2025年04月10日

第3640夜:神々の薔薇【出雲(島根)】

 バラパン。70年以上出雲市民に愛され続けているソウルフードであるらしい。出雲市駅構内のコンビニで4種類販売されている。POPには、すべて手作りと書かれている。

 20249月上旬時点で、出雲へ3回足を運んだ。合計滞在時間は睡眠時間を除けば24時間も満たない。そんな出雲ほぼ初心者の私でも、出雲からの帰り道にバラパンを買わずにいられない。神戸市民の私にとって、出雲はそばでもぜんざいでものどぐろでもなく、バラパンである。

 食パンらしきものをぐるぐると巻き、その間にクリームを挟んでいる。抹茶クリームとコーヒークリームもある。ノーマルは何ともいえないシャリシャリした甘みでジャンク感たっぷり。

 ノーマルが1160.00(税込)。コーヒーと抹茶が183.60(税込)。小数点以下も表示しているあたりが少々謎めいているが、誠実感が溢れている。

 1ヶのボリュームがすごく、満腹になる。私なら2ヶ。個人的にはコーヒークリームがお気に入り。抹茶とコーヒーはパン生地にも練り込まれている。

 ある残暑厳しい土曜の朝。出雲市駅前の定宿をチェックアウト。特急出発15分前に構内のコンビニへ。迷わず4種のバラパンをレジへ。ノーマルと、もう一つノーマルっぽい商品がある。値段は10円ほど違う。中身は一緒だがパッケージが違うからか。

 出雲から神戸の自宅までたっぷり5時間かけて帰宅。発泡酒2本でノドを開き、出雲の地酒(旭日)と出雲市内の調整元様の駅弁(かに寿し)を満喫した後、バラパンと向かい合う。

 かりに私が空腹時でも、4ヶイッキ喰いは難しい。翌日も2ヶ堪能することに。この夜は2ヶ。

 毎回ノーマルに齧りついているが、ここは我が城。魔改造も可能である。

 バラパンの花弁(というのか)は食パンのような素材。トーストすればどうだろう。

 閃いたら、もう止まらない。焦げないようにほんのり焼き色が付く程度を心掛ける。

 トースターから取り出す。満開である。さらにそこにチューブバターを垂らしてみた。生クリームとの融合。魔改造により、究極のカロリーモンスターが神戸(私の自宅)に爆誕した。

 かじりつく…。パン生地のサクッの後に、シャリシャリした生クリームのジャンクな甘みがヌラリと滑り込む。バターのコクがすべてを抱きしめる。口も手もべとべとに。このモンスターには黒糖焼酎のストレートが相応しい。すっきりと洗い流してくれる。

 コーヒークリームのバラパンもトースターへ。生地も茶色。そして、バラの花弁が焦げて黒味がかかった。「黒薔薇の小太刀」、爆誕である。

IMG_3451.jpg

圧倒的な推し。

IMG_3453.jpg

全種類ゲット。

IMG_3470.jpg

出雲市駅弁と地酒。

IMG_3484.jpg

魔改造の夜。

(付記@)

地元のTV局で月から金まで週5日間、朝7時半から『うる星やつら』(20世紀Ver)全話終了後、『らんま12』全話放映。もちろんすべて録画鑑賞。ゆえに『黒薔薇の小太刀』であります。

(付記A)

それから約半年後。出雲市駅構内に売店が新設されていた。そこで「和風バラパン」「夕日バラパン」が販売されていた。迷わず捕獲。和風は美味しいのだがどのあたりが和風が良く分からぬが、夕日は生地も絶妙。満足を極めました。

IMG_0329.jpg

IMG_0390.jpg

IMG_0395.jpg

posted by machi at 09:48| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月07日

第3638夜:神々の地鶏【出雲(島根)】

 大山どり。中国地方の霊峰・大山あたりで育てられていると思しき地鶏である(たぶん)。

 残暑厳しい9月上旬。出雲駅前ミッション終了が21時半過ぎ。ノドの渇き、空腹、疲労のトリプルである。この夜は一緒に付き合って下さる御仁は誰もおらず、ソロ。

 22時頃、山陰屈指の歓楽街「代官町」を放浪。22時という時間ゆえ、電気がついて暖簾が出ていてもラストオーダーで撃沈する可能性が高い。店頭に営業時間を書いている店を探す。

 代官町、どこも賑わっている。女性の呼び込みや酔客で溢れている。外から店内が見える店はどこも満席ばかり。力強い。

 出雲の夜は3回目。いかにも観光客目当ての店より、地元民で溢れる店に行きたい。しかし、山陰ならではの名物も味わいたい。イチゲンの独り客でも入りやすい店が良い。できれば広々としたカウンターで。おまけに新聞などを広げても嫌な顔をされないお店がベスト。

 贅沢かつ困難な要望を胸に物色。視界に入ったのが「大山どり焼鳥専門店」というキャッチ。ただの焼鳥ではない。大山どりである。

 ガラス張りゆえ外から店内が見える。カウンターが空いている。かなりキレイでおしゃれで焼鳥屋に見えぬ。店員さんも若い。営業時間が24時までと書かれている。

 オシャレじゃない方が好みなのだが、それ以外は完璧。私の高すぎるハードルをすべて満たしていた<すみれ>さんへ飛び込んだ。

 感じのよい若い女性の接客が心地よい。注文はすべてLINE登録からのQR。昔はしゃらくさかたったが、すっかり慣れた。商品写真もあり、注文履歴や会計金額がリアルタイムなのでむしろ良い。しかも独りだから、じっくり戦略を立てられる。

 ホッピーがあったので迷わず「黒」。お通しのキャベツはお代わり無料という。ホッピーをヤリながらメニューを吟味。独りゆえ、頼み過ぎると轟沈する。

 豊富なメニュー群から「大山どり」にテーマを絞る。焼鳥は「ねぎまの塩」「王様レバーのタレ」、そして唐揚とトリメンチカツ。大山どり尽くしである。レバー、プリプリ。ねぎまは安定の王道。メンチは肉汁溢れる。唐揚はサクサクジューシー。

 その他の逸品メニューで気になったのが「あおさ香る春雨ヘルシーペペロンチーノ」。情報量の多い商品名だが、ヘルシーでさっぱりなのにコクがある。スパゲティはナポリタンが9割、ミートが1割の私にとってぺペロンなど太陽系外だが、春雨には合うのだろう。

 ポテトフライを頼みそうになるが、たまには別角度で。「ジュージュー揚げ餅」召還。アヒージョかと思うほどタプタプの油にサイコロカットされた餅がびっしり。熱々でやけどしそうになる。すかさず3杯目のホッピーで追いかける。

 かなり腹が膨れてきた。しかし、〆の汁モノを啜りたい。

 LINEメニューの「麺」コーナーを確認。濃厚鶏白湯と淡麗鶏だし醤油の2種類のラーメンがあり、それぞれレギュラーとハーフ。50歳のオヤジだが、ハーフなどで日和っていられない。淡麗よりも、濃厚で。「濃厚鶏白湯ラーメンレギュラー」の召還する。

 天一系の鶏白湯の店は全国で増えた気がする。この店は大山どりだから、その鶏ガラを使っているかもしれない。

 ブツ降臨。鶏チャーシューも分厚く大きいのが2枚。まずはスープ…。目を細める。呑んだ後のこってりがたまらない。麺とスープのカラミも官能的。

 啜りつつ会計画面を操作しようとしたら、LINE登録時の初回限定サービス画面が。アンケートに答えると3種類のスィーツから1つプレゼントして頂けるらしい。

 若いころは甘いものが全くダメだったが、40を超えたあたりからイケるようになり、50の今、すっかりスィーツオヤジだ。

 アンケート、思った以上にタフな内容で時間もかかったが、その分出てきたスィーツが絶品。私が選んだのは「きな粉と黒蜜のアイス」。メニュー写真以上に量が多い。一口サイズ程度と思っていたら、遥かに上回ってきた。

 出張先での久々独り晩酌。老眼の進行著しいが、嗅覚の衰えはそれほでもないようである。

IMG_3430.jpg

代官町の人気店。

IMG_3433.jpg

ヘルシーな春雨ペペロンチーノ。

IMG_3437.jpg

ホッピー、唐揚、焼鳥、鶏メンチカツ。

IMG_3440.jpg

カロリーモンスター。

IMG_3446.jpg

鶏白湯ラーメン。

IMG_3448.jpg

かなりタフな設問ぞろい。

IMG_3450.jpg

紹介画像よりも量多し。

posted by machi at 09:42| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月21日

第3623夜:神々の女将【出雲(島根)】

 女将。味わい深い2文字である。大将と異なり、かっぽう着や和装をキリリと、艶やかに着こなし、客を捌きもてなす。温泉旅館、割烹、小料理屋…。スナックなら「ママ」になる。

 8月上旬の、幾分暑さも和らいだ21時前。出雲駅からほど近い中町商店街ミッションを終え、ノドの渇きと空腹を癒すべく居酒屋に狙いを定めた。商店街は歓楽街と隣接しているが、まずはミッション先であるアーケード下のお店を選択したい。

 時間は21時前だが、どこも流行っている。満席で入れそうにない店ばかり。商店街の一番端にある<ミートショップ サイトウ>さんに一か八か飛び込んでみた。4人掛けテーブルが1席空いていた。ツイているが、30分後にラストオーダーという。

 店を選び直す気力もない。30分勝負を試みる。

 生で乾杯。瞬殺で体内に吸収される。2杯目からはメガレモンサワー。ずしりとした重さと保冷カップが心強い。

 ‘ミートショップ’というショルダーネームが入る前から期待を抱かせた。結果、期待を遥かに上回る感動が待っていた。

 大好物の「センマイ刺」は臭みなく歯ごたえ良し。コチュジャンタレにびったり合う。「チーズダッカルビ」のジャンク感がタマラナイ。思わず笑みが漏れる。「ホルモン4種盛」は肉系店舗の真骨頂。どの部位もレモンチューハイが進みまくる。

 「ハムカツ」の安定、「タコさん赤ウィンナー」の洒脱、タルタルたっぷり「チキン南蛮」の正義。他にもいろいろ頼んだが、ほうれん草と玉子の「ポパイ炒め」は白眉。箸休めなのに一品で勝負できる圧巻の旨さ。値段もリーズナブル。人気も納得である。

 ラストオーダーから30分店に居たが閉店に。正味1時間。メガレモを数杯ヤったが、呑み足りない。

 歓楽街である代官町へ。居酒屋。スナック、ラウンジが林立している。お腹は充分に満足。スナックや軽い小料理が望ましい。

 私の視界をとらえたのが、赤提灯に彩られた<寄道処 あずみ>。店頭のA型看板には「和風スナック?女将?」という文言があり、その下にフードメニューが羅列されている。暖簾は出ているが、全く店内が見えない。

 和風スナック、良いではないか。女将、という文言にもグッと来た。旅情気分も高まる。

 同行氏たちの承諾を得ず、暖簾を潜った。客は誰もいない。そして、奥からコワモテのオヤジさんが。1か月前に独りで飛び込んだスナックも、女将でなくムキムキのお兄さんだった。出雲のスナックは男性店主なのか。

 カウンターに座る。オヤジさんにシステムを聞く。「スナック」ゆえにテーブルチャージは発生するが(1500円)、ドリンクは統べて500円均一という。目の前に並ぶ総菜は別料金。

 店内のTVではオリンピックの熱戦。開催国のリネール選手が決勝で豪快な1本勝ちで金メダル。リネール選手、昔から出ていなかったか?

 ハイボールを鯨飲しつつ談笑。居心地が良い。気づけば24時を回っている。ふと気づいた。店頭のA型看板、「女将」でなく「女将?」と疑問形であったことを。八百万の国の夜はあまりにも奥深い。

IMG_2365.jpg

IMG_2353.jpg

IMG_2352.jpg

IMG_2364.jpg

IMG_2362.jpg

IMG_2361.jpg

IMG_2359.jpg

IMG_2360.jpg

IMG_2366.jpg

IMG_2367.jpg

posted by machi at 07:29| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする