<みどりスーパー>。東武野田線南桜井駅南口から徒歩数分。庄和銀座商店会に屹立する食品スーパーである。しかし、食品スーパーという概念を遥かに超越したまさに「スーパー」なお店。「みどりスーパー」というジャンルを確立し他の追従を許さない。
初夏の日差しが照り付ける平日の午後。庄内銀座商店会ミッションの前後にスーパーの店内を視察させて頂いた。店内や商品の撮影許可も頂いた。「撮影はタダだから」という『そこらへんの草研究所』初代草長様の笑みが頼もしい。埼玉県人は写真撮影0円というPOPもある。
私は兵庫県民だが、2017年から毎月埼玉県に通っているので、自称「準」埼玉県民という自負は少しある。
『そこらへんの草研究所』、何のことか分からぬだろう。私も巷説だけではピンとこなかったが、お店を訪問して納得というより、想像の遥か斜め上を行く度肝の抜かれっぷりだった。
店頭に小さなポットの植栽が販売されている。「そこらへんの草ワーク」と表示されたコーナーには多種多様な「そこらへんの草」が100円以下で販売されている。ただし、字義どおりではない。野菜や花の苗である。‘新鮮な草入荷しました♪’というキャッチも斬新極まりない。
店内はテーマパークである。ドンキやヴィレバン風であるが、決して類似ではない。独特の世界観が店内を制圧している。お惣菜コーナーはどれも旨そうで量たっぷり。サンドイッチも具の量も凄まじい。
多くの総菜に「そこらへんの」という修飾語が付けられている。「そこらへんの草こえて森すぎたたまごサンド」など言語感覚もサイケでシュール。「そこらへんのもみじまんじゅうクリームパン」「そこらへんのフリフリケツぷりんパン」など想像つかないだろう。実物は想像の斜めどころは遥か天を行く。そして、圧倒的に旨そうで、破壊的に安い。
鮮魚も1匹売りで安い。加工カットしている商品も豊富だが「がんばろう調理」というコピーにニヤリとさせられる。店内に溢れる埼玉県、春日部市への愛に時を忘れる。
このお店、チェーン店でなく庄内銀座商店会のみで50年以上営業されている食品スーパーだが、様々なメディアに頻繁に取り上げられている。某酒場詩人の放浪記までこの店を居酒屋として活用したそうな(私が訪問した際は撮影収録済で放映前)。土日は全国からこの店をめがけてお客が殺到。バスで乗り付けることも頻繁だそうである。
この夜、私の宿は佐野駅前のビジネスホテル。駅周辺の居酒屋でイッパイやるつもりだったが予定変更。<みどりスーパー>で「そこらへんの草こえて森スギポテト(埼玉県人限定)」315円と「北海道産昆布使用 数の子松前」(確か200円以下)をカゴに。
森スギポテト、バーガーチェーンのLサイズの3倍以上の盛りっぷり。松前漬はスーパーオリジナルでないだろうが、圧倒的に安い。痛風の敵「数の子」が絶妙のアクセントになる。他にもいろいろ捕獲したい逸品目白押しだが、訪れる機会は充分あるので次回のお楽しみに。
帰路にスーパーの前の創業60年を超える老舗和菓子屋さんで3種の饅頭を捕獲。味噌・栗・カフェオレ。1ヶ100円から販売されている。このカフェオレ饅頭、洋菓子であり和菓子でもある唯一無二のテイスト。思わず口にして目を剥いた。恐ろしく旨い。
南桜井駅周辺は巨大なマンションが建設中で(2025年5月下旬現在)、戸建て分譲も進んでいるという。駅の北側には私も大好きな埼玉の地場スーパーが屹立している。
私は予定では2年間、南桜井エリアに月1〜2回ペースで通い続けることになる。もっと知りたい。買いたい。食べたい。そして‘そこらへんで’「呑みたい」願いも叶えたい。
「埼玉県民には‘そこらへんの草’でも食わせとけ!」。某大ヒット映画のシーンが脳内リフレインした。

