2024年07月03日

第3448夜:おにぎりで、おもてなし【魚沼(新潟)】

 魚沼産こしひかり。宇宙最強品種「こしひかり」の中でもその地名度は他の追従を許さない無敵のブランド米である。

 新潟県魚沼市で一期一会なミッションを終え、21時半頃に商工会M黒氏&O野氏と居酒屋へ。その3時間前、ホルモン焼きをノンアルコールビールで流し込んでいた。素晴らしく旨かったが、ホンモノの生をとりもなおさず喉に放り込みたかった。

 ほぼ一気飲み。2杯目は黒生。心の中で「おつかれなまです」とひとり呟く。

 料理は地元人におまかせだが、この夜の私は「新潟」をテーマにリクエスト。ホルモンを3時間前に腹に入れているのでそれほど空腹でもない。

 地元人は「雪国まいたけの唐揚」「佐渡産いか一夜干し焼き」を注文。分かっているオトコたちである。実に頼もしい。

 まいたけ、普段スーパーで見かけるブツとはあまりにも別物。大きさ、風味、歯ごたえ、すべてが別次元。「雪国」と冠があるだけで旨さが増す。

 一夜干しも焼すぎない、まさに一夜干しの妙。マヨ七味をレモンを駆使して目を細める。

 生2杯の後は地酒。八海山から始まり、緑川。以降の銘柄は商工会コンビにお任せ。4種類目までは味を覚えていたが、以降は何を飲んでも変わらぬモードに。

 超絶に気になるメニュー発見。私が普段自分からまず頼まないブツ。「おにぎり」である。

 「おにぎりで、おもてなし」をキャッチコピーに、観光協会が仕掛けたらしい魚沼産コシヒカリを用いた「魚沼ごちそうおにぎり」プロジェクトとある。

 期間限定の取組らしく、10月14日からクリスマスイブまで。要するに、新米が味わえる期間なのだろう。この日は10月24日。まさに新米シーズンだ。

 このお店の‘ごちそうおにぎり’は「自家製南蛮味噌おにぎりともつ煮込み」。おにぎり2ヶ、漬物付きで税込950円。これを頼まぬ日本人観光客は皆無でないか。

 日本人の太古からの心、降臨。大きな2ヶ。もつ煮込もビッグサイズ。

 南蛮味噌がたっぷり。まずは味噌が掛かっていないところからかぶりつく…。旨い。しかし、私のバカ舌には繊細な違いが分からない。

 南蛮味噌が絶妙に旨いのだが、この味が強くて繊細が新米の旨味が私には分からない。商工会曰く、普通にお茶碗で白飯を喰った方が違いが分かるのではないかとのこと。

 魚沼市内の居酒屋で、魚沼産こしひかりの新米おにぎりに齧りつきながら、魚沼の地酒をグビグビとヤる。これほどのヤマト人の魂震えることあろうか。

 明け方、ノドが渇いて目が覚めた。ホテルの部屋のユニットバスは「飲料可能」とある。

 少し水を流したら、キンキンに冷たくなった。コップに注いで飲む。冷たくて、旨い。完全にミネラルウォーター。

 魚沼の米と酒の旨さの秘密は、厳しい冬の寒さと豊かな自然、そして冷たい甘露である、と思う。

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雪国まいたけ。

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佐渡の烏賊の一夜干し。

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無双セット。

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無我夢中。

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浴室の水道水も甘露。

posted by machi at 11:36| Comment(0) | 新潟県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月02日

第3447夜:本番前の勝負メシ【魚沼(新潟)】

 本番前の勝負メシ。十数年前の私は「焼肉」だった。ただし前夜である。本番直前焼肉は理外の範疇。今は…特に思い当たらぬが、昼間ならカツ丼かカツカレー。ゲン担ぎでもある。

 初の新潟魚沼漫談の本番90分前。ポカっと時間が空いた。漫談終了は21時予定。

 我がクライアント氏は終電で千葉(船橋)まで帰らねばならぬという。罰ゲーム以外の何物でもない。ミッション終了後、船橋までメシを喰うタイミングも無いだろう。

 夜メシに向かうことに。商工会O野氏のご案内で商店街にほど近い<やまに>。小料理屋に見えるが、ショルダーネームが「ホルモン焼き」。

 エッ?ホルモン?戸惑う間もなく店内へ。目を剥いた。奥行きがありかなり広い店。煙もうもう。店内は地元人100%な活気で溢れている。お客がひっきりなしに入ってくる。

 座敷へ。思いっきり焼肉屋だった。魚沼では「ホルモン屋」というらしい。そのホルモン屋が市内に異様に多い。魚沼と言えばこしひかり一択と思い込んでいたが、隠れた名物らしい。ちなみにもつ煮込みもどこの店にもある名物という。

 注文は常連のO野氏にお任せ。シロ、ハラミ、レバー、タン、コブクロ、ヘラ(どこの部位か分からぬ)を2人前。そして、とりあえず生…じゃなくノンアルコールビール。80分後にミッションを控える身。酒はわずかでも許されぬ。

 ノンアルは家以外で呑んだことがない。家では夏の昼間のお茶替わり。しかも、焼肉屋でアルコール以外を頼むなど記憶皆無。ただし、<焼肉ライク>で昼にお独り焼肉した際は水。

 ノンアルで乾杯。パッとしない。しかし、それをはるかに凌駕するホルモン焼きの旨さ。恐らく豚ホルだろう。これが自家製タレと相まって抜群。凄まじく力がみなぎってくる。

 安い。ほとんどが300円代後半から400円代前半。飲み物メニューも見る。魚沼を代表する地酒は日本屈指の地名を誇る「八海山」。これが1合400円…。

 安すぎないか。超人気銘柄「緑川」や他の地酒も1合400円均一。超人気も納得である。

 魚沼で魚沼の地酒が呑めない。隠れた名物ホルモン焼きを肴にノンアルビール。ノンアルでもお茶より遥かまし。2本目を追加。

 魚沼産こしひかりの新米登場の時期。ライスやおにぎりに心惹かれたが、これ以上腹にいれたら本番全く役に立たない。地酒とこしひかり新米に後ろ髪を惹かれながら店を出る。

 商工会に着いたら、O野氏のスマホに着信が。先ほどのホルモン屋から。誰かが眼鏡を忘れているという…。私の老眼鏡だった。さすが店主とも懇意なO野氏だからこその着信。

 感謝しつつ老眼鏡を受け取りにいくついでに、魚沼の銘酒「緑川」だけを扱う酒屋<松喜屋>へ。これほど贅沢な造りの酒屋はないだろう。ワビとサビ、古風と革新、歴史と未来、解放と集中。すべてのセンスが店内に詰まっている。

 私は緑川童貞ゆえ店主オススメの基本タイプ1本購入。クライアント氏は帰りの新幹線で呑むのか、720mlを3本も買っている。

 店主は4商店街の連合会長様だった。すかさず頭を下げる。連合会長は笑顔で<やまに>さんでホルモンを食べてきたことを見抜いた。我ら3人の衣服からかなりのスメールを発していたようである。

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超人気店。

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永遠に眺めていられる魅力メニュー。

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涙のノンアル。

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旨すぎ。安すぎ。

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「緑川」随一の品ぞろえ。

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他にもたっぷり。

posted by machi at 09:31| Comment(0) | 新潟県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月01日

第3446夜:雪が積もる前に【魚沼(新潟)】

 魚沼市。新潟県南部に位置する人口4万人の小都市である。ニッポン人、特にコメ食を愛する大和民族なら知らぬものなき聖地である。

 「魚沼産こしひかり」。数あるこしひかりブランドの中でその知名度は他の追従を許さない。

 魚沼市は20年ほど前に新潟県魚沼郡の6町村が合併し誕生。ちなみに南魚沼市という合併市もあり、魚沼市が先にネーミングライツを勝ち取ったので「魚沼市」。もし「ミナミ」が先なら、今の魚沼市は北魚沼市になっていたそうな。熾烈な南北戦争である。

 魚沼市の中心は旧小出町。4つのアーケード商店街が小出駅から川の対岸に広がっている。

 2023年9月下旬、商店街の一角が火災に見舞われた。5店舗が被災。火元は商店街でなく、その裏の住宅。失火か漏電か消防はひと月たっても特定できないという。恐らく特定しているだろうが、建物所有者と占有者(使用者)が同じなら失火も漏電も関係ない。

 火災から約1か月後、初めて新潟県魚沼市へ足を運んだ。新潟県は確か数年前に長岡市へ数回通った以来。上越新幹線も久々。そして、混んでいる。越後湯沢で降りて在来線で小出駅へ。16時ごろ改札を出ると、商工会の若きエース・O野氏がお出迎え。

 O野氏が被災地区をご案内して頂く。店舗の上階が火災で使えぬが1階の店舗部分は比較的被害が軽微だった2店舗(餅屋・花屋)は営業を再開。

 周囲を確認していると、花屋の若社長のご母堂様が店から出て来て色々説明して下さった。その様子をTVカメラや密撮。魚沼商店街の復旧復興をマスコミが追いかけているらしい。

 商店街に面した店舗も被害甚大だが、その裏側の火元あたりは完全に炭化。あたり一面焼尽くしてもおかしくない悲惨さだ。

 2022年だけで私が担当する市場商店街で3度火災が発生。火災保険、がれき撤去、建物解体…。義援金の取り扱いやクラウドファンディングの功罪などを改めて学んだ。

 取り組まねばならぬことは山ほどある。魚沼では義援金受付のための組織も立ち上がり、クラウドファンディングの受入準備も着々と進められていた。

 火災で被害を被るのは仕方ない。相手のあることだから止む負えない。ただし、火元になれば、漏電であっても所有者責任は免れない。失火など論外。事故よりもひどい。加害者に、火元になってはならない。火災現場を訪れるたび、しみじみ痛感させられる。

 その夜、私は被災商店主や支援機関(県・市・商工会等)に対し商店街復旧復興漫談を仰せつかった。漫談が1oでも役に立ったのなら幸いである。

 一日も早い「復旧」と並行して「復興」の青写真を描くこと。まずは一日も早いがれきの撤去から。雪が積もるまでに。豪雪地帯・魚沼の冬は間もなくである。

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初上陸。

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火災現場@

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火災現場A

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火災現場B

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火災現場C

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何故かインタビューを受ける私。

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