2025年04月11日

第3641夜:替玉と生姜の流儀【春日部(埼玉)】

 <H九郎R>。春日部に御縁を頂いた2019年からこの店の何度通ったか分からない。ある日突然外観イメージ一新。「春日部ドとんこつラーメン」を前面に出す熱い店に大化けしていた。

 残暑厳しい9月上旬。春日部駅西口へ向かう途中に飛びこんだ。店内はオッサン2人といかにもよく喰いそうな丸坊主の高校生3人。券売機で定番と思われる「平九郎ラーメン」選択。替玉がソールドアウト。あらら。まあ、いいか。

 店員さんに好み(麺の硬さ:ふつう)を伝えて、替玉は売切か念のため聞いた。すると、平日の16時から18時は替玉食べ放題無料ですので、どうぞ!とおっしゃる。

 ゆえに、ソールドアウトにしていたのか。時間は16時45分。どんぴしゃである。

 2024年度は隔週で北九州入りしている。ゆえに本場で啜る機会はたっぷり有しているが、わざわざ九州以外で豚骨を啜ろうと普段思わない。春日部のドとんこつ、いかなるものか…。

 ブツ降臨。大きめのバラチャーシュー1枚。キクラゲ、海苔、アオネギが頼もしい。

 スープをひと啜り。濃いが、もっと濃いのは実食済。私好みの濃さで絶妙。麺を啜る。小麦を喰っている感じが嬉しい。スープを飲みたいが、替玉に残しておかねばならない。

 啜り終わる直前に替玉を「かため」で。高校生3人も「ふつう」追加。私は彼らの父親よりたぶん年上で、三十歳以上離れている。「かため」でオトナの違いと魅力を見せつける。

 かためは一気に食す。かなり腹が膨れたが、もう1玉は「バリカタ」で。瞬殺で眼前に。

 紅生姜をたっぷり載せる。ニンニクも。辛子高菜と漬物をご希望の方は店員へと書かれているが、さすがに頼むのは厚かましい。紅生姜、大蒜、ごまで充分である。

 バリカタに挑む。さすがにタフである。高校生も追加の声。なんと「ハリガネ」で。この上にはコナオトシしかない。学生と張り合ったが、最後に負けた。向こうは私にことなど初めから眼中にないはずだけど。

 その夜は武里駅東口の活性化作戦会議基地<小湊>で濃厚かつたっぷり議題の会議を終え、場所を移さず恒例の懇親会。居酒屋小湊は毎週月曜が定休日。ゆえに、小湊を経営するS田会長のご厚意でそのまま懇親会の流れになる。

 武里夜会議終了後、翌朝のミッション等を勘案して春日部どころか県外のホテルに泊まることも多い。小湊でゆっくり呑めないが。この夜は春日部駅西口の定宿。終電も夜中1時頃まであるようで、翌朝のミッションを考えなければ思う存分呑める。

 西口名店会、平成通り商店会、東口商店会。武里駅前が誇る3商店会会長揃い踏みの会議&懇親会は1〜2カ月の1回の何よりの楽しみ。2024年度になり商店主らとの呑み会が激減した私には貴重かつ至福のひと時である。

 生ビールで乾杯。2杯目からは濃い目のハイボール。刺身盛合せ、ぬた、焼とんなどを満喫しながらハイボールの杯を重ねる。

 「谷中しょうが」にテンション爆上がり。味噌を付けて齧る。ほろ苦さ、大地の力強さが体内に注がれる。夏の風流である。私、エシャロットや谷中しょうがはかなり好物。居酒屋で見つけたらほぼ100%注文してしまう。らっきょうも。

 S田会長は「手取川」の一升瓶をクチアケして下さる。 味噌を付けた生姜をかじり、冷した地酒で追いかける。夏である。日本である。オヤジである。天国である。

 もつ煮や厚揚も楽しみつつ、地酒をガンガン。紀土、花泉、景虎、日高見、水芭蕉…。これ以降の銘柄は覚えていない。気づけば日付が変わっている。

 春日部駅到着後、定宿へ向かってホタホタと歩く。<H九郎>はもう閉まっている。途中、猛烈な便意が襲ってきた。とても宿まで括約筋を維持できない。

 途中にコンビニ(ファミマ)と24時間牛丼チェーン(Nか卯)がある。なK卯に飛び込み、券売機をスルーしてトイレへ一直線。

 地獄の際から生還し、気持ちが天国。余裕たっぷり。さすがにトイレ(しかも大)だけ借りて店を出ることはできない。お礼を兼ねて「牛あいがけカツ丼」の持ち帰りボタンを押した。

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リニューアルのド成功例。

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ふつう。

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かため。

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ばりかた。

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宴の始まり。

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辛みそ焼とん。

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吞めば吞むほどに復興支援。

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大好物の谷中生姜。

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安定かつ定番のもつ煮込。

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背徳のあいがけ(肉&カツ)。

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2025年03月24日

第3626夜:ご褒美の顛末【大宮(埼玉)】

 ご褒美。私はあまり日々の生活で自分に与えないが、珍しくご褒美を与えても良いかなというタイミングがあった。

 令和6年度から新たに慣れぬミッションが始まった。7月下旬から8月上旬まで、盆前後の毎年恒例といえ、土日も無くとにかくタフだった。暑かった。そして、8月上旬の春日部(武里)ミッションが終わればカキモノは吐きそうなほど溜まっているが11日間出張無しに。

 盆前ラストミッションの春日部武里、攻め攻めの内容で終了。笑みが漏れるほど順調である。ミッションは15時半終了。この日は帰るだけ。いつもなら駅前のバーガーショップでレポート書きなどしているが、この日は盆前を乗り切れたご褒美。つまり、呑もう。

 東武野田線で大宮へ。朝からうな鐵改め<小鐵>と決めていた。うなぎ串焼は関東、それも首都圏しか扱う店を私は知らない(2024年8月上旬当時)。しかも、めったに見かけない。

 瓶ビールをヤリながらお通し(モヤシナムル)と鰻骨唐揚を楽しむ。うなぎ串7本セット、バラが売切れて6本に。それでも大満足。無限に呑める。

 瓶ビールの後は熱燗。暑い夏に涼しい店内で鰻と熱燗。無双である。入口に近いカウンター席にしたので風が入ってきて気持ちいい。

 雷鳴が響いた。外を眺めると、雨が降り出した。雨脚が強くなりだした。雷鳴も凄い。店内の会話の声と雨音、雷鳴が同じ音量。天気予報をスマホチェック。2時間ほど止む気配なし。

 傘を持っていない。しかし時間にまだ余裕がある。雨脚が弱まるのを待つため、熱燗を追加。それと、奈良漬け。隣の男性はうなぎ蒲焼の特上を追加。差を付けられた気がする。奈良漬けは最安値の270円。特上は…5千円ぐらいか。

 店長が暖簾を仕舞った。ドアも締めた。早じまいか。客は誰も入ってこなかった。店から駅まで割と距離がある。雨脚、弱まるどころか強くなっている。引くほどの降りっぷりである。

 意を決した。会計を済ませて外に出る。路面はくるぶしまで増水。傘のない御仁たちが通り沿いの軒先で途方に暮れている。

 走り出した。濡れるというレベルでなく、バケツで頭から水をかぶるぐらい。私は普段、アーケードは空き店舗が多い商店街限定で不要論を唱えていた。撤回する。

 駅近くにアーケードがある。避難する。海に落ちたような濡れっぷり。そこに<富士そば>があった。思わずフラリ。私と同じようなどしゃぶりオヤジが2人ほどいた。

 券売機で「紅生姜天そば」。受け取る。七味をパラリ、出汁から。しみじみ旨い。温かい。

 しかし、びしゃびしゃの服が冷房で冷やされ寒い。これからひたすらエアコンの効いた電車内。日帰りゆえ着替えなどない。

 ユニクロ、無印、ドンキ…。私の中の大宮マップが広がる。問題は、0.1トン倶楽部の私が着ることのできるサイズが店にあるかどうかである。

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大宮呑みの5回に4回はココ。大好きです。

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赤星と鰻骨で幕開け。

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第1弾。

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第2弾。

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風が吹き込んできた。

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真夏の熱燗と奈良漬。

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警報発令。

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掛け値なしの土砂降り。

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緊急ピットイン。

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帰路の新幹線にて。

posted by machi at 09:47| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月15日

第3617夜:阿波踊りの流儀【春日部(埼玉)】

 阿波踊り。徳島発祥の夏の風物詩である。私が生まれ育ち今も生息している神戸は戦後の集団就職の名残からか徳島出身者が多い。私の祖父も徳島出身。

 特に私の生まれ育った新長田は徳島出身者が多い気がする。あと、徳之島と奄美大島も。中国、韓国、北朝鮮、ベトナムにルーツを持つ新長田人はもっと多いかもしれない。

 私が新長田で働いていた11年間、毎年夏に本場・徳島(鳴門)から「うず潮連」さんをお招き。商店街をたっぷり3時間パレードして頂くのが夏の恒例行事だった。浴衣を着て鳴門まで踊りに行ったこともある。六間道商店街では夏祭りの前にうず潮連さん指導による練習イベントも決行していた。

 鐘や太鼓が織りなす、日本人のDNAレベルで琴線を震わせる音色。迫力あるイナセな男踊りと優雅で美しい女踊り。私は主催者側ゆえ準備や当日の運営でヘロヘロだが、それでも楽しみが上回っていた。2010年に新長田を離れ、阿波踊りを直接目にする機会は滅失していた。

 阿波踊りといえば徳島だが、何故か埼玉県越谷市も阿波踊りで有名である。2017年から関東のシゴトが激増してからそのことを知った。しかし、観る機会はなかった。

 阿波踊りを生で最後に堪能してから15年後の夏。越谷市と隣接する春日部市、中でも市境である武里駅前にて盛大に開催された夏祭りの2日目。武里平成通り商店会、武里西口名店会ゾーンを阿波踊りがパレードした。「きむら連」さんという、恐らく越谷と思しき連。

 私は主に輪投げゾーンを担当する合間を見て阿波踊りを堪能。震えた。見事だった。そして、サービス精神。

 炎天下に関わらず、17時頃から20時過ぎまで商店街やステージでほぼぶっ続けだったのではないか。子供さんも足の運びも天晴。最後の最後、平成通りで演舞(総踊り)して下さった。目頭が熱くなる。

 今回の夏祭り、もう一つのメインがあった。第2回プロジェクションマッピング花火大会である。西口駅前のビルの壁面に花火画像を映写する。

 昨年度は第1回だったゆえ試行錯誤の雰囲気。今回は圧巻。生と比較してはいけない。様々な事情で日本中が花火大会中止に追い込まれる中、新たな「カタチ」に昇華しそうである。

 前日は夜中2時前まで鯨飲していた。この日はさすがに疲れが色濃い。21時過ぎに春日部に戻り、コンビニで冷たい缶チューハイを数本買ってホテルに戻る。

 シャワーを浴び、缶チューハイをほぼ3本一気飲み。TVを付ける。パリ五輪の熱戦が繰り広げられている。日本勢、メダルラッシュ。祭りの規模は違えど、日本人として魂が揺さぶられた真夏の夜の夢である。

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2日目のメイン。

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第2回プロジェクションマッピング花火大会。

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最後は平成通りで総踊り。

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東日本屈指の阿波踊りの街・越谷(春日部の隣)。

posted by machi at 07:05| Comment(2) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする