2015年08月14日

第1271夜:高度1万メートルのコンソメスープ対決【松山(愛媛)】

 コンソメスープ。世界中では味噌汁のような存在かもしれないが、日本ではそれほど口にする機会はあまりないように思われる。飛行機内のドリンクサービスを除いては。

 6月下旬のある朝。9時に自宅を出て伊丹空港へ。軽快に10時15分前到着。J●Lカウンターで予約していた11時発松山行きを発券しようとしたら、いきなり欠航のアナウンスが。ほぼ同時に私の携帯に欠航のお知らせメールも届く。受信時間は10時16分。離陸のわずか45分前である。

 台風が来ているのだろうか、突発的な整備不良なのか。理由を確かめると「飛行機が手配できないため」。腰が砕けそうになった。スカイ●ークが頻繁に使う理由ではないか。天下のJA●でもこのようなことがありえるのだろうか。

 飛行機が手配できないという理由ならもっと早く分かってよさそうなものである。少なくともフライトの4時間前に連絡をいただければ陸路に振替えることができた。このままでは13時半開始のミッションに間に合わない。

 私はどんな悪天候でも気合一発と先読みでルートを確保し、ミッションの穴を開けたことが(ほぼ)ないことが数少ない誇りである。不可抗力とはいえ、申し訳なさに打ちひしがれる。 

 途方に暮れていると、11時40分のA●Aなら振替可能という。今更陸路は間に合わぬ。他に選択肢はない。素早く時間を再計算する。定刻(11時40分)に出発したとして、到着は12時30分。リムジンバス12時40分発で13時5分ごろ松山市駅に到着。13時半の銀天街ミッションに何とか間に合いそうだ。

 AN●は臨時便ではなく定期運航便。たまたま空席があったから振り替えられたものの、満席だったら完全にアウトだった。ちなみに私以外でJA●搭乗予定だった紳士たちが私とタッチの差で満席になり、振替すらできなかったようだ。私は不幸中の幸運だったが、紳士たちは気の毒としかいいようがない。

 ●NA便は定刻通り離陸。私は月に平均4回は飛行機を利用しているが、この4年間はほぼすべでJ●L。ANAは10年以上ぶりだった。機内サービスは同じようにある。ドリンク選択方式である。普段は珈琲で、空腹の時はコンソメスープを選択する。そういえば、AN●のコンソメスープを飲んだことがないことに気付いた。JA●は数えきれぬほど杯数を重ねている。

 AN●コンソメスープに初めて挑む。……。JA●と同じかと思いきや、はっきりと違う。A●Aは薄味なのだ。一方の●ALはかなり奥深い重層的な濃い味であることも改めてわかった。

 どちらが美味しいのか。●NAを呑み続けていたら薄味に慣れ、●ALが濃すぎるかもしれない。高度1万mのコンソメスープ対決、甲乙つけがたし。結果的に松山ミッションに遅刻することなく間に合ったので、コンソメスープの呑み比べが出来て少し得した気分にもなった。

150814松山行欠航案内@伊丹空港.jpg
離陸45分前に表示された欠航案内に愕然。
posted by machi at 06:44| Comment(0) | 愛媛県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月13日

第1270夜:銀天街のイメージは?【松山(愛媛)】

 銀天街。「〜横丁」「〜銀座」などの愛称・名称を有する商店街は数あれど、「銀天街」といえば四国最強級の振興組合・松山市銀天街商店街が私の知る限り筆頭である。

 2015年5月、私は4年ぶりに市電が縦横無尽に走る文学の香気あふれる松山を訪れた。1か月の間に集中して勉強会を3回開催することになり、そのお手伝いを仰せつかった。

 松山の中心市街地商店街と私は10年以上の御縁がある。ゆえに定期的に松山を訪れる機会はあるのだが、今回は3回ともすべて日帰り。道後温泉方面やその他の観光名所に立ち寄る時間は皆無で、銀天街商店街(それも4丁目)に特化したものに。

 4年ぶりの銀天街散策。フロントの巨大スクリーンはいつ見ても圧巻。様々なショップが入れ替わった気もするが、相変わらず平日の正午過ぎであるにも関わら、通行量多く賑やかで華やか。パチンコ屋前に一台も自転車がないところなど、関西在住の私には信じられぬ光景だ。

 自転車の規制も念が入っている。「自転車を降りて下さい」標語パネルを付けたサンドイッチウーマンの存在感も見事。ロゴ入りポロシャツを着たスタッフが来場者アンケートを実施している。広告収入も半端なさそうなバナーが底力を感じさせる。目安箱も設置済だ。

 「まちなかファミリーMAP」には様々な子育て支援施設が隣接する大街道も含めて記されている。美商女マップも素晴らしい。日本中にF田姐さんのパワーが広がっている。

 そんな銀天街にも悩みがあるという。賑やかさに目を奪われて中々気付きにくいが、空店舗が増えているという。そしてもう一つの悩みが「ダサい」と言われていることだった。

 愛媛初のアーケード街でもある銀天街。その名称に相応しく独特のアーケードではあるが、特に柱の色を従来のエメラルドグリーン(?)から塗り替えたいそうだ。それを機に商店街のロゴ、キャッチコピーを含めた商店街のグランドデザインを抜本的に見直す意向である。販促委員会が中心となったプロジェクトにはプロデザイナーも参戦する力の入りよう。デザインセンス皆無の私だが、合意形成のお手伝いさせていただくことに。

 リーダーのU住氏が出席者に銀天街のイメージや好きな色を聞いていく。光、音、映像、華やか、市の中心、ファッション、ブランド、人通りの多さ、老舗が多い、長年の常連客、服飾が多い、カフェが多い、大型店にはない利便性、町のど真ん中、商店街幅が手頃……。

 ちなみに私の好きな色はオレンジ。たまたまだが愛媛のみかんを連想させる。私が訪れた日は快晴で太陽が降り注ぎ、まさにオレンジの眩しさだ。出席者の皆さま方の好みの色は千差万別。商売には暖色が一般的だが、参加者は寒色系を好む。しかし、銀天街としては寒色系もマッチするのではなかろうか。

 キャッチフレーズやロゴデザインを含めたトータルデザインが徹底的に検討されている。結果は銀天街HPにアップされるだろう。今から楽しみである。

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銀天街入口の超巨大ビジョン。

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平日の昼間も大賑わい。

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銀天街の強みと弱みを発表中。

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トータルデザインを検討中。
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2012年01月13日

第394夜:坊っちゃん列車に揺られながら【松山(愛媛)】

 坊っちゃん列車。松山市内の中心部を走るSLの形をした路面電車である。2002年、松山城築城400年を記念して復活したそうだ。

 松山市内を巡回するなら、とにかく路面電車が便利である。各路線は1時間に10本は運行しているような感覚になる。1回の乗車でわずか150円。1日乗り放題キップもある。

 仕事っぽいことを終え、路面電車JR松山駅まで戻ろうとした私の目の前に現れたのは、漆黒のボディを持つミニSL。観光客に大人気の「坊っちゃん列車」である。

 松山市内の幹線道路沿いや停留所、路面電車道を歩いていると、坊っちゃん列車を見かけることはある。ただし、この列車の停車駅は主要駅しか止まらない上、本数は極めて少ない。乗る機会などめったにない幻の列車と言えよう。私は迷わず、列車に乗り込もうとした。

 すると、明治時代のレトロな鉄道マンの衣装に扮した車掌さんから、料金前払いでキップを買うシステムを告げられた。300円。一般の路面電車の倍である。コンマ2秒ほど躊躇ったが、貴重な機会である。私は木造の車両に乗り込んだ。キップは記念として持ち帰ることができる。

 列車は動き出した。複数の号車で連結しており、一つの車両は10名程度乗車可能。木の長イスをはじめ、至る所に細かいレトロ感が散りばめられている。エアコンなどないため、車内はウチワが常備されている。

 ぼんやりと車窓を眺める。一般の路面電車以上に旅情気分が高まる。この列車がかなり目を引くので、特に観光客は羨望のまなざしで見つめている。私も優越感に浸ることができる。

 要所で車掌さんが観光案内や絶景スポットを伝えて下さる。列車は大街道、県庁、松山城を抜け、松山駅に向かっている。それにしても、ガッタンガッタン良く揺れる。車掌さん曰く、明治期のSL列車の半端ない揺れも再現していると思ってほしいとのこと。納得である。

 同じ車両に乗っていた観光客たちは途中の観光スポットで下車し、いつの間にか車内は私一人になった。極めて贅沢な空間、時間だ。

 列車はJR松山駅に到着した。わずか20分弱のレトロなタイムスリップ。私の愛読するコミック『駅弁ひとり旅』(双葉社)第2巻の冒頭に、主人公が坊っちゃん列車を楽しむシーンが活写されている。

 松山駅ホームの屋台風売店で駅弁を物色した。数ある中から私が選んだのは「坊っちゃん弁当」。坊っちゃん列車の後に相応しい。

 特急列車が動き出した。揺れなど感じないほどのスムーズだ。明治時代の坊っちゃん列車と、平成の特急列車。車窓を眺め駅弁を頬張りながら、輸送技術の進歩を実感しながらも、旅情気分は今も100年前も変わらないことも体感した。

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松山坊ちゃん列車

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posted by machi at 06:34| Comment(0) | 愛媛県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする