2015年11月07日

第1326夜:トリュフの香り【東近江(滋賀)】

 トリュフ。「黒ダイヤ」と称される、たしかフランス原産の世界三大珍味の一角である。他の二つはたしかフォアグラとキャビアだ。我が日常では口にするどころか御尊顔を拝見することすら敵わない。日本に置き換えるとトリュフ≒松茸、フォアグラ≒牛レバ刺、キャビア≒いくらといったあたりだろうか。

 昔、何かのTVでトリュフを探索する豚を観たことがある。確か「トリュフ豚」だったか。日本なら「ここ掘れワンワン」だが、フランスでは「ここ掘れブヒブヒ」なのだろう。

 2015年9月中旬。滋賀県東近江市の中心市街地・八日市駅前で勉強会終了後、商店街の旦那衆と遅くまで開いている大人気洋風バール<ラ・ココット>さんへ22時頃飛び込んだ。

 生ビールで乾杯。料理は普段地元の方々にお任せだが、何気なくメニュー表に目を通した。その中に、一際私の心をとらえて離さない二つのメニューを発見した。高嶺かつ高値の花で一生御縁はないと思いこんでいた「トリュフ」メニューである。しかも、異様なまでに安値だ。T会長に承諾をいただき、鼻息荒く口を半開きにさせながら注文する。

 一つ目のトリュフは「フライドポテト 黒トリュフの香り」。420円である。乳幼児から私のような財布寂しき貧乏社会人まで幅広く愛され続けているフライドポテト。ファストフード店をめったに利用しない私だが、居酒屋では外すことのできぬ超定番メニューである。

 庶民の味方・フライドポテトと世界三大珍味・トリュフとの夢のコラボレーション。心躍らぬはずがない。特に「黒」トリュフという表記に奥深さを感じさせるが、420円という値段にわずかばかり首を捻らずにいられない。安すぎないか。

 もう一つのトリュフが「極上の目玉焼き 白トリュフの香り」。380円である。私はゆで卵や目玉焼で呑むことを偏愛している。特にお好み焼屋や立ち飲み居酒屋では、キックオフを目玉焼で飾ることも多い。

 今回は、ただの目玉焼ではない。「極上」である。居酒屋メニューでは最安値の目玉焼とトリュフの夢のマリアージュ。しかも「白トリュフ」だ。人生初トリュフなのに、「黒」も「白」も味わえる。盆と正月が一緒に来た気分だが、380円。これまた安すぎやしないか。

 ブツが運ばれてきた。フライドポテト黒トリュフ。まずは鼻を近づけ、トリュフ豚のごとくブヒブヒ鼻を近づけてから口に運ぶ。……。熱々で香ばしい。絶品である。ほのかな塩気が生ビールのピッチを加速させる。しかし、トリュフの香りそのものの匂いを嗅いだことがないので、どのあたりがトリュフなのかよく分からない。アヅマ豚では判別できないようだ。

 極上目玉焼白トリュフは真珠色に輝いている。しかも、二つ目玉だ。まずは白身を攻める。……。思わず目を細める。続いて黄身を潰して白身と絡めて口に運ぶ。……。ブヒヒヒ〜と心で唸り声を上げた。しかし、夢中で口に入れてしまい、トリュフの香りをかぎ忘れた。

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極上の目玉焼きwith白トリュフの「香り」。

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フライドポテトwith黒トリュフの「香り」。
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2015年09月25日

第1298夜:延命山を知っていますか?【東近江(滋賀)】

 延命公園。近江鉄道八日市駅裏側(アピアを含めた繁華街と逆側)に近接する公園である。八日市の霊峰・延命山に整備され、ソメイヨシノが1000本も植えられているという。

 2015年6月下旬、東近江市の中心市街地活性化を担う八日市商店会連盟様と東近江アーバンデザインセンター準備会様が連携し、商店街(来店)アンケート調査を実施。八日市駅前近代化(協)、本町商店街(振)、八日市大通り商店街(振)加盟店舗の来店者が主な対象である。

 普段の来街交通手段、商店街に訪れる機会が多い買物時間帯や曜日および来街頻度、最寄品(食料品など)や買回品(服飾雑貨など)の購買場所……。母数はともかく、数値から様々な事象を読み取ることができる。

 このテのアンケートで、私自身あまり意味のない虚しさを感じる設問がある。「どのようなお店が欲しいですか」「どのような施設が欲しいですか」というヤツである。それらお伺いしたところで、実現する可能性は限りなくゼロに近い。実際、そのニーズを満たすことができても、積極的に利用されるかは分からない。自主的に改善、実現可能な質問に絞るべきである。

 一方、ぜひ聞いてみたい設問がある。「知名度」である。これまでに取り組んできたイベントや催事を知っているかどうか、そして、そもそも商店街の正式名称を知っているかである。

 一般的に中心市街地とされるエリアは、日本全国問わず複数の商店街が網の目のごとく張り巡らされている。それぞれに名称がある。平均して6組合程度だろうか。

 商店主(特に役員)の方々はこれらの違いに敏感だが、普段から頻繁に中心市街地 の商店街を利用する地域住民ですら商店街名を意識していないことが大半である。販促やイベントチラシを製作する際、よく商店街名だけを大きく表記して地図を乗せていない成果物を目にすることがある。目を通した地域住民は「どこや?」と戸惑っている実情がある。

 今回の八日市アンケート。麺をこよなく愛する私にとって自由意見で「うどん」というキーワードが頻出していたことに驚愕。八日市を歩いても、うどんの街という雰囲気は皆無だからだ。八日市最大の知名度を誇るイベントが「二五八祭」。以下、「ジャズフェスティバル」「聖徳まつり」「本町パサージュ」「本町土曜夜市」と続く。私はどのイベントも未見なのが残念だ。

 霊峰・延命山にある「延命公園を知っていますか」という設問もあった。知っている89%、知らない11%。約10%も「知らない」ことに商店主にとって意外性があったようだ。

 延命公園の活用案もアンケートで問うた。百花繚乱の回答である。駅にほぼ直結と利便性も高い。しかし、桜の時期を除き地元民はほとんど足を運ばないそうだ。その理由をアンケート分析会に参加の商店主らに私はお聞きした。理由は明快。「誰も人がいないので、怖いから」。

 「延命」という有難い名称を戴いている、延命山の延命公園。スピリチュアルスポットとして世界遺産にいつか登録されることを期待してやまない。

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桜満開の延命公園(市HPより無断転載)
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2015年08月28日

第1283夜:帰れない…U【守山(滋賀)】(後編)

 列車は凄まじいスローぶり。駅到着ごとに何らかの理由で5分以上停車する。そのたびに乗客が突入。私は知らぬ間に連結部まで追いやられ、必死でミステリを読みつつ踏ん張る。ちなみにその時たまたま読んでいたのが『てるてるあした』(加納朋子 幻冬舎文庫)。佐々良シリーズ第2弾のハートウォーミングミステリだが、この状況下では皮肉なタイトルである。

 本来は30分ほどで到着するはずが1時間かけて京都駅に何とか到着。取り急ぎ改札に向かう。巨大な電光掲示板はすべて「調整中」(運休)。いったん改札を出て地下鉄に乗換え、河原町あたりから阪急で帰路に着くべきか。しかし、とても午前中帰宅に間に合いそうもない。

 ウロウロしつつ作戦を練っていると、在来線改札の長蛇の列以外に、もう一つの長蛇の列があった。新幹線切符売場である。新幹線は力強く正常運行しているという。

 神戸から京都間は新快速列車が充実し、しかも料金は新幹線の3分の1程度。この区間のみを新幹線利用したことはなかった。そもそも新幹線を使うという発想がなかった。

 私の中のフワフワしていたパズルのピースが嵌った。新幹線で新神戸まで行こう。そこからは市営地下鉄で1本だ。長蛇の列を眺めていると、いつ新幹線に乗れるや分からない。私はすかさず携帯を取り打し、ネットでエキスプレス予約。なんと15分後の座席を確保できた。

 帰路の目途が立つと、安堵感からか一気に空腹が襲ってきた。祝杯を挙げたい気分だが、時間の余裕はない。車中で駅弁をツマミに飲む軍略も一瞬頭をよぎったが、乗車時間は30分弱。しかも思いっきり混みあっているはずで、ゆっくり楽しめる保証はない。

 立ち飲み、駅弁吞みは断念し、プランCを選択した。アルコール摂取を諦め、立食い駅そばで空腹を満たす作戦である。すかさず構内<麺串>へ。券売機の前に佇む。迷った時は天ぷらそば(うどん)一択なのだが、モーニングセットなるボタンに目を吸い寄せられた。

 かけそば(またはうどん)とライス、生卵付き380円。時間は11時まで。時計確認。10時57分。普段セット物をあまり頼まぬが、昨夜中に帰れなかったからこそ、在来線で守山から途中下車を強いられたからこそ、巡り合ったモーニングセット。これも何かの御縁である。

 カウンターの陣形を確認。天かす無料入れ放題。心の中でガッツポーズする。「かけ」は少し寂しいので一気にテンション上がる。天ぷらそばを注文していたらカブってしまうところだ。台風の神様が私に垂らした蜘蛛の糸。七味だけでなく柚子七味も配備され、芸が細かい。

 30秒ほどでかけそば登場。天かすをたっぷりぶち込み「ハイカラそば」にランクアップ。柚子七味も多めに。ライスと生卵も到着。ライスにほんのり添えられた鰹節と梅干が心強い。

 そばを啜る。天かすの油が溶けコクと旨みが倍加した出汁を啜る。鰹節に醤油を垂らし、ご飯をワシワシ呑み込む。御飯が半分になった時点で生卵を投下。濃厚卵かけご飯にウットリ。

 新幹線に乗る。混みあっているとはいえ、リクライニングする座席はひたすら立ちっぱなしだった体を喜ばせる。呆気ないほどあっという間に新神戸到着。しかし、油断ならない。地下鉄が情報通り運行していることを祈りつつ、私はエスカレーターを駆け下りた。

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魅惑のモーニング。
posted by machi at 07:49| Comment(0) | 滋賀県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする