2022年04月11日

第2906夜:岡山ラーメンの源流?【岡山(岡山)】(後編)

 それから約1ヶ月後。3年に及んだ我が表町商店街がフィナーレ。22時から打ち上げ。ホテル戻りが深夜2時半。

 翌朝。眠いがユニットバスで覚醒させ、9時から栃木県日光市オンラインミーティング。便利な世の中である。

 前日、岡山駅から普段通らないルートで表町方面へ向かおうとしたら、掛け値なしに駅前にラーメン屋があった。岡山はラーメン激戦地ゆえ特に気にも留めなかったが、看板の気になるショルダーネームが視界の隅に入ってきた。「岡山ラーメンの源流」。

 その残像が一晩経っても消えなかった。時間は11時。昨日通ったルートで駅へ、というより源流へ向かう。源流の名は<冨士屋>。昭和25年創業という。

 この屋号、この字(富士ではなく冨士)は私にとって永久欠番的な意味合いを持つ。神戸新長田時代の最大の盟友・M井氏の経営する呉服店の屋号が<冨士屋>。岡山の冨士屋は創業25年だが、神戸新長田の冨士屋は創業何年か。100年を超えているかもしれぬ。

 開店時間は分からぬが、たぶん11時だろう。すでに店内はお客で満たされている。

 券売機と対峙。さっぱり分からぬが「チャーシュー中華」のボタンを押した。恐らくチャーシューメンのことだろう。

 店内はL字カウンターのみ。かなり広くて清潔でゆったりした造り。この店が発祥の聖地と思えぬので、恐らく本店は他にあるのかもしれない。

 常連風は「チャーシュー中華」率が高い。アタシの拉麺嗅覚も間違えていなかったようだ。

 ブツ降臨。まさに正統派の醤油。チャーシューの浮きが心強い。スープがタプタプなのも頼もしい。

 胡椒をパラリ。まずはスープ‥‥‥。私の中の欠けていたピースがハマった。

 岡山に御縁を頂き3年間啜ってきた岡山系醤油の「源流」であることをはっきりと理解した。甘めの醤油にしっかりした鶏ガラ。あっさりだけど、深みも十分。まさにソウルフード的な安定感。私が啜ってきた岡山ラーメンはすべてこのラーメンの派生かもしれない。

 私の岡山での3年間。ラーメンとデミカツ丼を中心の昼は攻略し、夜は吉備の国最大最強商店街・表町のH谷川理事長やY部常務たちと呑み歩いた。

 岡山は私が居を構える兵庫県と隣接しているが、同じ隣接している大阪と比べたら感覚的に異世界ほど離れている。しかし、私は毎月どころかほぼ毎週新幹線で岡山駅を通過している。

 岡山市での3年間。ハマった店もいくつもあった。そして、最後に岡山ラーメンの源流を見つけ、啜ることができた。いつになるか先は読めぬが、再訪を誓った。近くて遠くて、やっぱり近い気もする吉備の国・岡山へ。

220411岡山K.jpg
ラストラーメン。

220411岡山L.jpg
源流の証明。

220411岡山M.jpg
納得。
posted by machi at 09:28| Comment(0) | 岡山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月10日

第2905夜:岡山ラーメンの源流?【岡山(岡山)】(前編)

 <そばら屋>。備前岡山で現存する最も老舗である。表町商店街に爆誕し、創業190年という。間もなく200年を迎える。

 その何代目か分からぬ当主が、私も親しくさせて頂いている表町商店街の大番頭かつ若頭なY部氏。痛風持ち同士としての連帯感もある。

 11月中旬の正午。Y部氏らと、商店街内の老舗中華料理店<廣珍軒>へ昼メシ。私は初ダイブ。

 このお店、岡山で最初にラーメンを商品化したという。本当の意味で岡山ラーメン発祥の聖地と言える。ラーメン提供店としては最も老舗とも言える。

 ランチメニューは日替わりなどかなり豊富。1階が満席ゆえ2階の座敷席へ。中華円卓テーブルなどいつぶりか。少なくともコロナ禍以降はない。

 麺系のセットに照準を絞る。5種類の麺からチャーシュー麺とワンタン麺に迷う。

 3秒の長考後、ワンタン麺召還。チャーシューメンを愛してやまないが、ごく稀にハズレのチャーシューに遭遇することがある。チャーシューはあっさりとした肩ロースが好み。

 私の見た目と体型とキャラからして、脂ギトギトが好物と思われがちである。脂の乗った刺身、肉の脂身などは大の苦手。もし好物だったら、今頃180sかもしれない(現在100s)。

 焼豚は私にとってハズレる場合もあるが、ワンタンならまずハズレない。そもそも不味いワンタンに出会ったことがない。

 談笑していると、小エビ唐揚、小ライス、漬物を従えてワンタン麺降臨。

 透き通った醤油スープ、ストレート麺、中央に葱チラシ、そして、出汁を吸いこんだワンタンの花弁。老舗の風格が感じられる。そして、岡山ラーメンの源流である。

 胡椒パラリし、まずはスープ。‥‥‥。あっさりとした王道。ほのかな甘みが私が感じる岡山ラーメンスタイル。

 まずは麺を一気に熊啜。残るはワンタンとスープ。小エビをおかずにライスを頬張り、スープで流し込む。柴漬でリフレッシュさせる。ライスも完食。

 そして、ワンタン。スープをさらに吸い込んだワンタンはとびっきりのスーパーエース。

 レンゲでツルンと口に運ぶ。天女の羽衣が舌を撫でる。肉の力強さが喉をタップする。プルルルルンと次々に舌、咽、食道、そして胃へ滑り落ちる。

 〆のホットコーヒーまで満喫していたら時間が無くなった。急ぎにミッション会場へ。

 先日は「岡山ラーメン」らしい『かつラーメン』(トンカツをトッピング)を啜った。源流たる<廣珍軒>ラーメンが、時が経つにつれてどこかで変異したのだろう。

 まるで、生命の進化の過程である。しかし、進化がすべて正しいわけでもない。太古の源流はDNAに刻まれた刻印でもある。ラーメンの話ですが。〔次夜後編〕

220410岡山I.jpg
迷わせる。

220410岡山J.jpg
夢中にさせられる。
posted by machi at 10:33| Comment(0) | 岡山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月06日

第2904夜:カムカム表町【岡山(岡山)】

 『カムカムエブ●バディ』。2021年12月下旬時点で放映されていたNHK朝の連ドラである。

 私はフルで15分間視たことなく、朝ドラそのものを15分間これまで最初から最後まで見たことすらないかもしれないが、この作品の舞台が岡山市であるという。

 そして、『まちなかチャレンジ!出店するなら表町』。2021年12月下旬時点で大団円を迎えた吉備の国最強最大商店街・表町にて足掛け3年間にわたり繰り広げられた新規出店者応援プロジェクトのタイトルである。

 本来は2年間で完結するはずが、コロナ禍でもう1年延長。1年目が調査分析、2年目が計画、3年目が実行である。

 2021年12月のクリスマスイブのイブの夜。その集大成である成果報告会が開催された。3年間のフィナーレ。私にとっても最後の岡山の夜に。

 実行期間(約半年間)に16件の新規出店。表町は何もせずとも年間5〜10店舗は新規出店あり。ただしパイは限られているので、退店もあって入れ替わる。新陳代謝が活発といえる。

 さらに成果を上げるためには、次年度継続するためには‥‥‥。様々なご意見を拝聴する。来年度もさらに形を変え、無理のない持続可能なまちなか出店チャレンジを応援して下さるようで実に心強い。

 6人で打ち上げ。ただ、表町周辺は22時閉店が多い。コロナ以降、早じまいが増えたそうである。つい先日に8店舗が類焼した火災があったようで、特有の焦げ臭さも残っている。

 22時ごろ、激シブな呑み屋路地にあった鉄板焼きのお店に入店成功。ちょうどカウンターを独占。小さなお店ゆえ貸切に。

 生で乾杯。2杯目からはメガハイボールに切り替える。

 名物というトンペイ焼、圧倒的迫力。ヘルシーで野菜たっぷり。岡山のソースは甘い。文化圏的にOタフク系か。醤油ラーメンも甘めに感じる。

 牡蠣オコのダブル、焼シウマイ、バジルウィンナーなどに舌鼓。談笑していると気づけば24時を大きく回っている。

 最後にもう一軒。中央町ではなく、表町付近で。行きつけの<コイン>へ。開いていた。

 私以外の4氏は全員岡山漢。中学高校の話で盛り上がっている。私にはさっぱり分からぬが、楽しさは伝わってくる。

 深夜2時を大きく回っていた。S木専務理事の熱唱で掛け値なく、我が3年間の表町ミッションがフィナーレ。私にとっての連ドラであり、大河であった。出店するなら表町。カムカム表町である。

220406岡山D.jpg
味わい深いエリア。

220406岡山E.jpg
トンペイ焼(たぶん)。

220406岡山F.jpg
牡蠣おこダブル(たぶん)。

220406岡山G.jpg
シウマイを発見したら頼まずにいられない。

220406岡山H.jpg
最後の夜もやっぱり<コイン>へ。
posted by machi at 07:00| Comment(0) | 岡山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする