駅前は大賑わい。そもそもこのようなイベントが開催されていたことすら知らなかった。チラシによると、高知県内の市町村から2会場合せて43もの御当地グルメが出品されている。折しも時間は昼食時。長蛇の行列と言うほどではなく10分程度の待ち時間が数ブースある程度。
生ビールとテント内の席を取り急ぎ確保。気になる商品目白押しだが、空腹に負けてあまり並ばなくても良さそうなブースへ適当に突撃。計4品を入手した。1品に付き投票券が渡される。最も気にいったグルメに投票する仕組みだ。
■「須崎名物鍋焼ラーメン」(高知県須崎市)
見た目は完全に鍋焼うどんだが、和風ダシに黄色い中華麺がそよいでいる。フタをしたまま渡されるが、長時間の放置は中央に鎮座する生卵の黄身が固まる上に、麺が伸びてしまうので注意が必要。うどんダシに細めの中華麺を入れたという、想像通りの味です。
■「ウルメ天ぷら&ウルメフライ」(高知県土佐市)
天ぷらは練りテンプラ系で魚の力強い旨みと風味が濃厚。ウルメフライもサクサクでそのまま頬張ったが、ウスターソースをジャブジャブかけて熱い白御飯と味わうと旨さ倍増だろう。それぞれ1枚100円というコストパフォーマンスも嬉しい限り。
■「脱藩キジ飯」(高知県梼原市)
キジ肉が少し入っており、恐らくキジ肉ダシの炊き込みご飯と思われる。「脱藩」の意味は、恐らく坂本龍馬氏が高知を脱藩したことと引っ掛けていると推測。淡泊極まりない清貧な味付けが光る。幕末武士の質素さを見事に表現。心が凛と洗われる居住まいに襟を正した。
■「土佐あか牛バーガー」(高知県越知市)
土佐あか牛肉を使ったビーフと目玉焼、千切りキャベツが主要具在。目の前の鉄板で具がアツアツに焼かれている。かぶりついた。ヒンヤリしたパンとほんのりと芯が冷たいビーフ、淡泊を極めた目玉焼、元気よく飛び散る千切りキャベツのハーモニーに哲学的な味わいを感じた。
翌朝の高知新聞に初日終了時点の中間結果が発表されていた。中間投票1位は「坦々封立川そば」(大豊町)、2位は「高知県特産鶏土佐ジローキミコイラーメン」(高知市)、3位は「安芸釜あげちりめん丼」(安芸市)。いずれも旨そうである。
御当地グルメを一堂に集めた食の祭典は日本中で頻繁に開催され大盛況だが、本質はPRを兼ねた試食会。本場に出向き腰を据えて堪能して、初めて体感できる。イベント来場者が御当地に実際に足を運ぶかどうかの試金石でもあり、安易な気持ちでは火傷する真剣勝負の場である。
須崎名物鍋焼ラーメン
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