スマホで塩ホルモン3人前、ラム肩肉1人前、カットレモンを注文。目の前に七厘がセットされ、肉とレモンが運ばれてきた。
小皿にレモンを絞って味変アイテムに。絞った残りはそのままグラスへ。エコである。ロハスである。
まずは塩ホルから。3〜4切れづつ焼く。最近の七厘会ではプロ並みの焼手が参加しているので自分で焼く機会も減った。片面だけ焦げ目が少しできるぐらいが好みだ。
まずはそのまま…。旨い。レモンをチョン付け…。旨い。鏡月が合う。甲類焼酎など北海道以外で呑もうとも思わないが(ホッピーの中は別格)、北の大地は甲類が、鏡月が相応しい。
塩ホル、素晴らしい酒のツマミである。量も多く、チビチビと焼いていたらそれだけで1時間も経過した。
店内の男性3人組は明らかに私より年輩だが、ひたすら芸能人の話をしている。ラフな服装。どこかのイベント会社だろうか。男女2人組は明らかに不倫っぽい。そこそこ大きな声で下ネタを話している。
普段は他の客の会話など耳に入ってこないが、独りでスマホも見ずに飲み食いしていると耳になだれ込んでくる。すると、1人の男性客が入店。かなり慣れた感じである。私も独り。その背中を眺めながら、同好の志士に乾杯する。
ラム肉が残った。ライスで喰いたいが、そのままでは芸がない。
ふと思い出した。七厘会メンバーがこの店で注文する巨大おにぎりのことを。大きすぎて箸で食べるしかない。おにぎりの具の影響が及ばない白地地帯はラム肉で味わおう。
焼く。タレにつける。おにぎりにチョン付けし、口に…。野趣溢れる風味とコクのある脂が口の中で広がった。すかさずおにぎりの白飯部分で追いかける。思わず目を細める。
おにぎりの具は「すじこ」。札幌に住んでいた30年前、すじこどころかいくらも食べられなかったが、いまや大好物。北海道らしさも味わいの一つ。ラム肉を食べ終え、残ったおにぎりの残骸を手にして喰い切った。
残った鏡月ボトルはトートバックに入れてお会計。滞在時間は80分ほどだったか。七厘会では3〜4時間滞在する。お会計は、七厘会の独り分とほぼ同じ。
独りでも旨かったが、何か足りない。巨大おにぎりが来ても、1杯目から鏡月ボトルでも誰も突っ込んでくれない。最早、七厘は私一人で楽しむのではなく、仲間と満喫すべき至高の存在へ昇華していた。
まずは3人前。
のんびりプシプシ焼く。
巨大さがあまり伝わらない。

