『かっこいいカツカレー』。泉M之先生原作の深夜飯テロ連ドラの1話である。トレンチコートに身を包んだ主人公(T内力氏)が喫茶店でカツカレーを注文。いかにカッコよく平らげるか。独白スタイルで食べ進めていく。店主夫妻との(一方的な)心理戦が見どころである。
強めの雨と晴れ間が交互に押し寄せる不安定に蒸し暑い夏の午前中。2週間ぶりに豊川へ。前回同様ミッション開始1時間前に諏訪町駅下車。理由は一つ。駅前の洋食堂<かどや>さんで絶品ランチをカッコよく決めるためである。
2週間前は「ビフテキ」だった。その際、次は「カツカレー」と決めていた。私の3大昼食はこの20年間ラーメン、カツカレー、カツ丼。暑くなるとカレーの頻度が増す。
神戸から諏訪町へ向かう道中、カツカレーのことばかり考えていた。食べ終わっても恐らく30分ほど時間がある。ミッション会場真隣の定宿に手続きだけ済ませ、ロビーの宿泊者無料コーヒーを楽しみながら紫煙を燻らせる。食後のプランまで練り上げていた。
店内カウンターには常連客が数名。席に着く前に、前回は不在だったムキムキ長身の若い男性が水を運んできた。軽く会釈すると、男性氏はいきなり「アヅマさんですよね?」。
エッ…?思い出した。5カ月前のすわポン商店会貸店舗ツアー夫婦参加のご主人だった。
男性氏に「カツカレー」を注文。しかし、何故か落ち着かない。人目を気にしてしまう自意識過剰っぷり。カッコいいカツカレーを決めることができるのだろうか。
店内TVでメジャーリーグを観ていると、ブツ降臨。野菜サラダと福神漬、熱いお茶を従えている。カツが分厚い。ルーの色は濃く、家庭風でなくプロの雰囲気を醸し出している。
ふと気づいた。赤出汁がない。前回のビフテキはライスと赤出汁が寄り添っていた。カツカレーとは付き合いがないようだ。
ここは赤出汁の本場・東三河地方である。メニューでは、赤出汁は150円。追加を考えたが、悪目立ちしそうなので何故か思いとどまる。
卓上ソースをカツに垂らす。まずは分厚い揚げたてをひと齧り…。肉汁が溢れる。分厚いのに柔らかい。ルーと絡めると笑みが漏れる。家庭では再現不可能なプロの味にうなる。
カツ、ライス、ルーの同時フィニッシュに向けバランスに留意。ライス大盛にせずとも充分な量。最後まで全力でワシワシ平らげた。ミッションに向けエナジーが漲ってきた。
お会計を済ませるべくレジへ。冒頭、私に声がけして下さった5カ月前の貸店舗ツアー参加者と少し談笑。10月に店舗オープンに向け現在工事中という。隙間時間を活用し、人気の洋食堂でバイトとして験算を積んでいる。
5カ月前の種まきが間もなく花が咲く。これほどヨゴレまちづくり屋として嬉しいことはない。私の中のエナジーが溢れそうになった。
諏訪町駅前の名店。
カッコよく平らげられるか。

