2024年08月19日

第3483夜:ナマケモノになりなさい【米子(鳥取)】

 米子駅土産売場。2023年11月時点でグッとリニューアルに品ぞろえも充実していた。

 米子ラストミッションを終えた翌朝。岡山、東京、小山を経由して目的地の佐野へ。移動日ゆえ(ただし丸々8時間ですが)、着後は呑むだけ。

 佐野駅周辺の呑み屋でもよいが、月2回佐野入りしているので飲む機会はいくらでもある。佐野ラーメンも啜る機会あり。しかし、米子はいくら再訪を誓おうが明日やもしれぬ我が人生。最後かもしれない。特急の待ち時間、万感の想いを胸に米子駅土産物売り場へ。

 伯耆の国・米子を下野の国・佐野で思いっきり満喫することに。鎌倉時代から江戸時代、もしかしたら昭和の高度成長時代まで、伯耆の国の名産を当日中に下野の国で味わうことなど不可能だっただろう。

 鳥取市、鳥取県内の市町村、隣県の島根県、松江市…。私は徹底的に「米子市」に拘った。

 製造元が米子市外はすべて割愛。駅弁も米子市の調整元<米吾>さんの未食を2箱。デザートも米子市内の製菓会社の土産物クッキー。酒は…地酒でなく、地焼酎。米子の蔵元<稲田本店>の芋焼酎でキメた。日本酒でなく焼酎のような蒸留酒はスィーツにも合う。

 お会計、ざっと5000円弱。独り居酒屋より高いかもしれぬが、絶対的な満足感が補償されている。後は、佐野駅前のコンビニで缶ビールとロックアイスを購入すれば万事万端だ。

・「幕の内弁当 伯耆物語」(米吾)

・「大山どりの鶏三昧弁当」(米吾)

・「大山ソフトクリームサンドクッキー(6ヶ入)」(寿製菓)

・「本格芋焼酎 なまけ者になりなさい」(稲田本店)

 佐野駅前のコンビニで缶3本とロックアイス捕獲。市役所から徒歩1分ほどの定宿チェックイン。荷を解く間にユニットバスに湯を張る。長旅の凝りを少しでも解す。冷蔵庫から発泡酒を取り出し一気飲み。

 まずは「伯耆物語」から。これぞ、幕の内。豪華である。鰻まで入っている。奈良漬が添えられているのも分かってらっしゃる。様々なおかずをツマミながらグビビ。缶チューハイ、ハイボールも空になった。

 『大山どりの鶏三昧弁当』は大山どりの鶏そぼろめし、照り焼き、中華風酢鶏の三銃士。味が染みて地鶏特有の歯ごたえも心強い。大山高原野菜の漬物に、未踏かつ一生登らないだろう大山に思いをはせる。玉子焼、磯辺揚げなどの脇も固い。

 紙コップにロックアイスを入れ、焼酎ドボドボ。米子の蔵元の芋焼酎。目玉おやじが思いっきりプリントされている。商品名は「なまけ者になりなさい」。水木しげる先生の至言である。先生の教えに従い、今夜「も」なまけ者になることにした。

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佐野市の定宿にて。

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伯耆の国の幕の内。

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伯耆の国の鶏三昧。

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伯耆の国の甘味。

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独りで5ヶは多すぎた。

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なまけものになります。

posted by machi at 07:16| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月18日

第3482夜:最後の牛骨【米子(鳥取)】

 牛骨ラーメンスタンプラリー。米子のソウルフード「牛骨ラーメン」を2〜3カ月かけてラリーすれば、様々なオリジナルグッズが抽選もしくは絶対もらえるという素敵な企画である。25店舗ほどが参加していた。

 この企画を知ったのが、我が6回米子シリーズの最終回。定宿(T横イン)にそのチラシが置かれていた。私がほぼ毎昼お世話になった<このみ>さんが見当たらぬ。牛骨でないのか。

 米子の最後の夜。米子駅近くで創作寿司を満喫後も、私はラーメン腹を残していた。呑みシメに牛骨ラーメンで決めたかった。昼のシエスタ時間と違い、ラーメン店の灯りが眩しい。ホテルは異なるが米子に泊って頂いた中央会M本所長と最後にラーメンを啜ることに。

 所長が案内して下さったのは、我が定宿の掛け値なしに真ん前の<とき兵衛>。エッ?うどん屋なんじゃ…。看板には「油かすうどん」「カレーうどん」が全力でプッシュ。

 宿に戻る際に真正面なので当然に店の存在に気付いていたが、うどんに惹かれなかった。それも、大阪系の油かすに。

 店内へ。完全に居酒屋風である。そして、圧倒的センターが「牛骨ラーメン」だった。

 ついに出会えた。はっきりと「牛骨」と表記されたメニューを。牛骨は醤油、味噌、塩あれど、迷うことばく醤油一択だ。

 タッチパネルを所長が操作。所長、かなり満腹かつもう飲めないらしく、瓶ビール1本を分けようとおっしゃる。異存はない。私はチャーシューメン。所長は苦しそうに半チャーハンを選択。途中、通信障害が発生しフリーズしたか画面が消えた。所長は同じ操作を繰り返した。

 所長がトイレに行っている間、瓶ビールが2本置かれた。おや、2本?まあ、どうせ呑む。1本なら足りないと思っていたので、さすが所長と感心した。

 所長が戻ってくるなり「あれ、2本ある?」。あれ、頼んだのではなかったの?まあ、良い。ただ、所長はもう炭酸すら入らないようで舐めるようにチビチビしている。

 チャーシューメン、降臨。旨そうである。シビれるビジュアルである。しかし、卓上に何故か2杯も。所長、目を剥いている。

 どうやら、通信障害でなく、注文は通っていたらしい。そのままもう一度同じ操作をしたので、瓶ビール1本が2本に、チャーシューメン1杯が2杯に。

 所長、慌ててワンオペ兄ちゃんに確認。しっかり2つづつオーダーが通っていたようだ。半チャーハンのキャンセルを申し出たが、後の祭り。出来上がる寸前という。

 所長、肩を落としながら牛骨を啜る。私、肩を上げながら鼻息荒く啜る。昼の<このみ>さんが牛骨だったこともしっかり分かった。あちらは「醤油」と表記しているだけ。米子のソウルフード、牛骨がデフォルトなのだろう。鳥取市にはあまりなく、米子が一大勢力らしい。

 この店、夜しか開いていないが真夜中も開いているようだ。なぜ今まで気づかなかったのか。よく見ると、牛骨スタンプラリーのポスターも貼られている。

 半チャーハン登場。一人前に見えなくもないが錯覚だろう。所長は一口でギブアップ。私は残りを頂く。パラパラでなくしっとり系で私好み。胡椒強めだが塩加減絶妙。ビールに合う。

 唯一の救いが、半チャーハンは一皿だけだったこと。2皿だったら目も当てられない。これだけ通信障害で届かなかったのか、ワンオペ兄ちゃんの手加減なのか優しさなのか。お会計も1皿分だけだった。後はきっちり2セットづつだったけど。

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我が定宿の真ん前。

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最後の牛骨。

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9か月間ありがとうございました。

posted by machi at 06:39| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月17日

第3481夜:第三の名物?【米子(鳥取)】(後編)

 日本酒に切り替えた。境港の千代むすび、鳥取の日置桜。どちらも辛口でシャープ。千代がより鮮烈な辛口だ。

 メインの握り降臨。桶に3貫×5種。目を剥いた。言わずもがなの圧巻。店頭のA型看板にも強調されていたが、圧倒的な自信が感じられる。肉系2貫、魚系2貫、そして穴子。どれもタレらしきものが掛かっており、シゴトが施されている。この点だけは江戸前だ。

 炙りたての鳥取産和牛サーロインから…。溶けた。もちろん寿しは大好物だが、牛、豚、鶏、羊などの獣肉系はあまり旨いと思ったことがない。変わり種だな、ぐらいの認識。むしろスルーする。「本当に旨い寿司を食べたことありますか?」という店のキャッチに首肯した。

 続いて、恐らく鳥取産和牛のローストビーフ。少しだけ山葵をチョン。噛みしめるほどに上品な赤身の旨味が溢れる。高貴なのに柔軟。艶やかにして貞操。まいりました。

 地酒で心宥め、3貫目の中トロ。文字通り、トロけた。シツこさ皆無。舌触りも夜の味。

 最後は穴子。何かトッピングされている。口に運ぶ…。濃厚なコクが加わった。全く新たな薬味である…。後から知ったが、クリームチーズだった。穴子寿司にクリームチーズをのせようなど考えつかない。センスであり、冒険であり、勝利である。 

 〆の粗汁と一緒に「米子茶碗蒸し」が。初耳だ。「牛骨ラーメン」「さばしゃぶ」はノボリはためき、取扱店マップ的なチラシもある。しかし、米子茶碗蒸しとは…。第三の名物か。

 蓋を外す。まあ、普通のビジュアル。具を味わう。旨い。カニ、鶏肉、三つ葉…。

 ほんのわずかだが、異質な食感がある。ただ、その正体が分からない…。理事長が解を我らに与えた。「春雨」だった。米子茶碗蒸しには春雨が入るそうな。

 面白い。発想も、食感も。そして、何よりも茶碗蒸しとしての完成度が高すぎる。これだけで無限に呑める。粗汁は薄味仕立てでその分アラの風味が浮きだっている。

 唐揚あたりまでは、まあ普通の創作系程度に思っていた。中盤から後半にかけて一気にまくってきた。満足感が駆け上がった。そろそろお開きに、というタイミングで、口直しでないガチのデザート。プリンである。

 私、49歳になって初めてプリンにハマっている。『めしばな刑事タチバナ』の影響が色濃い。「プリンの道」を歩むべく、デザートと対峙。

 前半のミニサイズの面影なし、手加減なしのプッチンプリンサイズ。いくつかのフルーツがトッピング。淡麗と濃厚が交互に押し寄せてきた。

 米子の夜。理事長チョイスの最高の店を堪能できた。理事長が帰り際、もう一軒あると我らに伝えた。それは、次年度のお楽しみにおっしゃる。粋な笑みである。もう一度、米子に来れる予感が湧きたってきた。

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眼福。

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試啜。

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桃源。

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感謝。

posted by machi at 09:18| Comment(0) | 鳥取県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする