岡山駅到着後、駅弁2ヶ捕獲。遅めの昼用と、帰路の特急用である。観音寺駅の売店は8時半で閉まってしまい、ローカル駅弁もあることはあるが売切確実。行きの特急車中は「牛肉駅弁大将松茸入り」。冷めてもうまい実力駅弁の調整元は広島三原の浜友さんである。
パッケージを開けた瞬間、マツタケの香りがプ〜ンと香る。時期は6月中旬。どう考えてもシーズンではないが旨かった。ミッションを控えているため、ノンアルビールで耐え忍ぶ。
食欲の抑えが効かずもう一つの駅弁に手を出しそうになった時、携帯が着信で震えた。毎週のように通っている八尾市役所からの着信である。電話の先は、優秀な若手職員氏。アヅマさんのものらしき見覚えのあるデジカメが見つかったのだが、という電話だった。
その2日前、夕方からひたすら八尾ミッションが続き、21時から明け方4時まで鯨飲。その過程でデジカメを無くしてしまったことに気付いた。結局見つからず、観音寺から帰った翌日にデジカメを買わねばならぬと思っていた矢先だった。嬉しくて気持ち持ちも弾む。
ミッション終了後、特急終電ギリギリなので駅まで車で送って頂き、駅前のコンビニで素早く缶ビールなどを捕獲。終電に乗りこむ。帰路のツマミも岡山駅弁「いいとこ鶏弁当」。歯ごたえありなのに柔らかく、味の沁み込んだ御飯もビールやチューハイのツマミに好適だ。
30分ほどで坂出に到着。あわただしく下車し、5分後に岡山行きの特急が来るのでホームで佇んでいると、車両が入線してきた。思わず、目を剥いた。異様に立派である。カラーリングも上品かつ美しい。中に入る。まさかの寝台車両だった。岡山終点と思いきや、終点は東京。
全席指定らしく、私はチケットに記載された場所に行くと、寝台フェリーの雑魚寝部屋のようだが、微妙にマジ切られている。私は、茫然とした。ミッション疲れと心地よい酔いが眠気を誘う。ごろんとなる。畳の上にじゅうたんを引いたような反発力だが、清潔で気持ち良い。
睡魔に吸い込まれそうになるが、爆睡してしまうと目覚めれば朝6時の東京。どうしても帰らねばならぬため日帰りにした意味が消失する。快適なのに、眠ってはいけないという矛盾。寝てはいけない寝台列車は30分強で岡山到着。後ろ髪引かれながら降りる。かなり乗りこんできたようだが、少なくとも岡山で下車した輩は私しかいなかったように思う。
私は凄まじいほど新幹線や特急を日々利用しているが、寝台列車がまだ走っていたことに驚愕。乗りテツでも撮りテツでもなく食べテツ(駅弁&駅そば)なので、そのあたりの事情は詳しくない。少なくとも寝台列車は、数年前にエジプトの南部からカイロまで移動して以来だ。
岡山から新神戸まで30分。新幹線でバーボンをヤリながら、岡山駅売店で捕獲した瀬戸内名物で最近周囲を席巻しているレモン味いか天の姉妹版「すだち味のり天」をツマみつつ、華のお江戸に想いを馳せた。
列車内とは思えぬ。

