2025年10月04日

第3764夜:はま〜い軍艦【栃木(栃木)】(後編)

 さすがに満腹だが、麺類は別皿。2週間前はここで北海道味噌バターコーンを啜った。ここは札幌かと思わせる本格だった。タッチパネルでラーメンをチェック。北海道味噌は期間限定のフェア商品。この日は何と、横浜家系。しかしすでに売り切れていた。奥歯を噛みしめる。

 もう一つのフェア麺が「鴨そば つくね入り」。要するに『鴨南蛮』である。老舗の蕎麦屋でつくね入り鴨南など手繰れば2000円は下らないだろう。ここでは税込で400円ちょっと。

 お替りした地酒がまだ残っている。まさか回転寿司屋で鴨南をツマミに地酒をヤれるとは。合わせて1000円も掛からない。

 鴨南降臨。濃い色の汁に浮かぶ油膜が艶めかしい。鴨南は西日本の薄口より関東の濃い口が相応しい。鴨をツマミに地酒。思わず目を細める。

 そういえば3時間ほど前に電車内でビールを呑みながら国技館つくね缶を試したことを思い出す。どちらも変化球だが、切れ味の鋭さはO谷投手のスライダー級である。

 2週間前、この店で〆のデザートに開眼した。今回は一押しっぽい「プレミアムガーナアイスとチョコの濃厚パルフェ」。パフェでなく「パルフェ」である(よく分からないが)。

 プレミアムガーナショコラアイス、チョコレートソース、ガーナリップル、チョコ練りバウム、チョコフレーク、ホイップクリーム、チョコプリン。書き写すだけで疲れを感じるほど。

 濃厚で冷たいチョコ祭り。税抜390円。パフェの相場が分からぬが、コンビニのアイスと比較すれば鬼安。邪気も鬼も退散する剛毅っぷりである。豆を撒くより効果ありそうだ。

 新社会人の頃から40代まで回転寿司を見下していた。サラダ軍艦やデザートなど意味不明で理外極まりなかった。それが50歳になり、独りで回転寿司屋で酒を呑みながら「邪道寿司(いい意味で)」を満喫し、デザートにパフェまで喰う。

柔軟になったのか成長したのか、ボケてきたのか分からない。ただ、若い頃よりも喰っている気がする。そこは成長しなくても良い。

 軍艦の華は「うに」「いくら」である。これらを頼まなかった。理由は一つ。1貫で290円(税抜)だから。私はすべて税抜100円と160円皿のみを選択。このあたりのチョイスはオヤジになっても情けないことに全く成長していない。

 大満腹。お会計ボタンを押そうとした時、タッチパネルに「特製キンパ風ツナキムチ太巻」が映し出された。情報量の多い名称だが、惹かれたのが「太巻」。節分は細巻でなく太巻を齧らねば風情がない。しかも1貫。これから入るか。

 高速レーンで運ばれてきた。さあ、恵方はどこか…。神戸や北九州などと異なり、海なし県の栃木市では私は全く方角が分からない。やむおえぬ。真正面を向いて一口で放り込んだ。さて、真正面はどの方角か。

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posted by machi at 06:46| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月03日

第3763夜:はま〜い軍艦【栃木(栃木)】(前編)

 軍艦。国防や戦記に詳しくなく食い意地だけは50歳を超えてもあまり衰えぬ私にとって、軍艦とは寿司である。

 最強寒波襲来中の移動日。東京へ向かう新幹線車内でPC猿打。いつのまにか女性専用トイレが爆誕していた。増設でない、男女兼用トイレの半分が女性専用に。

 時代の流れだが、オヤジの私にとっては幾分不便。しかし、トイレが1か所しかない店で女性が出た後に入るのは気が引けるようになった。これも「コンプラ」というヤツか。

 17時を回った。東京から小山までは缶ビールロング缶を2本と「国技館やきとり缶詰(つくね)」や柿の種。この日のお宿は栃木。晩酌をどうするか。つくね缶、素晴らしく旨い。

 ふと気づいた。この日は23日。節分である。節分といえば、巻寿司。極めて少ない私の中の栃木駅前レパートリーで<Hま寿司>一択になった。駅前の定宿で荷を解き、<はM寿司>へ向かう。思ったよりも空いていた。

 100種類は軽く超えそうなレパートリー。とりあえず埼玉の地酒と「あおさ味噌汁」をタッチ。この2品は店員さんの手運び。2週間ほどまでに経験済ゆえ、私の軍略も無駄がない。

 この日は軍艦、または巻寿司縛りと決めていた。ところが軍艦だけで数十種類も。回転寿司屋でしかお目にかかれぬ独創性が溢れている。握りよりも応用がききやすいのだろう。とりあえず「期間限定(フェア)」にから攻める。

 ふと気づいたことがある。同時に同じ品が3つレーンで運ばれてくる時がある。その中の1つが注文皿とする。しかし、3つのうち1つが崩れている場合がある。その時、どの皿を選択するか。私なら整った皿を取るが、罪悪感もついてきそうだ。

 第1陣は「鴨つくね軍艦(2)」「真鱈白子軍艦(2)」「赤貝ひも軍艦(2)」。赤貝も真鱈白子も高級っぽいが2貫で税抜160円。具もたっぷりで十分な満足感。つくねは照焼でマヨ添え。邪道を極めれば王道になる。わさび醤油皿、甘酢生姜皿を作るあたりも私の回転寿司の腕が上がってきた。呑み放題の緑茶をチェイサーに地酒をちびりちびり。

 第2陣はあん肝系で。「あん肝軍艦(2貫)」「あん肝かにみそ軍艦(2貫)」「とらふぐ皮あん肝和え軍艦(2貫)」。濃厚な旨味が口内で弾ける。あん肝とカニ味噌、ふぐ皮を合わせる発想など湧いてこない。イグ・ノーベル賞クラスの快挙である。

 第3陣は「とろネバ三種盛り軍艦(鮪たたき・納豆・いかオクラ)」「サラダ軍艦(シーフード・コーン・ツナ)」。この店にハマるまでそもそも回転寿司に行かず、特にサラダ系(マヨ系)をバカにしていた。不明を恥じる。豪華ネタにも決して劣らぬ至高っぷり。コンビニのおにぎりにツナが登場した時も天変地異だったがすっかり定着。時代のスピードに追い付かねば。

 第4陣は包み系。海苔の上に握りが座っている。手巻寿司と言えぬこともない。「広島県産牡蠣フライ包み(タルタル・お好みソース)」と「鮪レアステーキ包み(1貫)」。お好み(焼)ソースとカキフライは相性抜群だがそれが寿司になるとは。タルタル牡蠣フライ寿司がむしろ定番に思えてきた。サクサクでジューシー。悪くないどころか旨い、じゃなくはま〜い。

 第5陣でそろそろフィニッシュ。定番メニューから「干瓢巻」「鮪たたき巻」。どちらも細巻である。王道の味。干瓢の生産高1位は栃木県。ここは栃木市。ご当地に敬意を表す。〔次夜後編〕

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車内にて。

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やきとり缶の正体。

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車内にてカップ地酒@

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車内にてカップ地酒A

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栃木駅前のオアシス。

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地酒と味噌汁からスタート。

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5種を駆使。

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以下、軍艦まつり(注釈省略)

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posted by machi at 07:32| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月30日

第3761夜:転生の芽吹【下野・上三川・小山(栃木)】

 飲食店創業希望者向け実践ゼミ。下野市と上三川町と超零細弱小会社(ウチ)の3者共催で2025年1月下旬に2回開催された。

 会場の石橋公民館は小山と宇都宮のちょうど中間に石する石橋駅から車で5分弱。下野市の方に拾って頂き会場へ向かう。小山駅から改札に向かおうとしたら、宇都宮線が恒例の何かのトラブルで20分ほど到着が遅れるとのアナウンスが。

 すかさず下野市ご担当者に遅延連絡を入れた。20分も極寒ホームで待ちたくない。しかしそれほどノンビリできる時間でもない。

 駅改札すぐ横に<サクラミチ>という土産物売場がある。この前をこれまで数百回は通っているはずだが、この数年店内に入った記憶がない。何故なら地酒を売っていないからだ。

 20分の待ち時間。たまには覗いてみるかと近づいた際、店頭にパネルが立てかけられていた。そこには「きそば」の3文字が。『復刻!店内冷蔵庫にて販売中!(数量限定)』とある。

 勢いよく店内へ飛び込んだ。一目散に冷蔵ケースへ…。そばと出汁が別々で売られていた。

 きそばはちょうど3年前に何らかの事情で小山駅ホームから消えた。このバカブログでも私のきそば愛を何度か乱筆した記憶がある。とんでもない濃い目の出汁で、これぞ東日本と最初はたじろいだ。しかしあっという間に中毒に。東日本の駅そばの中で最もハマっていた。

 出汁が1人前250円。ストレートタイプで温めるだけ。思わず2袋レジへ。出張中ゆえすぐに味わえぬが、帰宅が楽しみに。

 それからちょうど一週間後、同じく小山から石橋へ向かう途中、この売店で出汁を6ヶ買い込んだ。当たり前だが、重い。スーツケースに格納。それほど賞味期限が長いわけでないが「出汁を寝かせる」と思えば良い。

 私のこの出汁の楽しみ方は「ヌキ」である。近所のスーパーで天ぷらを買う。かき揚げがよろしいが、何でも合う。出汁をラーメン鍋で温め、丼(カップ麺の空容器)に注ぐ。天ぷらをオンする。同じくスーパーで買った刻み葱をパラパラ。一味も少し。

 出汁を啜る。舌と脳が震える。末梢神経まで喜んでいる。この濃さは天下無比。出汁が染みた天麩羅を齧り、カップ酒(栃木県内の蔵元)を煽る。天ぷらの油が染み出した出汁を口に含み、地カップ酒で追いかける。チビチビやりたいのだが、あまりにも旨すぎてあっという間に滅失してしまう。

 飲食店向け創業ゼミには10名弱ご参加頂いている。どなたか、きそばを復活して下さらないか。小山でなくとも下野か上三川で。間違いなく客はつくはず。少なくとも、私は通うだろう。可能であれば、駅から徒歩圏内でお願いしたいのだが。

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改札出てすぐの土産物売場。

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キュっと濃厚。

(付記)

3日前の正午過ぎ。小山駅の宇都宮線ホームから両毛線ホームへ向かう途中のコンビニで「週末限定」として蕎麦、出汁、天ぷらのセット(1人前)が648円で発売されていた。土日に小山駅に居るタイミングはめったにないので迷わず捕獲。店舗という完全体ではないが、転生の精度が爆上がり中。最終新幹線で帰神して夜中1時頃自宅で作って啜る。魂が震えた。

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小山駅改札内のコンビニ。

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週末かつ数量限定。

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捕獲成功。

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スーパーのカット葱と自宅冷蔵庫から発掘した消費期限3週間前の生卵はアヅマアレンジ。

posted by machi at 06:24| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする