松山市内中心部から10分程度市電に揺られると、道後温泉駅に到着する。レトロ情緒溢れる駅舎と、坊っちゃんカラクリ時計が出迎えてくれる。
土産物や飲食店で賑わうL字型の道後商店街アーケードを抜けると、圧倒的な存在感を放つ道後温泉本館の威容が目に飛び込んでくる。スタジオジ●リの銭湯を舞台にしたあの名作アニメのモデルになったという話を小耳に挟んだ。道後商店街のジブ●ショップがあるのも納得だ。
日々の移動疲れをほぐすべく、午前8時過ぎだったが私は本館に飛び込んだ。午前6時から営業しているのも頼もしい。
入口横のチケット売り場に立つと、利用料が大きく4つに分かれている。「神の湯」と「霊の湯」という2種類があり、それに休憩場所やお茶菓子、貸しタオルや浴衣の有無に細分化される。
神の湯で入浴するだけが400円、神の湯と2階座敷寛ぎセットが800円(1時間以内)。霊の湯と2階座敷寛ぎセットが1200円(1時間以内)。都会のサウナと比較すれば安いものだ。私は最上級である霊の湯と3階個室セット(80分以内)1500円を選択した。
係りの方に案内されるまま、スーツケースを片手に昔の建物特有の急階段を上り3階へ。こちらへどうぞと、さらに縁側付き6畳程度の和室へ。ここで浴衣に着替えるのだ。貸しタオルも付いており、部屋には鍵のかかる和風クローゼットもあるので、スーツケースをコインロッカーに預ける必要もない。結果的にワンランク下のセットより安いといえる。
着替えて浴場に移動しようとすると、呼び止められた。私が選んだセットには、館内にある日本唯一の皇族専用浴室「又新殿(ゆうしんでん)」の見学ツアーが付いている。桃山時代の建築様式を採用された見事な施設である。
玉座もあり、華美ではないものの風格に満ち溢れた浴槽やトイレ、休憩所をガイドさんが案内して下さる。現在は利用されておらず、展示のみ。写真撮影も、手を触れることさえも絶対厳禁だ。
館内は写真撮影厳禁で、それ以外にも様々な禁止事項や心得るべきマナーが至る所にびっしりと張り出されている。注意書きの乱張は少々おっかないが、スタッフの方々のホスピタリティや笑顔は素晴らしい。
赤い貸しタオルを手に、いよいよ「霊の湯」に入る。石鹸やシャンプーも常備されている。こじんまりとしているものの、客はたまたま私しかおらず、極上の温泉に満たされた湯船を独り占め。疲れや凝りが湯に溶ける。さらりとしつつも、ふんわりと体を包みこむ泉質だ。一人なので、むふぅ〜、くぅわぁ〜というオヤジ特有の幸せな呻き声が口から洩れる。〔次夜後編〕
道後商店街の入り口
格式あふれる道後温泉本館
≪蛇足:昨日のあ〜ほボイルド≫
気仙沼の現況調査や偶然ヒアリングを終え、普通列車と新幹線を合わせて7時間乗り継いで帰神。遅めの朝食は一ノ関駅弁「海鮮三色弁当」、遅めの昼食は東京駅弁「直火蒲焼うなぎ弁当」。間髪いれず、本日(26日)から北九州へしばらく出張。

