北24条。我が青春の地である。店は入れ替わったが街の雰囲気は変わらず。30年前から老朽化著しいバスターミナルも健在。ミスドも。そして、学生の頃バイトしていた<KFC>も。
KFCの2階でホットコーヒーを飲みながらPC。目視で私より年上にしか見えない熟女バイトさんたちは、私の後輩と言えなくもない。
時間が11時に。KFC2階の窓から黄色い袖看板がしっかりと視界に飛び込んでくる。<ラーメン大将>北25条店である。コロナが5類になり久々にダイブ。3、4年ぶりか。
詳細やその思い出は何度もこのバカブログで乱筆ゆえ割愛。幾分値上がりしたようだが、今までが安すぎた。学生にはハードルが少し上がったかもしれない。私のような貫禄たっぷりオヤジには落ち着いた雰囲気になりむしろ好ましい。
数多い定食も魅力だが、1番から10番までのセットメニューは不動。私のお気に入りは圧倒的に1番。チャーハンとワンタンスープである。しかしこの日、ラーメンが啜りたかった。チャーハンは外せぬ。この店、大盛はあってもミニや半などない。手加減なしの剛球一択。
チャーハンとラーメンのセットは…。あった。「9番」。ただし『学生ラーメン』である。
初めて大将に飛び込んだのは約30年前。肉みそ以外のラーメンを喰った記憶がない。あと半年今日で50歳になるヨゴレなバカオヤジの私だが、学生ラーメンを頼んで良いのか。この商品名を口にするには恥ずかしい。ゆえに「9番セット」と伝えれば恥ずかしさも半減だ。
じっくりメニューを見る。ラーメン類は850円から1000円の間がほとんどの中、学生ラーメン650円が異彩を放つ。ノーマルチャーハンが750円。単品合わせて1400円。セットなら1200円。お得である。
水を飲みながら30年前の感慨にふけっていると、ブツ降臨。学生ラーメン、もっとショボいかと思いきや、圧巻。濃い目の醤油スープに大きなチャーシュー、メンマ、そして固ゆでのゆで卵ハーフ。野菜もたっぷりだ。
胡椒パラリし、まずはスープ…。ウォッ!ニンニクのパンチが凄い。野菜もニラ入りで炒めている。学生ラーメンというより「スタミナラーメン」である。
麺も北海道らしいかん水黄色ちぢれ麺。焦がしの風味も札幌醤油の特徴。焼豚も分厚く嬉しい。私はゆで卵に関しては半熟より固ゆで派。笑みが止まらない。
麺を啜り切り、具も食べ尽くした。スープを半分余らせた状態で、チャーハンに振り向く。
紅生姜を添え、レンゲを右手に、左手に皿。ワシワシ喰い進める。普通の店の大盛以上の量。しかし、味はシンプルで完全に私好み。チャーハン部門では私、この店が一番好きかも。
チャーハンで喉を押し広げ、スープで追いかける。ウォータークーラーの真横に座ったので、イスから立つことなく水を補充できる。
50歳間近の学生ラーメン。これが「学生セット」なら頼めないが「9番セット」だから口にすることができる。慈愛であり、抱擁である。
バスの時間までたっぷりあったので、30年前はたしか「札幌フードセンター」か何かだったが「Mックスバリュ」に化けたスーパーで1万円近く買物。
塩ホルモン、ジンギスカン(レトルト)、マトン肉(冷凍)、にしん糠漬、にしん&白菜漬、ベルのジンギスカンだれ、ほっけフライ、函館産いか塩辛…。
冷凍庫を駆使し、自宅滞在時は北海道を満喫できそうである。サッポロクラシックをどこかで買わねば。甲類焼酎を自宅近くのスーパーで購入せねば。
30年前のバイト先の2階。
青春の味。
9番セット。
戦利品。