<アルシオーネ・コート佐野>。北関東屈指の人気都市、佐野市の新都心、でなく最早「都心」かもしれない関東屈指のアウトレットモールに近接するウェディングガーデンである。
秋が深まった平日の夜。このガーデンで「先輩創業者・創業塾OBによる座談会及び交流会」が開催された。
佐野商工会議所が主催する創業塾、毎年大盛況である。私が佐野と御縁を頂くようになったのは令和4年度から。創業塾には十数名でなく数十名受講申し込みがある。受講料も創業塾の中ではかなり高額。それでも殺到する。近隣市の軽く5〜6倍の盛況っぷりである。
これまで10名近い創業塾OBから色々なお話をお聞きする機会があった。皆さん、口を揃えるのは「受講して本当に良かった」。特に受講生同士の交流が密であり、同窓会の雰囲気がある。実際に創業した際、同期の受講生同士のネットワークが大いに役立っているようである。
しかし、コロナ禍において交流する機会を設けることができなかった年次OBたちがおられる。「創業するなら佐野で」をキャッチコピーとする佐野商工会議所は交流を求める熱い要望に即座に対応。同世代交流という「横串」だけでなく、世代を跨いだ「縦串」も突き刺した。
た〜てのいとは〜♪。あの名曲の歌詞を創業塾でマトリックスする企画力と行動力。感服していると、その交流会の前半である創業者トークセッションの聴き手役を任された。
市役所を(定年)退職後にイチからラーメン店を創業された女性、民間救命サービスという独特な分野を切り開いていた還暦越えの男性。そして、このウェディング場の支配人を兼ねながら様々なサイドビジネスを手広く広げている男性。
私に与えられた時間は1時間。あっという間だった。聞き入ってしまい、時間を、進行を忘れてしまう。会場を埋め尽くした三十数名も感じ入ったようである。
終了後は立食懇親会。恐らく来場者は100%自家用車。ゆえに飲み物はソフトドリンクだけ。会費は一人5000円。とんでもなく料理が豪華である。
料理がどんどん追加される。むしろ5000円は安い。トークセッションの登壇者でもあった支配人が頑張って下さったのかもしれない。
私はドリンクだけ口にして、料理には一切手を出さなかった。会費を払っていないためでもあるが、全集中ミッションを終えた直後はアドレナリンが駄々洩れで空腹感が1gも湧いてこない。日が沈むとアルコールと一緒でなければ固形物がノドに通らない。
終了後、会議所の課長様に佐野駅まで送って頂く。1時間に1本の両毛線。小山の定宿に向かう列車は30分後。
佐野駅前のコンビニが解体され新築工事中。駅前でアルコールを入手できないことは事前に知っていた。カバンからポケットバーボンを取り出し、誰もいないホームのベンチでグビリ。
胃に火が灯った。ようやく食欲が湧いてきた。小山駅到着は22時半。さて、どうするか。
豪華な会場。
豪華な登壇者。
豪華な料理。
豪華な歓談。
孤独なバーボン。