2025年01月19日

第3585夜:なぜ海無し県は魚が旨いのか【小山(栃木)】

 海無し県。日本にいくつあるのか知らぬが(調べたらすぐにわかるが)、私が頻繁に訪れるのは栃木県と埼玉県。2016年までは海無し県にほとんど縁無かった。2017年から濃密に足を運ぶようになり、必然的に飲み食いの機会が爆増する。

 埼玉県ではホッピーと焼きとん、もつ煮込が我が三品同盟ゆえあまり魚介の入り込む余地が無かった。栃木県はそこまでこの三品同盟文化は色濃くなく、逆にバリエーションも増える。

 足を運ぶ日本中のミッション先で、その地の名物、名産に舌を躍らせる。海あり県の中でも、漁港で有名な地などでは魚介に全集中。地酒を合わせる至福は天の祝祭である。

 2018年頃から徐々に海無し県・栃木に足を運ぶようになり、2019年から現在(20246)まで数え切れぬほど呑んできた。鹿沼、宇都宮、日光、佐野、栃木…。最も酒を呑んだ地はおそらく小山市だろう。小山呑みでも8割は西口駅すぐの創業五十余年<東>だろう。

 私と同じ苗字なこのお店。大将も女将も苗字は全く違うのだが、私は愛してやまない。一度だけ独りで呑んだことあるが、それ以外は盟友・S氏と御一緒にだ。

 6月中旬の午後。西口の自治会館で小山市内の不動産会社の3名の社長から栃木市と下野市のご担当者が様々なコトをお聞きする機会を設定。その不動産会社への声がけと会場手配をS氏に依頼。氏は私の意図以上の素晴らしい場をセッティングして頂いた。

 私のダラダラした進行で予定より30分延長して終了。まだ日は明るい。自治会館から歩いて1分以内に<東>が屹立。西日が強くなってきた。まだ営業開始時間前だが、中途半端な時間帯。飛び込んでみると、快く席に座らせて頂いた。

 チンチンに冷えた瓶ビールを一気に流し込む。すかさず2杯目。この日のお通しはホタルイカの煮付。無限に酒が進む。

 この店はとんでもないぐらい魚が旨い。この日は鯨と鰹の刺身、鯖かっぱ(海苔巻)、そして北海道産のあん肝。普段はビールの後はハイボールを鯨飲するのだが、福島県の冷酒をシュッツと決める。旨さが膨らむ。心も膨らむ。

 鯵はフライで。フワフワとサクサク。分厚い。付け合わせのポテサラも最高。ゆでただけのトウモロコシに初夏を感じる。胡瓜、白菜、蕪の漬物は日本屈指の極上の旨さである。

 栃木県で呑む際、よく同行氏になぜ海無し県なのに魚が旨いのか尋ねることがある。当然、港はない。ゆえに鮮度の面では劣るはずである。それなのに、下手な港町より数百倍旨い。鮮度も良い。同行氏たちも首肯する。彼ら彼女たちが口をそろえる理由がある。

 「海が無いから、魚へのあこがれが強い」。

 いい魚を食べたい。食べさせたい。この一年が漁港からの距離を滅失させ、塩漬せずとも獲れたての鮮度を維持させる。人類の進歩と進化の一例である。

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開店直後。

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チンチンに冷えたビールと蛍烏賊。

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至福のあん肝。

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早めに日本酒にチェンジ。

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最高の初鰹。

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酢飯のない鯖と胡瓜巻。

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付け合わせのポテサラも最高。

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夏の季語。

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秘伝のレシピ。

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この御仁がいなければ、私の栃木県ミッションは1oも進まず。
posted by machi at 08:57| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月18日

第3584夜:100本の薔薇【佐野(栃木)】

 100万本のバラ。ベテラン女性シンガーソングライターのヒット曲である。私ですらサビは口ずさめる。ちなみにこのシンガーソングライターが80年代に超人気アイドルへ提供した『難破船』は名曲中の名曲。たまにカラオケで唄うこともある。

 私はバラを買ったことも、もらったこともない。もちろん、贈ったこともない。そもそも花束を自分で見繕った記憶がない。

 私が花を買うシチュエーションはただ一択。知人友人が新規オープンした際にお店に送る胡蝶蘭のみ。花屋で注文し、配送場所を告げて金を支払うだけ。私自身、自分が送った胡蝶蘭を見たことがない。

 ある平日の朝8時台。佐野市役所に立ち寄り、花のように華がある役所のY口女史と歩いて<ハナノミセwood spoon>へ。2023年度からスタートした佐野市内創業者インタビュー特集の第4弾であり、2024年度一発目の取材である。

 店舗2階の事務所スペースで17年前に創業した男性オーナーのK林氏からたっぷり1時間以上、ご多忙の中、お時間を割いて頂き様々なお話をお伺い。詳細は佐野市役所ホームページで閲覧できるので割愛するが、2つの事柄が非常に心に残った。

 花屋の特徴として、経営者は男性だが店頭には女性販売員という組み合わせが多いという。なるほどと首肯。言われてみれば、花屋の前を通りかかるとたいていは女性が店頭に。

 ここに商いのキモがあった。30代から50代ぐらいまでの男性は、奥様に誕生日祝い等で花を贈る際、女性店員には恥ずかしいのか注文をためらうという。男性が店頭に立つと、花を買うという習慣から縁遠い中年男性客を掘り起こすことができるらしい。まさに私はその世代。

 シゴト上、脱毛サロンを創業した女性経営者をヒアリングした経験がある。このバカブログでも書いた記憶あるが、私は毛深いのに脱毛など1gも関心なかった。

 脱毛など気にも留めていなかったが「介護脱毛」というジャンルを初めて耳にし、それが可能なタイムリミットの年齢に差し掛かっていることを知った。

 脱毛箇所は「Yライン」「Oライン」。さすがに恥ずかしいので、もし介護脱毛するなら女性でなく男性に施術して頂きたいと感じた。それに近い感覚か。

 冒頭の書いたように、私は胡蝶蘭しか買ったことがない。そのことを話すと、2つ目の衝撃を喰らった。胡蝶蘭、事務所系店舗には喜ばれるらしいが、飲食店や美容室など、店内を人が動き回る業種業態の店舗では、いわゆる人間の「導線」が阻害されるという。

 今までの常識が音を立てて崩れていく。衝撃に目を剥いた私に、胡蝶蘭でなく花束を贈ってはどうかとK林氏。バラの花束を100本贈る方がインパクトもある。ただしすべて赤だと引かれるので、色をはずすという。「色をはずす」という表現にプロっぽさがにじみ出ている。

 花束をもらうと、女性は特に喜ぶ。喜ばない女性はあまりいない。このような話にY口オーナーと意気投合している隣のY口女史に、身長169p、体重0.11トン、顔も体型も体毛も縄文系な50歳の私からでもバラの花束を100本もらうと嬉しいか聞いてみた。

 女史は苦笑して私の視線を外し、何も答えなかった。

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wood spoon
posted by machi at 10:59| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月12日

第3578夜:500gのハンバーグ【栃木(栃木)】

 大俵ハンバーグ。ファミレスチェーン<Big Boy>の看板メニューの一つである(と思う)。

 暑くも寒くもない気持ち良い5月下旬の午後、佐野市役所でミッションを終え、隣接する栃木市へ。翌朝9時から栃木市役所でミッションを控えている。栃木駅前の定宿にチェックイン。18時ごろまで狂ったようにPC猿打する。

 この日、凄まじい二日酔いだった。胃もたれも激しい。朝昼固形物を腹に入れなかった。18時頃、ようやく酒が抜けた。空腹感も募ってきた。

 我が駅前の定宿近辺。探せばいろいろあるのだろうが、歩くのも面倒。駅構内にある2軒のチェーン居酒屋か、牛丼チェーン、回転寿司、そして冒頭のファミレス<Big boy>。

 3週間後に50歳になる私はボーイでなく圧倒的オッサンだが、ボーイへ。広々とした4人席に案内される。タッチパネルでメニュー拝見。戦略を練る。

 このバカブログでも書いた記憶があるが、以前この店でワインをボトルでやりながらプレート料理やライス&スープ&カレー食べ放題を堪能。今回もその再現。まずは赤ワインをフルボトルで選択。税抜1200円。これが一番コスパがよさそうである。

 数あるメインディッシュから冒頭の「大俵ハンバーグ」を軸に定める。未食メニューでもある。ハンバーグに赤ワイン、良い組合せである。ハンバーグ、200gから500gまで選べる。

 冒険を試みた。「500g」を押す。ステーキで1ポンド(450g)は経験済だが、ハンバーグ500gは未知の領域。オッサンになっても冒険心を忘れてはならない。

 ソースは3種類から2種類選択可能。デミグラスとガーリックに。そして、レギュラーセットも(2種類のライス、2種類のスープ、カレーと福神漬が食べ放題)。サラダバーは1gも興味がないので軽く無視。

 2種類のスープ(コーン・コンソメ)とカレーのルーを卓上に。赤ワインをグラスに注ぐ。私はシルモノで呑むことが大好き。カレールーは特にツマミになる。

 トッピングで目玉焼を追加。100円。別皿で登場。100円のツマミと考えれば極めて安い。立ち飲み屋よりも安いかも。

 500gハンバーグがジュージュー。巨大な俵が並ぶ。四半世紀前に流行した「米百俵」ならぬ「肉四俵」である。塩、2種類のソースを駆使しながら。赤ワインとの相性も良い。スープ、カレールー、ハンバーグそして赤ワインの無限ループを楽しむ。『ゴルゴ13』を読みながら。

 ハンバーグを半分食べ終えた。満腹感が一気に来た。それ以上に、飽きてきた。

 いろいろ工夫して何とか完食。しかし、目玉焼が手つかずで残っている。2種類のライスも食べていない。赤ワインがグラス1杯分まだ残っている。しかし、かなり満腹である

 歩みを止めてはならない。人は、前に進まねばならない。

 ライス&カレーバーへ。さらに白米とガーリックライスを2種類盛る。福神漬を添える。カレールーは別皿にお代わり。

 席に戻り、目玉焼を載せる。そして、私が出張中にいつもカバンに入れている醤油を取り出す。黄身を潰し、醤油を垂らす。後は一気呵成。別腹が発動する。最後はカレーをぶっかけて完食。ワインも1滴残らず飲み干した。

 たっぷり2時間、ファミレスを独りで満喫。お会計、まさかの4000円オーバー。恐らく、1人当たりの消費金額としてはかなりの上位だろう。

 何か表彰してくれないか。お店のアプリをダウンロードした。40ポイントが足された。何となくだが、先はかなり長そうに思えた、3週間後に50歳になる49歳最後の初夏である。

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少年の心をいつまでも。

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独りフェス。

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マイ醤油。

posted by machi at 08:34| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする