2025年05月19日

第3677夜:神々のしじみラーメン【出雲(島根)】

 しじみラーメン。出雲名物といえば「出雲そば」「出雲ぜんざい(らしいです)」「のどぐろ」「しじみ」か。そばとぜんざいはともかく、のどぐろとしじみは島根県全体の名物っぽいが、「しじみラーメン」も出雲の名物という。

 ラストオーダーに絡めとられ1軒目を25分で退店し、残尿感を抱えた神々の聖地・出雲市駅前の蒸し暑い夜22時過ぎ。1軒目を出た私に「ラーメン」の文字が飛び込んできた。

 フラフラと惹き寄せられる。「石引き手打ち 出雲そば」とある。屋号は<ほしえん>さん。出雲そばに負けぬ「餃子 ラーメン」文字が心強い。23時半まで開いている頼もしさだ。

 ドアを開ける。店内はかなり広いが8割は埋まっている。カウンターが空いていた。メニューを拝見…。英語と日本語の並列である。外国人観光客も多いのだろう。

 出雲そばは特に喰いたくない。とりあえず瓶ビール(いわゆるトリビー)。ツマミに‘おすすめ’とある「手作り餃子」を召還。ただ、餃子は焼くまで時間が掛かるだろうから「チャーシュー」も。

 一番搾りの瓶が染み込んでくる。チャーシュー、グッときた。分厚く大きなセクシーが数枚。タレというか、スープに浸かっている。旨そうである。

 チャーシュー、トロトロ。スープは醤油味。醤油ラーメンスープかもしれない。これ、大当たりである。程なくして餃子も。ニンニクが効いている。これも絶品。

 ひっきりなしにお客が入れ替わる。ビールや酒を楽しむグループも多い。出雲市でこれまで何度も吞んだが、どこも流行っていてとにかく客層が若い。

 そばよりもラーメンを頼む常連が圧倒的に多い。しかも「塩」。ラーメン欄には塩が‘おすすめ’とある。出雲大社近くの海水で作られた藻塩らしい。

 普段なら醤油だが、オススメに従うべきか。チャーシューはすでに単品で味わっている。「塩」で締めようとした私の視界にグランドメニューとは別に「期間限定」と銘打たれた商品は全力プッシュされていた。「しじみラーメン」。

 スープは塩と同じ。しじみは宍道湖でなく「新西湖」の大粒らしい。そして、ものすごく小さな字で控えめに「出雲名物」の4文字が。

 値段は税込1100円。しじみスープだけなら900円。満腹の後にどうしてもスープを飲みたい時、私は麺抜きを注文することもある。しかし、今日は1軒目の残糞感を引きづっている。

 予定では年度内に残り4〜5回出雲入りする。しかし、もう来るなとミッション先から出禁を喰らうことも充分に想定できる。最後の出雲の夜になるかもしれぬ。期間限定は逃せない。

 多分地元民は啜らないだろう「しじみラーメン」召還。程なく降臨。たっぷりである。底にも溜まっている。麺よりもスープを味わうべき一品。しかし、麺も旨い。スープはあまりしじみっぽくないが、肝臓がロンダリングされている気分になる。

 半分啜り終えた。しじみはすべて細々と喰いつくした。そして、ツマミで頼んだチャーシューがまだ3枚も残っている。

 チャーシューをすべてラーメンに載せた。しじみはもうない。茶褐色のタレもぶち込む。白濁淡泊なしじみラーメンが、一瞬で濃厚そうな醤油チャーシューメンに早変わった。

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そばがメイン?

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そばとラーメンの2枚看板。多言語標記メニュー。

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スープだけのメニューも存在。わかってらっしゃる。

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おつまみチャーシューが絶品。

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餃子も抜群。

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肝臓に優しい〆ラーメン。

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しじみを食べ尽くした後はおつまみチャーシューを載せてチャーシューメンに。

posted by machi at 05:23| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月18日

第3676夜:神々の明石焼風【出雲(島根)】

 「いずも」。出雲市のひらがな読みである。これが店名なら、いかにも観光客相手である。そんな「いずも」の3文字を前面に押し出した看板メニューがあったなら。

 16時半に「島根和牛鉄鍋ちゃんぽん」を満喫してから5時間後の22時前。この夜は独りである。中町商店会内の飲食店も駅前から伸びるくにびき通り沿いの飲食店もお客で溢れている。山陰屈指の歓楽街・代官町はなおさら混みあっているだろう。

 2週間前、代官町のスナックにボトルをキープしたが、いずれにしても腹ごしらえせねば始まらぬ。とりあえず分かりやす過ぎる直球の店舗名<居酒屋いずも>に飛び込んでみた。かなり広い店のようだが、カウンターは空いていた。

 タッチパネルで注文。この日のオススメ「鰆のバターソテー」とあった。鰆とは読んで字のごとく、春の風物詩。それも山陰と真逆の瀬戸内である。

 タッチパネルをいじる。のどぐろなど高級系は2000円を超えるが、定番のアテは300円代から。高そうな店構えだったが、意外とリーズナブルかもしれぬ。

 とりあえず瓶ビールのボタンを押す。そして、とりあえずの一品として‘山陰メニュー’から「生しいたけのバター焼」を召還した。

 ビールで喉を開く。3時間休みなしミッションは議題もタフでヘビー。しかし、全力を出しきった。こんな夜、しかも秋の蒸し暑い夜のビールが不味かろうはずがない。

 メニューは豊富である。海鮮、野菜、揚物、炒め物…ピザもかなり押している。独りゆえあまり頼めない。ピザなど大きさが分からず、ハーフ&ハーフでもないから飽きそうだ。

 「しまね(島根)和牛」という文字がいくつも視界に入ってきた。その和牛を使ったハンバーグは売り切れだった。しかし、コロッケとメンチカツはあった。メンチはオススメとも。

 程なくして降臨。コロッケ(360円)は大きい。メンチは小ぶりが2ヶで420円(税込)。安すぎないか。これまで食べた島根和牛メニュー(丼・カレー・ちゃんぽん)はどれも高価だった。ちなみにこの店、椎茸のバター焼の方が島根和牛メンチより60円高い。

 食べてみる…。普通に旨い。しかし、和牛入りかと言われても私のバカ舌ではわからない。

 ビールが無くなったので地酒2合を熱燗で。タッチパネル気になるメニューがあった。「居酒屋いずも焼(明石焼風)」。店の名前を背負うメニューである。しかし、写真では何かわからない・天ぷらに見える。出汁が添えられているので、これに浸すあたりが明石焼風か。

 私は一応、兵庫県民である。明石焼(玉子焼)には幼少から親しんでいる。普段なら出雲まで来て絶対に明石焼など頼まないが、それこそ「看板メニュー」。タッチパネルを押した。

 熱燗をチビチビやっていると、店員さんが近づいてきて酒も料理もラストと告げて、私の目の前からタッチパネルを片付けていった。島根和牛サイコロステーキを頼めなかった。

 閉店時間が分からぬまま、看板メニュー降臨…。正体は「揚げたこ焼」だった。天ぷらに見えたのは、サキイカの天ぷらがたこ焼きにトッピング。

 慌てて食べて、熱燗で流し込んだ。ゆっくり味わえず、味も覚えていないが熱かった記憶は残っている。

 滞在時間は25分ほど。昼メシ時より慌ただしい。食べたりないし、呑み足りない。このままなら代官町のスナック前にもう一軒挟まねばならぬ。店を出た私の視界に「ラーメン」の文字が飛び込んできた。

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いかにもヨソモノ相手な店構え。

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椎茸ソテー、絶品でした。

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島根和牛風コロッケ。

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島根和牛風ミンチカツ。

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出汁に浸す揚げタコ焼き。たしかに明石焼き風。

posted by machi at 06:34| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月17日

第3675夜:神々の島根和牛【出雲(島根)】(後編)

 そして1か月が経過。島根和牛カレーはJR出雲市駅構内<麺家>のカレーメニューである。単品(サラダ付)で1400円、手打ち割子(出雲)そばセットなら1710円。個人的にはサラダ抜きの100円引きを期待したいところである。

 毎月第一金曜に約3時間半特急に揺られ、夕刻に出雲市駅へ。駅前の定宿にチェックインする前にこの店に立ち寄って遅い昼飯を腹に入れることが我がルーティンになりつつある。

 3回目訪問時にこの店で「島根和牛丼」を堪能。掛け値なく旨かった。セットにしたので2000円だったが、十分に値打ちがあった。その際、次回のメニューを物色していた。

 日本一に輝いた島根和牛を攻めたい。丼以外の島根和牛メニューにちゃんぽんとカレーがあった。なぜちゃんぽんなのかは正直ナゾだが、カレーは理解できる。しかし、メニューの写真ビジュアルが正直すぎる。肉をほとんど見かけないのだ。

 ちゃんぽんか、カレーか…。水を一口飲み、手を挙げた。カレー、と告げた。そして、大盛り、カツ乗せと付け加えた。プラス料金でトンカツをトッピング、ライス大盛に出来る。お会計、しめて1,910円。カツカレーと捉えれば破格値である。ゆえに蕎麦は足さなかった。

 ホロホロしていると、サラダを従えた神が降臨。カツがデカい。カレーの肉片量はほぼメニュー画像通りだが、むしろ少し多い気もする。

 瞬殺でサラダを胃に片付けて無かったことにし、まずはカレールーとライスを絡めて口へ…。不味いカレーなどめったに出会わない。旨いか、ものすごく旨いか、普通か。

 島根和牛カレー、ものすごく旨い。深さと奥行きが無限である。レトルトでは出せぬ。

 カツも島根豚かもしれぬ。ルーに絡めて…。サクッとした所感の後の淡泊な旨味。あっさりだが満足感は申し分ない。

 大盛にして正解である。この日は金曜。月からひたすら壮絶に忙しかった。疲れがピークにきていた。2時間後に大仕事が控えている。体中にパワーが漲る。神が体内で同化した。

 それからちょうど2週間後の同時刻。このお店(麺家)の島根和牛三部作最終章として「島根和牛鉄鍋ちゃんぽん」を召還。情報量の多い名称である。あまりイメージが湧かぬ品である。

 水を飲みながらスマホでニュースを眺めていると、「熱いよ〜」と毎度登場する女将風熟女が鉄鍋を運んできた。確かに熱そうである。ベースは醤油か。この店は4回目。初回の「スサノオラーメン」は味噌だった。

 胡椒をパラリし、まずは熱々のスープ。肉の旨味が溶け込んでいるのか、ほのかに甘い。グッと奥深い味。駅構内のベタな店の品でない。気合と創意工夫が凝らされている。麺は太いちゃんぽん麺。長崎ちゃんぽんをイメージしてはいけない。スープとよく絡む。

 そして、和牛…。蕩けた。ライスが欲しくなった。大き目が2枚も。お値段は1500円(税込)。チャーシューメンでも昨今は1500円でも不思議でない。とんでもないコスパ抜群の逸品だった。スープ1滴残せない。

 3部作で終わりかと思いきた、ビールセットの同伴メニューに島根和牛が2品隠れていた。「高級島根和牛のハチノス(セット)」「高級島根和牛のすじ肉(セット)」。わざわざ『高級』と強調されている。ただし、私の出雲入りタイミングで試すことは難しそうでる。

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posted by machi at 06:22| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする