2012年04月22日

第463夜:土佐の食―1グランプリ【高知(高知)】

 「第3回土佐の食1グランプリ」。2012年3月31日から2日間、JR高知駅前広場を含め2会場で盛大に開催された「志国高知龍馬ふるさと博」のクロージング&メインイベントである、ということを2012年3月31日、たまたま高知に訪れた際にもらったチラシで知った。

 駅前は大賑わい。そもそもこのようなイベントが開催されていたことすら知らなかった。チラシによると、高知県内の市町村から2会場合せて43もの御当地グルメが出品されている。折しも時間は昼食時。長蛇の行列と言うほどではなく10分程度の待ち時間が数ブースある程度。

 生ビールとテント内の席を取り急ぎ確保。気になる商品目白押しだが、空腹に負けてあまり並ばなくても良さそうなブースへ適当に突撃。計4品を入手した。1品に付き投票券が渡される。最も気にいったグルメに投票する仕組みだ。

■「須崎名物鍋焼ラーメン」(高知県須崎市)

 見た目は完全に鍋焼うどんだが、和風ダシに黄色い中華麺がそよいでいる。フタをしたまま渡されるが、長時間の放置は中央に鎮座する生卵の黄身が固まる上に、麺が伸びてしまうので注意が必要。うどんダシに細めの中華麺を入れたという、想像通りの味です。

■「ウルメ天ぷら&ウルメフライ」(高知県土佐市)

 天ぷらは練りテンプラ系で魚の力強い旨みと風味が濃厚。ウルメフライもサクサクでそのまま頬張ったが、ウスターソースをジャブジャブかけて熱い白御飯と味わうと旨さ倍増だろう。それぞれ1枚100円というコストパフォーマンスも嬉しい限り。

■「脱藩キジ飯」(高知県梼原市)

 キジ肉が少し入っており、恐らくキジ肉ダシの炊き込みご飯と思われる。「脱藩」の意味は、恐らく坂本龍馬氏が高知を脱藩したことと引っ掛けていると推測。淡泊極まりない清貧な味付けが光る。幕末武士の質素さを見事に表現。心が凛と洗われる居住まいに襟を正した。

■「土佐あか牛バーガー」(高知県越知市)

 土佐あか牛肉を使ったビーフと目玉焼、千切りキャベツが主要具在。目の前の鉄板で具がアツアツに焼かれている。かぶりついた。ヒンヤリしたパンとほんのりと芯が冷たいビーフ、淡泊を極めた目玉焼、元気よく飛び散る千切りキャベツのハーモニーに哲学的な味わいを感じた。

 翌朝の高知新聞に初日終了時点の中間結果が発表されていた。中間投票1位は「坦々封立川そば」(大豊町)、2位は「高知県特産鶏土佐ジローキミコイラーメン」(高知市)、3位は「安芸釜あげちりめん丼」(安芸市)。いずれも旨そうである。

 御当地グルメを一堂に集めた食の祭典は日本中で頻繁に開催され大盛況だが、本質はPRを兼ねた試食会。本場に出向き腰を据えて堪能して、初めて体感できる。イベント来場者が御当地に実際に足を運ぶかどうかの試金石でもあり、安易な気持ちでは火傷する真剣勝負の場である。

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須崎名物鍋焼ラーメン

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2012年04月19日

第462夜:酒とカツオの日々【高知(高知)】(その四)

「カツオのユッケ」もシビれる味わいだ。生卵の黄身のまろやかさとカツオの濃く深いコクが合わさっている。この店は炭火七輪で様々な串モノを自分で焼いて味わうのも名物の一つらしく、鯖、イカ、生姜の効いたカツオのつくねなどをガンガン焼いて頬張る。

 栗焼酎から「土佐鶴」熱燗や地酒の冷やに移行。サザエとホタテ(たぶん)とアサリを網で焼く。サザエの肝に涙腺が緩む。高知に引っ越したくなる。

 2011年は宮古や気仙沼で一生分カツオを食べたような気がした。しかし、三陸ではタタキで食べる習慣があまりなく、ほとんどが刺身。これも最高だったが、タタキ好きにとっては高知に一日の長がある。年中カツオが楽しめ、しかも冷凍ではないという。不思議でステキな謎だ。

 大満足で店を出た。U村氏おススメのレトロなお茶漬バーを目指したが、店内は常連でびっしりで隙間なし。ブラっと散策し、ギネスサーバーが置いてあったバーへ。生ギネスと思いきや缶ギネスだったところに、明るい南国気質の御愛嬌が感じられる。

 ホテルに戻る途中、数件のテントを発見した。すべてが屋台だった。その中で最も大きく、最も流行っていた<松ちゃん>に思わず吸い寄せられた。満腹だったが、瓶ビールと醤油ラーメンを注文。隣客の皿を見てついつい餃子も注文。牛のごとく胃が4つあるのではないかといぶかしむぐらい、別腹にラーメン餃子がすっ飛んでいった。

 翌日も歩行者天国に500店舗が軒を連ねる「日曜市」、60の屋台が集う「ひろめ市場」などで朝9時から土佐の郷土料理や名物を肴にビールと焼酎。高知城では桜が九分咲き。快晴の下で、土佐っぽ達は花見を楽しまれている。

 「坂本龍馬生誕地の碑」「龍馬が生まれたまち記念館」「山内神社」「後藤象二郎誕生地の碑」「板垣退助誕生の碑」などを酔っ払いながらホタホタと散策。鏡川沿いでは幾所で桜が咲いている。西洋人は酒とバラかもしれないが、日本人はカツオ以外では酒とサクラだ。

 駅前に戻る。帰りのバスを待つ間、駅前イベント会場で生ビールを呑んでいると、コテコテの関西人から‘いごっそう’(快男児・酒豪の土佐弁)に生まれ変わりつつあるU村氏から連絡が。先程尼崎から高知に戻ったらしく、「そこにおって!15分で着くから!!」とおっしゃる。

 バスの出発時刻が迫ってきた。ぼんやり酔いに身を任せていると、颯爽と梅M氏が登場。10分ほどお互いマシンガントークを交わした後、氏はお土産として昨夜楽しんだマボロシの栗焼酎「ダバダ火振」をお土産に持参して下さった。感激である。わずか10分ほどの邂逅で残念だ。

 酒とカツオの日々。締めくくりは高知駅キオスクで購入した高知駅弁(の一種)「土佐かつおめし」とU村氏の「ダバダ火振」を帰りの車中で楽しみながら幸せな二日間に想いを馳せる。

 まちづくり屋には持つべきものがある。丈夫な肝臓とアルコール分解酵素。カツオと酒と桜を愛でる心。そして、呑兵衛で‘いごっそう’なまちづくりの先輩・友人である。〔終〕

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桜吹雪の高知城

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U村氏(右の紳士)にマボロシの栗焼酎「ダバダ火振」をお土産にいただきご満悦の私(左のメタボ)

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2012年04月18日

第461夜:酒とカツオの日々【高知(高知)】(その三)

 缶ビールを一気に半分ほど流し込んだ後、カツオコロッケにかぶりついた。……。当たり前かもしれないが、和風テイストである。ツナコロッケだ。ツナ缶の原料はマグロかカツオなので、近い味である。揚げたてならなお楽しめるだろう。確かにカツオの旨みが凝縮されている。

 はりまや橋商店街から幹線道路を渡ると、明るく立派なアーケードと広い幅員を持つ商店街が広がる。「壱番街商店街」「京町商店街」「新京橋商店街」「帯屋町商店街」「大橋通商店街」「おびさんロード商店街」。核である<高知大丸>を中心に一大ショッピングゾーンを形成している。物販店の割合が高く、観光客よりも圧倒的に地元住民で大いに賑わっている。

 ホテルに戻ってユニットバスに湯をためる。じっくり浸かりながら夜の対策と傾向を練る。最強に有益な情報があった。元尼崎市役所のエース職員で、高知の大学教授に華麗なる転身を遂げたU村氏。氏に高知行きを前日に告げ、すかさずオススメ店情報を得ていた。残念ながら梅M氏は私と反対にご家族の待つ尼崎へ帰省中だったが、飲兵衛の薦める店にハズレなし。ネットで場所を調べ、勇躍<漁師酒場 明神>のドアを潜った。

 超満員の店内は圧倒的の地元住民中心。期待が高まる。コチラのお店、一本釣りカツオを提供することで有名なお店だった。名物は「カツオの塩タタキ」。しかも、単なる炙り焼ではなく‘藁焼き’という手法だそうだ。藁を投入することで火力が増し、香りが付加されるという。

 生ビールをグビグビやり、お通しの「グレのマリネ」をつまむ。テーブルから厨房が見える。天まで届かんばかりの勢いを放つ炎の中でカツオが炙られていく。要所で藁が投入されている。

 程なくして塩タタキと通常のタタキのセットが運ばれてきた。分厚くて、大きい。すごいボリュームである。赤身の美しさ、炙られた皮の銀光にウットリする。

 荒ぶる熱き興奮を鎮めながら、箸で塩タタキをつまむ。口に運ぶ。……。弾けた。黒潮が全身に満ちた。太平洋の広大と深淵、天と海が創造した奇跡が脳天からつま先まで稲妻を走らせた。絶句と歓喜が交差し、日本海溝よりも深い余韻に包まれた。旨い、という一言で表現できるものではない。今まで私が食べてきたタタキは、別の魚だったのだろうか。

 塩タタキをゆず酢にチョン付けすると、太陽の酸味が心を震わせる。ポン酢たたきはスライスニンニクをたっぷり絡めた。私は夢中だった。途中の記憶が飛んでいる。確かな事実は、大量のタタキが目の前から瞬時に消失したこと。そして、後先考えず追加注文したことだ。

 ビールから土佐の地焼酎にすかさず切り替える。四万十の栗焼酎「ダバダ火振」。U村氏イチオシで、高知市内では入手困難なため氏が四万十地方出張の度に、数本単位で買い占めるというマボロシの一品だ。ロックで口に含む。……。ぬぅぅ。甘くないのに、ほのかでまろやかな甘味がある。栗をパカっと割ったような音が舌の上で再現される。昔、某CMのキャッチフレーズ「酔わせつつ、覚めさせる」を体現する極上のシロモノだった。〔次夜その四〕

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豪快なカツオの藁焼き

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大自然の恵みと料理技術の奇跡的な邂逅。塩たたき(上)と定番ぽん酢たたき(下)

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