モンドセレクション。たまに受賞ラベルが貼られた商品を目にすることがある。同じような商品が並んでいたら、ついそのラベル商品に手を伸ばしてしまう惹きと重みがある。
井原町商店街エリアのお宿<舞鶴楼>をチェックアウトし、井原駅へ向かう。歩くと30分かかるそうで、タクシーを呼んでもらおうと考えたが、1時間の1本の時間帯の井原鉄道駅まで50分ある。早く着きすぎてもナンなので、ブラブラ歩いて向かうことに。
車の速度では気づかない風景に気づく。こんなところにラーメン屋が。ユニークな店だな。24時間スーパーもあるのか…。川べりには2羽の鶴が。しかし、動かない。よく見るとオブジェだ。
車社会の井原ゆえ、あまり人とすれ違うことはない。しかし、すれ違った人全員が会釈または挨拶して下さった。曇り空でいい風が吹いている。こんな気持ちの良い朝はいつぶりか。歩くからこそ体験できる至福である。すごい町である。
順調に歩を進める。井原駅まであと5分という地点に食品スーパーがあった。9時20分ごろだが全開で、駐車場はびっしり埋まっている。電車発車まで25分。スーパーに入ってみた。
私は市場や地場スーパーがあれば入る習性がある。大手にはない商品構成や、その土地の名産的お惣菜、地酒など。この日は神戸に戻るだけ。自宅晩酌の肴を仕入れようか。
私がスーパーで絶対にチェックする商品がある。「カット葱」である。生野菜はあまり食べぬ私だが、カット葱だけは冷蔵庫にほぼ常備。格安スーパーは量が多くて安い傾向がある。しかし、あまり日持ちしない。ゆえに、数日間自宅の滞在するときに購入する。
袋ラーメン、納豆、魚系缶詰、鰹のたたき…。カット葱が添えられるだけで一気に格が上がる。料理として完成度が高まる。料理できない私の必殺技でもある。
野菜売り場へ。カット葱があった。値段は98円(税抜)。まあ、普通だろう。この夜から3日間、自宅に滞在する。カット葱を補充したいが、自宅近くのスーパーで買えばよいか。
ふと、足が止まった。何かの違和感があった…。ただのカット葱ではなかった。「2024年モンドセレクション優秀品質銀賞」とある。さらには「カット葱で日本初!受賞」とも書かれている。パッケージ(フタ)にも同様の受賞シールが。
2024年とは、今年である。そもそも、モンドセレクションにカット葱部門があるのか。銀賞も凄いが、金賞は何なのか。そして、あまりにもシブすぎるセレクションである。
カット葱フェチの本能が引火した。カゴに入れた。カゴに葱だけは少なすぎるし軽すぎる。総菜コーナーへ。よりどり3パック1000円コーナーから「ミニオムレツ(7枚入)」「かに焼売(10ヶ)」「いか天ぷら(無数)」をカゴに。
レジでお会計の最中に気づいた。3品ともカット葱が本領を発揮する場面が少ないことを。
井原駅から徒歩5分弱。
よりどり3品+葱。
様々な賞があるものである。
(付記)
その夜。インスタント味噌汁に入れてみた…。旨い。しゃきしゃき。しかし、私のバカ舌ではどのあたりがモンド銀賞なのか分からなかった。ただし消費期限は6日間と他よりも長かった。