2025年04月28日

第3657夜:驛麺ウォーズ[【名古屋(愛知)】

【エピソード8】「五ノ神製作所」

 2023年の夏に名古屋駅麺通りの7峰すべて完麺というプロ登山家クラスの偉業を成し遂げてから約1年後、駅麺通りに新たな峰が隆起していた。このテのコンセプトゾーンは定期的に店舗が入れ替わるため、注意を怠ってはならない。

 時間は17時半。昼時はどこも長蛇の列だが、穴場時間ゆえかどの店も混んではいるが並ぶことなく入店できる。

 新たな峰は「五ノ神製作所」。「製麺所」ではない。入口には「ラーメンTOKYO百名店2017〜2023年 7年連続」とある。2010年に東京で産声を上げてあっという間に行列を作ったとある(店の案内より)。キャッチフレーズは「海老を飲みませんか?」。斬新で心震える。

 冷たい水で喉を湿らせつつ、卓上でメニューを吟味。初めての店で券売機は後ろからのプレッシャーに押しつぶされる。メニューで戦略を練ることができ、好感度が跳ね上がる。

 トッピングやライスメニューもあるが、つけ麺が専門。ラーメンはない。つけ麺はノーマルの「海老つけ麺」にトマト、味噌アレンジの3種類。すべて1,180円がベースの値段である。

 麺の量はノーマルが360gゆえ、プラス150円で540g(大盛)を選択。チャーシュー、味玉、キャベツが追加される「特製」にランクアップさせる。提供は水で締めない「あつもり」だ。

 さらにプラス200円すれば720gの特盛になるが、初めての店で特盛は危険。しかし、私はつけ麺やまぜ麺よりも圧倒的にスープに浸されたラーメン派ゆえ、つけ麺を食べなれていない。スープが無くなったら絶望するだろう。プラス150円でスープ増しに。

 気づけば単品なのに合計1980円。1000円の壁どころではない。ラーメン(つけ麺)単品では破格だが、ひつまぶしなどに比べたら半値程度。名古屋名物の一つがエビフリャ〜。東京ラーメンといえ名古屋で「海老推し」は好適だ。

 店内は満席。4人掛け席からは中国語(たぶん)が大声で聞こえるが、カウンター席はいかにも地元のラーメン武士で溢れている。期待が高まる。卓上の調味料は一味唐辛子、黒胡椒、タバスコ。タバスコが謎である。海老トマトつけ麺用なのか。

 海老、降臨。香りが海老である。まずはスープをレンゲで…。濃厚な海老。和でも中華でもない、日本独自で進化を遂げた新種の海老の味。

麺を浸して啜る…。刮目した。麺とスープが濃厚かつ官能的に絡み合う。海老を飲む、という感覚を体感できる。

 丼の中の麺は何かに浸かっている。最初、白湯かと思ったがほんのりと色がついている。レンゲで少し啜る…。海老の薄味の出汁だった(たぶん)。

 麺を啜り終え、この薄味出汁を濃厚スープに注ぐ。いわゆる「スープ割り」。圧倒的な中毒性。行列と7年連続ランキングの理由を舌で理解した。

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通路に人が写っていない奇跡。

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海老を飲む快楽。

posted by machi at 05:27| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月27日

第3656夜:肉食堂のテイクアウト【豊川(愛知)】

 <とんかつのKどや>。名鉄諏訪町駅前の肉系総菜店&肉食堂である(たぶん)。「びふてき」と大きく書かれた袖看板に前を通るたび心を震わせる。

 9月最終の土曜日。午前中に神戸を発ち、尾張名古屋経由で東三河の諏訪町へ向かう。名古屋は曇り空だったが、西三河に差し掛かるあたりから車窓を雨がたたき出した。諏訪町に降り立った時には、引くほどの豪雨。

 折り畳み傘に身を縮めつつ、徒歩8分ほどのミッション会場へ向かう。真っ先に視界に入る「びふてき」の袖看板。この曜日(土曜)のこの時間(13時30分頃)、<かDや>が開いていた。私が店の前を通る曜日や時間帯が悪く、いつもシャッターが閉まっているか休憩中だった。

 歩くスピードを緩め、ガラス戸から店内をチラ見。入口付近にいくつかの種類の総菜パッケージが見えた。カウンターにはコロッケとメンチカツも。老眼だが、遠くはよく見える。

 いったん通り過ぎた後、10mバックした。傘を畳み、店内へ。本能的行動である。

 肉系以外にも家庭の味的総菜が並んでいる。焼豚のブロックがあまりにも輝いている。しかし、買いすぎると食べきらず轟沈する。諏訪町日帰りの際はプリオ1階のスーパー(Mム)で稲荷寿司などを購入していたが、貴重な肉惣菜店の営業中タイミング。外せない。

 人気ナンバー1とPOPにある「カツサンド」を手にした。自家製の肉団子6ヶ入りも。カウンターに並べられたコロッケとメンチカツも1ヶづつ。帰宅して晩酌の肴にするか、帰りの新幹線で発泡酒やハイボールとともにやるか。

 豪雨の中を歩きつつ、数時間後の晩酌戦略を練っていたたら打合せ会場着。この日のミッションはどんなに長くても1時間で終わるかと思いきや、休憩なしのたっぷり2時間。プリオ内の生涯学習センターがあまりにも人気で半年先の会場手配が困難を極めた。

 終了後、諏訪町駅へ向かう。雨も上がった。<かどや>は休憩中の札が。前半に勝負して正解である。次回の諏訪町入りは約2カ月後。名鉄に乗って国府で乗り換えて名古屋へ。

 名古屋駅は国内外の旅行客でごった返している。スマホで検索すると、岡山終点のひかり号が幾分空いていた。

 新神戸を起点に、東京なら2時間45分、小倉なら2時間、名古屋は1時間ちょっと。酒を買いすぎぬよう駅ホームの売店で缶チューハイ、愛知のカップ酒、250mlの赤ワインを捕獲。

 2人掛けの隣は空いていたので、まずはカシュッとグビビビビ。コロッケとメンチは自宅用に回し、肉団子とカツサンドを広げる。

 肉団子、甘酢だが肉肉しくてギュウギュウ。味が濃い。カツサンド、マヨが隠し味となってパン、野菜とのバランスも見事。新神戸に着くころ、酒が3種類、食いもの2種類がテーブルから滅失。帰宅後の独り2次会揚物晩酌が楽しみである。

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「びふてき」の惹きが強すぎ。

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1時間の至福。

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猪口カップが優雅。

posted by machi at 09:46| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月13日

第3615夜:あきみせかつどう2024上期初級編【豊川(愛知)】

 旧あいちや。長年豊川市民に愛され続けた元食堂であり、すわポン商店会主催「あきみせかつどう2024」ワークショップ(上期初級編)の舞台でもある。旧あいちや物件オーナーのご厚意で、あいちやを舞台に様々なビジネスプランを発表する企画である。

 2024年4月にスタートし、月1回ペースで3回ワークショップを実施。そして7月下旬、集大成となるプレゼン大会が決行された。

 3つのグループが発表。「焼き菓子とペット洋服」「おむすび屋」、そして「きんにく処たんぱく室」。どのグループも見事なプレゼンだった。完成度が増していた。私は審査委員会の座長を仰せつかった(委員長ではない)。栄えある最優秀は…。下期実践編へ移行が楽しみである。

 事務局メンバーで懇親会。会場は長年豊川市民に愛され続けている<お多香食堂>。食堂を舞台に展開した「あきみせかつどう2024前半」に相応しい。食堂の女将さんがワークショップに参加して下さり、この御縁で実現した。

 瓶ビールが冷えて旨い。キリンラガー。これぞ食堂のビールである。

 メニューを見る。恐ろしく安い。玉子丼が500円、日替わり定食が600円。一品料理もどれも300円前後。正しい日本の昭和である。DNAレベルで魂が打ち震える。

 料理はお任せ。どれも抜群。フーチャンプル、わかめ冷奴、鯖照焼(白菜漬物)、ぷりぷりのエビフライ&串カツ(ハムサラダ)、冷しそば…。どれもひと手間ふた手間加えられている。これぞ、プロである。

 瓶ビールを数本ヤった後は、焼酎を水割りで。ジョッキでナミナミである。それからハイボールをド鯨飲。

 富士宮焼そばを追加。実に香ばしくて旨い。至福に浸りながら外で煙草を吸っていると、人懐っこい猫が。すっかり居ついたらしく、客が食い物を食べさせるのか丸々太っている。

 大満足で店を出る。<一本屋>がラストオーダー終了していたので、メンバーと向かったのは<Nello>。イタリアンバールである。思いっきり住宅街にあり、目立たず分かりにくい。しかし、たっぷりと客はいる。遅くまで開いているようだ。

 メニューを見る。平均600円程度。イタリアンバールにしては安すぎないか。

 コロナビールがすっきりと旨い。料理はお任せ3品に。その前のお通しが迫力満点。普通でないハムとマカロニのセットである。たっぷりだ。アボカドのフリッターはサクサクのトロトロ。旨すぎる。

 おまかせ3品には芯底度肝抜かれた。ローストビーフ、生ハムのサラダ、そして映えまくる説明困難な究極の一品。気づけば赤ワインも3本空に。

 地域に愛されるお店は、立地がすべてではない。コスパだけでもない。客の期待を上回るシアワセな驚きを提供できるかである。成功の秘訣は、人気店を訪れればおのずと理解できるものである。

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食堂で前期打ち上げ。

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正しい日本の食堂。

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何喰っても郷愁の旨さ。

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ほぼ貸切状態に。

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2次会はオシャレなバール。

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お通しも気合満点。

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至福。

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悶絶。

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満開。

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いいチームです。

posted by machi at 10:57| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする