2011年10月28日

第347夜:評判いいョ!海のある奈良【小浜(福井)】

 御食國(みけっくに)。海の幸も山の幸も豊富な北近畿&北陸西部の若狭湾を囲む小浜市(とその周辺)の尊称である。奈良時代以前より朝廷へ食材を納めていたとされる。

 中でも串に刺された「浜焼き鯖」が商店街などの魚屋で豪快に売られており、食欲をそそる。私のメシの友ベスト3から洩れたことのない「鯖のへしこ」(鯖を糠と塩で1年以上漬けこんだ逸品)といい、「鯖街道」の名称に相応しい‘鯖の街’だ。

 2011年10月21日、近畿中心市街地活性化ネットワーク研究会が福井県小浜市で開催された。メイン商店街である「はまかぜ通り商店街」や400年以上の歴史を誇る「いづみ町商店街」など、どこも味がある。少し中心市街地から離れた海沿いに面する「三丁町」は祇園のような風情が色濃い。

 国宝や重要文化財に指定されている寺院、古刹も多いため、京都文化圏なのだが「海のある奈良」と呼ばれている。余談だが、新本格ミステリの雄・有栖川有栖氏の火村シリーズ(作家アリスシリーズ)の作品で、小浜が舞台となった『海のある奈良に死す』(角川文庫)がある。

 春の訪れを告げる風物詩として奈良・東●寺の「お水取り」が極めて有名だが、その「お水」は小浜から運ばれている。毎年3月2日に「お水送り」なる神事が催されている。

 小浜市の歴史は律令時代に遡るが、関ヶ原合戦以降、京極高次氏が小浜城を築城し、城下町として栄えた。その京極氏の奥さまが、現在N●K大河ドラマで放映されている戦国を生きたアノ3姉妹の次女、お初氏。お初氏ゆかりの史跡も数多く、大河効果で観光客も多いそうだ。‘逆鯖街道’現象と言えるだろう。

 小浜は大河のみならずN●K朝の連続TV小説「ちりとて●ん」の舞台として大規模ロケを敢行。はまかぜ通り商店街には<ちりとてちん資料館>もある。寄席など多目的に活用されている。その資料館で懇親会が行われた。その席場で味わった「焼き鯖寿司」の脂のノリ、絶妙の焼き加減、酢飯との愛称、アクセントとなる生姜……。鯖街道に相応しい実力を見せつけた。

 人口わずか3万人強の小都市・小浜だが、食・歴史・観光・街並みといい、充実した地域資源で溢れている。そして何より、小浜最強の魅力は、ユニークかつパワフルに地域を引っ張る人材の宝庫であることだ。そして、ホスピタリティに溢れている。

 研究会での発表や懇親会の席上で、客席から「イヨッ!●●さん評判いいョ!」という掛け声が終始飛び、爆笑に包まれていた。声の主は、はまかぜ通り商店街の若手理事長・K野氏。関西人ですらツッコミできないほどのボケっぷりは壮絶だ。居酒屋では若い女性店員に投げキッスしながら「生chu〜」と注文されている。

 懇親会のシメで私が挨拶した。すかさず岸N氏から「評判いいヨ!アヅマッ●ス!」と声が飛ぶが、最も評判が良かったのは、御もてなしの心溢れる商店街、市役所の方々を始めとした海のある奈良に住むオバマ人たちである。

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風情あるいづみ町商店街

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<ちりとてちん資料館>。顔モデルは貫●谷しおり氏ではなく紀伊田辺のウツボM田

≪蛇足:昨日のあ〜ほボイルド≫
10軒近い黒崎ハシゴ酒を終えた翌朝、二度と酒を呑まないと誓いながら北九州黒崎から現地マネージャー候補のK保氏が大活躍する福岡県飯塚市へ。夜は飯塚市商店街、市、会議所の皆さま方15名ほどでもつ鍋屋へ。あまりの旨さに断酒の誓いを一瞬で放棄。その後になだれ込んだラウンジでは私も皆さんもひたすら大爆笑。
posted by machi at 07:09| Comment(0) | 福井県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする