2020年08月04日

第2495夜:残念坂の向こう側【会津若松(福島)】

 東山温泉郷。会津若松市の中心部から車で10分ほどの20以上の宿が軒を連ねる奥座敷的な温泉郷である。市内にはさらにもう一か所、秘湯感の高い風情ある温泉郷があるそうな。会津は地域資源が豊富である。

 前夜に地酒を鯨飲した翌昼。前夜と同じメンバーの市役所U月チームとミッション終了後にソースカツ丼屋へ。ちなみに前日の昼はU月チームの麺友・O村氏と喜多方ラーメンを攻めた。

 地元の名店を知り尽くしたU月チームがオススメのソースカツ丼の名店はどこも臨時休業だったり定休日だったり。そのまま公用車で冒頭の東山温泉郷へ。

 「残念坂」という独特の名称の短い坂道を上ると「ソースカツ丼」のノボリがはためいている。<卯之家>。若松中心部からの客が途切れない人気店という。

 メニューを見る。ソースカツ丼も数種類。ロース、ヒレ、チキン、エビ。ちなみに会津人以外が普通に常食している定番のカツ丼をコチラでは「煮込みカツ丼」というらしい。親子丼、牛丼、天丼、カツカレー、オムライス、会津ラーメンもある。毎日通える嬉しいラインナップだ。

 ロース、ラーメン……。迷っていたら、同行の男性2氏はいつも「卯之家セット」を注文するという。ソースカツ丼に会津ラーメンのハーフサイズがセット。激しく首肯。これしかない。私が愛する2大昼飯がラーメンとカツ丼。この2つが名物な会津は最高。住みたくなる。

 2017年から2年間は(会津)柳津町、2019年から会津若松市に御縁を頂いている。たまに「喜多方ラーメン」と「会津ラーメン」が別々で表記されている。どう違うのだろうか。ちなみにこの店では「会津ラーメン」。同行氏たちに違いを訪ねたがよくわからないという。

 ブツ降臨。ロースのソースカツ丼、香りからすでに旨い。ラーメンもセクシー。ハーフだが充分な分量である。

 まずはラーメンスープ。……。間違いございません。麺も縮れのモチモチとツルツル。焼豚も齧りがいがある頼もしさ。喜多方でも会津でもどちらでも良い。白河も含め、福島県内のラーメンは私の浸透圧級に相性が良い。

 ソースカツを齧る。……。ジューシーで柔らかい。脂の甘みがさっぱり。麺を啜り切った後のスープを味噌汁代わりに。ライスもワシワシと頬張る。

 小鉢が2ヶついてきた。1つは黄色い沢庵。そしてもう一つが……。馬刺。思わず目を剥いた。

 馬刺しと言えば熊本だろうが、会津もよく馬刺しを常食する。柳津でも幾度か口にした。前夜も3軒目の居酒屋で馬のレバ刺しを心行くまで堪能した。

 会津の馬刺しは脂身なくさっぱりとした赤身中心。ゆえに地酒に合う。熊本は様々な部位があり脂の効いたサシ入りも多いのでパンチのある焼酎が受け止めるのだろう。

 馬刺など高級料理がクレジットになく、ラーメンとソースカツ丼の間にひっそりと咲いている。会津っ子の情の深さと奥ゆかしさを垣間見た気がした。

 この店にめったに来れないのが「残念」である。ゆえに「残念坂」なのだろうか。会津人にとっては街なかから車で10分。私にとっては「残念坂」だが会津人には「幸運坂」である。

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由来。

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残念坂。

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名店。

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馬刺しが小鉢に。
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2020年08月03日

第2494夜:奇跡の地酒天国【会津若松(福島)】

 <しゃとれ蔵>。国会議事堂の翌年に建てられたという会津若松市役所本庁舎すぐ近くに屹立する、予約できることが奇跡級の名店である。魂のレベルで絶頂と至福に誘って頂ける。

 ある2月とは思えぬ暖かな会津若松の夜。市役所U月チーム4名とこの名店へ。蔵を改装したのか実に味わいがある。2階の個室座敷に通される。会津若松は乾杯条例が地酒(日本酒)。珍しい銘柄でまずは乾杯である。

 この店がなぜ超人気なのか。呑み放題の充実である。しかも普通の呑み放題ではない。会津地方全29蔵元の地酒が呑み放題なのである。それもレアを極めて特選銘柄。

 当然地酒だけでなく生ビールやチューハイ、ウィスキー、ワインなども呑み放題。4つのコースがあり、会席料理が9品付いてたったの5000円。懐石料理の器も漆塗りの会津漆器だ。

 ずらりと会席料理が並ぶ。鰊山椒漬&赤蕪漬&ごま豆腐、肉味噌冷奴、カルパッチョ、フライ、天麩羅、煮物。そして鰤大根、ステーキ、〆の釜めしが降臨。どれも酒に合う逸品ばかり。上品で洗練されているのに十分なボリュームである。味も申し分なし。料理も完璧だ。

 「今月の特選銘柄」が11種類あった。順番に攻める。まずは「泉川」「飛露喜」。飛露喜も無濾過純米と定番の2種類。会津の酒はキレ味がある辛口だが、豊潤な香りと甘みも潜む。クイクイと進む。危険な香りがする。

 「写楽」も無濾過純米と定番の2種。「会津娘」の純米酒と、それをさらにレアにした純米吟醸うすにごり「雪かすみの郷」。「央」の純米吟醸上澄みとにごり。

 まだまだ呑む。「紀土」のしぼりたて。「辰泉」のうすにごりに「会津中将」の無濾過初しぼり。どれも旨すぎで酩酊。最後は「天明『荒セメ閏号』」。うるう年しか製造しない幻っぷりだ。

 制限時間2時間だが、実質3時間ぐらい鯨飲。地酒を呑む際「やわらぎ水」をチェイサーにするそうだが私はハイボールをチェイサーに。これが超濃い。女将さんの好みの濃さという。

 マスターの朴訥としながらも日本酒愛とジョークをにじませる接客も好ましい。大満足すぎて鶴ヶ城も吹っ飛びそうだ。

 2軒目は<ふくら>。ここでもおススメボードの旨そうな肴を数品注文し、地酒をヤリまくる。

 「泉川」の純米吟醸。同じ泉川でも1軒目で呑んだブツとは異なっている。「ささまさむね」の純米吟醸、「大和屋善内」の純米生原酒と先ほども満喫した「会津中将」無濾過初しぼり。蕩けような至福の時間である。

 かなり食って呑んだが、勢い余って3軒目。<大江戸>という地酒的な感じはあまりない大衆居酒屋だが、馬のレバ刺しがとんでもない逸品。そして量。びっしりを3皿。頼み方も豪快である。この店では何を呑んだのかすら覚えていない。ただ、旨かった記憶だけがある。

 翌朝。思ったよりも二日酔いではない。ビールやハイボールも呑んだが、最高に旨い地酒は悪酔いしないのだろう。しかし、きっちりと左足踵が痛む。プリン体全開の夜だった。痛風がいい加減にしろよとジャブをかましてきた。

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夢の世界への入り口。

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夢へのパスポート。

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めくるめく至福。

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ありがとうございます。

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懐石料理も絶品。

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2軒目の地酒をガンガン。

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3軒目で馬のレバ刺。

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市役所U月チームの皆さまに多謝。
posted by machi at 08:37| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月02日

第2493夜:殿堂入りのSio【喜多方(福島)】

 麺友。麺類を愛してやまない私にとって掛けがえのない有難い存在である。特に車でしか行けぬ名店へ誘って下さる「麺友」は極めて貴重。そんな麺友が日本各地に出来つつある。

 令和元年の冬、ついに会津若松にも誕生した。A津若松市役所に奉職するO村氏。氏は2か月ほど前、氏の出勤前である朝7時半に喜多方で朝ラーを共にした頼もしき漢である。

 信じられないほど雪が少ない2月の昼前。O村氏に公用車で連泊中のホテルまで迎えに来て頂き、雄大な山脈を眺めながらラーメンの聖地・喜多方へ。

 当初喜多方ラーメンの聖地<坂内本店>を目指すつもりだったが、氏の当日朝リサーチで臨時休業していることが判明。……。仕事しなくていいのか、O村氏?まあ、私と打合せがあくまでもメインでたまたま昼食をご一緒するので、広義の意味で仕事なのだろう。

 向かった先は麺友イチオシな<喜一>。とにかく塩ラーメンが旨いという。喜多方といえば醤油のイメージだが、その実力やいかに。

 店内はすでに何組か順番待ち。営業時間は朝9時から昼の2時まで。スープが無くなり次第終了らしい。平日11時半前だったが、お客が掛け値なしにひっきりなし。外にも人が溢れている。

 待っている間、レジ周りを鑑賞。福島県民ラーメン総選挙2018・2019二年連続第一位で「Sioラーメン」が殿堂入りを果たしているという。東北6県の7−11でこのお店監修のレンジ麺が販売中らしい。情報量が多すぎで圧倒される。

 店名の由来も記されていた。店主の曽祖父のお名前が「喜一郎」さんらしく、職業はお医者さん。学生時代からN口英世氏のライバルであり、強敵(とも)であったそうな。喜一郎氏がラーメン店を開いたのではなく、その子孫が名前をあやかってつけたという。

 レジの横の本棚に野口H世氏の伝記とラーメンガイドが並んでいるのも独特である。テイクアウト用の商品も山積みされている。

 20分ほど待っただろうか。我らも店内に通された。すぐ後ろのテーブルでは明らかにそのスジと分かる約10名が迫力と貫禄たっぷりに一心不乱に啜られている。

 メニューを観る。醤油・塩・味噌の3味を軸に、ラーメンかチャーシューメン、並か大盛か特盛というマトリックスが構築されている。

 醤油、塩、味噌から微妙に派生しているメニューも気になる。醤油系が「熟成しょうゆ」「昭和の香り」、塩系が「Sio」「汐の香り」、味噌系が「熟成味噌」「赤魂」。限定10食という「喜びの一杯」もある。嬉しすぎる永遠に出たくない迷宮である。

 ド定番で殿堂入りしている「Sio」のチャーシューメンの召還にブレることはなかった。迷ったのは、量。大盛か、特盛か。特盛は麺2玉でWスープ。いわゆる豚骨+魚介のWスープという意味ではなく、スープの量が2倍なのだろう。大盛は麺が1.5玉である。

 特盛に決意した。迷ったら、行け。我が商売と生き方の鉄則である。

 O村氏と談笑していると、ブツ降臨。……。これぞ淡麗の美。啜る前から旨さが伝わってくる。隣のO村氏は大盛なのだが、まるでサンプルのようなミニサイズにしかみえない。

 純粋な旨さをまず味わうため胡椒を少しだけパラリし、まずはスープ。……。福島県民が最も愛する塩ラーメンであることに1gも異論はない。ハマる味である。塩っ気はキツめだが、これが中毒性を高めている。

 麺は喜多方王道な太めのかん水の効いた縮れ麺。ツルツルのモチモチ。チャーシューも1枚1枚がしっかり味が染み込んで口の中で蕩ける。ライスが欲しくなる味。白ネギの爽やかで鮮烈な辛みも全体を引き締めている。

 麺とチャーシューは軽く完食。スープはさすがに2口分だけ残してしまったが、特盛であることを勘案さればほぼ完食といってよいだろう。汗がじわりとにじみ出てくる。

 大満足で会津若松に戻る帰路へ。途中、O村氏がラーメンだけでなく「蔵の町」であることを解説しながら街なかを案内して下さる。蔵の街並みも風情あれど、数多く軒を連ねている喜多方ラーメン店の方に気を取られた。次回は麺友とどこを攻めようか。

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殿堂入りの「Sio」を特盛で。

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店内は待ち客でびっしり。

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殿堂入り。

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この日から約半年後に啜りました。

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左が大盛。右が私の特盛。
posted by machi at 10:00| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする