2020年12月17日

第2584夜:がんばれ!人類!【品川(東京)】

 品川駅高輪口。その高架下沿いを2分歩けばラーメン等の名店が10店舗ほど集う「品達」がある。

 ある残暑厳しい正午。12時前に品川駅着。乗換列車迄1時間以上。いったん改札を出て高輪口へ。品川駅周辺で昼食を取る際、95%はこの品達ゾーン。いつもはサラリーマンで賑わい人気店は行列だが、この日は閑散としている。……。全店閉まっていた。コロナ営業自粛なのか。

 大きな道路を挟んだ対面にラーメン店と洋食屋(つばめグリル)があることは知っていた。しかし信号を渡るのが面倒でその前を通ったことがなかった。

 ハンブルグステーキ(つばめグリル煮込みハンバーグ)も垂涎極上だが、どうせなら入ったことになきラーメン店へ。<風神>。カウンターだけの店内で年配オヤジ2人が切盛りしていた。

 かなりの混みっぷりである。ラーメン、つけ麺、担々麺を軸に様々なトッピングバリエーションがある。ライスと餃子のセットもある。

 初めての店では定番に限る。私にとって定番はオーソドックスな醤油ラーメン。つけ麺や冷し中華ではない。ただしラーメン(700円)だけも味気ないので「チャーシュー麺(890円)」召還。品川駅前でチャーシューメンが900円以下で啜れるシアワセ。

 お客がひっきりなし。実力か、品達休みの影響か、そもそも品川にランチ店が少ないためか。

 ぼんやりメニューを見ていると、ブツ降臨。かなりオーソドックスである。ワカメとメンマが多め。チャーシューも分厚いサイズがたっぷり。

 胡椒をパラリし、まずはスープ。……。ユネスコが大至急絶滅危惧種に指定して保護すべきあっさり鶏ガラ醤油である。

 麺はツルツルして、コシがあるというよりのど越しが好い。チャーシューも柔らかくシンプル。かなりの総合点を叩き出している。

 品達のラーメン店はどこもかなり個性的な味。品川駅周辺はすさまじいほどの開発が進む未来都市。リニアが開通した際には品川駅はどのように変貌しているのか。しかし、オヤジさん2人が醸し出す鶏ガラ醤油の良心は50年後も変わることないだろう。

 お客が並びだしたので、スープを啜り切ってお会計。1000円払うと、160円お釣りが来た。

 あれ?890円だから110円のお釣りではないのか。オヤシさん、ラーメンの腕は落ちていないが、計算が回らなくなってきたのか……。

 ふとレジ横のPOPが視界に入った。私が座っているカウンター座席には視界に入らなかった。

「コロナ・熱中症に負けない 応援セール がんばれ!人類! 麺類オール50円引き(令和2年9月10日)まで」。

 この日は令和2年9月8日。私も人類の末端中の末端として、コロナに負けず頑張ろうと心に硬く誓いながら、2週間前に熱中症にかかってしまった栃木県(小山市)へ向かった。

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風格。

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円熟。

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感動。

(付記)
後日知ったが、品川駅高架下「品達」は改修工事か何かで2020年3月ごろ閉鎖したという。品川で下車する機会と想いが100分の1以下に激減しそうである。
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2020年08月31日

第2512夜:あなたの夜道を歩ける街【八王子(東京)】

 海賊船。世に様々な海賊船はあれど、私が乗船できるのは海のない東京都多摩地区の大都市・八王子だけである。

 東日本大震災から9年目を迎えた日の午後。信じられぬほどガラ空きの新幹線で新横浜駅へ。横浜線ホームで20分待ちゆえ、駅ホーム<濱そば>でかき揚げ天玉そば。安定の組合せである。

 私が都内で他人様と呑むのは八王子だけ。それも何のミッションもなくただ呑むためだけに。ギャラを貰わねば基本的に1oも動かぬヨゴレまちづくり屋の私が自腹で足を運ぶのも、自分でもよくわからんが何故か八王子だけ。私のようなヨゴレに呑みにおいでよとお誘い頂けるだけでS木会長に感謝である。

 会長がわざわざホテルまで迎えに来て下さり、まずは<海賊船>に乗船。ここは旨そうなメニューが安くてびっしり。全部注文したくなる。程なくしてU本氏合流。梅M氏の新型コロナの商売への影響はドン引き級。呑まないとやってられないだろう。心中お察しする。

 炙り〆鯖は目の前でバーナーで焙る見事な演出。蛍烏賊も噛みしめるほどに旨味が溢れる。私はこの店3回目のはず。必ず注文するのが鮪の刺身。こぼれんばかりにたっぷり。確かエベレスト盛りだったかチョモランマ盛りだったか。

 鯨の竜田揚げ、フィッシュ&チップスも熱々のサクサク。酒が進む。豆腐ステーキには刮目。これほど豆腐がこってりと旨く化けるのか。

 市役所の職員には現在戒厳令が布告されているようで呑みに行ってはいけないらしい。そんな戒厳令の夜にレジスタンスとしてU奥氏が合流。嬉しい限りだ。

 気づけばホッピー12杯(たぶん)、ワインボール3杯、出汁割焼酎……。この出汁割焼酎、「昔懐かしい」とキャッチにあったが、懐かしいどころか全く新しい22世紀の味。2020年現在ではあまりにも前衛的である。

 5時間呑みっぱなし。しゃべりっぱなし。会長にお礼を申し上げ、U本氏とU奥氏でさらにもう一軒。新型の影響で人通りはかなり減っているらしいが、それでも十分に賑やか。夜の街はポン引きで大賑わいである。

 ポン引き氏たちの軽妙トークをかいくぐりながら向かった先は2階にある<シラサキBar>。マスターは福井出身らしく、両氏とも知り合い。

 今日の八王子は夏の暑さ。ジントニックとバーボンソーダで火照った心を冷ます。カリッとパンを温め直せる機会に驚嘆。3万円ぐらいするそうだが、思わず欲しくなる。まあ、買っても年に1回も使わないだろうけど。

 深夜1時を回った。八王子にはご当地ラーメンがある。その名も「八王子ラーメン」。カップ麺として見かけることもある。刻み玉葱のトッピングが特徴である。ただし刻み玉葱は地元人にも賛否があるらしい。

 ラーメンで〆ねば私の夜は終わらない。八王子はラーメン激戦区。地元人が好む店に何も考えずついていくのが最も優れた戦法である。

 向かった先はホテルからほど近い<一麵>。店の外で啜っている御仁がいる。超満員か……。ところが、スっと入れた。普段は行列必至らしい。かなりの幸運である。

 私はネギチャーシューメン召還。談笑していると、仕事終わりのポン引きがひっきりなしにご来店。後3分遅かったら入れなかったかもしれない。

 ブツ降臨。ネギたっぷり。その下に刻み玉葱が沈殿。チャーシューもたっぷりと潜んでいる。

 胡椒をパラリ。まずはスープ……。呑み〆最強系である。ネギと玉葱の爽やかな辛みが舌を洗う。スープな濃厚な濃い口醤油。ストレート麺とのカラミも良い。チャーシューはモモであっさりと私好み。バラチャーシューメンは別にある。見事な使い分けである。

 途中から談笑も辞めて一心不乱。汁一滴残さず全力フィニッシュな深夜1時半である。

 翌朝。駅に向かう途中、どこかで朝ラーしようとした。駅前には24時間営業のH高屋やF士そばがある。ラーメンではないがM屋の新作丼(ガリたま牛めし)も旨そうだ。

 キョロキョロしていると、あるバナーが視界に。「あなたのみちを、あるけるまち 八王子」。

 私は日本中でラーメンを啜り、深夜まで酒友たちと鯨飲し、漆黒の業界でもあるまちづくりという修羅の道を歩き続けるだけである。

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新横浜駅ホームにて。

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海賊船の絶品メニュー。

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謎の出汁割り焼酎。

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毎年ありがとうございます。

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2軒目のバーにて。

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普段は行列必至という。

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泣けてくる旨さ。
posted by machi at 13:02| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月04日

第2372夜:カマタ行進曲・第二楽章【蒲田(東京)】

 蒲田。JRと京急、東急が乗り入れし、羽田空港からも極めて近い利便性の良さマックス級の街である。洗練されておらず、ガサツで卑猥な空気も漂っている。呑み屋も密集し独特の魅力を放ち続けている。もし私が都内に住むなら、蒲田は間違いなく筆頭候補に挙がるだろう。

 懇親会のない関東の夜かつ翌朝に早い便で羽田から飛ぶ際は、蒲田で泊ることが多い。我が蒲田の定宿ももちろん、JR蒲田駅から徒歩5分にある<T横イン>である。

 ある晩秋の朝。岩手県宮古市からバスで2時間15分かけて盛岡へ。フェザン地下の<柳家>2号店直行。いい具合にカウンターが空いていたので「担々麺こまち」。

 濃厚なごま味噌。ピリ辛の絶妙。挽肉もやしもたっぷり。太麺のモチモチした旨さは言わずもがな。体の芯から暖まる。これが食べたかったんだと一人でほくそ笑みながら首肯する。

 盛岡から東京まで新幹線。そこからバスで水郷潮来ICへ90分間。行方商業協同組合のH本氏に送迎して頂いたミッション終了後、再び水郷潮来ICからバスで再度90分かけて東京駅へ。

 バス車内は珍しくガラガラ。さすがに疲れてPCする気になれず、カバンからダルマ(Sントリーオールド)を取り出し、行方会議で頂いたお茶菓子をツマミにラッパ呑み。五臓六腑に染み渡る。クタクタのシワ無し空気頭がじんわりと弛緩し、ほどけていく。

 東京駅に戻ったのが22時前。後は京浜東北線でお宿の蒲田まで20分。ところが乗車中に人身事故が発生し、もう一息という品川駅で電車が動かなくなった。絶望の後、すかさず京急に切り替えた。私も関東に詳しくなったものである。

 京急蒲田駅は初の下車。駅前からJR方面へ向けて立派なアーケード商店街が伸びている。

 さすがに空腹を覚えた。蒲田に無事辿り着けた安堵感も溢れている。ホッピー&焼とんをヤリたく商店街へ向かうと、間髪入れず商店街入口付近に発見。

 予備知識なく飛び込んだが、大当たりだった。

 本鮪ヅケねぎまみれ、玉子たっぷりマカロニサラダ、焼とん屋のレバーパテ(バケット付)、そして芝浦直送鮮度最高もつ串。ホッピー4杯、カチワリ赤ワインがあっという間に滅失。

 私への殺し文句は「ねぎまみれ」「玉子たっぷり」であることを実感しながらホテルへ向かう道すがら、愛してやまない<喜多方ラーメン坂内>の灯りが。

 迷わず飛び込むと、もう売り切れてしまったという。釈迦入滅級のショックである。他の店へ足を運ぶエナジーも滅失した。

 肩を落としながらホテルへ行進。24時にチェックインし、泥のように眠りこんだ。

 翌朝。6時半始動。年間100泊以上というT横ヘビーユーザーの私だが、おそらくココは1号店。いわゆる聖地である。他の東横とサービスのスタイルも微妙に異なる。実に味わい深い。

 1階でパンやドリンクを部屋に運んで食べるスタイルである(ロビーが狭いから)。ふと気づいたが、アメニティもロビーではなく部屋に設置されている。部屋は幾分狭めだが、その分安い。無料サービスの新聞を部屋で読みながら、スィーツ系のパン3ヶを珈琲2杯で流し込む。

 それから数週間後。蒲田駅でわざわざ用もないのに途中下車し、<坂内>へ脇目もふらずに行進。チャーシューメンでリベンジを果たす。壮大なレクイエム。カマタ行進曲・第二楽章である。

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盛岡駅フェザン地下<柳家>の「こまち(担々麺)」。お気に入り。

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バス車内にて。

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大当たり。

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T横インの1号店らしい。「聖地」であります。

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リベンジ。最高。
posted by machi at 07:26| Comment(0) | 東京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする