2016年08月01日

第1507夜:最後の晩餐【台北(台湾)】

 <好吃坦仔麺>。妖しげなマッサージ店で同行のM渡氏耳掃除オプションとのバーターにて店のワゴン車で送ってもらった台湾酒菜小皿料理店である。M渡氏が以前訪れたことがあるらしい。その事実だけで絶対にハズレないことが確信できる。

 この店も大人気で店頭に人が溢れている。好調のためどんどん拡張していったようで、造りはバラバラだが信号を挟んで5店舗ほど同じ屋号で並んでいる。

 店頭にたっぷりズラリと料理サンプルや鮮魚が並んでおり、店に入る前にそこで注文するスタイル。あまり待つことなく店内へ。日本人はおらず、ほぼ地元人で制圧されている。

 バドガールならぬ笑顔のステキな緑Tシャツのハイネケンガールがテーブルへ。栓を抜いて注いでくれる。台湾最後の晩餐。旅のクライマックスを祝い、一同で乾杯。濃密な2日間を振り返りながらどんどん運ばれてくる絶品料理に舌鼓。小皿料理と看板にあったが、少しも小皿ではない。ボリュームたっぷりだ。

 私は中華料理店に入ると99%以上の確率で餃子を頼むが、今回の台湾滞在時は一度も頼まなかった。小籠包で充分だからだ。メニューを見ても、日本でお馴染みの焼餃子を見かけることはなく、ほとんどが蒸し餃子。台湾のワンタンは具だくさんなので、餃子との区別がつかない。

 定番かつ安心の青菜炒めから始め、麻婆豆腐に取り掛かる。この麻婆豆腐、トロミ具合といい辛さと甘さの加減といい悶絶の旨さ。北九州黒崎<北京飯店>の真夜中にシメで堪能した麻婆豆腐ライスのごとき逸品と双璧だ。

 具だくさんオムレツや揚げたてサクサク烏賊下足フライにビールが進む。どの料理も申し分なし。日本人だけでなく全世界の舌に合うユニバーサルな味付けである。酢豚の濃厚な甘辛さと歯ごたえに驚かされる。繊細と野生が超絶のバランスで両立している。

 牡蠣と麩を煮込んだものはジャパニーズすき焼の味を連想させる。わずか2日間だが、すでに日本料理が恋しくなったのだろうか。牡蠣よりも出汁の沁みた麩が御馳走である。

 この店の屋号に「麺」という文字が入っている。店員さんたちのTシャツにも大きく「麺」の文字が。M渡氏曰く、名物の麺料理があるらしい。普段なら迷うことなく注文するが、遅めの昼に食べ過ぎた。目の前の料理も量たっぷりであまり減らない。

 私は麺追加を断念し、目の前に料理征服に全力を傾けた。貝柱と牡蠣と野菜がふんだんに入ったトロミのあるスープの磯風味に思わず微笑みながら目を細めた。

 台湾の食事、全くの飛び込みではなく経験豊富な同行氏たちのオススメ店ばかりだっただろうが、すべてがラッキーストライク。こんな旨い中華を満喫すれば、当分日本では箸が伸びないかもしれない。ある意味で困った悩みである。

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<好吃坦仔麺>。

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店頭で事前にサンプルケースを見て注文。

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どれも絶品。

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大満足の台湾旅行。ありがとうございました。
posted by machi at 06:38| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月31日

第1506夜:バカ殿様の全身マッサージ【台北(台湾)】(後編)

 ふくよか熟女は私の上半身の作務衣をはだけだした。熱々のタオルも何枚も頭や首に巻き、肩のあたりにたっぷりとローションを摺り込んできた。

 仰向けのまま肩揉みされるのも初めて。気持ちいい状態とツボに入ってかなり痛い状態を交互に繰り返す。気持ち良くて眠りそうになると、痛いツボを刺激されて目を覚ましてしまう。

 10年ほど前は頻繁にクィックマッサージを利用したが、最近は足を踏み入れた記憶がない。疲れていないのだろうか。

 頭、手の平、足裏が私の快楽指圧3本柱。肩、腕、手の平などの上半身の後は、太ももやふくらはぎの下半身をマッサージ。太ももの膝に近い内側を刺激された時は激痛で悲鳴を上げそうになるが、ぐっと黙って眉間にしわを寄せる。

 うつぶせになれと指示された。ふくよか熟女は「痛かったら言って」と言うやいなや私の足の裏、脹脛、腰、背中、肩あたりを縦横無尽に全体重掛けて足踏みし始めた。確かに見事にツボを刺激してくる。ただ、決して痛くはないのだが「重い」のだ。

 腕時計を外しているので時間が分からないが、そろそろフィニッシュだろう。足裏が残っている。足裏に迫りくる快楽に期待で光悦していると、「はい、終わり」と一言。あれ、足裏は…?

 どうやら「全身」に足裏は含まれていないシステムだった。時間切れで発射タイミングを逃した下半身だけ裸のバカ殿になったような釈然としない気分のまま部屋を出る。

 足裏以外の全身(股間除く)をたっぷり90分間揉み解されて今まで経験したことにおない血流の巡りで体が熱っぽい。しかし、お預けを喰らった足裏だけが妙に落ち着かない。

 台湾最後の晩餐を終え、屋台を視察し、ホテルに戻る。空港行きバス出発まで1時間ほど残っている。ホテル周囲はマッサージ屋が溢れている。

 私は寸暇を惜しみ、先ほどのリベンジにホテル近くの日本語看板表記が頼もしい<呉老師>へ。美容院のような造りだが、明るくて開放的。先ほどの店の隠微さは微塵も感じられない。

 男性スタッフは私にしきりと70分全身コースを進めてくるが、バスに乗り遅れて帰国できない。アロマスパ足湯+足裏マッサージ(頭・首・肩付き)40分500元(約1750円)を選択。先ほどの店は足裏だけなら30分700元(約2,450円)。かなり安くてお得な気がする。

 更衣室で短パンに履き替え、アロマ足湯に10分浸かる。その間に頭、肩、首を揉み解してくれる。武道家のごとき短髪の引き締まった男性が力強く指圧してくる。痛いが我慢できる絶妙の力加減。先ほど90分も全身マッサージを施したのに凝っているようで、自分でも理解できない。

 残り30分はたっぷりと足裏とふくらはぎ。足裏にローションをたっぷり使用し、グリグリと滑らせるように指圧される。痛気持ちいいとはこのための言葉。体が溶けそうになった。

 ちなみにこの店、「足裏を含む」全身マッサージ(アロマバス足湯付き)が120分で1,200元(4,200円)。足裏もスッキリし、ホテルへ戻る。ちょうどバスが迎えに来る時間だった。 

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暗く隠微なマッサージルーム。

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明るく開放的。
posted by machi at 09:29| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月30日

第1505夜:バカ殿様の全身マッサージ【台北(台湾)】(前編)

 <ダイナスティ理容名店>。日本語表記では床屋みたいだが、タクシー運転手の揚さんが電話で予約して下さったマッサージ店である。

 店頭に何故かバカ殿メイクを施した志村●ん氏の巨大パネルが。なんだ、ここは?入口付近ではオッサンや制服を着たオバちゃ…じゃなく貴婦人たちが気だるそう煙草を吸っている。

 地下に受付ロビーがある。壁面には芸能人のサインや写真がいくつか飾られているが、圧倒的にスペースを制圧しているのが志村け●氏。氏オススメの店という表記がある。

 ママさんのような人がメニュー表を持ってきていろいろ説明して下さる。足裏健康マッサージが30分で700元(約2,450円)、全身マッサージが90分で1,500元(約5,250円)。明らかに全身の方がお得である。

 他にも様々なオプションコースがあった。同行氏たちは全員30分の足裏マッサージ。私だけ全身コースを選択する。

 ぼんやり店内を眺める。青い事務員の制服のようなものを着た年配熟女が多数だが、時折明らかに制服ではない露出度の高い若くてスレンダーな美人女性が小さなポーチを手にして店の内外を行き来している姿を頻繁に見かける。ちなみに制服年配熟女のスカートも膝上だ。

 私は、妙な違和感に襲われた。我々が座るソファーにはオッサン3人(私を含む)とその奥様2名と小学生のお嬢様1名。店内の醸し出す雰囲気と我々の面子構成のギャップが凄まじい。

 「全身コースのお客さまぁ〜」。お呼びがかかった。

 私は極力照明を落とした通路に入ると、目視レベルで推定年齢50代前半の太ったオバチャ……ふくよかな熟女がタオルを持って待っており、私を個室に誘導する。そして、カーテンを閉めた。

 個室にはマッサージベッドが中央に鎮座しており、正面は鏡。明らかにクイックマッサージではない雰囲気が漂っている。

 スカート膝上ふくよか熟女は超カタコト日本語で笑顔も見せずに私に服を脱げと指示。上着を脱ぐと、「下も」と一言。パンツ1枚になり、作務衣のようなものに着替えさせられた。

 トイレに行かなくてよいかと尋ねられたのでとりあえず向かう。壁面には何故か巨大なコンド●ムのポスターが掲示されている。廊下ですれ違うのは露出度の高い若くてスレンダーなポーチを持ったいい匂いのする美女ばかり。おやおや。

 個室に戻る。仰向けに寝かされる。ふくよか熟女がいったん部屋から離れる、別の満面の笑みを浮かべた熟女が入室。横になっている私に顔を近づけ、笑顔で「オニィサン、イイヒトネ〜」。

 状況が呑み込めないので困った笑顔を浮かべていると、美顔マッサージのオプション営業だった。私には1oも効果があるとは思えない。お断りすると、秒殺で退出していった。

 再びふくよか熟女が戻ってきた。個人的に目つきの険しい愛想のないふくよか熟女は最初のセッティングだけで、若いオネエサンに変わるのかと期待したのだが、私が甘かったようだ。〔次夜後編〕

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バカ殿様がお出迎え。
posted by machi at 08:44| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする