2011年10月26日

第345夜:80分だけ文豪気分【松山(愛媛)】(前編)

 道後温泉本館。3000年を超える歴史を持つとされる日本最古らしい道後温泉のシンボルである。明治27年に建造されていらい、増改築を繰り返し、国の重要文化財にも指定されている。

 松山市内中心部から10分程度市電に揺られると、道後温泉駅に到着する。レトロ情緒溢れる駅舎と、坊っちゃんカラクリ時計が出迎えてくれる。

 土産物や飲食店で賑わうL字型の道後商店街アーケードを抜けると、圧倒的な存在感を放つ道後温泉本館の威容が目に飛び込んでくる。スタジオジ●リの銭湯を舞台にしたあの名作アニメのモデルになったという話を小耳に挟んだ。道後商店街のジブ●ショップがあるのも納得だ。

 日々の移動疲れをほぐすべく、午前8時過ぎだったが私は本館に飛び込んだ。午前6時から営業しているのも頼もしい。

 入口横のチケット売り場に立つと、利用料が大きく4つに分かれている。「神の湯」と「霊の湯」という2種類があり、それに休憩場所やお茶菓子、貸しタオルや浴衣の有無に細分化される。

 神の湯で入浴するだけが400円、神の湯と2階座敷寛ぎセットが800円(1時間以内)。霊の湯と2階座敷寛ぎセットが1200円(1時間以内)。都会のサウナと比較すれば安いものだ。私は最上級である霊の湯と3階個室セット(80分以内)1500円を選択した。

 係りの方に案内されるまま、スーツケースを片手に昔の建物特有の急階段を上り3階へ。こちらへどうぞと、さらに縁側付き6畳程度の和室へ。ここで浴衣に着替えるのだ。貸しタオルも付いており、部屋には鍵のかかる和風クローゼットもあるので、スーツケースをコインロッカーに預ける必要もない。結果的にワンランク下のセットより安いといえる。

 着替えて浴場に移動しようとすると、呼び止められた。私が選んだセットには、館内にある日本唯一の皇族専用浴室「又新殿(ゆうしんでん)」の見学ツアーが付いている。桃山時代の建築様式を採用された見事な施設である。

 玉座もあり、華美ではないものの風格に満ち溢れた浴槽やトイレ、休憩所をガイドさんが案内して下さる。現在は利用されておらず、展示のみ。写真撮影も、手を触れることさえも絶対厳禁だ。

 館内は写真撮影厳禁で、それ以外にも様々な禁止事項や心得るべきマナーが至る所にびっしりと張り出されている。注意書きの乱張は少々おっかないが、スタッフの方々のホスピタリティや笑顔は素晴らしい。

 赤い貸しタオルを手に、いよいよ「霊の湯」に入る。石鹸やシャンプーも常備されている。こじんまりとしているものの、客はたまたま私しかおらず、極上の温泉に満たされた湯船を独り占め。疲れや凝りが湯に溶ける。さらりとしつつも、ふんわりと体を包みこむ泉質だ。一人なので、むふぅ〜、くぅわぁ〜というオヤジ特有の幸せな呻き声が口から洩れる。〔次夜後編〕

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道後商店街の入り口

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格式あふれる道後温泉本館

≪蛇足:昨日のあ〜ほボイルド≫
気仙沼の現況調査や偶然ヒアリングを終え、普通列車と新幹線を合わせて7時間乗り継いで帰神。遅めの朝食は一ノ関駅弁「海鮮三色弁当」、遅めの昼食は東京駅弁「直火蒲焼うなぎ弁当」。間髪いれず、本日(26日)から北九州へしばらく出張。
posted by machi at 06:43| Comment(0) | 愛媛県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月30日

第328夜:銀天街と大街道【松山(愛媛)】

 銀天街商店街と大街道商店街。松山市中心市街地が誇る2大商店街である。「がんばる商店街77選」(中小企業庁)にも当然のように選定されている。

 松山市の中心駅は、JR松山駅ではなく、路面電車で10分ほど移動したところにある伊予鉄道松山市駅。その前には高島屋が、その地下には飲食店を中心としたゾーンが広がっている。

 伊予鉄道松山市駅すぐ横に、巨大なスクリーンが見える。銀天街ギャラクシービジョンだ。そこから広がるのが銀天街商店街。アーケードの照明を敢えて落とし、採光を絞る分だけ装飾照明に力を入れ、銀色の星が夜空に輝くイメージを演出している。

 アーケードの下を歩いていると、銀天街の倍の幅員を持つ極めて開放的で明るい商店街に入る。大街道商店街だ。両商店街とも飲食店が増えた印象はあるが、地元店とナショナルチェーンがバランスよく林立し、大いに賑わっている。通行量は2万人を超えている。

 大街道商店街の先端で三越が頑張っている。少し専門っぽい言葉では、高島屋と三越の間に、銀天街と大街道がL字で構成する‘2核1モール’。極めて回遊性の高い理想的なシステムだ。

 大街道の交差点から歩いてすぐに、話題となった<坂の上の雲ミュージアム>がある。シバリョウファンにはたまらない逸品が目白押し。道後方面には正岡子規氏の偉業を伝える施設もあり、文豪漱石氏の『坊っちゃん』をはじめ、極めて文化の香り高い落ち着いたオトナの街だ。

 周辺市町村で大型ショッピングセンター開業が相次ぎ、厳しさは増している。しかし、イベントだけでなく清掃活動や駐輪指導といった地道な活動にも全力を注いでいる。全国に先駆けて導入した複数のデジタルサイネージは、商店街の収益の柱に成長した。

 私が初めて松山を訪れたのは、2004年。まちづくりと全く関係のない業務での訪問だったが、それが御縁で2年に一度は訪問している。一時空店舗が増えた時期があったと感じられたが、2年ぶりに訪れた2011年9月中旬、明らかに空店舗が埋まり賑わいを増している。

 今や腐れ縁の感すらお互いにある「鰍ワちづくり松山」H野会長と旧交を温めた私は、会長やスタッフ、市役所の方々と松山市繁華街の焼肉店で、絶品の和牛と新鮮極まりない釣り立ての鯛刺身を堪能した。2011年12月まで、毎月1回は松山を訪れることになっている。

 とにかく皆さん、松山のことを愛しているのがヒシヒシと伝わる。全国的には無名かもしれないが、松山の現在の基礎を築いた偉大な経済人、文化人の話になると、もう止まらない。私は圧倒されながらも、四国人の自主独立性、新進気鋭な気風に痺れた。

 私が頻繁に受ける質問に「どこの商店街が一番おススメですか(または頑張っていますか)」がある。私が訪れたことのある商店街限定として、詳しい理由を述べるスペースはないが、私の答えはこの7年間変わらない。

「東では東京の戸越銀座、西では松山の銀天街と大街道です」

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銀天街商店街(松山)

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大街道商店街(松山)
posted by machi at 07:10| Comment(0) | 愛媛県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする