2023年11月07日

第3190夜:朝日町の三種の神器【米子(鳥取)】

 三種の神器。日本的には「八咫鏡」「草薙剣」「勾玉」。まちづくり的には(10年前は)「まちゼミ」「まちバル」「100円商店街」。では、米子の歓楽街・朝日町の老舗焼鳥店の三種の神器は?

 5月下旬の夕刻。米子はドン引き級の大雨だった。後から知ったが、警報が発令されるかどうかだった。私が乗車した後の特急列車、運休だったそうな。早めに現地入りして正解だった。

 ミッション終了後、商店街K益理事長、中央会M本所長と朝日町へ。私は記憶のある限り、初の朝日町である。理事長が暖簾を潜ったのは<鳥好>さんという焼鳥居酒屋。毎回理事長は1軒目を予約して下さる。どこもはずれ無しの超名店。毎回の楽しみである。

 生で乾杯。理事長はメニューを見ることなく3品ほど頼んだ。談笑していると、まず降臨したのが「どて煮」。これまで食べたどのどて煮よりもあっさりだが、飽きのこない深い味。七味を多めに降る。無限に酒が呑める。

 続いて、つみれ団子が。普通の鶏つくねかと思いきや「キス団子」。キスをすりつぶして団子にしたらしい。あっさりと上品。練蒲鉾とも違う食感と風味に目を細める。

 そして、ママさんが「これで3種の神器です〜」と「いわしの天ぷら」。ポン酢でもタレでもない、上品な調味料で頂く。どれも素材の旨味を最大限活かしている。 

 私は熱燗が呑みたくなり、2合徳利を召還。境港の蔵元の地酒だそうな。談笑しつつ、飲み食い。焼鳥、串カツもたっぷり運ばれてきた。

 最初の三種の神器でかなり心も腹も満たされてしまい、思った以上に指が伸びない。申し訳なく思うが、その分、呑む。

 理事長が呼ばれたタクシーに便乗させて頂く。外はまだかなり強い雨だったので大助かり。米子での、3回目の夜。1軒目は毎回理事長のお気に入りの違う店だが、2軒目は森M所長が超常連の<しゃんうぇい>。この日は超満員。

 家族で陣取っている席が2席開いていたので、そこに滑り込む。こんな相席は初めてだ。そのご家族連れもどうやらチャイニーズ。店内も多国籍な模様。満席だったが、気づけば所長と私の2人だけ。メガハイをやり、プレーンチューハイをやる。

 店を出た。鳥取市在住のM本所長だが、私の研修の日はわざわざ米子にご宿泊下さる。ホテルは私と毎回別。別れ際、所長が「アヅマくん、トイレ全然いかないね〜」。

 17時前に所長と合流してから24時過ぎのお開きまで、1度もトイレに行っていないことを思いだした。その瞬間、猛烈な尿意に襲われた。

 もう我慢できぬ。氏と別れ、私は小走りにホテルへ向かった。小雨の中を、内股気味に。

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朝日町へ。

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第一の神器。

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第二の神器。

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第3の神器。

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2軒目の流儀。

posted by machi at 08:33| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月24日

第3159夜:山陰の大阪【米子(鳥取)】

 「山陰の大阪」。椛S国商店街支援センター「トータルプラン作成支援」研修に3商店街から20名以上参加。2グループに分かれ、3つのテーマでワークショップを実践。ご年配も若手も積極的かつたっぷりとポストイットに意見やアイデアを記入。集約収斂へ腕が鳴る。

 その過程で、商店街ではなく米子市としてキャッチフレーズがあるがお聞きした。すかさず「山陰の大阪」というワードが飛び出した。

 思わず笑ってしまった。なぜ笑ってしまったのか自分でも分からない。「小京都」「小江戸」など、京都などは例えとして使われることはある。しかし、大阪を例えるのは聞いたことがない。斬新である。なんとも言えないあっけらかんとした商都の雰囲気がある。

 終了後、理事長イキツケのお店第2弾として<幸>へ。イチゲンへのハードルはかなり高い。呑み屋が集積している通りから外れており、ポツンと一軒家的雰囲気が満ちている。

 カウンターではなく小さな小上がりというか、個室的座敷に通された。思わず唸った。座卓が壁に密着している。

 壁は30cm 四方程度の穴が開いており、厨房に直結している。ここから料理が酒が出てくるようだ。回転寿司のようであるが、タッチパネルでなく、穴を通じて飲み物を注文する。

 この穴が無ければ厨房からぐるり回り、履物を脱いで、ドアを開けねばならない。とんでもない効率の悪さである。穴の向こうの別世界。激シブの老舗だが、SFチックな雰囲気もある。

 生で乾杯。鯵のたたきが独り一皿たっぷりと穴から出てきた。生姜醤油で味わう。臭みゼロの新鮮さ。上品な旨味が広がる。すかさず黄金の小麦で洗い流す。プハッ〜である。

 目の前に鍋が置いてある。穴から大量の刻み玉葱が出てきた。これを全部入れてとおっしゃる。そして、大皿いっぱいの鯖の切り身…。鯖しゃぶである。

 豚しゃぶ、牛しゃぶ、少し前流行ったブリしゃぶあれど「鯖」は初めて。私は鯖が好物。期待が膨らみ過ぎて笑みが止まらない。

 サッとしゃぶしゃぶし、シンナリし新玉葱といっしょにポン酢に浸し、口へ…。野趣にして洗練、絶佳にして天空、剛と柔。ハイボールが止まらない。たっぷり大皿が2皿。しゃぶしゃぶして口に運んでも、皿から鯖が減らない。まさに大漁である。

 大きな串カツが2本、7品ぐらいありそうな天麩羅。揚げたて熱々で、これがすべて一人一皿。2月上旬に初訪問した際も感じたが、米子は1人前の量がかなり多い。

 鯖がまだ残っている。おじやかうどんに出来るそうだが、もう入らない。理事長にご挨拶して中締め。2軒目は前回も訪問したゴリさんのお店にて3人でメガハイボール。

 ラストはもう2度と会えないかもしれない数年間お世話になった御仁と夜中2時前までチェーン居酒屋でハイボール。山陰の大阪は、豪快だけど上品である。

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超絶に入りにくい。

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壁から料理がどんどん。

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鮮度最高。たたきと煮凝。

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鯖しゃぶ、初体験。

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串カツも大きい。

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天麩羅もたっぷり。これで1人前。

posted by machi at 08:20| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月23日

第3158夜:スタミナラーメンとお好み焼【米子(鳥取)】

 スタミナラーメン。店や地域によって具材は異なるが、ニンニクが豊富に含まれている点は共通しているのではなかろうか。

 ラーメン店において、圧倒的財力を駆使できる私はチャーシューメンほぼ一択だが、稀に「スタミナラーメン」という表記を発見すると身もだえする。チャーシューか、スタミナか。

 北九州小倉から新幹線、特急を乗り継いで約4時間かけて「山陰の大阪」こと米子へ。2023年2月に訪問して以来、2カ月ぶりである。何故か2回とも14時17分米子着の特急に乗車せねばならなかった。駅前の定宿に入れるまで40分のタイムラグが発生する。

 岡山駅での乗換時間はわずか8分弱。結果として14時30分から15時の間に米子駅周辺で遅い昼メシを喰うことになる。

 雨が降りそうな春の米子駅周辺を物色。前回は完全にノープラン。今回は事前にネットでチェック。米子駅に隣接する町中華は休憩時間なしの通し営業とあった。一目散に向かうと食事休憩の札が。ネット情報はやはり鵜呑みにできぬ。

 前回よりも捜索範囲を広げる。喫茶店やcaféは開いているようだが、私の魂に響かない。ラーメン店は私が通りかかった店すべてが休憩・準備中の札が。前回もだが、絶妙なまでに米子入りする時間タイミングがずれてしまう。

 しかし、私には心に余裕があった。我が米子の定宿からほど近い<このみ>さん。ラーメンとお好み焼が2枚看板という海の家みたいなお店だが、安くて旨い。定番のラーメンがわずか450円という古き良き昭和価格である。令和の奇跡である。

 時間は14時過ぎ。この時間にもコンスタントに客はいる。すべて20代と思しき男性の一人客。この時間帯、駅周辺ではこの店の貴重さをご存じのようである。

 前回、私はチャーシューメンだった。絶品に旨かったが、冒険してみた。「スタミナラーメン」。ニンニク入りの文言が心強い。値段は650円。スタミナを注入せねばならない。

 ラーメンや一品料理に組み合せるセットもあった。1gも興味ないがミニサラダが付くとある。200円セットがライス、餃子。300円セットがカルビ丼、唐揚、焼めし、お好み焼き。350円が中華丼、麻婆豆腐丼。通し営業に敬意を表し、セットを頼もう。

 普段の私ならカルビ丼か焼飯。しかし、この日私は「お好み焼き」を召還。ラーメンと並ぶこの店の2枚看板。試す価値は十分すぎるほどある。そもそも、外食でラーメンとお好み焼を同時に食べた記憶がない。

 神戸が舞台の備え付け漫画を読んでいると、ブツがセットで降臨。マヨネーズが添えられた、小さめだがジャンク感溢れる旨そうなお好み焼と、たっぷり野菜のスタミナラーメン。刻みニラにスタミナの矜持を感じさせる。

 ミニサラダを瞬殺して無かったことにして、まずはラーメンに全力。2種類の胡椒を少しづつパラリ。まずはスープ…。

 ばっちりニンニクが効いている。牛骨の風味がかなり弱くなっているか、そもそも牛骨ベースかも我がバカ舌には分からぬ。しかし、パワフルである。野菜たっぷりでタンメン的要素も。スタミナタンメンと呼ぶ方がふさわしい。

 前夜の北九州若松での鯨飲、翌朝の特急の激しい揺れ、妙な蒸し暑さ…。疲れ気味の体にスタミナがガンガン注入されていく。お好み焼きもスナック感覚。ラーメンとがっぷり四つではなかったが、見事に全体を引き立てている。

 ラーメンを全力で啜っている途中、店内TVのニュース番組で「大規模な火災から1年が経過した…」というアナウンサーの声が耳に飛び込んできた。

 私の座っている位置からではTVが見えぬので、少し移動。そこには1年前に市場を襲った業火、1年後の現状(今)、そして会議や酒席を共にする知人…。北九州の台所・旦過市場のニュースだった。

 ちょうど1年前、私は旦過市場にいた。鳥取県米子市にて遅い昼にラーメンを啜りながら、TVで私がつい4時間前まで滞在していた北九州小倉の市場のニュースを見るシュール感に途中からラーメンの味が分からなくなった。

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魔の時間帯の救世主。

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スタミナラーメンのお好み焼きセット。

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日本津々浦々北Q州。

posted by machi at 11:41| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする