2023年02月02日

第3099夜:きままに福福【田辺(和歌山)】(前編)

 <福福>。紀州屈指の歓楽街・田辺味光路にて遅くまで営業する中華居酒屋である。

 まだ蒸し暑い秋の夜。約1年ぶりに紀伊田辺へ。10年近く続く恒例の年2回の田辺入り初日である。秋が来たなと感じるわが風物詩。帰ってきた感すらある。

 駅前商店街を歩いて我が田辺の定宿<アルティエホテル>直行。フロントでは受付氏が笑顔で「あっ、どうも。いつもありがとうございます」。名乗る前からルームキーを手渡して下さる。帰ってきた感じ、増し増しである。

 19時から2022年度田辺創業ゼミ開講。初回はおそらく8年連続ぐらいで毎年私が担当。前半は私の漫談。メインの後半は田辺市内で創業されたお二人と私のトークセッションも定番。

 今年度はともに30代前半の男女。男性は田辺地域で5年間で3店舗経営で30人を雇用。女性は5年間で2店舗経営で10人を雇用。

 どちらもお若いが、素晴らしい。戦略を練りつつ展開してきた男性氏と、ノリと勢いで創業した女性氏。両極端だが、それが良かった。二人ともスムーズに的確に話されるから時間が余った。

 21時終了。ブラブラ歩いてお楽しみの<きまま>。ママの明るく元気そうな顔を見るとこちらも元気に。帰ってきた感、特盛増し。

 連合会T中副会長。まちづくり会社O崎専務、会議所N本部長と麦焼酎のソーダ割にママの手作り梅干落としをジョッキで鯨飲。チーズハンバーグが白眉。他にも煮物、揚物、最高である。何かの白身魚の酢〆が目を剥く上品さと美味さだった。

 時間は23時に。次月の予約をして店を出る。もう一軒。紀南最強の歓楽街・味光路はモロのバカウィルスの影響を被っているようで、外は人が歩いていない。飲食店も2回転しないので早じまいが目立つ。スナックからも歌声が聞こえてこない。

 そんな中でも夜中1時、2時まで酔客のために暖簾を出し続けているのが、中華居酒屋<福福>。2時間前、私と創業希望者の前でトークセッションして下さった31歳若社長が経営する。社長、お店におられた。私はハイボール。両隣は生ビール。

 かなり満腹だが料理を注文。トークセッション登壇の女性氏がこの店のオススメとされていたのが「レタスの湯引き」「麻婆豆腐」。美女のオススメを頼まぬ選択肢はない。

 レタス湯引き、シンプルだけど奥深い。味が重層的。麻婆はぐっつぐつ。ダチョウ倶楽部の皆さまも絶対NG。小皿に取り分けて少し覚ましてから味わう。麻辣が激しい本格派。ライスぶっかけも旨そうだが、ハイボールが凄まじく進む。

 頼みたいメニューがあった。「フォアグラ入り黒酢酢豚」。全く想像つかない。頼まずにいられない。オーナーや両隣と談笑していると、降臨。4つの塊、迫力である。〔次夜後編〕

230202田辺@.jpg

2022年度も開講。千客万来。

230202田辺A.jpg

若き創業者。すでに完全な経営者に。

230202田辺B.jpg

<きまま>で乾杯。

230202田辺C.jpg

安定の絶品おばんさい。

230202田辺D.jpg

白眉のチーズハンバーグ。

230202田辺F.jpg

私のサラダ。

230202田辺E.jpg

ママの本領発揮。何かの白身魚の酢締め。

230202田辺G.jpg

いざ2軒目へ。

230202田辺H.jpg

レタスの湯引き。女性大人気も超納得。

230202田辺I.jpg

マグマ。

posted by machi at 07:25| Comment(0) | 和歌山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月20日

第2875夜:きままにドサンコ【田辺(和歌山)】

 どさん子。北海道民を表す「道産子」である。しかし、ひらがな+漢字の「どさん子」になると、私にとってはラーメンチェーンの「どさん子」である。

 二十数年前、4年間だけ札幌に住んでいた。十数年前から全国各地でラーメンを啜り歩いている。しかし、この一大ラーメンチェーンに足を運んだことはなかった。

 理由は2つ。私の普段の生活圏にこのお店が無いから。もう一つは、北海道系ラーメンは北海道で啜りたいから。コロナ禍以降、北海道入りする機会が滅失。再訪の見込みがたたない。

 11月中旬の日曜日の正午過ぎ。紀伊田辺に到着した私は、ブラブラ歩きながら商工会議所へ。途中、昼メシを腹に入れるつもりだった。

 前から<どさん子>の存在に気付いていたが、これまでタイミング、時間帯、気分、様々な要因で足が向かなかった。私が知る限りだが、田辺駅付近で昼に、それも日曜にラーメンを啜れる店をあまり知らない。どうせなら、入ったことのない店が良い。

 8泊9日の西日本シリーズ2日目。ここは紀南田辺だが、どさん子童貞を捨てる良い機会かも知れぬ。スーツケースを引きずりながら、未知なる北海道の引き戸を開けた。

 店内は常連風の若者が独り。カウンターの陣取り、メニューを見る。当然のごとく「みそラーメン」を注文するつもりだったが、思わず目を剥いた。550円。安すぎないか。

 麺類は10種類ほどあり、最安値の醤油ラーメンなど480円。感涙悶絶の昭和価格。札幌で進化系味噌を啜ろうとしたら、1000円は下らないかもしれない。

 チャーシューを追加トッピング。小ライスも合わせる。普段ラーメンを啜る際、ライスはあまりセットで頼まない。しかし、横浜家系と味噌系はライスが欲しくなる。

 店内備え付けのスポーツ新聞を読みながら水で喉を潤していると、ブツ降臨。コーンの黄が眩しい。ワカメ、メンマ、そしてチャーシューが身を寄せ合っている。

 胡椒をパラリし、まずはスープ。‥‥‥。オーソドックスな王道の味噌味。しっかりと味わい深く重層的。飽きの来ない常食系である。チャーシューも私好みの肩ロース(たぶん)。麺を啜り切り、スープを飲みながらライスを頬張る。ライスも、小でなく中サイズだ。

 常連風は店に入るなりメニューも観ず「ロースーメン」「カレー焼飯大盛」など注文していく。ロースーメンが何か分からぬが、なにやら旨そうである。カレー焼飯の値段は500円だった。これも安すぎないか。

 女子高生らしき3人組が入店。漏れ伝わる会話から、この店は初めてらしい。メニューを見て「うわぁ、安っす!」と驚いている。高校生でも安いと感じる正義と実直。

 女子高生たちはラーメン大盛にトッピングを追加したり、餃子も注文。実に心強い。日曜の昼に、難波や梅田や三宮でなく、地元田辺のラーメン屋で大盛を注文する女子高生たちの日常と青春。オヤジの私までウキウキと弾んだ気持ちで商工会議所へ。

 恒例の貸店舗ツアー。私が担当して7,8年になるだろうか。今回はどの物件も極上だった。私が借りたいぐらいの店も。特に駅前の物件は住みたくなった。

 ツアー終了後は<きまま>。帰って来た感ハンパなし。最終的に7人になり、楽しく呑み喰い。ママの料理も絶品。2か月前にお願いした「ジンジャーまん」、最強に旨し。

 2軒目はフィリピンのママが切り盛りするスナック。ボックスが空いていたけど超満員。それも、客が若い。

 年に1回の田辺貸店舗ツアー。終了後は毎回<きまま>と決まっているが、開始前は<どさん子>が我がルーティンになりそうである。

220220田辺@.jpg
パンダ列車@

220220田辺B.jpg
パンダ列車A

220220田辺A.jpg
パンダ列車B

220220田辺C.jpg
コスパ無敵級。

220220田辺D.jpg
年1〜2回の恒例。

220220田辺E.jpg
ママがオミヤに「ジンジャーまん」。
posted by machi at 09:52| Comment(0) | 和歌山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月28日

第2837夜:気ままに帰省【田辺(和歌山)】

 秋の風物詩。もう8、9年になるだろうか。私にとっての秋の風物詩は、毎年秋に2回紀伊田辺を訪問することである。熱暑も過ぎ幾分の涼しさが感じられる頃は1回目、2回目は本格的な冬を迎える前にいかにも紀南地方らしいほんのりとした暖かさが優しい時分である。

 私は2010年度から田辺に御縁を頂き、回数の強弱はあれど丸10年は毎年訪問。この数年は年2回が定番。

 田辺ではいろんな夜のお店にお伺いした。美味しい料理もたらふく頂いた。すでに一周している。よって、私の田辺の夜は、19時からが田辺商工会議所。ミッション終了後は愛してやまない<きまま>で打ち上げという黄金ルートが確立されている。

 19時から21時までは会議所にてアヅマ祭り。この数年、恒例である。ブラブラ歩いて<きまま>へ21時半。帰ってきた感ハンパなし。ママも大変だったようだが元気そうで何より。

 ママの店は公務員や銀行関係、団体職員が多い。平時は最高の客筋だが、コロナ禍ではソトノミ自粛を強いられる人種業種。それでも創業31年の実績は揺るがない。

 田辺商工会議所が誇る漢の中の昭和漢、N本氏から前日のメールで<きまま>を予約している旨の連絡を頂いた。

 ミッション終了が21時として、なんやかんやで最短でも21時30分の店入り。コロナ前は当たり前だったこんな時間の居酒屋突撃が極めてシュールで新鮮だ。

 田辺は緊急事態宣言どころかまん延防止も適用されず、呑み屋はフルオープンが続いている。お隣の南紀白浜町は県外ナンバーで溢れているという。

 昭和オヤジのN本氏と爽やかで平成風味なY崎氏の創業ゼミ事務局コンビと生で乾杯。生が染み込むように旨い。


 この店では、生を1,2杯ヤった後は、焼酎のソーダ割。ママ手作りの昔ながらの激烈に塩辛い梅干をつぶさずに1ヶ投下する。この梅干1ヶでジョッキ数杯は軽くイケてしまう。

 事務局コンビやママと談笑しながら、ママの手料理を満喫し、鯨飲する。第1陣は玉子焼、天ぷら、もずく、茄子揚げ浸し、ヒジキ、南瓜煮。どれも微笑こぼれるおばんさい。私のような昭和オヤジの琴線に触れる味である。中休み的なサンドイッチも嬉しい。

 メインディッシュは手作りジューシーで最高のチーズ入りハンバーグ。デミグラスソースが私の中の少年を優しく愛撫する。

 ミニトマトを箸休めに第3弾は太刀魚酢〆、生姜、らっきょ、そして梅干。太刀魚はどなたかから50匹ほど頂いたそうである。他はすべて手作り。おふくろの味、家庭料理という表現は適当ではない。家庭では再現できないプロの味である。

 壁面メニューが一新されていた。毎回メニューなど見ずにママにおまかせするが、じっくり目を通すと実に味わい深い。

 塩さば、もずく、からあげ、ミートボール、たまごやき、ポテトフライ、ハンバーグ、白身フライ。

 子供と大人が好きそうな品が混在している。そのメニューと並列で「パン」「酢のもの」「にもの」「とーふ」とある。これらはメニューというよりカテゴリー。パンと堂々とあるのもシュール。「にもの」など抽象的すぎて禅問答の世界である。

 気づけば時間は24時を大きく回っている。ママに1カ月半後の再訪を依頼。日曜定休だが、明けて下さる。ママは「ショウガマン」を用意しておくと気合が入っている。よく分からないが、楽しみであることだけは確かである。

211228きまま@.jpg
壱の陣。

211228きままA.jpg
弐の陣。

211228きままB.jpg
参の陣。

211228きままC.jpg
志の陣。

211228きままD.jpg
伍の陣。

211228きままE.jpg
混在の陣。

211228きままF.jpg
盤石の陣。

posted by machi at 08:03| Comment(0) | 和歌山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする