2020年01月19日

第2361夜:駅前100年食堂【会津若松(福島)】

 <マルモ食堂>。会津若松駅の真ん前にある食堂である。看板に「創業100年」とある。風格たっぷりである。店頭のショーケースもシブさがにじみ出ている。

 ある秋の遅い午後。過去2回の会津若松ミッションにおける遅めに昼食は常に定宿に近い会津若松駅周辺だった。

 初回は駅隣接食堂で喜多方ラーメン&ミニソースかつ丼、2回目は駅から徒歩5分程度のラーメン屋で喜多方チャーシューメン。マルモは時間帯が合わなかったのか昼休憩の時間だったため入れなかった。今回は暖簾が出ている。迷わず飛び込んだ。

 100年の歴史を感じさせる店内である。薄暗さにも風格がある。店内は割と広く、テーブル間隔もゆったり。ラジオの音がどこからか聞こえる。

 遅い時間ゆえか店内は常連歴50年以上っぽいオヤジが2人。それぞれ酒とビールをヤリながら何か食っている。

 壁面メニューを見る。ラーメン系、カレー系、丼系、そば・うどん系、そして炒め物系定食が主なグループ。中華そば600円、会津ラーメン800円。この違いが気になった。カレー押しが激しい。納豆カレーライスなるイロモノ風もある。

 迷っているうちに‘おすすめ’シールが張られている「ソースかつ丼」1000円が視界に。ラーメンもヤリたかったがミニサイズはなさそうだ。今回はソースかつ丼一択で攻略である。

 ぼんやりと待つ。静けさがイスやテーブルに染みこむ。聞こえてくるラジオの雰囲気も令和元年とは思えぬ内容とリズム感だ。

 ブツが運ばれてきた。丼のフタが持ち上がっている。味噌汁と漬物を従えている。

 フタを外す。……。おもわずヒューッと口笛を吹きそうになる。何かの香草が乗っているが、実に丁寧な造り。褐色の端正な美女といったタタズマイである。桜の下には死体が埋まっているそうだが、ソースの染みたカツの下には千切りキャベツが敷き詰められている。

 まずは味噌汁で心を落ち着かせる。……。旨い。100年の円熟が詰まっている。具は豆腐だけというシンプルさだが、その分味噌の旨味が引き立っている。

 カツを箸に取り、口に運ぶ。……。齧った瞬間、甘めのソースの染みた衣が弾け、やわらかでジューシーな豚(たぶんロース)肉の旨味があふれ出す。脂の甘さも上品。豚肉そのものが旨い。

 ライスとカツのバランスに気遣いながら食べ進める。食べても飽きない。私はソースよりも普通派なのだが、思わず転向してしまいそうだ。漬物もかなりの実力。キリリとした濃い目の味付けでご飯が進む。味噌汁も最後まで残しておかねばならない。

 気づくとペロリだった。米粒一つ残さなかった。冷たい水を飲みながら余韻に浸りつつ再度店内を見渡す。東野圭吾先生原作の映画化された『ラプラスの魔女』の撮影がこの店で行われたという。主演は嵐の一員なので、嵐ファンの方には聖地なのかもしれない。

 大満足で店を出る。歩いて30秒ほどのホテルに向かう際に、振り返る。……。入口の横に巨大バナーが吊り下げられていた。「創業百二十年」。

 デカすぎて、近づすぎて気づかなかった。一気に20年セットバックした。バナーはまだ新しい感じだが、本当は創業何年なのだろうか。

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100年食堂の風格。

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シブい壁面メニュー。伝統と斬新が同居。

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ソースカツ丼。上品なのに少しジャンキー。激ウマ。

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映画のロケ地らしい。

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ん?120年?
posted by machi at 15:23| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月26日

第2326夜:ラーメンと中華そばのディスタンス【会津若松(福島)】

 <来夢>。喜多方を本拠に福島県内で6店舗を展開する喜多方ラーメンチェーンである(と思います)。

 ある消費税が10%になる前日の、9月の最終日とは思えぬ暑さだった会津若松の15時過ぎ。朝昼何も腹に入れていなかった私は、会津若松駅前の定宿(もちろんT横イン)に向かっていた。

 途中、創業100年と書かれた看板の食堂が視界に。さらに店舗正面に「創業120年」と書かれており、どちらなんだと首を傾げながらその食堂に向かうと準備中の札が。まあ15時過ぎだから仕方なし。

 ホテルに向かって歩いていると、その先に「喜多方ラーメン」という表記が見えた。ホテルを通り過ぎその表記に向かって歩くと冒頭の「来夢」が視界に。

 地方都市のスナックのごとき店名だが、愛してやまない喜多方ラーメン専門店のようである。年中無休、11時〜24時という表記が頼もしい。

 私は喜多方ラーメンを愛してやまない。しかし、喜多方へ足を運んだことがない。<坂内>という喜多方ラーメンチェーンを見つければ入らずにいられない。これまで天王寺(大阪)、豊川(愛知)、川口(埼玉)で啜ってきた。

 広々した店内に腰掛け、メニューを観る。そして壁面を見渡す。思いっきり「喜多方チャーシュー麺 半熟煮玉子乗せ」がイチオシだ。何も考えずに指名する。

 水を飲みながらメニューを観ると、煮玉子は100円。ノーマルな正油ラーメンが540円。正油チャーシューメンが810円。塩、味噌、豚骨、ねぎ味噌、タンメンまで揃っているラインナップ。
 
 さらに心をかき乱されたのが「中華そば」。この中華そばがグレードアップすると「中華肉そば」。値段は正油と一緒。正油ラーメンと中華そば。どこに違いがあるのだろうか。

 そんな平和なことに想いを巡らせていると、ブツが降臨。シビれるビジュアルである。

 胡椒をパラリし、まずはスープ。……。キレのある鶏ガラ醤油。これぞ喜多方系。<坂内>よりは少しあっさりか。

 麺は太めの縮れでツルツルのモチモチ。絶妙にスープと絡む。たっぷり焼豚はもう少し脂身が少なければさらに私好みなのだが、味もしっかり染みている。ご飯が欲しくなる。

 ふと気づけば麺1本残らず啜り上げていた。最後に残った煮玉子を半分に割り、スープに浸して口に運ぶ。思わず笑みが漏れる。スープもきれいに滅失した。

 満足に満たされつつ店を出る。ホテルまで歩く道すがら、暑さでさらに汗が噴き出る。これから寒くなる季節。さらに喜多方が旨くなる。

 次回は中華そばを攻めよう。正油との違いをこの舌と目で確かめねばならぬ。ならぬことは、ならぬものです。アヅマっ子ラーメン宣言である。

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会津若松駅前の我が定宿からすぐ。

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どう見てもイチオシ。

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力強いビジュアル。
posted by machi at 16:44| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月09日

第2274夜:會津商人の館【会津若松(福島)】

 神明通り商店街。日本3位の面積を誇る福島県において、その3分の1を占める会津地方の中心都市・会津若松市・その若松の中で中心的役割を担うメインストリートである。

 2017年秋から会津地方と御縁を頂き、1年半近く多いときは月1回ペースで会津若松駅を利用した。しかし私のミッション先は柳津町。会津若松に到着すると、毎回柳津の稲Ⅿ氏が迎えに来て下さり、送迎して下さっていた。会津若松は毎回滞在時間10分もなかった。

 2019年7月の盛夏。会津地方最大の商店街「神明通り商店街」と一夜限りの御縁を頂いた。

 平成最後の年にアーケードを前面リニューアルし、テナントミックスや各種イベント、マルシェなどを積極的に展開。私が訪れた日は新たなコミュニティ拠点施設でテナント(理事長の飲食店)も入居する新たな複合コミュニティ拠点施設「會津商人館」がオープンしたばかりだった。

 神明通り商店街は市内を走るバス路線の8割以上が経由する一大ターミナルでもある。会津若松駅から歩けば15〜20分程度かかるそうだが、バスならわずか5分。快適である。

 スーパーや某大手レンタルソフトショップ、ナショナルチェーンと地元密着店が絶妙のバランスでブレンドされている。理事長、専務、常務を含め役員もかなり若い。そして真面目で勉強熱心で行動力にも長けている。

 神明通りを取り巻く強みやチャンスをお聞きした。皆さん満場一致でアーケードの利便性と安全安心の提供を強調。会津の中心としての知名度や溢れる歴史資源、多様な業種構成、組合員同士の連携体制の充実などが挙げられた。

 懇親会は「會津商人館」の会議室で。理事長が経営するエスニック料理店が隣接しており、別館のごとく料理や酒がどんどん運ばれてくる。

 パクチー好きオヤジの私は思わず目を細める。黒生ビールが爽快だ。柳津でお世話になった稲M氏のお姐さまもご参加。久々に軽く旧交を温める。

 組合の専務、常務たちと打合せを兼ねてもう一軒。会津の夜の社交場ゾーンへ。場末マニアの私があまり足を運ばないタイプの素敵なスナックでウィスキーを呑みながら打合せ1割、バカ話9割。楽しいときはあっという間に光陰矢の如し。

 ママから会津若松は「カレーやきそば」も名物で夜中まで開いているお店があるとご教授頂く。ソースかつ丼や喜多方ラーメンだけではなかったのか。

 今回のミッションは一夜限りだが、ぜひ機会を頂ければ會津商人の館に「アゲイン」したい。タクシーでホテルに向かいながら、会津っ子ならぬアヅマっ子は心に固く誓った。ならぬことでも、なんとかなるものです。

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新しくオープン。

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会津地方最大の商店街「神明通り」。

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会議室でエスニックな懇親会。

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シーユーアゲイン。
posted by machi at 07:04| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする