2024年05月25日

第3424夜:孤独の塩ホルモン【札幌(北海道)】(後編)

 スマホで塩ホルモン3人前、ラム肩肉1人前、カットレモンを注文。目の前に七厘がセットされ、肉とレモンが運ばれてきた。

 小皿にレモンを絞って味変アイテムに。絞った残りはそのままグラスへ。エコである。ロハスである。

 まずは塩ホルから。3〜4切れづつ焼く。最近の七厘会ではプロ並みの焼手が参加しているので自分で焼く機会も減った。片面だけ焦げ目が少しできるぐらいが好みだ。

 まずはそのまま…。旨い。レモンをチョン付け…。旨い。鏡月が合う。甲類焼酎など北海道以外で呑もうとも思わないが(ホッピーの中は別格)、北の大地は甲類が、鏡月が相応しい。

 塩ホル、素晴らしい酒のツマミである。量も多く、チビチビと焼いていたらそれだけで1時間も経過した。

 店内の男性3人組は明らかに私より年輩だが、ひたすら芸能人の話をしている。ラフな服装。どこかのイベント会社だろうか。男女2人組は明らかに不倫っぽい。そこそこ大きな声で下ネタを話している。

 普段は他の客の会話など耳に入ってこないが、独りでスマホも見ずに飲み食いしていると耳になだれ込んでくる。すると、1人の男性客が入店。かなり慣れた感じである。私も独り。その背中を眺めながら、同好の志士に乾杯する。

 ラム肉が残った。ライスで喰いたいが、そのままでは芸がない。

 ふと思い出した。七厘会メンバーがこの店で注文する巨大おにぎりのことを。大きすぎて箸で食べるしかない。おにぎりの具の影響が及ばない白地地帯はラム肉で味わおう。

 焼く。タレにつける。おにぎりにチョン付けし、口に…。野趣溢れる風味とコクのある脂が口の中で広がった。すかさずおにぎりの白飯部分で追いかける。思わず目を細める。

 おにぎりの具は「すじこ」。札幌に住んでいた30年前、すじこどころかいくらも食べられなかったが、いまや大好物。北海道らしさも味わいの一つ。ラム肉を食べ終え、残ったおにぎりの残骸を手にして喰い切った。

 残った鏡月ボトルはトートバックに入れてお会計。滞在時間は80分ほどだったか。七厘会では3〜4時間滞在する。お会計は、七厘会の独り分とほぼ同じ。

 独りでも旨かったが、何か足りない。巨大おにぎりが来ても、1杯目から鏡月ボトルでも誰も突っ込んでくれない。最早、七厘は私一人で楽しむのではなく、仲間と満喫すべき至高の存在へ昇華していた。

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まずは3人前。

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のんびりプシプシ焼く。

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巨大さがあまり伝わらない。

posted by machi at 06:53| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年05月21日

第3423夜:孤独の塩ホルモン【札幌(北海道)】(前編)

 「狸COMICHI」。屋台風の飲食店が十数店舗入店している北海道の須弥山・狸小路に誕生した新シンボルである(たぶん)。2023年10月上旬、「1周年」という垂れ幕が掛かっていた。

 その3週間ほど前、3年半ぶりに札幌中心部(狸小路〜すすきの)に足を運んだ際は、愛するメンバーと「七厘会」を決行。その時は次回の札幌入りを見通せてなかったが、航空機等の諸事情で急遽札幌で宿泊することに。多忙極まりない七厘会メンバーへの声がけは憚られた。

 年1回、または十分に間隔を開けて半年に1回程度ならメンバー(北海道商連&札幌市商連青年部)も笑顔だろうが、毎月ペースなら辟易されるだけ。独り吞みメシすべくススキノの定宿を出て狸小路方面へ。ススキノは店が多すぎて迷う。狸小路あたりがフィットする。

 ジンギスカン、海鮮、寿司、炉端焼、お好み焼(広島風)、たこ焼、中華、べトナム、ラーメン、ステーキ…。ほぼすべての飲食業種が狸小路にも揃っている。

 この十年ほど、札幌で泊まる際に独り吞みなどすることなく、ほぼ100%近い頻度でメンバーと<七厘>だった。いざ独り吞みをしようとしたら、店が定まらない。

 冒頭の「狸COMICHI」にも入ってみた。行列の店もある。観光客より地元が多そうだ。構造、レイアウト、スペース活用など某市場の某プロジェクトにも少し活かせそうである。

 狸小路を一丁目から七丁目まで歩く。外国人観光客(90%はC国人)で溢れている。歩き疲れた。この日は朝飯しか喰っておらずかなりの空腹。そろそろ店を決めたい…。

足 は、自然に<七厘>へ向かっていた。この店は地元率が極めて高く、観光客は国内外問わず少ない。私が初めて店に入ったのが恐らく21歳か22歳の頃。四半世紀以上通っている。当然に、3週間前も足を運んだ。賑やかすぎる外国語をあまり耳にしたくない。

 店内へ。独りと告げた。笑顔で通された。すでに明らかに地元風の2組が煙を上げている。独り七厘、前職の神戸新長田時代以来。恐らく20年ぶりぐらいか。

 QRコードをスマホで読み込んで注文するのだが、1杯目のドリンクは口頭で。生でもハイボールでもチューハイでもなく、いきなり「鏡月」。それも720mlボトルで。

 独り客の振舞ではない。それでも若い美人店員さんは1oも動じることなく、ほんのわずかの間もなく笑顔で承って下さった。プロである。

 店頭の提灯にはジョークで「塩対応」とあるが、1gもしょっぱさは感じない。厨房の方もホールのバイトさんも、恐らく私が通い始めたころはまだ生まれていなかった御年ごろ。時の流れの速さに引いてしまう。

 1杯目からグラスに氷、鏡月、水を入れてグビビビビ。呑み放題なら90分2000円。鏡月は飲み放題ではないけど1680円。まあ、飲み放題みたいなものである。〔次夜後編〕

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すすきのの旧ロビンソンも一から完全に建て替え。

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豪快な「空き地」。

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狸小路の新たなシンボル?

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参考になります。

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世界で一番好きな店かも。

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こんな塩対応なら大歓迎。

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ひとりで鏡月ボトル。北海道は何故か「鏡月」が主力。

posted by machi at 10:02| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月20日

第3402夜:スローモーションと難破船【富良野(北海道)】

 ボトルキープ。クラブ、ラウンジ、スナック、居酒屋など形態によって値段は異なる。

 クラブやラウンジには縁がなく、居酒屋でボトルを入れてもその日のうちに呑み切ってしまう(みんなで)ことがほとんどゆえキープ料金の相場はよく分からない。しかし、スナックなら分かる。ただし、街によって恐ろしく相場は違う。

 私がスナックに通いだしたのは20代前半。職場があった神戸新長田や神戸随一の繁華街・三宮がテリトリー。三宮は新長田よりもセット料金は平均1000〜2000円高め。新長田のセット料金はたいていが3000円から4000円、三宮は5000円だったか。

 キープになると、角瓶が1万円。黒霧など焼酎になると1000円ほど安くなる。山崎などグレードが上がると当然ながらキープ料金は高くなる。

 女性のドリンクが1杯1000円(ビール小瓶含む)として、初めて三宮でスナックに飛び込みで入ると、セット+キープ+女性ドリンクでだいたい17000円ほど支払う計算になる。

 私の知る限りだが、神戸ルールはボトルキープが原則だった。ただしこれは20年前の相場なので、今はもっとキープ料金、特にウィスキーは値上っているだろう。三宮のスナックで呑まなくなって数年になる。

 日中は蒸し暑いが夜は涼しさを覚える9月上旬・北海道の「へそ」富良野の夜。この日はドン引くほどの大雨だったが、ミッション会場を出ると雨はやんでいた。

 7人で<FURANO BAR>へ。生ビールやハイボールをやりながらアヒージョ、ウィンナー、スパゲティなどの舌鼓。催事に飛び回るオーナーのH谷川氏となかなか会えぬのが残念。

 2軒目はAキラ氏と<ニューラベンダー>。2日連続の鏡月を濃い目でヤリながらママらと話し込む。この店に行くとママもHトミ嬢(私とたしか同い年)も「おかえりなさ〜い」。まさに「ただいま」気分である。

 店内は酔客で溢れている。Aキラ氏は客の全員とお知り合いな富良野の夜の顔。氏が隣客と話し込んでいる間、いかにも地方スナックのお通しな胡瓜漬をポリポリさせながらふと壁面の貼られたメニュー表が視界に。今まで気づかなかった。 

 最高値が「響」で2万円。…。エッ?安すぎないか?「オールドパー」や「知多」が1万円で続き、定番の「角」に関してはたったの4500円。目を疑った。

 「ふらのワイン」の銘柄も充実。ママがワイン好きだからだろう。6種類あり、最高値でも8000円。最安値は3500円。居酒屋価格だ。焼酎も6種類。赤霧島や黒霧島がたった3500円。鏡月など3000円。神戸三宮の軽く3分の1以下である。

 個人的にもっとも気になったのが「ラベママのカレー」800円。数量限定とある。私はカレーのライス抜きをツマミに呑むのが大好き。今度注文してみようか。

 いつの間にか店内はAキラ氏とママ、Hトミ嬢だけに。カウンターを挟んだ2対2。御年70を超えるというママのパワフルなマシンガントークはこの夜も絶好調。

 Aキラ氏はさりげなく奥のボックスでHトミ嬢と得意のチークを決めている。

 ちなみにAキラ氏、この日の朝にパターゴルフ大会で準優勝したらしく、商品としてお米10sをゲット。この情報をママや他のお客のほとんどが知っていた。恐るべき人口2万人以下だが日本屈指の知名度シティ・富良野である。

 Aキラ氏が中森A菜氏の「スローモーション」を熱唱。コロナ禍の3年間は富良野どころか北海道入りできなかったが、この店との出会いはスローモーション映像のように覚えている。

 Aキラ氏のアキナに触発され、私もアキナをリクエスト。「たかが恋なんて〜♪」。私はただ愚かなだけの、まちづくり界の沈みゆく「難破船」である。

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私のミッション会場(4階)兼寝床(3階)。

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4階ミッション会場(フラノデザイン)。

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懇親会は<FURANO BAR>。

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クラシック生。

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冷製。

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熱々。

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超熱々。

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無限に腹に入る。

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雨上がりのへそ歓楽街。

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カレーが異様な存在感。

posted by machi at 09:01| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする