2024年05月30日

第3429夜:札幌味噌か荻窪焼豚か【羽田空港(東京)】

 <ジャパングルメポート>。大嫌いなフードコート(しかもミニ)である点だけがけしからんが、なかなか味も良く値段も空港としては良心的な旅人のオアシスである。

 私が羽田空港でメシを喰うのは、乗り継ぎ便があり、かつ60分以上の待ち時間がある場合、かつ昼メシ時。30分しかなければ間に合わぬので急いで乗り継ぎ便の搭乗口へ向かう。

 コロナが5類になり、北海道富良野市へ月1回ペースで半年限定だが通うように。その際、旭川空港を利用することが多い。旭川から羽田経由で福岡または北九州空港へ。この経由時に余裕があれば昼メシを空港で喰らう。

 手荷物検査場の外に出たいのだが、乗り継ぎ便は許されない。羽田空港の飲食店は意外にもショボい。新千歳より数億倍貧相だ。そんな私の駆け込み寺がが<ジャパングルメポート>。  初めてココで喰った時は「金沢カレー」。大好きな「GGカレー監修」だった。

 富良野を早朝に発ち、旭川空港から羽田経由で北九州へ向かうある秋のタフな日。その前は札幌と富良野に計2泊したが、ラーメンを啜るタイミングが無かった。

 「札幌味噌バターコーンラーメン」か「荻窪ラーメン」で迷う。猛烈に北海道系ラーメンを欲したが、北海道系は道内で食すべき。ここは天下の華のお江戸。「荻窪」が相応しい。

 ちなみにうどんは「しらすおろしのぶっかけ(神奈川)」と「じゃこ天(愛媛)」。何の琴線も響かない。居酒屋メニューなら「バターコーン」は大歓迎だが、味噌ラーメンに私には不要。

 東京駅を経由するだけなら月に5〜6回は都内に居る計算になる。ただし、都内で改札から出ることはまずない。私が途中下車するJR東区間は大宮駅〜郡山駅まで。

 荻窪は日本屈指のラーメンシティであり、聖地のひとつに数えられる。しかし、私は荻窪へ行ったことがない。私の関東ルートから外れているからだが、私ほどの(ラーメンに対する)情熱があれば距離などかき消してしまう。聖地への畏怖か、ただ面倒くさいからか。

 「荻窪チャーシュー麺大盛」を選択。1250円。小麦高騰でラーメン店の廃業倒産が社会問題になっている令和5年の秋としては良心的。空港外でもこれぐらい普通だろう。

 フードコートの座席はすべて埋まっている。全く何も注文せずただ座ってPCしているバカもいる。ラビットのように臆病な私は注意することもできず、立ち席で啜ることに。

 番号を呼ばれた。受け取り、胡椒をパラリして立ち席へ。チャーシューは分厚めが3枚。

 まずはスープ…。魚介が効いている。麺を啜る。札幌系ほどではないが、かん水の効いた黄色い縮れ麺。魚介系と黄色いちぢれ麺が荻窪系なのか。

 麺をリフトアップ。ほぐれず塊のまま離れないのは荻窪系の特徴か?。離婚した両親に引きはがされる兄弟のようで涙を誘う。チャーシューは期待以上の味。スープ1滴残さず熊啜。

 フライトまでまだ60分。コロナ前ならJALラウンジで寛いでいたが、飛行機に乗らぬ生活を数年続けたら格下げされ、ラウンジ出禁。しかし、羽田にも旭川にも神戸にも北九州にも福岡にもカードラウンジはある。無料の珈琲を吞みながら長旅の余韻に浸る。

 北九州空港行きのJAL便はバスでタラップまで移動。30秒ほどで到着と思いきや、知らぬ間にANAゾーンへ(第2ターミナル)。音楽2曲分だった。

 25分遅れでテイクオフ。飛行機は高度を上げていく。荻窪が見えるだろうか。そもそも、荻窪がどのあたりかも分かっていないのだけれど。

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富良野から旭川空港へ向かうバス車中。

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貴重なオアシス。

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この6択。

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今だ未踏の「荻窪」を羽田で体感。

(付記)

それから半年以上経過したある春の日。ランクは格下げのままだが、何故か「グローバル会員」に昇格したという通知が。最初、何かの詐欺かと思った。ところが以前のゴールドカードよりさらにゴールド感強めのカードが自宅に。これでラウンジを使えたり、優先搭乗も可能になるのか。しかし、令和6年初夏現在、私はJALどころか飛行機に乗る、空港を利用する機会すら滅失してしまったのだけれど。


posted by machi at 06:33| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月17日

第3197夜:格下げから得るモノ【羽田空港(東京)】

 ステイタス。私には縁のない世界の出来事だが、唯一「ステイタス」らしきものを十数年間教授してきた。JALカードのステイタスだった。

 富良野から3年以上ぶりにバスで旭川空港へ。カードラウンジで珈琲飲んで、10時過ぎの羽田行きJALに乗る。ちなみに旭川空港や神戸空港のラウンジ利用に関し、ステイタスとは少し異なる。余分な年会費さえ払えば利用できる。

 コロナ前あたりから北海道と沖縄以外は日本中どこでも陸路移動が増えた。飛行機にしても神戸空港発着ばかり利用するようになった。

 神戸において圧倒的に幅を利かせているのがSKYANAも一応存在するが、JALは影形なし。神戸から新千歳、那覇、長崎などが発着し、凄まじく便利だったのでこの3路線をヘビーユーズしていた。そして、コロナ以降は年に1度程度しか飛行機を利用しなくなった。

 結果として何が生じたか。私のJALカードのランクダウンである。一時期は最高位のダイヤモンド会員まで上り詰めた。ラウンジもサクラでなくダイアモンドと最上級。マイルは有効期限なし。我が保有マイル、最大で45万マイルほどあった。

 昔、アメトーークでロケ芸人特集があった。D川氏だけは100万マイル以上保有し圧倒されたが、他の芸人さんは私よりも少なかった。ちなみに四十数万マイルとは、日本⇔ロンドンをビジネスで3往復、世界なら2周できるそうな。

 JALの利用頻度が減少し続けて、ダイヤモンド会員からサファイア会員に格下げになっていた。サファイアになると、マイルの有効期限が発生する。コロナ以降、毎月のようにマイルの有効期限が迫る。飛行機など乗らないので、何らかの商品をマイルと交換していた。

 コロナが5類なった20236月。旭川空港から羽田を経由して福岡空港へJALを乗り継いだ。その時、私の保有マイルは10万を割っていた。そして、ステイタスもサファイアからヒラに。

 ヒラになれば、ダイヤモンドラウンジは当然としてサクララウンジも使えない。機内に荷物を預けても優先的に扱ってもらえない。専用検査場も通れず混みあう一般検査場に並ばねばならない。そして搭乗の際、優先登場できない。

 旭川空港で優先登場開始のアナウンスが流れた。今までの習性でつい颯爽とゲートを通りそうになった。危うく大恥だった。華麗に優先搭乗するエグゼクティブな皆さまを見送る。敗北、卑屈、後退、落伍…。見送る方は、こんな気分だったのか。

 旭川空港発便は定刻に羽田に到着。福岡行きまで1時間。コロナ前まで、羽田空港内ではダイヤモンドラウンジを使っていた。おにぎりやスープなど、軽食も食べ放題だった。サクララウンジでもゆったりと珈琲を飲んで寛いでいた。しかし、私にはラウンジを利用できる権利が滅失。

 福岡行き搭乗ゲートのすぐ横に小さなフードコートがあった。。北海道味噌バターコーンラーメン1100円、荻窪ラーメン800円、しらすおろしぶっかけうどんとじゃこ天うどんが650円。

 フードコートといえ、羽田空港の、しかも搭乗ゲート付近であることを勘案すれば安いだろう。

 私が選んだのは、唯一の麺類以外メニュー「金沢(ロースカツ)カレー」。ゴーゴーカレー監修とある。並で1100円、大盛1200円。100円の差なら迷わず大盛りである。

 4人掛けテーブルしか空いておらず、肩身狭めに待っていると私の番号(50番)が呼ばれた。受け取る。ずしり重い。値段分の価値はたっぷりありそうだ。

 さっそく食らいつく。ゴーゴーカレーの味である。濃厚で舌に絡みつく。カツも大きい。願わくば福神漬入れ放題、千切りキャベツ用のマヨネーズが欲しいところだが、空港内フードコートでは満足この上なし。格下げされなければ出会えなかった体験だ。

 そのフードコートは本屋を併設している。食後の腹ごなしに新刊(文庫・コミック)をチェック。そして、雑誌コーナーへ。充実のラインナップの中で、ひときわ私の関心を惹いたのが『ムー』。圧倒的情報量も活字量、付録もついて950円。

・ヒトラーの大予言と最終軍隊ラストバタリオン

・エリザベス女王の葬儀に巨大UFOが出現していた!!

 こころ踊る特集タイトル。思わず手に取り、レジへ向かった。私は昔から「ムー系」であったが、この日から本格的な「ムー人」になる決意を固めた。マイルやステイタスだけでなく、これからさらに多くのモノを失いそうだけど。

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2023年04月28日

第3156夜:かぬまシウマイ博覧会【東京(東京)】(後編)

 喰い終わろうとするころ、ステージショーが始まった。崎陽軒部長様よるプレゼンである。

 コロナ禍で厳しい時こそ攻める経営姿勢に驚愕。姫路駅弁の雄・まねき商品とのコラボシウマイ弁当は恥ずかしながら知らなかった。福井県とも様々な事業を展開するらしい。崎陽軒6か条には深く首肯した。

 シウマイの過程消費量は横浜がダントツ1位である。餃子よりもシウマイの消費量が多いのは横浜だけらしい。冷えても旨い崎陽軒シウマイの秘密もご教授頂く(蒸し帆立貝柱)。私も部長にいろいろ質問させて頂く。ただ、何を質問したのか覚えていない。

 私の出番が来た。会場は10席。うち6席は関係者が座っている。残りは空席だ。

 シウマイのことをこれだけ考えた2日間はなかった。タイトルは「広がり続けるシウマイの領域展開〜私とシウマイの愛の軌跡〜」。超人気漫画(アニメ)とロマンポルノの世界を組み合わせてみた。5部構成という大作。私が普段使用するモノよりも気合が入っている。

第1部:私とシウマイ

第2部:私のシウマイ百景

第3部:教えてください!シウマイの謎と不思議〜日常におけるシウマイの立ち位置〜

第4部:食+αのまちづくり

第5部:鹿沼シウマイが世界を席巻するために〜石の上にも「20年」〜

 内容は省略する。崎陽軒部長の前で崎陽軒の各種名作弁当の魅力をプレゼンする恥ずかしさ。第3部ではすべての疑問を部長にぶつけた。

 最初は眼前のサクラ6人しか聞いていなかったが、会場内の他の販売員さんも近くに寄ってきた。自分で言うのもなんだが、思ったよりもウケていた。気づけば50分も漫談していた。

 終了後、崎陽軒部長と立ち話。いろいろな秘話を聞かせていただく。いかに「シウマイ」が横浜市民に根付いているのか思い知らされた。100年以上の歴史が織りなす重み。

 崎陽軒の創業者でなく「初代社長」が鹿沼出身という蜘蛛の糸よりも細い御縁で鹿沼側からの熱愛で実現したこのプロジェクト。崎陽軒、度量のでかい素晴らしい会社である。

 地下で直結している東京駅へ。宿泊地の小山へ着く前にどこかで下車して呑もうと思っていたが、崎陽軒のシウマイ弁当を肴に呑みたくてたまらない。

 日曜夕方の東京駅は凄い人。駅弁売場はどこも人が殺到している。さて、シウマイ弁当を…。売切れていた。何か所か回ったがすべて売り切れ。焼飯弁当もない…。

 「崎陽軒横濱ピラフ」が残っていた。現時点の販売ラインナップで私が唯一未食だった一品。690円という駅弁超安破格値。今日のプレゼンでも、崎陽軒部長にも、ピラフだけは未食と話していた。私を待っていたかのようだった。すれ違いを続ける昔のトレンディドラマのように。

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崎陽軒部長様のトークショー。

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アヅマ登壇。

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熱弁。

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未食だった「横濱ピラフ」。絶品。

posted by machi at 09:23| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする