2025年05月11日

第3669夜:血戦前夜【田辺(和歌山)】

 和歌山2区。2024年秋の衆議院選挙において、全国再注目選挙区である。それまで無風どこか深海状態なほど鉄板だったが、世間を賑わした某事件をきっかけに血で血を争う超弩級台風に。2区は広大極まりないが、その中心が田辺市である。

 数年前まで政治的な意味でなく文字通り血で血を争う抗争が繰り広げられていた無法松な北九州小倉で餃子とホッピーを満喫した翌日、新幹線と特急を乗り継ぎ田辺へ17時半ごろ着。

 日が沈むのも早くなり、駅前は閑静だがどことなく落ち着かない不穏かつ殺伐とした空気が漂っている。田辺とは2010年から御縁を頂き、ほぼ毎年お招き頂いている。

 2024年も10月と11月に2回田辺入り。田辺商工会議所主催「創業ゼミ」の初回と最終回を担当して恐らく10年目になる。

 商店街に見慣れない選挙ポスターが貼られている。候補者の苗字は変わらぬが、顔写真が異なる。定宿にチェックインすると、ロビーには不穏な空気を纏う数名の男性が、その顔写真入りポスターを机に広げて何やら小声で密談している。

 10月9日に衆議院が解散し、10月15日に公示される。血戦本番は10月27日。私が田辺入りしたのが10月10日。公示直前の水面下の駆け引きが激しい時期である。

 創業塾初日カリキュラムは10年不動。前半が私のソロ漫談。後半が田辺市内で創業した2名をお招きしたトークセッション。私は聴き手を務める。

 2024年度はステーキハウスとカフェ兼フラワーアレンジメントを営む2人の美女。市内に充満する生臭さとは皆無のステキな1時間だった。お二人のお話に引き込まれ、数え切れないほど首肯した。

 終了後は当然のごとく<きまま>。ママの元気そうな笑顔を観て安堵と活力と帰省感を噛みしめる。田辺商工会議所の盟友・N本部長とその部下のY崎氏の3人で創業ゼミ初日終了後の21時半からこの店で打ち上げするのも、平成末期からの恒例である。

 目の前の焼酎の甕には10gは麦焼酎が詰まっている。セルフで好きなだけ呑む。ママが私にために満タンに補充してくれたという。ママの手作り梅干を1つだけ投下。数年間、私が愛してやまない最強の田辺名物「きまま麦焼酎梅干ハイボール」である。

 ママの絶品手料理に舌鼓を打ちながら、きままハイボールを鯨飲。政治的中立を堅持せねばならない商工会議所のご両名やママと談笑。

 血戦は5日後から。勝敗は17日後に決まる。ただ、20時でなく深夜に決するだろう。次回の私に田辺入りは11月24日の日曜日。もしこの日が審判の日だったら、私は定宿に泊ることができなかったかもしれない。

 隣に座る政治的中立のN本氏に日程の安堵を伝えたら、氏は笑みを浮かべて「(選挙の)日程が決まるもっと前にアルティエ(ホテル)予約していたので大丈夫です」。

 このバカブログがアップされる頃(2025年初夏ごろか)、当然に勝敗は決している。もしかすると、瞬殺で再度解散せざる負えなくなり、仁義なき血戦の第2ラウンドのゴングが鳴り響いているかもしれない。

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田辺創業ゼミ全5回初日。初日&最終日を担当してたぶん10年目。

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メニューはあるけどメニューから注文したことなし。「ギーザ」が気になる。

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これぞおばんさい。

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ハンバーグ旨し。

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ピザ旨し。

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私は数年に1度しかタコ焼を食べない。

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焼酎甕が力強い。

(付記)

結果はご承知の通り。開票終了20時の時点で血戦の勝敗が確定。令和7年夏頃の参議院選挙が第2ラウンドになる気配が濃厚である。

posted by machi at 07:41| Comment(0) | 和歌山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月04日

第3496夜:呑み屋で茶を点てる男【田辺(和歌山)】

 茶道。創始者が誰が存じ上げぬが、その道のスーパースターと言えば千利休氏。私でも知っている。古くから日本に馴染んだ文化であり作法である。しかし、私が呑むお茶はペットボトルだけ。急須で入れたこともない。ましてや「茶を点てる」など。

 私の田辺市中心市街地貸店舗ツアーガイドが9年目を迎えた2023年11月下旬の祝日。全5回開催される田辺商工会議所主催「創業ゼミ」最終回を迎えた。私は毎年、初回のソロ漫談および創業経験者2名との「アヅ子の部屋」、最終回のツアーを担当する。

 最終回のメインは私も10年以上お世話になっているY本中小企業診断士。Y本先生を交えて7、8名で<きまま>で打ち上げすることもこの数年のすっかり習慣となった。

 Y本先生はコロナ前、田辺歓楽街のスナックにギターを持ち込み、自作の「キスミー田辺♪」を熱唱されていた。

 コロナ5類後の晩秋、<きまま>にギターが立てかけられていた。Y本先生が持ち込んだのかと思いきや、常連さんのギターという。勝手に弾いても良いらしい。

 先生は新曲を披露。「き〜まま〜、き〜まま〜、きままに田辺〜」。キスミー田辺のほぼ替え歌だが、先生の作曲だから無問題。数年ぶりに聞いたが、サビを覚えていた。自然に曲が口から洩れた。素晴らしいメロディメーカーであり、作詞家でもある。

 熱唱後、Y本先生はママに湯を沸かさせた。カバンから抹茶の粉や茶筅、茶碗を取り出した。そして、いきなり茶を点てだした。

 たまに呑み屋でギターを弾く御仁は見かけるが、茶を点てる御仁は見たことない。度肝抜かれていたら、ママをはじめ我ら酔っ払いにも1杯づつ点てて下さる。

 私は結構なお点前が出来ないのでただ啜っただけ。けど、実に旨かった。すっきりさっぱりした。初めて茶筅で点ててもらった。

 ママのおばんさいをツマミに麦焼酎ママ手作り梅干ソーダでド鯨飲していたら23時に。お開きとなり、5人で田辺駅前商店街に面したスナックへ。レギュラーメンバーのK藤氏と同い年というママ、気だるい田辺弁に色気を感じさせる美魔女である。

 ハイボールをヤリながら私は鹿沼で知ったバーチャルカラオケを満喫。Y本先生もAKBから演歌まで幅広く熱唱。どの歌を歌ってもY本ワールド全開。

 ここでも先生は茶を点てた。居酒屋ならまだしも、スナックで茶を点てる男。利休氏も彼岸で驚いているだろう。

 夜中1時を回った。最後は<一吉>の個室へ。生ビールで乾杯。私はこの店でシメる時、「カツカレーうどんのうどん抜き」と決めている。当然、メニューにない。しかし、数年ぶりに頼んだが何の聞き返しもなくオーダーが通った。ステーキも追加。

 ステーキやカツカレー汁をツマミに生ビール。この店ではさすがに先生は茶を点てることはなかった。けど、1軒目で点てて頂いたお茶のおかげか、鯨飲しているが全く酔わなかった。二日酔いも皆無だった。

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パンダ列車で紀伊田辺へ

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落ち着かない

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田辺の創業×空き店舗対策、10年間ほぼ不動のメンバー

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居酒屋で弾き語る漢

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居酒屋で茶を点てる漢

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美味しゅうございました

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スナックで茶を点てる漢

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深夜4時までのオアシス

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私の田辺のシメ。カツカレーうどんのうどん抜き

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2024年06月15日

第3436夜:深夜前食堂【田辺(和歌山)】

 きままハイボール。田辺<きまま>のママ手作り梅干を麦焼酎に投下し、ソーダで割るほぼアヅマオリジナルなエナジードリンクである。

 田辺とは2010年からの付き合い。確か2014年から今のスタイルになった全5回の創業ゼミ、細かな記憶はあやふやだが、初回と最終回を毎年担当させて頂いている。

 初回2時間は、前座が私の漫談。後半は田辺市内で創業し、成功を収めた(収めつつある)2名がご登壇のトークセッション。私は聴き手。毎回惹き込まれる。聴き手の特権を謳歌だ。

 2023年度は京都府ご出身でご結婚を機に田辺に移住された女性デザイナーと、ホテルマンを脱サラしアウトドアショップを立ち上げた男性オーナー。どちらも見事だった。詳細は創業ゼミ受講生だけの特典ゆえ割愛する。

 素晴らしいお話を拝聴し、気分よくブラブラと商工会議所から10分ほど歩いて創業ウン十年の<きまま>。私の年2回の田辺、夜は2回とも<きまま>。私の激しいリクエストだ。

 古希を超えたかもしれないママの元気な笑顔とトークに、田辺に還って来た感が溢れる。毎回貸切状態にして下さるので他の客と出会ったこともないが、何でも作ってくれるママの手料理、雰囲気、居心地の良さ、私にとっての「深夜『前』食堂」だ。

 盟友・商工会議所N本部長はこの日、東京からご帰還。お疲れのところお付き合い頂く。部下のY崎氏も気づけば毎年の長いお付き合い。生ビールで乾杯する。

 ママがおばんさいを色々盛り付けて下さる。第1弾は唐揚&鶏ハム&スパゲティサラダ。第2弾は平天と野菜の煮びたし。第3弾はもずく。第4弾が焼きそば&たこ焼、第5弾が自家製味噌をトッピングした生野菜と豆腐。

 ママにお願いすれば、K林薫氏のごとく「できるものは作るよ」モード。ただ、ママの場合は調味料までも手作りする。

 この店で私は「麦焼酎ソーダ割+ママ自家製梅干」。田辺最強の基幹産業といえば「梅」。軟弱な梅干が日本全国で席巻する昨今、超絶な塩辛っさで一粒あればライス大盛4杯は滅失確実。梅干は1ヶだけ投下。潰さない。そのまま取り出さず8杯ほど焼酎ソーダを継ぎ足した。

 24時を回った。談笑尽きぬが、この店は24時から開店する深夜食堂でない「深夜『前』食堂」。ママに来月の再訪を誓い、大満足で店を出る。

 我が定宿までブラブラと。N本氏とY崎氏が送って下さる。毎年私が担当している貸店舗ツアーにて、長年埋まらなかった物件がコロナ5類になり埋まりだしたという。

その中の1軒が、我が定宿の道路を挟んだ対岸。電気がついている。この日、お店のオープン日だったらしい。中で女性が作業している様子が見える。

 N本氏は良かったら店舗を覗いてみないかと私に声を掛けた。私が瞬殺でお断りした。何故なら、猛烈な便意が襲ってきて、括約筋が崩壊寸前。0.1秒でも早く宿のトイレに駆け込まねば大惨事。オープン初日の記念すべきフロアを我が脱糞で汚しかねなかったからである。

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紀伊田辺へ向かう特急車内。今まで知りませんでした。

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2023年度の田辺初陣。

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山ほどある呑み屋の中で、アタシはココ一択。

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還ってきた感ハンパなし。

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どれも酒が進む。

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食べ過ぎてしまう。

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ゴールデントリオ。毎年ありがとうございます。

posted by machi at 08:01| Comment(0) | 和歌山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする