2012年01月26日

第403夜:拝啓、震災のまちから〜66通目【気仙沼(宮城)】

 気仙沼復興屋台村。思いっきり海に近く、地盤沈下した上に浸水、冠水している南町地区に誕生したプレハブの仮設商店街です。2011年11月12日、プレオープンしました。

 飲食16店舗、物販6店舗で再出発。すでに地域になくてはならない商業施設として定着しつつあるようです。着工からプレオープンまでのスピードは目覚ましいものがありました。

 ある昼、その中の1軒<はまらん家>をのぞいてみました。気仙沼風お好み焼き「はまらん焼」の専門店です。「はまらん焼」とは気になるネーミングです。

 気仙沼では毎年の恒例行事として「はまらいんや祭」が開催されています。商店街が壊滅的被害を受けた本年も、2011年8月21日に開催されたそうです。「はまらいんや」とは、気仙沼方言で「いっしょにはいろう、まざろう」という意味だそうです。

 ママさんとお話することができました。大津波前は<気仙沼シャークミュージアム>の前で営業していたらしく、内湾に面していたためお店は全壊。屋台村が再起の第一歩です。

 「はまらん焼」が登場しました。お好み焼きなのですが、平べったいのではなく大判焼のような分厚さです。ちなみに500円です。

 気仙沼らしく、海老、烏賊、帆立など海の恵みをたっぷりと入っています。卵が1ヶまるまる使われており、見た目は小さいですがかなりのボリュームです。付け合わせの生野菜がヘルシーさを際立たせています。

 口に運びました。……。たっぷりのマヨネーズとソース、卵が絶妙のハーモニーです。あっという間に食べ終えてしまいました。お持ち帰りのお客さまも多く、舟のような容器に野菜を敷き詰めその上にはまらん焼きを乗っけると、漁船のように見えます。海の幸、舟、方言。気仙沼の魅力がたっぷり詰まった新たなB級ご当地グルメに名乗りをあげそうです。

 屋台村は海鮮料理、気仙沼ホルモン、ラーメン、イタリアン、寿司、ショットバー、韓国料理、中華、うどんなどバラエティに富んだ構成です。屋台村は商業者とお客の笑顔で溢れていました。

 2011年12月24日は、仮設商店街の真打ちといえる「気仙沼復興商店街」がオープンしました。50店舗以上の規模は三陸の仮設商店街で最大規模と思われます。

 商店街の再開は、まさに復興に向けた希望の灯りです。仮設商店街が地域のシンボルとなり、目覚ましく街が動き始めます。2012年1月25日(昨日)、魚町商店街で昨年末に復活した<やまと>で気仙沼名物「ふかひれラーメン」を堪能することができました。

 2011年11月3日の「岩手日報」によると、岩手県宮古市では被災事業所の6割が再開。廃業はわずか7%にとどまっています。気仙沼も宮古も、商業者の再開が地域の復興の狼煙となっているようです。

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闇夜に煌めく海沿いの<気仙沼復興屋台村>

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「はまらん焼」

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2011年12月26日

第385夜:拝啓、震災のまちから〜59通目【気仙沼(宮城)】

 2011年12月24日。51店舗が集う東日本大震災後の仮設商店街としては最大規模を誇る「気仙沼復興商店街 南町紫市場」がクリスマスイブにグランドオープンしました。

 気仙沼には珍しく雪が降り積もり、路面はアイスバーンに。最高気温も氷点下という極寒の中、24日から2日間、オープンイベントが開催されました。

 2日間計4回実施された先着プレゼントには、寒空にめげず配布2時間前から行列が形成。八幡太鼓の勇壮な演奏、弁天連の力強い神輿練り歩きの後、復興商店街のM上理事長ご挨拶、来賓ご祝辞の後、気仙沼カトリック幼稚園の園児たちによる開会宣言です。

「いまから、けせんぬまふっこうしょうてんがい みなみまちむらさきいちばが、おーぷんしまぁす!」

 あまりの愛らしさに会場から笑顔がこぼれます。開会宣言のためにたっぷり練習したのでしょう。オトナでも噛みそうな文章を見事に詰まることなくはっきりと宣言できました。

 11人のテープカットと同時に、園児たちが希望を込めた風船を天高く放ちました。歓声が湧きあがります。震災から9カ月半、ついに仮設商店街がグランドオープンしたのです。

 とにかく半端ない寒さです。寒いというより痛いほどです。厳しいコンディションですが、ジャズやゴスペルライブ、フォークソングなどがステージ上で披露。気仙沼が生んだスーパーアイドルグループ「SKC45」の皆さんも半袖で見事なパフォーマンスを展開。気仙沼高校ダンス部やダンスパフォーマーグループも寒空を吹き飛ばす躍動感を見せつけてくれました。

 南町の新たに誕生したイベントスペース「cadocco」でもシュールな一人芝居をはじめ様々なイベントが行われました。屋外では直径1mの巨大カステラが作られ、子供だけでなくオトナたちも舌鼓を打ちました。急遽出演が決定し、チラシに間に合わなかった下ネタ満載のヒーローショーも会場を湧かせました。個人的にはステージ進行責任者の私のグダグダぶりを完璧にフォローして下さったMCのN村女史と音響のS司氏に感謝するばかりです。

 よく年内にオープンが間に合ったものです。S本氏、O野寺氏という替えの効かない超強力ツートップの鬼気迫るリーダーシップと滅私奉公的行動力には、ただ頭を垂れるのみです。

 会場では40人近いサンタが大活躍。T京大学を中心としたボランティアの皆さんで、夜行バスで東京から気仙沼入り。避難所で雑魚寝し、翌日に帰路という弾丸ツアーで会場を大いに盛り上げ、サポートして下さいました。サンタ軍団を統括するK西女史、現地マネージャーのS井氏、CPのY川氏をはじめ、大勢のサポートで気仙沼商店街は支えられています。

 オープンはゴールではありません。本格復興に向けたキックオフです。気仙沼中心市街地で本格的に構造物が再建されるのは、5年以上先になるでしょう。これから壮絶な修羅場が被災商店街を待ちかまえています。しかし、今はオープンを祝福したい気持ちでいっぱいです。

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園児たちの開会宣言&テープカット&風船放天

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八幡太鼓と弁天連の競演

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さぞ楽器が冷たかったであろうジャズライブ

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雪の積もる悪コンディションにも負けず、半袖でパフォーマンスを披露する「SKC45」の皆さん

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下ネタ満載のヒーローショー

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この日を待ち浴びた被災者の皆さん方で大賑わい

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巨大カステラをクリスマスケーキに

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約40名の学生ボランティアサンタ。彼ら彼女らの活躍なくして成功なし

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被災商業地の聖夜を彩る仮設商店街

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2011年12月22日

第384夜:拝啓、震災のまちから〜58通目【気仙沼(宮城)】

 愛称・南町紫市場。壊滅な被害を被った東日本大震災から9ヶ月半、三陸最大級の仮設商店街「気仙沼復興商店街 南町紫市場」が2011年12月24日午前10時、ついにグランドオープンいたします。

 はやぶさの帰還よりも困難でドラマティックな障害を乗り越え、気仙沼市中心市街地の南町・一番街地区から51店舗が参加。被災地の消費者にとっても、商業者にとっても一生忘れられないクリスマスになることでしょう。

 12月24日は10時より八幡太鼓の勇壮な調べや弁天連とともにオープニングセレモニーを開催。見どころは幼稚園児たちによる願いを乗せた希望の風船放天。天高く舞い上がる風船は、未来への希望の架け橋でもあります。また、先着100名様にマル秘景品が進呈されます。

13時からもオープニングプレゼントが先着150名様に進呈。10時のマル秘景品とは異なった品目という芸の細かさです。

 他にもJAZZライブ、ゴスペルライブ、大学製作による映像上映、こども参加イベントなど盛りだくさんの内容です。
 
12月25日のイベントテーマは「子供たちのクリスマス」。気仙沼が生んだアイドル「SCK45」やダンスパフォーマー「跳力」とジュニアダンサーズのパフォーマンスをはじめ、気仙沼高校ダンス部も加わり躍動感あふれる一日に。フォークソングライブも挟まれているというシブい構成です。

この日も10時30分と15時の2回に分けて先着マル秘豪華プレゼントが進呈予定。もちろん景品は別種類というこだわりぶりです。

 新たに整備された街角イベントスペース<cadocco>もお披露目。24日はファイト新聞レプリカ授与、25日は10時から一人芝居「それゆけ桃太郎」が上演されます。

 12月24日(土)・25日(日)2日間限定の目玉企画は、仮設住宅送迎無料バスの運行です。仮設住宅にお住まい方々にとっても、商店街の復活を待ちわびられていたことでしょう。ただ、仮設住宅は場所の利便性にどうしても差異が出てしまいます。

まずは2日間、仮設住宅にお住まいの方々に、思いっきり商店街でお買い物をするという震災前の日常を取り戻していただきましょう。もちろん各店魅力たっぷりの商品をご奉仕価格でご提供予定です。

 当日は気仙沼の商店街を支えて下さった多くのボランティアの方々もサポートに駆けつけて下さいます。商店街への最高の復興支援は、商店街に出向き、店主と笑顔を交わし、そしてお金を使うこと。美しいイルミネーションを施された復興商店街に、温かい服装でぜひお越しくださいませ。(詳しくはコチラ「気仙沼復興商店街HP」http://kesennumafs.com/
posted by machi at 07:53| Comment(0) | 宮城県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする