2017年05月12日

第1698夜:熊本ラーメン放浪記【熊本(熊本)】(中編)

 まずはスープ。……。マイルドだが思った以上にすっきり。ほろ苦く香ばしい焦がしにんにく油が効いている。私には十分に濃いが、熊本的にはあっさりとんこつに分類されるという。

 卓上の焦がしにんにく油を途中から投入すると、デロデロしたいやらしい食感が増して色気が増える。モヤシのシャキシャキが嬉しい。麺は中太ストレート。結局麺一本スープ1滴残さずクマモン啜り。大満足で腹をさすりながら店を出た。

■桂花(熊本駅新幹線口店)

 熊本ラーメン3強の一角(たぶん)。昭和30年創業で東京都内にも数店舗進出しているという。聖地(本店)攻めの時間的余裕なく、ほぼ満席だがカウンターが運よく空き飛び込めた。

 ワンタンメンと迷ったが、叉焼麵(チャーシューメン)に。替玉ないので大盛に。出てきたブツはかなりの破壊的ビジュアルである。

 胡椒をパラリし、まずはスープをひと啜り。……。これまでの熊本ラーメンで最もパンチの効いた味。獣臭もかなりワイルドだ。

 麺を啜る。……。少し太めの固めでかなりシコシコ。コシ強し。スープは後ほど知ったが豚骨&鶏ガラのWスープでまろやかですっきりした味わいが特徴らしいが、私にはかなり濃厚。マー油独特の香味も立ち上る。食べ続けると確実にクセになるのだろう。

 大盛りは手強い。ゆで卵半身が2ヶ(要するに1ヶ)で、麺は何故か伸びないという不思議。後半苦しくなった時に卓上のゆず胡椒を投入。ゆず胡椒は九州でよく見かける定番だが、ラーメンに入れるのか。

 試してみる。……。味のキレが格段に鋭くなった。ゆずのピリッとした酸味がスープに溶け込んですっきり。何かと何かが化学変化を起こしたようだ。後半加速度が上がったが、さすがに量が多すぎてスープは飲みきらんかった。

■「まるうまラーメン」

 17時15分ごろ熊本駅着。予定の普通列車乗換まで30分もある。駅構内<まるうまラーメン>へ。券売機スタイルだ。熊本ラーメン620円で、ラーメンが580円。しかし写真の見た目は煮玉子の有無しか区別つかない。ここはシンプルに「ラーメン(580円)」だ。

 博多豚骨並みの秒速で運ばれてきた。ボリューム満点で具沢山。大きなチャーシューが2枚ある。キクラゲ、揚げニンニクもたっぷり。黒マー油もしっかり広がっている。見た目は完全に熊本ラーメンビジュアルである。

 スープを啜る。熊本系にしてはあっさり目かもしれぬが、十分もっこすな味付け。麺は細めのストレート。ゆえ早く茹で上がるのだろう。紅生姜、辛子高菜を入れるあたりは博多長浜系の源流か。後半はこの2種類をぶち込み味を確変させながら熊啜である。〔次夜後編〕

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<桂花>にて。

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<まるうまラーメン>にて。
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2017年05月11日

第1697夜:熊本ラーメン放浪記【熊本(熊本)】(前編)

 熊本ラーメン。久留米が発祥らしい九州豚骨白濁系だが、熊本の特徴は豚骨または鶏ガラた白濁スープ、固めの中太麺が特徴。よって博多系や長浜系の極細麺よりゆで時間がかかり、替玉取扱店も多くない。スープは濃厚だがまろやかで、香ばしいマー油(にんにくを揚げた油)と揚げニンニクがトッピングされている。マー油を馬の脂と勘違いしていた輩は私だけではないはずだ。

■味千拉麺(本店)

 在来線0Aホームという謎の地点から在来線で水前寺へ。30分ほど歩きながら散策し、県庁正門横の<味千拉麺>本店へ。国内外合わせて1000店舗ほどの世界最強級チェーン。わざわざ熊本まで行かなくても啜れそうだが、ここは総本山であり聖地。私自身、味千童貞だった。

 店内広々。入口近くに座ろうとしたら「寒いから奥へどうぞ」という接客も好もしい。さすが本店、従業員教育は完璧。しかしこの日は1月中旬とは思えぬ春の陽気。汗ばむほどだ。

 メニューを読む。定番シンプルを選択するか、真逆の「全部のせラーメン」か。1秒後、「全部のせ」に決心。しかも大盛である。

 程なくしてブツ降臨。チャーシュー5枚、パイクーというソーキのような肉、木耳、そして野菜。固ゆで卵もハーフサイズが3ヶ。私は目玉焼きなら半熟だが、立ち飲み屋のツマミやラーメン投下のゆで卵は固ゆでを愛している。

 スープを啜る。……。思ったより濃くなくサッパリした印象である。濃厚北九州で舌を鍛えられているからか。大盛りは最後苦しかったが完食。スープは最後まで呑み切らんかった。

■<黒亭>

 チェーン展開しておらず全く知らなかったが超有名店だった。11時半に熊本到着後、駅前ホテルに荷物を預ける。旨いラーメン屋をフロントで尋ねると、この店を紹介していただく。

 歩いて4,5分。店内満席だが、カウンターが1席空いていた。観光客よりも地元で分厚い支持を得ているようである。接客も好ましい。

 セットメニューも豊富だが、ラーメン一択。看板メニューとあったのが「肩ロース玉子入ラーメン」900円。わざわざ肩ロースと注釈付きも好感度高い。私はバラよりロース派なので好感度アップ。このメニューは玉子が大好きだった初代女将の考案という。

 昭和32年創業。大釜で炊く豚頭骨のみのスープが特徴で「泣く子も黙るほどの有名店」(観光パンフ)らしい。

 ブツを待つ間に行列が出来だした。土産用ラーメンもあるようである。店内キョロキョロしながら期待に鼻を膨らませていると、ブツが運ばれてきた。

 ……。美人である。生卵の黄身が2ヶが映えている。黄身の色が濃く、鮮度の良さが伝わってくる。レンゲで黄身をすくい、潰して麺を少し浸して啜るがポイントらしい。〔次夜中編〕

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<味千拉麺>の聖地(本店)にて。

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超絶人気店<黒亭>にて。
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2017年04月14日

第1680夜:千年の大楠に会い(愛)に来い(恋)【宇城(熊本)】

 小川町商店街。熊本地震最大の被災地・益城町にほど近いため甚大な被害を被った宇城市内の商店街である。工事業者が手配できないため、地震から数か月経つが依然として手つかず、解体中、更地のままなど苦しい商環境に置かれている。

 2017年1月、私は熊本駅から電車で小川駅へ。初上陸である。宇城市は「三角西港」が明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されたが、小川町からは離れている。

 商店街M本会長に小川町をご案内いただく。年に数回の祭を始め、住民憩いの場となっているコミュニティスペース「まちや」整備、小川町産白玉粉を使用したスィーツ開発など限られた資源ながらたっぷりと活動を展開されている。

 小川町内に7か所で「ゑびす様」が祀られている。ゑびす様で押している地域は日本に数多いが、小川町がユニークなのは、ほとんどのゑびす様が二体並んだ「夫婦ゑびす様」であること。夫婦円満や恋愛成就などのご利益が囁かれている。同じ様に熊本県内でミッションを仰せつかっている水前寺公園「成就園」と何となく類似している。

 なぜゑびす様が7か所も祀られているのか定かな由来は分からぬそうだが、古くからの商人町であり、交通や物流の拠点として大いに江戸時代以前から賑わっていたという。

 意外と言っては失礼だが想像以上にヨソモノにとって見所が多い小川町に鎮座するのが、小川阿蘇神社である。阿蘇四宮の分霊を願請したらしく(よく分かりませんが)、1040年創建という風格と歴史と威容を誇っている。

 地震の影響か、ところどころクラックの入った石段を登って本殿に向かう。荘厳である。神社からは小川町がある程度見渡すことができる。そして、本殿に負けぬ圧倒的存在感を醸し出しているのが、御神木である楠。樹齢1000年を優に超えるそうだ。あまりの幹の太さに、最初、木かどうかすら気付かなかった。カメラに収めても大きすぎて尺度が合わないほどである。

 1月中旬から2週間に1度の頻度で計3回、小川町商店街の皆さまや宇城市役所の方々と小川町の将来ビジョンを検討してきた。復興以前の復旧期であるが(2017年2月末時点)、熊本駅から電車でわずか20分の位置に江戸風味の観光情緒あふれる町が広がっている。

 小川町の、そして、小川町商店街のキャッチコピーを検討することになった。パンフでは「あなたの願いがきっと叶う」「しあわせ探しの小川町 夫婦ゑびす巡り」などが記載されている。

 王道系、シュール系、様々なアイデアが提案されたが、採用されたのは小川阿蘇神社のご神体をフューチャーした「千年の大楠に会い(愛)に来い(恋)」。歴史ある夫婦ゑびすの町に相応しい。

 夫婦円満、恋愛成就。これから彼氏彼女と結婚を考えている若いカップル、倦怠期に突入し神の力に縋らねば今生の別れが待ったなしの仮面ご夫婦、ご主人も定年を迎え子育ても終わりこれから人生を思う存分謳歌したい熟年ご夫婦、小川町におよれんせ。きっと願いが叶います。

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小川阿蘇神社。奥に見えるのが千年の大楠。

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本殿。
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