2022年03月14日

第2887夜:道場入門・場外乱闘編【新千歳空港(北海道)】

 <富川製麺所>。コロナ前まで私がこってりたっぷりとお世話になっている北海道のへそ・富良野市を本拠地に展開するラーメン店である(らしい)。

 私は富良野で幾度となくラーメンを啜り続けてきた。

 深夜1時以降に一人で啜る場合は<山岡家>、数人で深夜12時ごろ啜る際はスナック(ニューラベンダー)周辺のお店、ミッション開始前の午後の遅い時間は<小玉亭>と時間、人数等で使い分けてきた。何故か<富川製麺所>に足を運ぶ機会がなかった。

 新千歳空港内の北海道ラーメン道場の門をたたき、10店の実力者と対峙してきた。新たなテキがいなくなった。こうなれば道場を飛び出して、武者修行に励まねばならない。

 ある秋の朝。道場をスルーし、手荷物検査場を突破。余談だが、ナイフを持ったバカをスルーさせてしまい大問題になってから異様にチェックが厳しくなり時間がかかるように。その発端は新千歳空港。他の空港よりもさらにチェックが厳しい。

 何か腹に入れようとホタホタ歩いていると、フードコートが。その中の何店舗かの一つが<富川製麺所>。嬉しい出会い。ついに啜る機会を得た。

 日本人の朝食は、味噌汁から始まる(私は珈琲ですが)。よって味噌スモークチャーシュー麺」を写真指名。

 1,100円という空港価格に怯むが、冷静に考えれば最近の通常価格になりつつあるかもしれない。ノーマルが850円。250円で格段にグレードアップ。コスパ良しと捉えねば。

 フードコートゆえブザーのようなものを手渡される。ぼんやり水を飲んでいると、ブルブル震えた。ブツを受け取り、自分で着丼。なかなか個性的なビジュアルといえる。

 まずはスープ。……。どこまでもグラデーション。重層感に富み、摩周湖のように深い。青池のようなピュアさも感じられる。麺は驚きのストレート細麺。てっきり黄色いかん水の効いた縮れ系と思い込んでいた。先が読めぬ展開だ。

 普通のチャーシューではない「スモーク」を齧る。……。香ばしい。スモーキーな香りが鼻から抜ける。これはラーメンというよりウィスキーのロックと合わせたい逸品である。

 こうなると、今度は本店で啜りたくなる。富良野へは月1回、多ければ月2回足を運んでいた。新たな選択肢の広がりに、他流試合の厳しさと有益さを痛感させられた。

220314富岡製麺所@新千歳空港.jpg
本店(富良野)で啜りたいものである。

(付記)
コロナ前の記載内容である。コロナ以降、富良野どころか北海道そのものと御縁が滅失。ラーメン道場の他にも取扱店(フードコート)を見つけていた。そのレポートも加筆するつもりだったが、2022年立春時点で北海道入りの目途が全く立たぬ。よって場外乱闘編(ラーメン道場以外)、完結しないがアップ。場外乱闘で敗退した気分である。
posted by machi at 08:06| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

第2492夜:ポツンとハルキッチン【東川(北海道)】

 東川町。留学生の積極的な受入れをはじめ、木工の町、写真(映え)の町、そして「東川スタイル」を推進して定住促進を進めている世界的に注目を集めている人口8000人の町である。

 ある2月の朝。令和元年度富良野ラストミッション終了。新相生N川氏にジープで旭川空港まで送って頂く。フライトまで時間に余裕があり、途中たっぷりとワーキングバケーション敢行。

 まずは大雪山系の絶景が眺める<六花亭>で無料セルフ珈琲&マルセイバターサンド。濃厚で贅沢な甘み。濃い目のブラックかウィスキーのストレートしか受け止められない。

 雄大な自然を眺めながらジープは中富良野、上富良野、美瑛、東神楽を抜けていく。そして東川町へ。メイン通りは家具屋、雑貨屋などデザインセンス溢れるキュートな店が軒を連ねている。

 国道も鉄道もなく、水道もない東川町。しかし、豊かである。定住促進のための施策も充実しているが、それをウリにせず東川のライフスタイルを発信し、まずは東川のファンになってもらい、それから定住してもらう。人口1万人を切る町に活性化のヒントが詰まっている。

 役場のセンスが抜群である。築70年の小学校を耐震し、リニューアルさせて日本語学校の改築。隣接する図書館も町民以降の場として機能性もデザインも優れている。新築された小学校校舎も圧巻である。役場は質素だが、町民のための施設は立派。金のかけどころが分かっている。

 そんな東川町の山の中で、近くに民家すらない山の中の脇道にポツンと「営業中」のノボリが。かなりの車が店頭に停まっている。<ハルキッチン>。女性が一人で切盛りされている。

 もともとは都内で広告代理店勤務のバリバリなキャリアウーマンだったらしいが、5年前に東川町に移住しレストランを開業。ハンターでもあり、実際に鹿打ちなども実践しているという。

 店内はBGMもなく、日替わりメニューが何種類か。そして、満席である。我らは予約して来たが、外でお客が並んでいる。立地とは何なのだという我が命題が揺さぶられる。

 談笑していると「鹿肉ミンチミートドリア」降臨。新鮮そうな生野菜、マカロニ&ビーンズ、洋風茶碗蒸し、わかめスープを従えている。まさに「鹿の王」である。

 ドリアなど食べた記憶がないのでどうすればよいか分からぬ。この日の朝食は富良野の<エベルサ>でそば粉ガレット。私のイメージから1億光年離れたcaféめしである。

 まずはスープ。……。肉とわかめの中華風。大好きな味である。

 ドリアにはゆで卵が輪切りでたっぷり。フォークを突き刺して口に運ぶ。チーズが伸びる。……。熱い、厚い、篤い、そして旨い。コク、野趣、洗練が同居している。見た目以上にボリュームがある。ドリアが何かよく分かっていなかったが、グラタンのご飯版みたいなものでした。

 めったに食べない生野菜も新鮮の極み。地元産なのだろう。鹿肉も自分で撃ったのかお聞きすると、ハンター仲間から仕入れたそうな。

 店内の一角で小物を販売している。女子受け確実のラインナップ。隠れ家以上の隠れ家だが、誰かに招待したくなる、しかし自分だけ独占したい独特の世界観。

 食べ終わるころ、ドサっと大きな音が。少し驚いて窓を見ると、屋根の雪が落ちてきた。この日は暖かいようだ。天は快晴。私の身も心もほっこりと温かくなった。

200731東川@.jpg
六花亭からの景色。雄大の極み。

200731東川A.jpg
六花亭のサービスに驚嘆。

200731東川B.jpg
マルセイバターサンドと無料珈琲。無敵の相性。

200731東川F.jpg
図書館外観。

200731東川G.jpg
図書館内部。

200731東川H.jpg
革命を起こした書籍。

200731東川I.jpg
役所の柔軟性に驚愕。

200731東川C.jpg
立ち寄らずにいられない。

200731東川D.jpg
周りはなにもなし。

200731東川E.jpg
美味しゅうございました。
posted by machi at 10:16| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月28日

第2491夜:マイナス15度の星空【富良野(北海道)】

 ほしぞらバル。この言葉から連想すると、星が煌めく夜空を眺めながらハシゴ酒を楽しむイベントとまちづくり関係者は推測するかもしれない。北海道富良野市では、イベント名ではなく、店名。新相生商店街に新たに加盟したスナック居抜きの呑み屋さんである。

 新型コロナの影響が富良野をモロに直撃する直前だった2020年2月上旬。その1か月前から盛大に開催された外国人おもてなしイベント「FURANOおもてなしマンスリー〜FEEL THE WIND〜」の打ち上げが<ほしぞらバル>で開催された。

 いつもの商店街役員メンバーだけでなく、青年部をはじめ本イベントに多大に貢献してきた皆さまが集結。私は最初からハイボール鯨飲モードに突入する。

 テーブルに並べられる料理が圧巻である。ローストポーク、ビーフステーキ、ジャンボ唐揚、エビマヨ……。大皿にドカンと盛られる。食べても減らないボリューム。お味も肉質も最高で蕩ける旨さ。至福という名の星空が脳内に広がる。

 途中からカラオケ大会に。皆さん、上手いだけでなくとんでもないほど芸達者。爆笑が絶えないステキな打ち上げに。〆のにゅうめんまで圧巻の弾けっぷり。最高潮の肉フェスだった。

 24時ごろお開き。2軒目は当然のごとく<ニューラベンダー>に向かったが、珍しく閉まっていた。いつものメンバーに若手美女も加わり5人で<キッチュ>。

 Aキラ氏の「響」を遠慮なくガバガバ痛飲していると、近くのテーブルで今回のイベントのキーマンだったN村氏が友人と。氏も少し合流。談笑が加速する。

 少し遅れてお通しが運ばれてきた。……。思わず目を剥いた。ミニラーメンである。小ぶりの茶碗にネギ、チャーシュー、メンマ、ナルトまで乗った本格派。直滑降な熊啜を決める。

 さすがに満腹である。深夜2時ごろお開き。外はマイナス15度の世界。

 定宿に戻ろうとしたらAキラ氏が「ラーメン喰いに行くべ!」と叫んだ。ついさっき食べたではないか。……。そういえばAキラ氏はラーメンに手を付けていなかった。

 Aキラ氏がガンガン歩を進める。……。昼もラーメン、スナックの〆もラーメン。富良野最後の夜の〆もラーメン。よし、付き合うか。

 星空を眺める余裕もなく4人でフラフラとラーメン屋に向かっていると、いきなりAキラ氏が正気に戻って「おまえら、今からラーメン喰うのか?バカか!?」。

 ……。雪道でなくてもズッコケそうになりながら、いいタイミングでタクシー来たのでそのまま乗ってお宿へ直行。泥のように爆睡。凍てついた夜の満天の星空を眺めることはできなかった。

 翌朝。久々に<エベルサ>で朝食。和定食ではなく「ふらのガレット」を選択。そば粉を使っているらしい。

 そもそも私はガレットなるものが初めてなのでよくわからない。ナイフとフォークが添えられているが使い方が分からない。エイヤと全部包んで恵方巻のように丸かじりした。1週間遅れの洋風節分である。

200728富良野新相生@.jpg
新相生ポーズ。

200728富良野新相生A.jpg
中央のこのあとエビマヨが。

200728富良野新相生B.jpg
肉フェス。

200728富良野新相生D.jpg
2軒目にて。

200728富良野新相生C.jpg
響をガバガバ。

200728富良野新相生E.jpg
スナックの〆ラーメン。

200728富良野新相生F.jpg
2択。

200728富良野新相生G.jpg
ガレット。
posted by machi at 07:38| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする