還。ただ、餃子は焼くまで時間が掛かるだろうから「チャーシュー」も。
一番搾りの瓶が染み込んでくる。チャーシュー、グッときた。分厚く大きなセクシーが数枚。タレというか、スープに浸かっている。旨そうである。
チャーシュー、トロトロ。スープは醤油味。醤油ラーメンスープかもしれない。これ、大当たりである。程なくして餃子も。ニンニクが効いている。これも絶品。
ひっきりなしにお客が入れ替わる。ビールや酒を楽しむグループも多い。出雲市でこれまで何度も吞んだが、どこも流行っていてとにかく客層が若い。
そばよりもラーメンを頼む常連が圧倒的に多い。しかも「塩」。ラーメン欄には塩が‘おすすめ’とある。出雲大社近くの海水で作られた藻塩らしい。
普段なら醤油だが、オススメに従うべきか。チャーシューはすでに単品で味わっている。「塩」で締めようとした私の視界にグランドメニューとは別に「期間限定」と銘打たれた商品は全力プッシュされていた。「しじみラーメン」。
スープは塩と同じ。しじみは宍道湖でなく「新西湖」の大粒らしい。そして、ものすごく小さな字で控えめに「出雲名物」の4文字が。
値段は税込1100円。しじみスープだけなら900円。満腹の後にどうしてもスープを飲みたい時、私は麺抜きを注文することもある。しかし、今日は1軒目の残糞感を引きづっている。
予定では年度内に残り4〜5回出雲入りする。しかし、もう来るなとミッション先から出禁を喰らうことも充分に想定できる。最後の出雲の夜になるかもしれぬ。期間限定は逃せない。
多分地元民は啜らないだろう「しじみラーメン」召還。程なく降臨。たっぷりである。底にも溜まっている。麺よりもスープを味わうべき一品。しかし、麺も旨い。スープはあまりしじみっぽくないが、肝臓がロンダリングされている気分になる。
半分啜り終えた。しじみはすべて細々と喰いつくした。そして、ツマミで頼んだチャーシューがまだ3枚も残っている。
チャーシューをすべてラーメンに載せた。しじみはもうない。茶褐色のタレもぶち込む。白濁淡泊なしじみラーメンが、一瞬で濃厚そうな醤油チャーシューメンに早変わった。
そばがメイン?
そばとラーメンの2枚看板。多言語標記メニュー。
スープだけのメニューも存在。わかってらっしゃる。
おつまみチャーシューが絶品。
餃子も抜群。
肝臓に優しい〆ラーメン。
しじみを食べ尽くした後はおつまみチャーシューを載せてチャーシューメンに。

