魚沼産こしひかり。宇宙最強品種「こしひかり」の中でもその地名度は他の追従を許さない無敵のブランド米である。
新潟県魚沼市で一期一会なミッションを終え、21時半頃に商工会M黒氏&O野氏と居酒屋へ。その3時間前、ホルモン焼きをノンアルコールビールで流し込んでいた。素晴らしく旨かったが、ホンモノの生をとりもなおさず喉に放り込みたかった。
ほぼ一気飲み。2杯目は黒生。心の中で「おつかれなまです」とひとり呟く。
料理は地元人におまかせだが、この夜の私は「新潟」をテーマにリクエスト。ホルモンを3時間前に腹に入れているのでそれほど空腹でもない。
地元人は「雪国まいたけの唐揚」「佐渡産いか一夜干し焼き」を注文。分かっているオトコたちである。実に頼もしい。
まいたけ、普段スーパーで見かけるブツとはあまりにも別物。大きさ、風味、歯ごたえ、すべてが別次元。「雪国」と冠があるだけで旨さが増す。
一夜干しも焼すぎない、まさに一夜干しの妙。マヨ七味をレモンを駆使して目を細める。
生2杯の後は地酒。八海山から始まり、緑川。以降の銘柄は商工会コンビにお任せ。4種類目までは味を覚えていたが、以降は何を飲んでも変わらぬモードに。
超絶に気になるメニュー発見。私が普段自分からまず頼まないブツ。「おにぎり」である。
「おにぎりで、おもてなし」をキャッチコピーに、観光協会が仕掛けたらしい魚沼産コシヒカリを用いた「魚沼ごちそうおにぎり」プロジェクトとある。
期間限定の取組らしく、10月14日からクリスマスイブまで。要するに、新米が味わえる期間なのだろう。この日は10月24日。まさに新米シーズンだ。
このお店の‘ごちそうおにぎり’は「自家製南蛮味噌おにぎりともつ煮込み」。おにぎり2ヶ、漬物付きで税込950円。これを頼まぬ日本人観光客は皆無でないか。
日本人の太古からの心、降臨。大きな2ヶ。もつ煮込もビッグサイズ。
南蛮味噌がたっぷり。まずは味噌が掛かっていないところからかぶりつく…。旨い。しかし、私のバカ舌には繊細な違いが分からない。
南蛮味噌が絶妙に旨いのだが、この味が強くて繊細が新米の旨味が私には分からない。商工会曰く、普通にお茶碗で白飯を喰った方が違いが分かるのではないかとのこと。
魚沼市内の居酒屋で、魚沼産こしひかりの新米おにぎりに齧りつきながら、魚沼の地酒をグビグビとヤる。これほどのヤマト人の魂震えることあろうか。
明け方、ノドが渇いて目が覚めた。ホテルの部屋のユニットバスは「飲料可能」とある。
少し水を流したら、キンキンに冷たくなった。コップに注いで飲む。冷たくて、旨い。完全にミネラルウォーター。
魚沼の米と酒の旨さの秘密は、厳しい冬の寒さと豊かな自然、そして冷たい甘露である、と思う。
雪国まいたけ。
佐渡の烏賊の一夜干し。
無双セット。
無我夢中。
浴室の水道水も甘露。