2016年06月26日

第1482夜:ハサミでカットする焼肉デザート【釜山(韓国)】

 サムギョムプサル。韓国独特の豚バラ肉を焼いてサンチュで包んで満喫する韓国独特の焼肉である。最近は日本でも手軽に味わえる店が増えてきた。

 時間は11時。朝飯を腹に入れず久々にたっぷりと歩いたので空腹が襲ってきた。1時間前の朝ビールが胃袋を活性化させている。ホテル近くで飲食店を探したが、夜から営業が中心。せっかくの韓国・釜山。昼から焼肉とビールで激しく攻めたい。

 店外メニューに日本語表記が施されていた焼肉<チョンギワ>が開いていた。瓶ビールを3本、牛カルビと豚バラ肉(サムギョムプサル)を注文。メニュー写真ではかなりたっぷりだったが、よく読むと100gあたり表示。写真はかなり盛っていたようだ。2人前づつ注文。

 まずはお通しがズラリ並ぶ。生野菜、葉唐辛子、水菜をコチュジャンで絡めたサラダ、冷奴、玉葱スライス、キムチ。炭が詰まった七厘も運ばれてきた。

 ビールで乾杯すると、ブツも運ばれてきた。私の座る角度からしか気づかないが、豚バラ肉の脂部分に黒っぽい点々のようなものが見える。目を凝らすと、オッサンの無精ヒゲのようだ。触ってみると、かなりの剛毛。毛ごと焼いて腹に入れるのが釜山スタイルなのだろうか。

 まずは豚肉から焼こうと網に乗せると、女将が何かを叫びながら走り寄ってきた。豚肉を皿に戻し、牛カルビを網に並べだした。よく分からぬが、手順があるらしい。

 肉はアッという間に焼ける。まずは辛くないタレに付けてそのままで。……。柔らかくてジューシー。コチュジャンのようなタレに絡めたり、サンチュで巻いたりと堪能。

 入れ替わり店の人がやってきて肉を焼いてくれる。牛カルビを食べ終えたら、サムギョムプサル専用網にチェンジされた。故にカルビから焼かねばならなかったのか。

 巨大な豚ばら肉を焼いたら、ハサミでカット。剛毛部分が少々気になるが、郷に従え。サンチュに乗せ、大蒜などの薬味も一緒に巻いて頬張る。……。思わず目を細める。ヘルシーである。

 韓国焼肉スタイルは、お通しも含めるとかなりの量の野菜を摂取することになるが、肉がジューシーなためさっぱりしたものでシメたい。

 メニューのデザート欄に冷麺があった。4000₩(400円)。別ページの冷麺は同じビジュアルだが600₩。デザート欄はミニサイズなのだろう。同行氏らは水冷麺、私はピビム冷麺というスープのないブツを注文。ハングル語など全く分からぬので、メニュー写真を指さし呼称だ。

 程なくしてブツが運ばれてきた。小ぶりな容器だが、ずしりと重い。これがピビム冷麺か。同行氏お二人は水冷麺。盛岡や神戸新長田でよく見かけるタイプだが、両方とも麺が深緑。何を練り込んでいるのだろうか。ピビム冷麺に冷たいスープはなく、いかにも辛そうな赤い味噌風のタレがこれ見よがしに掛かっている。少々怯むビジュアルだ。

 早速啜ろうと箸を持つと、店員のお姉さんがいきなりハサミで麺を4分割にカットし始めた。思わず目を剥いた。韓国焼肉はハサミで塊をカットしながら焼くイメージは定着しているが、麺もハサミでカットするとは…。

 啜る。……。思ったより辛くない。甘みと辛みが複雑に混ざり合っている。冷麺の醍醐味はスルスルとしたノドごしにあるが、ピビム冷麺に関してはノドごし爽快とは言い難い。同行氏らの水冷麺のノドごしを観て、私のノドがごくりと鳴った。

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牛、豚、お通しがズラリの昼。

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あっという間に焼ける。

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「デザート」のピピム冷麺。

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ハサミでカット。驚愕。

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昼から開いていて重宝。
posted by machi at 11:56| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

第1481夜:混沌と秩序【釜山(韓国)】(後編)

 韓国最大の魚市場「チャガルチ市場」へ。混沌とした凄まじい数の露天商が水揚げされたばかり(と思う)の様々な魚がびっしり。感覚的に500軒ほどありそうだ。巨大な鮫もいた。安いのか高いのか分からぬが、地元人も買物しているようである。

 「新東亜刺身センター」が核施設。1階が鮮魚店、2階が物販や食堂である。1階で買った鮮魚を2階で味わえるようだ。雰囲気が何となく那覇牧志第一公設市場に似ている。

 時間は10時過ぎ。8時に下船してほぼ2時間歩きっぱなし。ノドが渇いた。メッチュ、チュセヨ!(ビール下さい!)。

 コンビニの数はセ●ンイレブンが圧倒的だが、韓国資本と思しき<GS25>というメジャーらしいコンビニで韓国の缶ビール。コクがあって豊潤で旨い。日本円で185円程度。

 路上に午前中から様々な屋台が出ている。引き屋台もあればテント設営型など様々。道路活用の観点からも非常に効果的だ。行列の出来る屋台と閑古鳥屋台ではっきり分かれている。

 国際市場、アリラン通り、露天食堂通り、B&C通りファッションストリートと商店街がみっしり連なっている。新設されたと思しきアーケード商店街では1坪ならぬ半坪ショップも軒を連ねているゾーンがある。それこそ1000軒はびっしりだ。空店舗など見当たらない。

 驚かされたのが、極めて見事に完成された商業ゾーニングである。屋台、問屋、業務用商材、衣料品、カジュアル、食料品…。これらが秩序を持って配置されており恐れ入る。

 私は海外では市場以上に食品スーパーへ飛び込むことが大好きである。陳列だけでなく、野菜や肉の値段から本当の意味での日本との比較や相場が分かるからだ。

 <ロッテスーパー>ではビールが1ℓペットボトルで売られていた。野菜は日本と値段は変わらぬが肉は旨そうな上に安い。見たことのないカップ麺や袋麺、缶詰を大量に買い込みそうになったが、まだ旅は始まったばかり。

 「JINDO HONGJU」という度数40度の焼酎がポケットサイズであったので試しに購入。ラッパのみしながら散策しよう早速試す。韓国焼酎特有の甲類系だが甘みがある。ただし、すきっ腹に放り込んだので一気に胃が熱くなり、目が回りそうになる。

 翌日の日曜の夕方。同じく南洞の<ロッテデパート>食料品売場でフェリー宴会用食材を買い込む。ネギキムチ、エビマヨ、ナムル、焼豚、アマダイピカタ、練り物でくるんだ巻寿司、ゴマの葉キムチ……。充実である。時間が余ったので、再度釜山の中心部を歩く。

 明らかに前日(土曜)より人通りが増えている。目視で3倍以上。屋台もさらにびっしり。個室テントがずらりと並んだ一角はすべて占いの館らしい。

 屋台の配置、パラソルの利用法、テントの設置はたいへん参考になる。日本ではなかなかハードルが高いかもしれないが、ぜひ取り入れたい路上活用手法である。

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チャガルチ市場。露天が凄まじい数。

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市場の活気は屋外の方があるものの、清潔。

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1坪どころか半坪ショップも軒を連ねる。

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アーケードも縦横無尽。

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歩行者天国なのか、露店がびっしり。大賑わい。

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休日の人の多さは凄まじい。

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パラソルの使い方は見事。

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このテント群はすべて「占い」。


posted by machi at 08:48| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月22日

第1480夜:混沌と秩序【釜山(韓国)】(前編)

 釜山(プサン)。国内最大の水揚げ漁港を有している韓国第二の都市である。2016年4月下旬。私は北九州商工会議所八幡SC二枚看板M氏&O中氏とフェリーで釜山港に初上陸した。韓国は2001年のソウル以来。薄曇りだが暑くも寒くもない最高のコンディションだ。

 釜山港を出たものの、どうやって街中に行けばよいか分からない。ホテルまで徒歩10分という情報だったが、とりあえず釜山タワーを目指して歩きだした。

 巨大な釜山駅を横目に歩く。途中、スカートをはいたままひたすら段差を利用して踏み台昇降の練習に勤しむ女性を遠めから見る。不思議な光景を眺めつつ、ようやく街中へ。

 かなりドブの臭いが激しい。ハングル文字が主流なのは当たり前だが、思った以上に英語表記も見かけない。オールハングル文字の店がほとんど。メニューもしかり、バナーもしかりである。時間は9時頃。店もまだ開いておらず、人通りも少ない。

 徒歩10分のはずが6倍の時間を要して今回お世話になる<釜山観光ホテル>に荷物を預ける。広々として清潔で実によいホテルだ。対応も親切。

 ホテル隣のタチンボならぬスワリンボ老婦人(椅子だけ)とエクスチェンジ。ちなみに2016年4月23日時点で10,000₩(ウォン)が1,000¥(エン)。日本の約10分の1である。ちなみに老婦人交換レートは1万円で102,000₩。この婦人、有名人らしい。

 身軽になって中心市街地「南浦洞(ナムポドン)」を散策。まずは「光復路」。ロッテモールを背に各種有名ブランドが軒を連ねているあか抜けた商店街である。微妙に蛇行しており、車もスピードを出せない仕様である。

 至る所に謎の彫像がある。釜山は映画の街らしく、映画祭も派手に開催されているようで、釜山交際映画祭のために整備されたらしい「BIFF(Busan International Film Festival)広場」の下には映画スターや関係者の銅板手形やサインが埋め込まれている。

 ちなみに神戸新長田の大正筋商店街でも商店街を訪れた著名人のサインや手形が埋め込まれている。ハリウッド、釜山BIFF広場、神戸新長田大正筋商店街が世界三大スター街道なのだろう。そこには映画をテーマにした彫像も展示されている。お洒落な「光復路」を超えると「豚足通り」というコッテコテの名称に。

 すれ違う釜山の若い男性はほぼ8割がサイドを刈り上げ前髪をもっこり寄せた韓流スター的独特のヘアスタイル。若い女性は7割方がスカートもパンツも膝上どころか股間下。化粧も少し独特だ。そして目視で55オーバーの貴婦人はほぼ9割が王道おばちゃんパーマである。

 沖縄や南九州顔の私だが、さすがに釜山で韓国人と間違えられることはなかった。商店街や市場をぶらつくと、間髪入れずに日本語で話しかけられる。M氏も同様だが、O中氏だけがハングル語で話しかけられている。〔次夜後編〕

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ブランドショップが集まる釜山のメインストリート「光復路」。

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映画ストリート「BIFF広場」。

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BIFF広場のスター銅板手形

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路上にて。
posted by machi at 07:54| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする