2020年06月22日

第2471夜:林檎と白孔雀【会津若松(福島)】

 白孔雀。そんな生き物がこの世に存在するのか存じ上げないが、少なくとも会津若松市内には存在する。その御姿を拝むために、時には大行列ができるらしい。

 ある1月中旬の会津若松の夜。2019年度神明通り商店街ラストミッション終了後、すっかり定番となった<コミュニティカフェ ハジャイ>で懇親会。

 ラストに相応しく、豪華にかに鍋である。黒生ビールと熱燗を交互に鯨飲。〆の雑炊も絶品。私は鍋の〆は「麺派」だが、カニとフグは雑炊に譲らざるおえない。

 あくまでも2019年度としてだが、ラストナイトなので2軒目へ。お宿もいつもの会津若松駅前ではなく、神明通りにほぼ面しているかなり充実しているのに激安ホテルである。

 市役所O村氏の引率で神明通りA田専務と向かったのは<林檎>というバーへ。ところが入り口を含めそこら中に「ペンキ塗りたて」という危険極まりないPOPが。思わず酔いも冷めそうになる。店内は女性がお一人。バーテンダー兼オーナーのようである。

 一瞬スナックかと思ったが、キッチリと大好物のギネスもある。1軒目でさんざん黒生ビールを呷ったのだが、ギネスは別腹ならぬ別喉。お通しのオードブルをツマミながら談笑。店内はペンキ塗りたてではなかったので安堵。会津の夜は更けていく。気づけば深夜24時を回っている。

 翌日。早めの昼飯として会津若松市役所のU月氏、O村氏に会津名物「ソースカツ丼」をリクエスト。地元の名店は地元人に従うに限る。

 ソースカツ丼は会津っ子のソウルフードである(はずである)。会津っ子が10人集まれば、10人ともそれぞれ好みの店があるだろう。しかし、私は以前『Aメトーーク』でSンドイッチマン氏が絶賛オススメしていた<白孔雀食堂>を希望した。ソースカツ丼発祥のお店かどうかは存じ上げないが、TV取材が絶えぬ全国的な有名店であるようだ。

 昼時は行列が絶えないそうだが、あえてオープン直後の11時に突撃。行列はない。外観は朽ちかけそうな激シブ。顔ハメパネルがあり、思わずパチリ。カツ丼の顔ハメとは気が利いている。

 券売機スタイルなので戸惑ったが、定番を選択。確か1200円程度だったか。壁面は芸能人のサインでびっしり。観光客風が目立つが、地元っぽい作業着姿やスーツ姿も続々と御入店。

 ブツ降臨。フタされているが、そこから2枚のカツがはみ出ている。何となく観たことはないのだが「白孔雀」を連想させる。「二枚舌」に見えないこともない。

 カツは歯ごたえあれどさっぱり。ソースが独特で香ばしい。2枚は多いと思ったが、あっという間に滅失。漬物が有難い。味噌汁が心を癒す。豪快なジャンクさが実にセクシー。興奮のあまりフタを外したビジュアルの撮影を失念。

 一気に食べ終わると、感激という名の羽が我が背中から生え出した。その勢いで札幌に飛んで行った。

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会話の内容が噴き出しで聞こえてきそうな奇跡の一枚。

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激シブの外観。

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顔はめパネルを満喫。

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これぞ白孔雀なビジュアル。
posted by machi at 09:59| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月20日

第2470夜:空と山【会津若松(福島)】

 七日町通り。会津鉄道七日町駅から神明通り商店街方面へ延びる、魅力タップリの観光型商店街である。シブい古民家やレトロな建物の魅力を駆使したお店が軒を連ねている。

 ある冬の午後。雪が積もっていない七日町通りをブラブラと神明方面へ歩く。いい街並みである。プランプラン歩いていると、小腹が減ってきた。

 この日は朝食として春日部駅ホームの立ち食いラーメンを啜っていた。ソースカツ丼や会津バーガーにも途中惹かれたが、「喜多方」という字面が視界に入ればスルー出来ない。

 こんな時間(たしか15時ごろ)でも通し営業中だった<空山>というラーメン店へ飛び込む。店内も外観も激シブではなく、おしゃれなcaféの雰囲気だ。

 このテのお店は一瞬、ハズレかと思わせる。ラーメン好きなら首肯する感覚だろう。しかし地元民と思しきオヤジ2人が店内で一心不乱に啜っている。期待が持てそうだ。

 着座してメニューをさらり鑑賞。バリエーション豊富である。醤油系が「空」、味噌系が「山」、塩系が「雲」、魚介系が「時雨」。

 少し面倒な雰囲気だが、おそらく定番かつ王道っぽい「空」の肉盛(税込910円)を召還。他にも期間限定系などがあった。

 店内を見渡す。「古き良き昭和の喜多方ラーメンここに進化」というポスターが。テイクアウト商品も。たまたま七日町通りで開いていたので予備知識なく飛び込んだが、かなりの人気店なのかもしれない。

 程なくしてブツ降臨。思わず生唾を呑む。肉たっぷりである。胡椒をパラリし、まずはスープ。

 ……。涙がこぼれそうになった。会津の魂・亀ヶ岡城(未だ未踏ですが)が震えだした。新選組が脳内を駆け抜けた。スッキリしているのに、深海1万b級の底知れない奥深さ。

 麺はモチモチの縮れ太麺。ツルツルと唇を統べる食感が官能を極めている。チャーシューは噛みしめるほどに旨味が増す。脂少な目(ロース)も私にとって好ポイント。葱の爽やかさも嬉しい。

 気づけばあっという間にすべて滅失。眼前には洗い立てのような丼だけ。旨いを通り越して、気持ちいい。魂が鳴動しながら店を出て、神明通りを目指した。

 それから6時間後。神明通り商店街ミッション全6回が終了。理事長のお店<ハジャイ>でかに鍋、〆の雑炊を満喫しながら黒生ビール、熱燗を鯨飲していた。談笑の中で、私が遅昼に<空山>で啜った旨を報告した。

 地元民たちは笑顔で頷いている。地元民にとっても評判のお店らしい。喜多方で創業したらしいが瞬く間に規模を拡張しているという。

 予備知識なく入った私のラーメン嗅覚もまだそれほど衰えていないのかもしれない。

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壮大なスケールの屋号。

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「空」の肉盛。

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世界一入り難いコミュニティカフェ<ハジャイ>にて。

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かに鍋。野菜も旨し。

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雑炊。感涙。
posted by machi at 07:27| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月31日

第2408夜:2年越しの宿願【喜多方(福島)】

 朝ラー。ラーメンマニアにとっては幼稚園初等部クラスの基礎用語である。私も朝ラーチャンスを得れば可能なかぎり実践している。

 立ち蕎麦系でラーメンを取り扱っている店では可能である。または稀に存在している24時間営業のラーメン屋か。空港内のラーメン店なら朝9時か10時頃から啜れるかもしれない。

 そのような特殊環境ではなく、普通に地域に根差し早朝から営業しているラーメン店。それもたまたまの一軒ではなく、複数が朝7時ごろから営業している町がある。聖地・喜多方である。

 喜多方市は福島県会津地方に位置。2017年から会津地方に御縁を頂き、月1回ペースで足を運んできた。会津若松駅から喜多方行きの普通列車が走っている。しかし、本数はかなり少ない。

 私は2010年代から喜多方ラーメンにハマってきた。愛読コミック『めしばな刑事タチバナ』にて全国で展開している<坂内>を知ってから。今では視界に入ると飛び込まずにいられない。

 これまで<坂内>は天王寺店(大阪)、御油店(愛知)、川口店(埼玉)、蒲田店(東京)などで熊啜してきた。<坂内>以外にも郡山駅構内のフードコートで、会津若松駅から徒歩圏内の数店で喜多方と対峙してきた。しかし、聖地に足を運んだことがなかった。

 会津若松での呑み会のたび、神明通り商店街や市役所の皆さまに喜多方ラーメンや会津ソースカツ丼の実食経験を話し、また地元人おすすめの店をご教授頂いていた。しかし、足を運べていなかった。

 令和元年師走の夜。日本一入りにくいコミュニティカフェ<ハジャイ>で鮟鱇鍋をつつきながら神明通り商店街の皆さまと忘年会。その最中、隣に座るA津若松市役所のO村氏が聖地・喜多方での朝ラーを誘って下さった。朝7時にホテルまで迎えに来て下さるという。

 歓喜した。以降は鯨飲だけ繰り返し、〆の雑炊も軽く一杯だけ。2軒目にも立ち寄らず深夜の麺類もスルー。翌日の朝ラーに備え、深夜24時半定宿チェックイン。万全の体調を整えた。

 翌朝。テンション上がり5時半に目覚める。ユニットバスで身を清め、7時にホテルを出てO村氏と合流。氏の運転で喜多方へ向かう。

 前夜は夜霧だったが、今朝は朝霧。しかも、冬。最高の朝ラーシチュエーションである。

 喜多方市の人口は4万人程度らしいが、ラーメン店が50店舗ほどあるそうだ。その中で早朝(朝7時頃)から開いている店は15店舗ほど屹立しているという。土日は観光客も多いそうだが、平日は主に地元人が朝ラー。まさに聖地に相応しき生活への根付き感である。

 20分ほどで喜多方市内に。ロードサイド沿いにラーメン店が並ぶ。心ときめく光景である。さらに路地に入っていくと、暖簾が出ている店が増えてきた。

 聖地の中の聖地<坂内>は定休日だった。しかし地元評価で二分する人気という<まこと>へ。昭和の食堂感満載。年配の先客が朝ラーされている。店内は喫煙フルOKという剛毅さだ。

 壁面メニューを拝見。いちいち「喜多方ラーメン」と唄っていないところが本場感である。中華そば、チャーシューメンがそれぞれ大盛可能。

 会津地方らしくソースカツ丼もメニュー化されているが、「煮込みカツ丼」もある。ソースで煮込んでいるのだろうか。さらにカツライスまである。かなり奥深そうである(後日知ったが、会津では普通のカツ丼のことを「煮込みカツ丼」というらしい)。

 旨しラーメンとの出会いは一期一会。しかし、朝7時半である。こんな時間に固形物を腹に入れることはめったになく、習慣ないゆえあまり空腹でもない。恋焦がれた喜多方の朝ラー……。

 一瞬の迷いの後、「大盛チャーシューメン」召還を決意。もう、引き返せない。

 談笑していると神が降臨。……。旨そうというレベルを超えた完璧な美が眼前に現れた。生唾を呑む。小さな歓声が漏れる。胡椒をほんのわずかパラリし、2年越しの宿願を叶える時が来た。

 まずはスープ。……。頭長に落雷。肛門に鉄杭。全身を壮絶な太い感動が貫いた。DNAレベルで歓びが二重螺旋をさらにクネらせている。麺は太めのちぢれでモチモチのツルツル。スープとのカラミも国宝級。たっぷりチャーシューもあっさりシンプルだが旨味の濃いモモ肉で私好み。

 豪快な葱が泳ぐ油膜煌めく黄金色のスープは飲み干すほどに味わいが増す。気づけば麺1本、汁1滴、葱1片滅失。朝の8時前とは思えぬ満ち足りた多幸感に包まれた。

 大満足の二乗で店を出る。朝霧は消え、氷雨に変わっていた。氷雨すら私には熱い。聖地の中の聖地<坂内>へも巡礼したいが、O村氏曰く最高に旨い塩ラーメンも存在しているという。

 麺ドライブを共にする麺友。北九州市と宮古市と沖縄市に、会津若松市が旅の仲間に加わった。次回は塩ラーメンか、聖地巡礼か、会津若松市内の実力店か。心乱れる師走の朝である。

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聖地は定休日。

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地元の超人気店へ。

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昭和感満載。

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会津若松の麺友と。

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朝7時半の天国。
posted by machi at 10:57| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする