2026年05月02日

第3912夜:西日本のシウマイ【福山(広島)】

 シウマイ。焼売でもシューマイでもしゅうまいでもなく「シウマイ」の2大都市は言わずと知れた横浜と鹿沼。サイズに関すれば横浜は小さめで鹿沼は大きめ。関東の2大勢力に対峙する孤高が西日本の存在していた。備後地方最大都市・福山。バラの、鯛の、製鉄の街である。

 幾分残暑も和らいだ9月下旬の11時。福山駅前アーケード下のラーメン店が暖簾を出し始めた。屋号は<Sのだ>さん。白抜き暖簾の「中華そば」の4文字がまぶしい。

 入口と出口が別で、大きなコの字カウンター。工夫されたレイアウトである。外観も店内も名店の魅力が溢れている。暖簾が掛かったと同時に飛びこんだ。

 入口に券売機が門番のごとく屹立している。さっと見る。定番っぽい中華そばが730円。ワンタンメン、チャーシューメンもあり、その組み合わせも。私は「ワンタンチャーシューメン」が現世で屈指に好きな食物の一つ。

 迷わずに押そうとしたが、「シウマイ定食」のボタンが浮き出ていた。餃子定食は定番だがシウマイ(焼売・シュウマイ・しゅうまい)の定食はあまり見かけない。

 シューマイでも焼売でもなく「シウマイ」。横浜&鹿沼スタイルである。中華そば、シウマイ3ヶ、ライスで1070円。看板キャッチは「シウマイ レモンサワー」。看板商品なのだろう。

 迷いが生じた。チャーシューワンタンメンか、シウマイ定食か。ふと首を右に向けると、8人ぐらいが並んでいた。ウォッ!焦って気づけば「シウマイ定食」を押していた。セルフの水を受け取り、指定されたカウンター席へ。

 中華そば一択でなく、一品料理も豊富。隣のオヤジは生ビールを煽りゴキゲンなご様子だ。

 目の真ん前で調理の風景が見える。シウマイは小さな蒸篭に入り、蒸篭ごと同時に4つほどがコンパクトに並べられている。こんな専用の厨房器具があるのか。

 感心していると、中華そば、ライス、そしてシウマイが眼前に。中華そばは目視で「尾道系」と分かった。シウマイは大きな3ヶ。グリーンピースが眩しい。

シウマイにグリーンピース有りか無しかは有史から解のない命題である。私は「有り」。ちなみに50歳を超えた今、冷やし中華のさくらんぼは「無し」だが、酢豚のパイナップルは「無しから「どっちでもいい」に格上げである。

 まずはスープ…。濃い目の醤油と塩分。涼しくなったとはいえ1時間ほど歩いた体に塩分が喜んでる。背脂のバランスも見事。

 シウマイは熱々。辛子醤油に付けてライスにオンし、口に運ぶ…。玉葱の甘味が濃厚で、豚肉の旨味とがっつり抱擁。ライスにも合う。さすが看板メニューである。

 麺もしっかりとした歯ごたえと小麦の芳香。背脂の浮いたスープと官能的に絡み合う。チャーシューも大き目が2枚。

 今度いつ福山でのんびりできるか分からない。我が人生最後かもしれない。シウマイ定食を選んで、この店を選んで大正解だった。

 店長風の男性やバイトさんから「ありがとうございました〜」「またお越しくださいませ〜」という気持ち良い声がけを背に店を出る。時間は11時20分。ホテルチェックイン可能時間まで3時間40分。さて、どうするか(この後の展開は前夜へ)。

IMG_6755.jpg

名店のオーラがビンビン。

IMG_6741.jpg

シウマイ推し。

IMG_6746.jpg

全景を写せないが見事なレイアウト。

IMG_6754.jpg

小型のシウマイ蒸し器だからこそ可能な提供。

IMG_6753.jpg

シウマイ定食。中華ソバは尾道系。

posted by machi at 09:50| Comment(2) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年05月01日

第3911夜:28年ぶりのシネマモード【福山(広島)】(後篇)

 アーケードを出てすぐにカプセルホテルが入っているビルが視界に。このビルは覚えている。28年前にもあった。たしか、ここにも映画館がなかったか…。

 あった。<福山駅前シネマモード>。地下と2階に2スクリーンあり、1階に券売機が。映画館の名前も雰囲気も覚えていない。ただ、このビルで映画を観た記憶が蘇った。時間はたっぷりある。何をやっているか…。

 上映中作品のポスターが掲示されていた。かなりマニアックなラインナップ。メジャーシネコンで上映しているような作品が見当たらない。

 最も上映開始時間が近い作品が「ひゃくえむ。」だった。内容が1oも分からない。走っている男性2人のイラストが描かれている。出演はM坂桃李氏とS谷将太氏。どうやらこの2人のダブル主演らしい。予備知識掛け値なし皆無だが、それも一興。

 券売機でチケットを買う。すると、たまたまこの日はサービスデーだったらしく1300円だ。ツイている。それでも上映開始まで50分もある。券売機すぐ横にカフェがあり、熱い珈琲飲みながらPC猿打。Wi−Fiも完備。メール返信などしてたら上映時間が近づいてきた。

 地下に降りる。「チケットを買ってご入場下さい」とある。そういえば、座席指定をしていない。チケットを確認すると「自由席」と書かれている。封切映画の自由席とは懐かしい。

 28年前にタイムスリップした気分でふと気づいた。チケットは券売機で、劇場入り口にも誰もスタッフがいない。タダ見しようと思えば余裕だろう。ただ、システム導入や人件費よりも、客の「性善説」を信じた商売に何か熱いものを感じた。

 余談だが、シネコンを始めとした映画館が人件費高騰を理由に鑑賞料金を値上げしまくっているが、映画館ほど人件費を削減できるはずの業態はないと日ごろ感じている。大手でない料金の安い映画館は入口その他、たとえ値上げしても様々な工夫を凝らして運営している。

 1番前の席を陣取る。1番前だがスクリーンと距離があるためベストポジション。内容、まさかのアニメだった。100m走に青春や人生を掛けた男たちの20年に及ぶ大河ドラマ。主演2人の声優は松坂氏と染谷氏。どちらも本人の表情が浮かぶほどそのまんまの声。

 松坂氏の実年齢は知らぬが、オトナの声質で高校生は違和感だった。ところが社会人パートになると一気に馴染む。染谷氏はキャラもビジュアルの本人がモデルではないかと思うほどハマっていた。そして、改めてプロの声優の凄さを痛感させられた。

IMG_6756.jpg

カプセルホテルの袖看板にうっすらと記憶喚起。

IMG_6757.jpg

ラッキーな日。

IMG_6763.jpg

これを選択。

IMG_6762.jpg

入り口横のカフェ。映画鑑賞特典を頂く。

IMG_6759.jpg

いざ、28年ぶりの福山映画。

(付記)

1〜2カ月前、この映画館(シネマモード)が閉館する記事をネットニュースで観た。28年ぶりにたまたま入ったのは虫の知らせだったのかもしれない。大手シネコンでは味わえない独特の空気感がたまらない単館系。皆さま、映画はサブスクでなく映画館で観ましょうぜ。

posted by machi at 08:37| Comment(0) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月29日

第3910夜:28年ぶりのシネマモード【福山(広島)】(中編)

 21世紀なってから2024年に初めて福山駅の改札を出た。シゴトではない。1回目は電車の1時間乗換待ちと、2回目は近接する井原市ミッション終了後に福山駅前のホテルに宿泊。

 1回目で改札を出た時、目を剥いた。私の記憶にある30年近く前の福山駅前はごちゃごちゃしていた。ところがエキナカが垢抜け、天満屋が屹立していた以外は当時の面影がない。そもそも1998年の半年間、映画館以外で福山駅前で過ごした記憶がない。

 アーケードが長く広がっていた記憶がある。当時はまちづくりも商店街振興も中心市街地活性化も全く知らぬが(それから1年後には本業になりましたが)、特段印象に残っていない。買物したことも、飲み食いした記憶もない。2回目は22時頃改札を出て、宿に向かう途中の高架下の呑み屋で30分ほど飲み食いしただけ。

 前置きが長くなり過ぎたが、酷暑がマシになった9月下旬の朝10時。7か月ぶりに福山駅に降り立った。この日は隣接する岡山県井原市で夜からミッションで、宿が福山駅前。

 急行特急シゴトもなく、早く目覚めたついでにサクっと新幹線乗車。10時過ぎにはついてしまった。ちなみに井原方面へ向かう列車乗車予定時間は6時間半後だ。

 1年前は駅前を眺めただけだが、おそらく28年ぶりに街なかへ。駅前に一部アーケードが残っていたが、他に見当たらない。アーケードを撤去したのか。そして、ただ撤去するだけでなく舗装にもこだわったオープンモールに。ポケットパークもなかなか見事。空き店舗はほとんどない。飲食店や呑み屋が目立つがこれは世の趨勢。30年前はどうだったのか。

 福山は瀬戸内ゆえ新鮮な魚のイメージもある。鯛で有名な鞆の浦も福山だ。ラーメン屋も目立つがほとんどが尾道ラーメンっぽい。尾道は隣町ゆえ当然か。もしかしたら知らぬうちに30年ほど前、福山で尾道ラーメンを啜っていた可能性がある。

 そして、最も目についたのが焼肉屋。福山、焼肉の街だったのか。たしかに工場労働者の多い街ではある。

 海鮮居酒屋が朝から開いていて鯵の開き定食など惹かれてしまう。それと、瀬戸内ゆえ穴子の街かと思いきや「鰻」の方が目立っている。福山は備後で広島は安芸。福山は広島市より岡山市の方が距離も近い。

 駅前商業ビルの地下の食品スーパーが出来ていた。地元密着の品ぞろえと価格だが、駅前立地ゆえ幾分手土産的品も目立つ。こういうスーパーはねらい目である。地酒や地の肴が少し安く買えたりするからだ。広島県内の地カップ酒と福山市が蔵元の300mlを捕獲。瀬戸内アレンジが施されたナッツも。

 アーケード下のラーメン屋でシウマイ定食を満喫後、アーケードを抜けて駅方面へ向かう。コーヒーショップでPCするか、いまだ未踏の福山城を散策するか…。〔次夜後編〕

すっかり垢ぬけて変貌した福山駅周辺商店街

IMG_7637.jpg

IMG_7658.jpg

IMG_7675.jpg

IMG_7653.jpg

IMG_7656.jpg

IMG_7645.jpg

IMG_7631.jpg

IMG_7647.jpg

IMG_7682.jpg

(付記)

世間様はGW。私のような自由業(無職と言えぬこともなし)は毎日がGW。ただいま名鉄車内でまもなく知立通過。今日は豊川市諏訪町日帰り。祝日しか打合せ時間が取れぬすわポン商店会メンバーにお会いするために。皆さま、GWの夜もご安全に。

posted by machi at 11:50| Comment(0) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする