2025年07月19日

第3718夜:東三河いなり包囲網【豊川・豊橋(愛知)】(前編)

 いなり。神社、狐、男性の下半身の中央に竿を根元から下支えする袋…。「いなり」から連想は無限、でなく有限に広がる。40代半ばから東三河地方へ頻繁に通うようになった私にとっては、下支え袋でなく「寿司」である。

 師走の午後。2カ月以上ぶりに豊川稲荷から徒歩20分ほどに位置する諏訪町へ。ミッション開始30分前に到着したので、諏訪町のシンボル<プリオ>1階のスーパー<Mom>へ。

 この店の稲荷寿司がお気に入りである。この日は豊川諏訪町ミッション終了後、栃木へ向かう。東京までの、東京からの新幹線夕酌のツマミを強いれるためである。

 カゴに稲荷寿司を入れる。ラインナップを強化すべく、海苔天、揚げピーナッツも。揚げピー、大好物である。そして何故か「マムオリジナル」と唯一クローズアップされている「とん平焼」も。とん平、神戸人の私には定番だが東三河でも愛されているのか。

 ミッション終了。諏訪町から国府で乗り換えて豊橋へ向かう。車中で新幹線を予約…。指定席、ほとんど空席なし。東京まで約90分。びっしり満席では落ち着いて呑めない。喰えない。ちなみに東京から小山までの東北新幹線も約40分間、恐らく満席だ。

 豊橋駅新幹線改札内のロビーで放心。視界に駅弁売場が入る。豊橋は<壷屋>様の王国。最近、豊橋の駅弁を口にしていないことに気づく。新作も出ているようだ。

 すでに稲荷寿司をはじめツマミは捕獲済。豊橋駅弁ネタ、遥か昔に書いたことを思い出した。そして、アップせず死蔵状態であったことも。

 「三色稲荷」の調整元は壺屋弁当部様。‘弁当部’という部署名がシブい。もしこれが部活動かサークルなら、即座に入部したいところだ。

 稲荷寿しはどうしても食べ続けると飽きてしまう。以前の私は甘い味づけが苦手だったので、目先を変えたい。よって「三色」に。

 定番(プレーン)3ヶとちりめんじゃこ2ヶ、わさ荷2ヶの計7ヶ。かなり濃い目の色合いだ。欠かせぬアクセントとして紅生姜も隅を固めている。

 まずはプレーン。指でつまむと、ジュワっと汁が溢れだしてくる。ひと口で放り込む。……。濃厚な甘味の出汁が口の中で溢れ、飛び跳ね始めた。少しキツ目の酢飯が後から追いかける。私がこれまで口に放り込んできた稲荷とは別物。パンチのある味わいだ。

 じゃこはアクセントが好もしい。これもペロリだが揚げの濃さに少し負け気味。最後の砦・わさびを口に……。わさび菜のサッパリ感が見事で個人的にはわさび菜が好み。珍しく熱く濃いお茶が欲しくなった記憶がよみがえる。〔次夜後編〕

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もう、この稲荷を(私は)食べることができない。

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居酒屋定番だけどスーパーには珍しい逸品。

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豊橋駅を統べる王国。

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三色いなり。画像が残っていた奇跡。

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2025年04月28日

第3657夜:驛麺ウォーズ[【名古屋(愛知)】

【エピソード8】「五ノ神製作所」

 2023年の夏に名古屋駅麺通りの7峰すべて完麺というプロ登山家クラスの偉業を成し遂げてから約1年後、駅麺通りに新たな峰が隆起していた。このテのコンセプトゾーンは定期的に店舗が入れ替わるため、注意を怠ってはならない。

 時間は17時半。昼時はどこも長蛇の列だが、穴場時間ゆえかどの店も混んではいるが並ぶことなく入店できる。

 新たな峰は「五ノ神製作所」。「製麺所」ではない。入口には「ラーメンTOKYO百名店2017〜2023年 7年連続」とある。2010年に東京で産声を上げてあっという間に行列を作ったとある(店の案内より)。キャッチフレーズは「海老を飲みませんか?」。斬新で心震える。

 冷たい水で喉を湿らせつつ、卓上でメニューを吟味。初めての店で券売機は後ろからのプレッシャーに押しつぶされる。メニューで戦略を練ることができ、好感度が跳ね上がる。

 トッピングやライスメニューもあるが、つけ麺が専門。ラーメンはない。つけ麺はノーマルの「海老つけ麺」にトマト、味噌アレンジの3種類。すべて1,180円がベースの値段である。

 麺の量はノーマルが360gゆえ、プラス150円で540g(大盛)を選択。チャーシュー、味玉、キャベツが追加される「特製」にランクアップさせる。提供は水で締めない「あつもり」だ。

 さらにプラス200円すれば720gの特盛になるが、初めての店で特盛は危険。しかし、私はつけ麺やまぜ麺よりも圧倒的にスープに浸されたラーメン派ゆえ、つけ麺を食べなれていない。スープが無くなったら絶望するだろう。プラス150円でスープ増しに。

 気づけば単品なのに合計1980円。1000円の壁どころではない。ラーメン(つけ麺)単品では破格だが、ひつまぶしなどに比べたら半値程度。名古屋名物の一つがエビフリャ〜。東京ラーメンといえ名古屋で「海老推し」は好適だ。

 店内は満席。4人掛け席からは中国語(たぶん)が大声で聞こえるが、カウンター席はいかにも地元のラーメン武士で溢れている。期待が高まる。卓上の調味料は一味唐辛子、黒胡椒、タバスコ。タバスコが謎である。海老トマトつけ麺用なのか。

 海老、降臨。香りが海老である。まずはスープをレンゲで…。濃厚な海老。和でも中華でもない、日本独自で進化を遂げた新種の海老の味。

麺を浸して啜る…。刮目した。麺とスープが濃厚かつ官能的に絡み合う。海老を飲む、という感覚を体感できる。

 丼の中の麺は何かに浸かっている。最初、白湯かと思ったがほんのりと色がついている。レンゲで少し啜る…。海老の薄味の出汁だった(たぶん)。

 麺を啜り終え、この薄味出汁を濃厚スープに注ぐ。いわゆる「スープ割り」。圧倒的な中毒性。行列と7年連続ランキングの理由を舌で理解した。

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通路に人が写っていない奇跡。

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海老を飲む快楽。

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2025年04月27日

第3656夜:肉食堂のテイクアウト【豊川(愛知)】

 <とんかつのKどや>。名鉄諏訪町駅前の肉系総菜店&肉食堂である(たぶん)。「びふてき」と大きく書かれた袖看板に前を通るたび心を震わせる。

 9月最終の土曜日。午前中に神戸を発ち、尾張名古屋経由で東三河の諏訪町へ向かう。名古屋は曇り空だったが、西三河に差し掛かるあたりから車窓を雨がたたき出した。諏訪町に降り立った時には、引くほどの豪雨。

 折り畳み傘に身を縮めつつ、徒歩8分ほどのミッション会場へ向かう。真っ先に視界に入る「びふてき」の袖看板。この曜日(土曜)のこの時間(13時30分頃)、<かDや>が開いていた。私が店の前を通る曜日や時間帯が悪く、いつもシャッターが閉まっているか休憩中だった。

 歩くスピードを緩め、ガラス戸から店内をチラ見。入口付近にいくつかの種類の総菜パッケージが見えた。カウンターにはコロッケとメンチカツも。老眼だが、遠くはよく見える。

 いったん通り過ぎた後、10mバックした。傘を畳み、店内へ。本能的行動である。

 肉系以外にも家庭の味的総菜が並んでいる。焼豚のブロックがあまりにも輝いている。しかし、買いすぎると食べきらず轟沈する。諏訪町日帰りの際はプリオ1階のスーパー(Mム)で稲荷寿司などを購入していたが、貴重な肉惣菜店の営業中タイミング。外せない。

 人気ナンバー1とPOPにある「カツサンド」を手にした。自家製の肉団子6ヶ入りも。カウンターに並べられたコロッケとメンチカツも1ヶづつ。帰宅して晩酌の肴にするか、帰りの新幹線で発泡酒やハイボールとともにやるか。

 豪雨の中を歩きつつ、数時間後の晩酌戦略を練っていたたら打合せ会場着。この日のミッションはどんなに長くても1時間で終わるかと思いきや、休憩なしのたっぷり2時間。プリオ内の生涯学習センターがあまりにも人気で半年先の会場手配が困難を極めた。

 終了後、諏訪町駅へ向かう。雨も上がった。<かどや>は休憩中の札が。前半に勝負して正解である。次回の諏訪町入りは約2カ月後。名鉄に乗って国府で乗り換えて名古屋へ。

 名古屋駅は国内外の旅行客でごった返している。スマホで検索すると、岡山終点のひかり号が幾分空いていた。

 新神戸を起点に、東京なら2時間45分、小倉なら2時間、名古屋は1時間ちょっと。酒を買いすぎぬよう駅ホームの売店で缶チューハイ、愛知のカップ酒、250mlの赤ワインを捕獲。

 2人掛けの隣は空いていたので、まずはカシュッとグビビビビ。コロッケとメンチは自宅用に回し、肉団子とカツサンドを広げる。

 肉団子、甘酢だが肉肉しくてギュウギュウ。味が濃い。カツサンド、マヨが隠し味となってパン、野菜とのバランスも見事。新神戸に着くころ、酒が3種類、食いもの2種類がテーブルから滅失。帰宅後の独り2次会揚物晩酌が楽しみである。

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「びふてき」の惹きが強すぎ。

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1時間の至福。

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猪口カップが優雅。

posted by machi at 09:46| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする