2024年08月11日

第3476夜:ペット服の使い道【会津若松(福島)】

 内覧会。会津地方最強ストリート・神明通り商店街にて2023年11月中旬の、土曜の朝に開催された。

 神明通りでは2020年から本格的に「貸店舗」対策に着手。4年間で10店舗近くが新規出店。結果として「賃貸可能な貸店舗」がほとんど無くなってしまった。真に喜ばしい。

 2023年度は初夏に「本気の貸店舗ツアー」を開催。「本気の」がポイントである。参加者は「本気」に溢れていたが、本気な人間の絶対数は多くなかった。ただし、物見雄山がいくら増えても意味がない。商店街で出店してくれるなら、お1人様でも全力だ。

 本気ツアーから約半年後。「中心市街地にセカンドオフィスを!」に幾分コンセプトを切り替えた。神明通りにほど近い会津若松市役所が2023年秋時点で絶賛建て替え中。2025年度に新庁舎が完成する。それを見越したオフィス化でもあった。

 神明通りが所有する「會津商人館」の空き区画の紹介に特化した。ゆえに貸店舗ツアーから「内覧会」に名称も変更。より本気度を高めた。

 前日の温暖さが微塵も感じられない極朝の朝。内覧会会場に神明通り理事長、専務、市担当者、そして私が集う。この4人に囲まれたのは、市内在住で小型犬のお洋服に特化した専門店創業を目指す女性。

 私はペットを飼ったことがない。飼おうとも思わない。自分の世話もできないのにペットの世話など理外だ。一方、理事長は猫を5匹飼っている。実にペット事情に詳しい。

 野良を除外しても、会津若松市内で「飼われている」犬の数は市内の小学生以下の子供の数より多いそうな。そして、子供よりもペットに消費(私には浪費)する愛犬家がかなり多いそうな。春夏秋冬、犬の服に1回当たりの買い物に5000円〜1万円をかけるという。

 そもそもペット服など1gも興味がなかったのでどこで売っているのかも知らなかったが、ホームセンターが主戦場らしい。

 この2,3年、全国各地でペット関連の創業が目立つ。私もシゴト上、ペットに関連する業種業態の方とお会いする。ペット関連の出店に関しては、それを嫌がる物件オーナーは一定数いる。借りることが大変だが、神明通りはウェルカム。実に力強い。

 神明通りは日本屈指の観光地でもある会津若松において、最強最大商店街でありながら観光要素ほぼ皆無な地元密着系。ゆえに土産物屋よりもペット関連が合うのだろう。

 意見交換において、ペット関連の市場の大きさに慄いた。私の固定観念が完全に覆された。

 内覧物件に関し出店時期、賃料、組合費、トイレその他極めて具体的な質疑応答に。1対4だが、その一人を全力でサポート。結果的に神明通りに新店がオープン。正のスパイラルだ。

 内覧会終了。事務方4人で神明通り2階の名店<桐>へ。個室座敷で熱いお茶で寛ぎながら、私はカツカレー定食。この店のカレー、超絶に私好み。蕎麦もソースカツ丼も旨いが、ここではついカツカレーを頼んでしまう。

 食後の珈琲を味わう。カレー後の珈琲は旨さが倍加する。談笑しながら、その2日前に北九州の門司駅前のスナックで呑んでいた風景を思い出した。

 私のキープしている西郷隆盛バカボトル、毎回ママが着せ替えしてくれる。2日前は紫のローブを纏い、ハロウィン仕様の頭巾をかぶっていた。来月はサンタだろう。

 ママにどこでそんな小物を買うのか聞いたら、ペット用品と答えていた気がした。犬だけでなく、酒のボトルの着せ替えにも需要が十分にありそうである。

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休日の朝10時前。

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商人館1階を内覧。

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昼はラーメンかカツカレー(最近かつ丼機会減少)。

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カレー後のコーヒー無双。

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ペット服?

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2024年08月10日

第3475夜:朝のビジネス洋定食【会津若松(福島)】

 洋定食。会津若松市の中心・神明通り商店街の面したビジネスホテルの朝食は「和」と「洋」で選ぶことができる。バイキングでなく、セット(定食)。確か900円か1000円だった。

 2023年夏、たまたまこの定宿で朝食を食べる機会があった。「和定食」を選択。とんでもない衝撃を喰らった。こんなに豪華なのか。もはや懐石。地酒が呑みたくなるではないか。

 和と洋は同じ値段。洋もこのテンションなのか。周りを見渡しても「洋」は見かけぬ。我が会津ミッションもわずか。機会があれば、でなく機会を作り洋定食を試さねば。固く誓った。

 朝飯の誓いから半年後。ぐっと冷え込んだ朝、上下作業着&持参スリッパで1階朝食会場へ。前夜に夜中1時過ぎまでド鯨飲ゆえ食欲皆無。1時間後にミッション会場(ホテルの真ん前)へ向かわねばならぬ。部屋のユニットバスで第1弾の酒抜き。第2弾は熱い珈琲。

 チケットを手渡し、カップに珈琲を注ぐ。少しづつ覚醒。オレンジジュース、牛乳、トマトジュースが見えた。私は牛乳が得意でないゆえ、オレンジをグイイ。体が起きてきた。

 納豆、板海苔、こづゆ(福島の郷土料理)、にしん山椒漬(同)は無料食べ放題。どれも洋食に合わぬが、貧乏性ゆえ卓上に並べる。

 我が洋定食が降臨。思わず目を剥く。百花繚乱である。宮廷である。ワルツが脳内に響く。

 周りの宿泊客は全員和定食。私だけ洋定食。厨房の皆さまは圧倒的な和の優勢の最中、劣勢の洋の調理は面倒くさいかもしれぬが、優越感に浸る。自分自身、余裕を漂わせたオーラが放たれている気もする。

 パンは3種。バミューダのトースターで温める。それぞれマーガリン、マーマレードなどを抱き合わせ。笑みが漏れる。

 野菜スープは体が喜んでいる。唐揚、ウィンナー、ポテサラの居酒屋三銃士も朝から活躍。ピクルスが爽やかな口直しである。生野菜は大根がたっぷり。しかし、ドレッシングが卓上にもドリンクコーナーにもない。塩は卓上。

 10日ほど前、会津若松市内の居酒屋で辛味大根を漬け汁にした「高遠そば」を啜った。もしかして、ドレッシングを付けずに大根の、野菜の鮮度を堪能せよということか。

 普段なら生野菜はスルーだが、試されている気がした。何もつけず口へ…。辛い。ピリピリした大根の鮮烈。食べても減らぬ量。途中から飽きてきたが、私にしては珍しく健康に留意。

 珈琲をお替りし、茹で卵の殻をむく。塩を振り、口に運ぶ。もし朝食で「1品」だけとしたら、私は「ゆで卵」を選ぶ。それにホット珈琲を合わせる。気分は昭和の純喫茶である。

 無料サービスのこづゆ、納豆、板海苔、にしん山椒漬を一気に平らげる。この4品にはさすがに熱い白米が欲しくなる。デザートのオレンジ、ヨーグルトを片付ける。

 満腹である。エナジーが漲っている。和だけじゃない、洋の深遠な世界。部屋に持ち帰るため紙コップにコーヒーを入れるべく席を立った時、コーヒーフレッシュサイズの極小カップが視界に。気づかなかった。何かの茶色い液体が入っている。会津オリジナルな健康飲料か。

 指でつまみ、イッキに飲み干す。その瞬間、目を剥いた。胡麻ドレッシングだった。

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ヨーロッパの宮殿?

posted by machi at 01:47| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月09日

第3474夜:ミス・ピーチ【会津若松(福島)】

 ミス・ピーチ。会津若松市中心部屈指の観光拠点飲食店<あいづ塩蔵>を切り盛りするまちづくり美魔女・稲M姐さんの二つ名である。

 早朝に北九州小倉を発ち、19時半ごろ会津若松神明通り着。新幹線、バス、ひたすらPC猿打。目、首、肩、ボロボロである。それでも全集中できたのは<塩蔵>で旨しビールと地酒、おばんさいを心置きなく満喫したいから。

 営業時間は何時までか分からぬが、お客がいれば20時頃っぽい。私が飛び込んだのは19時半過ぎ。ギリギリだ。

 キンキンに冷えた生ビールをゴッキュゴキュ。明日から冷え込むらしいが、この夜は雨で寒さを感じない。11月の東北なのに、生温かい。琥珀の奇跡が舌、咽を疲労とともに洗い流していく。すかさず2杯目をお代わり。

 お浸し、薩摩芋と根野菜の煮物、玉子焼、鰈煮付、冷やしトマト、漬物、唐揚…。体が喜んでいる。独りモノの私にとって縁遠い家庭の味。料理はすべて姐さんのお任せだ。

 会津の地酒に切り替える。途中、他県の銘柄も組み合わせながら。気づけば日本酒の瓶がずらりと8本も並んでいる。

 姐さんのトークも面白い。姐さんは学生の頃1年間「ミス・ピーチ」を務められた。決めポーズ(ズームイン)をキメる若かりしT光和夫氏の両サイド80年代テイスト溢れる美女6人。その中で圧倒的センターかつオーラを放っていたのが眼前の姐さん。

 福島県は「桃」の生産が日本屈指らしい。桃といえば岡山だが、福島も負けていないという。岡山の桃は「白桃」で甘くて柔らかくてジュルジュル。福島の桃は固いという。

 その説明だけ耳にすると岡山に完敗な気もするが、ミスピーチたちは全国を駆け巡ぐり、至るところで桃を配っていたそうな。メシを喰う暇もなく、衣装のまま移動。食べ物を買いに行けないので桃ばかり食べていたという。さすが、ミスピーチである。

 姐さんが第20何代かのミスピーチで、令和の今でもミスピーチが選ばれ続けているという。思った以上に凄い歴史だ。

 姐さんの店には地元紙の他に「農業共済新聞」が置かれている。ご子息がお勤めの団体の週刊新聞。記事のマニアックさも秀逸だが、広告が面白い。

 「おい!もっと良い商品はないのか(怒)」というお客様のお叱りの声を受けて誕生した『紅』。70代でも芯まで届く常識崩壊らしく、既製品より吸収率115倍、吸収速度3.5倍。「勝負の30分前にこの2錠!想像を絶する凄まじさに満足感で満たされること間違いなし!」。

 何の勝負か、どの芯に届くのは書き記なくともご理解いただけるだろう。高齢農家を底支えする力強さに惚れ惚れする。

 〆の鶏そば、沁みる。具沢山で、汁だけで酒が呑める。会津はラーメンだけでなく蕎麦の産地でもある。絶品を啜り込んだ。

 19時半から3時間、姐さんをカウンター越しに独占し、鯨飲。完全にスナック状態に。そろそろお開き。明日は珍しく朝9時ミッション。お会計を済ませ、コップに残った酒を呑み干しながら最後に喜多方ラーメンの話に。

 会津若松市役所の麺友に3回ほど喜多方まで朝ラーに連れて行ってもらったことを話したら、麺友は姐さんも当然に共通の知人。姐さんはスマホで麺友に電話。

 麺友とはコロナ禍以前よく呑み、翌朝に喜多方まで朝ラーした。そんな麺友の声をスマホ越しに久しぶりに聞いた。彼は自宅で呑んでいたようだが、今から店に来るという。エッ、今から?姐さんは笑顔で快諾。

 会計を済ませていた私は、そのまま同じ席で2次会に突入。20分ほどしてから麺友・O村氏登場。懐かし談議に華が咲く。彼は会津若松市数十年に1度のビッグプロジェクトを任せられてる特命な逸材。気配りも素晴らしく、付き合いも良く、一緒に呑んで気持ちの良い漢だ。

 姐さんがこの夜2杯目の鶏そばを出してくれた。さすがに満腹だが、つるりと入る。地酒をヤリながら会津の蕎麦。最高である。

 私の会津若松ミッション5年間、柳津を含めれば7年間の会津ミッションが来月(2023年12月)完遂。感慨にふけっていると、深夜1時。姐さんに詫びながらまだチェックインを済ませていない定宿へ向かった。

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ギリギリ開いてて安堵。

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何はともあれ1杯目。

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あっという間に並ぶおばんさい。

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爽やかな箸休め。

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熱々ジューシー。

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地酒ド鯨飲モード。写真最左のボトルが激レア。

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1杯目。

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ニッポンの元気を下支え。

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会津の麺友(左)。

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2杯目。

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ズームイン!姐さんはセンターのオヤジの真右(写真では真左)。

posted by machi at 03:21| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする