2023年12月06日

第3303夜:燕三条の流儀【春日部(埼玉)】

 燕三条。たしか新潟と長岡の間に位置する新潟県内と都市である。私は未踏だが、燕三条といえば私のようなラーメン者にとって「背脂系」を真っ先に連想する。

 台風3号が温帯低気圧になったが湿気ムンムンで蒸し暑く小雨降りしきる正午過ぎ。朝6時に北九州黒崎を出て新幹線や在来線、東武線を乗り継ぎ、春日部市内の武里駅着。

 朝から何も腹に入れておらず空腹。無事辿り着いた安堵感も飢餓感を呷る。この日は14時から東洋最大級の団地群を誇る竹里地区内の公民館でミッション開始。設営や準備等を勘案し、何か腹に入れる時間はギリギリ残されている。

 駅西口正面にラーメン屋さんが。迷わず突撃…。臨時休業の張り紙が。出鼻を挫かれた。気を取り直してそのまま駅前通りを歩く。すぐ近くに「中華そば」と白暖簾に黒文字の清々しい暖簾が。屋号は目立たなく<ぎと家>とある。小さくガッツポーズして、店内に飛び込んだ。

 券売機と対峙。予備知識ゼロゆえ戸惑うが、上段の4つのボタンが大きくて写真入り。淡麗中華そば、背脂煮干しそば、汁なしあぶらそば、つけそばが4本柱らしい。「特製」にランクアップするとチャーシューが4枚に、味玉と極上岩海苔が追加。プラス250円である。

 私は汁(スープ)偏愛者ゆえ、淡麗か背脂煮干しに絞られた。この2択で2秒ほど長考していると、がらりとドアが開いてお客がご入店。迷う暇なし。初ダイブ店では最もオーソドックスを選ぶが、この日は気合を入れたかった。「特製背脂煮干しそば」を押す。

 水を飲みつつ店内のポップを眺める。横浜家系のように色々とカスタマイズできるようだ。ふと気づいた。屋号は<ぎと家>。横浜家系なのか。しかし、家系で「背脂」「煮干し」はあまりプッシュしない。

 どんどんお客が入ってきた。女性の2人組が多い。男性の一人客も。気づけば店内ほぼ満席に。期待が高まる。

 ブツ降臨。背脂がたっぷりと泳いでいる。私はそれほど背脂に執着はない。二郎系の店では「背脂抜き」にすることも。刻み玉葱も特徴的である。たっぷりのチャーシュー、煮玉子、そして岩海苔。岩海苔トッピングは初めてだ。

 それ以上に私の視界を捉えたのが、丼の淵に青字で染め抜かれた「燕三条背脂蕎麦」の7文字。冒頭に戻る。燕三条系だったのか。燕三条といえば、背脂。背脂を選択して正解である。

 胡椒を軽くパラリし、まずはスープ。ガツンな濃厚だが、煮干しが効いてさっぱり感も。

 驚いたのが、背脂。濃厚なのに、サラリ。脂っこさでなく、コクと深みをあたえている。

 麺をリフトアップ。縮れた太めの平打ち。これが絶妙にスープに絡む。何よりも、旨い。 

 チャーシュー齧り、麺を啜り、スープを浴びる。岩海苔も風味豊かで好アシスト。刻み玉葱が爽やかである。後は一気呵成で無我夢中。

 途中、ふと気づいた。スープの奥に、酢の酸味がある。私は酸味のあるラーメンを好まぬが、これは別世界。酢が奥深く隠し味になることで、芸術の域にまで昇華させている。気づけばスープ1滴残っていなかった。

 大満足で店を出る。雨が上がった。駅でタクシーを捕まえようとしたが、来る気配がない。会場まで恐らく10分程度。歩くことにした。途中、もう一軒ラーメン店を発見した。そこには「新潟らぁめん」とある。武里エリア、何故か新潟ワールド全開である。

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暖簾が旨さを保証。

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燕三条系。

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リフトアップ。

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すぐ近くにも新潟が。

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2023年11月01日

第3188夜:カウンターの流儀【春日部(埼玉)】

 ララガーデン春日部。春日部駅西口から徒歩すぐのショッピングモールである。シネコン、ドラッグストア、本屋、無印などが入店しており、コンパクトなので非常に便利。我が春日部の新たな定宿(T横イン)から歩いて3分ほどゆえ、ますます重宝している。

 夏の日差しを感じさせる5月末の夕方。定宿にチェックインし、ララの前を通って東口商店会方面へ向かおうと歩いていると、ララの前で座り込んでタバコを吸っているややこしそうなお兄さんたちが数人いた。

 目を合わさず通り抜けようとしたら「アヅマさん!」と声を掛けられた。春日部ミッションで3年間お世話になった知人友人たちである。4年ぶりに復活する祭りの準備らしい。真に結構なことである。私のことを覚えて下さっていたことも嬉しい。

 仲町集会所で打合せ後、粕壁NEXT商店会プロジェクトリーダー・I山氏のオフィスでPC猿打させて頂く。凄まじく捗った。明日が壮絶に楽である。

 I山リーダーと呑みに行くことに。リーダーのオフィスビルの1階にある超人気呑み屋。私は入ったことない。この日も臨時休業だった。春日部最強のチャイニーズレストラン<けいらく>も定休日。私のリクエストで東口<楽笑>に向かう。我が3年間の春日部ミッション、後半2年はコロナでほとんど飲めなかったが、1年目は会議終了後の第2会議室のようだった。

 カウンターが2席だけ開いていた。超満員。相変わらずよく流行っている。私はひたすら黒ホッピー。I山リーダーはメガハイ。クリームチーズたまり醤油漬は私にとってマストである。

 ただでさえ何喰っても酒呑みの心をつかんで離さない名店に、更なるキラーサービスが追加されていた。「カウンターサービス」。すぐ出るオツマミが1組1品無料とある。テーブル席でなくカウンターに座った客限定のサービス。あるようでない着眼点に目からウロコである。

 枝豆、たこわさ、やみつきキャベツ、ピリ辛きゅうり、漬物盛合せ、冷奴から1品選ぶ。私はイイヤンの意見も聞かず迷わず「漬物盛合せ」。こんもりと3種、瞬殺で降臨。クリームチーズたまり醤油漬けとツケモリの2品でホッピー6杯は軽くイケた。

 この夜、春日部市内では様々な会議が同時開催されていた。私の知人もそれぞれに参加。その中の一つ、東商連理事会終了メンバーが<楽笑>へ。ラスボスO川会長、G一先生、Sンヤ氏、Tダシ氏、Mモ氏、そしてYウコ氏のご主人のJョウタロウ氏。それにしても、I山リーダーのオフィスでも知人にお会いするし、春日部、うねりが凄いことになっている。

 メガハイボールが机上を飛び交う。深夜12時過ぎ、十数人の若手グループがご来店。我らの同行氏たちの後輩組織。濃厚極まりない。夜の賑わいもかなり戻ってきたようである。

 翌朝。定宿の朝食バイキングを腹に入れる。座り位置はもちろん、窓側のカウンターである。

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黒ホッピーとクリームチーズのたまり醤油漬からのスタートは我が鉄板。

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カウンター万歳。

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漬物もたっぷり。

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人数が増えたのでカウンターから移動。

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2023年10月31日

第3187夜:武蔵の鰻【大宮(埼玉)】(後編)

【2匹目:四代目喜川】(大宮)

 平日の午後だが、南銀へ。目指すは半地下のようなハイボール酒場。呑むのではない。これまで何度も「昼」に南銀を歩いた。いつも気になるビジュアルがあった。ハイボール酒場の前に設置された「うなぎ」のノボリ旗とお品書き看板である。

 この日は朝から何も食べておらず空腹を極めていた。普段、大宮で昼飯を食う際は95%以上の率でラーメン。後の5%を思い出せないから、ほぼ100%かもしれない。

 大宮駅周辺のラーメン店、まだまだ未踏もあるだろうが、かなりバカブログに書き散らしてきた。駅周辺に未踏が減ってきた。ないこともないが、チェーン店ばかり残されてきた。

 ハイボール酒場に行ってみた。まだ看板が出ていたが、ランチタイムは14時までとある。時計を見る13時57分だった。

 飛び込む。支配人らしき方が出てきた。イケますかと聞いてみたら、コンマの間があり、どうぞ〜と席に通して下さった。

 昼の部限定で「うな丼」があった。1680円。丼といえどかなり安い。梅2,680円、竹、松、そして特は5,280円。最安値のうな丼と特重の差は約3.14倍。無限の円周率である。

 ランチタイム終了2分前に間に合った奇跡に感謝し昼限定の「うな丼」で。店内は私しかいない。どうせ同じ手間なら「特」を頼んでほしいところだろう、店としては。

 最安値の丼を注文すると、支配人は「大盛にできますよ」。メニューにはどこにも大盛りなど書いていない。私の体型を観て案じて下さったのだろう。ちなみに、チェーン店以外で大盛を勧められるのは、私のような体系のデブあるあるである。

 店内はシックなバーだが、どことなく和のテイストも。ちなみに、この時間帯は「うなぎの喜川」が店名。明治29年創業とある。まさか、このバーが明治29年からあるとは思えない。移転したのか、ヤドカリ(間借り)なのか、複雑な諸事情があるのか。 

 お茶だけでなく氷の入った冷たい水を持ってきて下さった。終了間際に恐縮である。

 ブツ降臨。大きな鰻が半尾、小宇宙の中央に君臨している。香の物が2種、嬉しいことに肝は無いが吸物まで従えている。

 山椒をパラリ。まずは鰻を少し箸で千切ってテイスティング…。ふわふわ柔らかい。タレの味はかなりあっさりめだが、さっぱりあっさり食べられる。私は西日本のパリパリも好きだが、東日本のふっくらした「蒸し」も愛している。

 後は熱々のご飯と一緒に一気呵成。ご飯大盛、思ったよりも多い。鰻とのバランスを意識しつつ、香の物でライスを食べ進める。気づけば米粒ひとつ残っていなかった。

 お会計の際、支配人が「お口に合いましたか?」。もちろん、合いました。

 この店のシステムを聞いてみた。夜の部は20時までで、それからはバーになるそうな。鰻のために専門の職人を雇っているという。

 お会計を済ませ、レシートを受けとる。1680円は税込みだった。大盛も無料だった。嬉しいが、それ以上に店名が3つも連記されていた。

・ハイボールバー南銀座1923

・大宮牡蠣Bar

・四代目喜川

 牡蠣バーまで入っているのか。強烈なヤドカリシステムである。

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南銀の半地下。

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鰻屋とは思えぬ。

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十分に満足。

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