2025年04月05日

第3637夜:50分間の駅構内旅行【福山(広島)】

 福山駅。台風直撃に間隙を突いて奇跡的にたどり着いた。在来線乗換時間まで50分。駅の改札を出る。台風ゆえ普段と異なるルート(岡山でなく福山経由)を選択した。こんな機会がなければ、福山駅で下車することもなかった。駅構内や駅前リニューアルぶりに度肝抜かれた。

 私は25年前、1年も満たない期間だが福山の製鉄所で働いていた。朝5時出勤で退勤は深夜2時。土日は朝7時から22時。私だけでなく同僚や先輩たちも同様だった。残業代などない。寮のメシなど喰った(喰えた)記憶がない。今でいう、ブラック何とかというヤツか。さすがに今は労働環境は改善されただろうけど。故に福山を楽しんだ記憶も皆無に等しい。

 築城400年を迎えたという福山城。何度も新幹線の車窓から数え切れぬほど眺めたが近づいたこともない。50分乗換では厳しく、石垣だけを間近で見た。天守閣は見えない。何故か8月31日限定で「福山城博物館 入場無料」と観光案内所に貼り出されていた。何もこんな日に。

 新幹線改札内の駅弁売場は臨時休業。コンビニも弁当やおにぎりは配送できないようで皆無。ところが土産物売場の弁当屋さんで豊富な種類の駅弁が売られていた。

 帰りはどうなるか分からない。福山を経由しない、経由しても改札から出ない可能性もある。福山上陸記念に十数種の弁当の中から、福山限定という「勝成むすび」1100円捕獲。おかず大充実のおむすび弁当である。勝成とは、人名。初代福山藩主のことらしい。

 テンション上がった。再度土産物売場で福山の地酒「純米酒 天宝一」購入。カップが無かったので4合瓶1430円。そして、すっかり甘党になった私はデザートとして福山市内の和菓子メーカー「B強堂」さんの看板商品「むぎっこ栗っ子」など栗系和菓子を3ヶバラで購入。

 奇跡的に遂行できた岡山県井原市ミッションを終え、帰路は福山駅で10分ちょっとの乗換時間。改札を出ず、新幹線改札内のコンビニで瀬戸内系缶チューハイを3本購入。

 瀬戸内レモンはこの十数年で最強最高のブランディングの成功例でないか。瀬戸内は昔はオリーブのイメージだが、今やレモン。瀬戸内はいまや、魚よりも柑橘系のイメージか。ちなみに私は「しまなみ八朔」がかなりのお気に入りである。

 新神戸までノンストップの新幹線に乗り込む。土曜の18時過ぎなのに空いている。明日から9月。キリン秋味を一気飲み。それから缶チューハイを3本。

 新神戸まで約50分。気づけば4本空になった。朝に仕入れた駅弁「勝成むすび」と栗系和菓子3種は自宅で福山の地酒とのんびりヤルことにした。

 帰宅して風呂に入り、20時半から駅弁晩酌。勝成むすび、めちゃくちゃ旨い。おにぎりも大きくギチギチ。紅葉まんじゅう入りがいかにも広島。パッケージの懸け紙で広島カープを応援している点も。

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すっかり変貌した福山駅前。大都会の風情。

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台風でお休みの雰囲気。

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力強く営業中。

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こんな日に無料にしなくても。

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帰路の車窓から。

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瀬戸内3シリーズ。私は八朔がお気に入り。

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新幹線は珍しくガラガラ。

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勝成公の駅弁。

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すっかり甘党に。

posted by machi at 06:45| Comment(0) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月26日

第2405夜:寛ぎのダブルヘッダー【広島(広島)】

 <あんず>。広島市タカノ橋商店街の決して目立つ場所ではないビルの2階の韓国料理店である。ある師走の21時過ぎ。私ごときではなく弁護士が対応すべきタカノ橋ミッション終了後、7人で<あんず>へ。冷え冷えの中がタフなミッション後の毛細血管に染み込む。

 ナムル3種盛から始まり、サムギョムプサル(合ってるかな?)、せせり炒め、キムチ、唐揚、チヂミ、とうもろこし天ぷら、ポテトフライ……。
韓国料理一辺倒ではない。日本人に合う味付けというか、好みというか、定番料理も揃えているところが心憎い。そして、何を喰っても旨い。ハイボールも濃い目。日本酒も充実している。

 我ら7人以外にも若いカップルが2組。実に家庭的というか、飲み屋なんだが他人様の家にお招きいただいた気分、さらにその上を行き、自宅にいるような寛ぎ気分を味わえる。

 〆にホルモンうどんを少し取り分けてもらった。うどんの出汁は関西風の透明感ある昆布系。ただし、ホルモンが天ぷらになっている。ホルモンの天ぷらは初めてかもしれぬ。細く千切りされた赤い物体が華やかさを添えている。

 出汁を啜る。……。じんわりと旨い。西日本人は全員好む味だ。しかし、じんわりと辛みが広がる。唐辛子だった。辛い。熱い。しかし、旨い。ホルモンの天ぷらもふわふわのプリプリ。うどん出汁を衣が吸って独特の官能を高めている。汁1滴残さなかった。

 時間は23時前。2軒目は専務理事も含み若手中心に5人で市役所方面のメイン通りから外れた住宅街へ。ほのかに灯りらしきものが灯っている古民家がある。<おうちBARひらひら>。

 これまで日本中で分かりにくい店、入りにくい店、見つけにくい店を訪ね呑み歩いてきたが、北九州市の隣町の水巻にある韓国料理店に次ぐセットアッパー級の難解さ。目を凝らせば看板らしきものはあるが、集中しないとまずスルーだろう。

 店内に入り、思わず歓声を上げた。巨大なスクリーンには80年代洋楽ロックのライブビデオが。それ以上に、まさに古民家を改装した和風バー。その中に洋のテイストが差し色として映えている。店主のセンスの高さが全力で伝わってくる。

 ハートランドを飲み干した後は、ハイボール。400円という安さに驚愕。カクテルも豊富で、専務理事が嗜まれていたカクテル「サザンカンフォート」に挑戦。辛口のジンジャーエールで割るそうだ。きりっとした濃厚だがコシのある甘さだ。ツマミは出来立てのポッポコーンである。

 談笑と激論を繰り返していると、深夜1時を回った。私はお礼を述べ、ブラブラと広島市滞在時の定宿へ。歩いて5分である。

 1軒目も2軒目も、壮絶に寛げる自宅感覚が心地よかった。この気分を維持していたい。歓楽街の誘惑を珍しく振り切り、定宿でチェックイン手続きした。この定宿チェーンに年間100泊以上生息している私にとって、自宅以上に寛げる3軒目でもある。

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何喰っても旨し。

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ポテトフライは外せない。

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タカノ橋商店街の皆さま、ありがとうございました。

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BARとは思えない。

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寛ぎの極み。

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居心地良すぎ。
posted by machi at 15:08| Comment(0) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月25日

第2404夜:お好み焼き放浪記〜広島編・1枚目〜【広島(広島)】

 日本三大お好み焼。言い換えれば、世界三大お好み焼きである。大阪風、広島風の2強に「神戸長田風」を加える(異論は挟ませぬ)。「神戸」ではなく「神戸長田」である点がポイントだ。

 3大お好み焼きの調理方法や特色などは割愛する。神戸長田焼は私がモノゴコロ着く前からのソウルフード。地ソース(バラなど)を産湯としてきた新長田っ子の私は、お好み焼きにはこだわりがある。そして、神戸長田焼は世界最強であることを疑っていない。

 令和元年現在もその思いは変わらぬが、かなり揺らいでいる。平成の終わりあたりから広島焼にハマりだしたのである。それも本場ではなく、北九州市内で。特に小倉黄金町ミッション終了後に<安芸>という店に以前よく通った。そこで開眼してしまった。

 ある師走の夕方。朝昼何も腹に入れていなかった私は、すっかりリニューアルされ垢ぬけた広島駅構内の飲食店ゾーンを攻めることに。お好み焼き屋だけでも10店舗ほどが軒を連ねている。しかし、デジャブというか、自分がどこにいるのかわからない感覚に襲われた。

 ……。理由が分かった。同じ店が同一ビル内に出店しているからである。紛らわしい。

 時間は17時前。並んでいる店とそうでない店で明暗を分けている。ラーメンにも惹かれたが、ここは広島焼。程よく混みあっているが一人なら座れる<Rちゃん>に狙いを絞った。

 メニューを見る。真っ先に「スペシャル」が視界に。これだけ文字の色も異なり、人気ナンバーワンとある。しかし値段は1450円。もっともノーマルが840円。

 スペシャルとの違いは、八戸産いかと生えびを使用しているか否か。その差、610円。神戸長田焼ならその差額分だけでお好み焼きが1枚余裕で味わえる。

 ノーマルにトッピングする具材で値段が跳ね上がっていく。ちなみにスペシャルは全メニューの中で3番目に高額。価格1位は「ロイヤルスペシャルALL IN」。3500円。よく分らぬが、凄そうである。しかし私なら3500円をランチで払うなら迷わずに鰻を攻める。

 少しの迷い、店が力強く勧める「スペシャル(1450円)」に。思うツボなのだろうが、神戸長田共和国から辿り着いた流浪のヨゴレまちづくり屋は、強大な広島焼帝国と対峙せねばならない。

 店内はサラリーマンが8割といったところ。しかし、広島弁があまり耳に入ってこない。立地特性上、地元客よりも観光客は出張族が多いのだろう。

 ブツが降臨。なかなか脱力感溢れるビジュアルである。私はモダン焼にしても広島焼にしても、そばではなくうどん派。モチモチして旨さが倍加する。しかし、そば派が圧倒的な勢力である。

 2種類の「カープソース」を駆使。いかにも広島である。一味もパラリ。箸を二つに割り、いざ喰らわんとしたとき、異変に気付いた。マヨネーズがない。広島焼にマヨは欠かせないはずだ。

 店員さんにお伝えすると、「あっ、ちょっとお待ちくださいね」。

 戻ってきたとき手にしていたものはマヨネーズだが、たっぷりチューブ式ではなく、テイクアウトのサラダとかに付いてくる小袋タイプ。たっぷりかけられない。じらしプレイもスペシャルなのか。さすが日本最強のお好み焼き帝国である。ヨソモノには厳しい。

 肝心のお味は、うどんとキャベツと卵と豚肉と生地が蒸されるように程よく焼け、甘めのソースとマヨネーズに合いました。美味しかったです。800円ぐらいだったなら大満足でした。

 神戸新長田時代、「神戸新長田新鮮トレトレにゅーす」(叶_戸ながたTMO発行)を毎月1回発行していた。不定期だったが、「新長田お好み焼き放浪記」というコーナーを担当していた。

 私が店主も含め気にいった店を取材し、食し、記事にしていたのだが、しばらくすると何故か閉店してしまう。生存率はかなり低かった。一部からは「デスノート」として恐れられていた。

 十年ぶりに、お好み焼き放浪記を復活させる。新章は広島編からスタートし、全国へ。私がこのバカブログに乱筆しても、謎の理由で閉店しないようお願い申し上げます。

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広島駅構内。知らぬ間にグッと垢ぬけて。

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初のお目にかかった「カープソース」。

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スペシャル。
posted by machi at 11:01| Comment(0) | 広島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする