出雲大社。言わずとしれた八百万の神々の起源であり、国生みの地である。私は知らなかったが縁結び祈願でも浸透していた。
ぐっと冷え込んだ深秋の午後。14時過ぎに出雲市駅へ。令和6年度で7回目の出雲入りである。毎回16時半ごろの着くのだが、この日は諸事情で3時間以上早い出雲入り。ミッション会場入りは4時間後。定宿チェックイン可能時間は1時間後。むしろ、時間を持てあました。
出雲と言えば、大社である。しかも私が出雲入りしたのは「神有月」。全国的には10月は「神無月」とされる。日本中に散らばる八百万の神々が出雲へ帰省するからだ。その代わりに出雲地方だけは「神有月」。ただし旧暦なので出雲の神有月は11月中旬…。ややこしい。
2週間前に出雲入りした際は、日本中の神様が集う直前だった。そして今回、神様はすでに全国へ戻ったらしい。月1〜2回ペースで出雲入りしながら、大社は未踏だった。私が神社仏閣にあまり興味がないこと。もう今度でいいやと後回しにすること。理由はこの2点だ。
今度でいいやを続けていたら、この日を含め出雲入りできるのは残り2〜3回と気づいた。場合によっては大社巡りする時間がもう取れぬかもしれぬ。
折しも一畑電鉄で1時間に1本の電車が10分後に発車する。この機会を逃すべきでない。500円の切符を購入し、電車に乗り込んだ。観光客と地元が半々な雰囲気か。
大社へは直通せず、途中、ナントカという駅で乗り換える。2両編成で、1両が普通の横一列並びシート車両。もう1両がすべて観光というか、展望用車両だった。
観光客は観光車両へ、地元人は一般車両へ。はっきりと別れて苦笑する。私も観光車両へ。車窓からは民家と山しか見えず、雨が引くほど降り出した。傘がない。駅前で買わねば。
大社前駅着。改札を出る。雨は止んでいたが寒さに震えながら薄着を後悔していると、白い大きな鳥居が見えた。しかし、皆さん大鳥居と逆方向へ歩いている。全く予備知識ゼロで来たが、そちらが大社方面らしい。
境内へ向かう参道に広がるのが「新門通り」。蕎麦屋、土産物屋、ぜんざい屋、カフェ、スィーツなどの店がびっしり。ちなみに「ぜんざい」は出雲が発祥という。
神門通りは商店街組合なのだろう。大社駅から境内の間限定だが空き店舗など皆無。どの店も流行っているが、神社系観光地あるあるなのだが閉店時間が全般的に早い。
車道と歩道はバリアフリーで見事な共存。建て替えや新築の工夫も見受けられる。大社よりも神門通りに興味が湧いてきた。
大社の入口へ。大勢の観光客が写真撮影に勤しんでいる。境内へ。このご時世、前面禁煙でなく灰皿が設置されている。出雲の神々は寛容である。〔次夜後編〕
一畑電鉄。
観光客向け車両。
向こうは明らかに地元向け車両。
参道は雨。
様々な観光客用の店が林立。
いざ、神々の聖地へ。

