全国無敵のチャレンジショップとして名高い『夢CUBE』。プロジェクトは2007年にスタートし、現在11、12年目を迎えている。1〜3年で卒業すると商店街の貸店舗に続々出店。結果的に魅力あふれるお店でびっしり。それに寄せられて観光客も地元民も押し寄せる好循環である。
更なる受け皿として「夢長屋」「きらっ都」なども誕生。チャレンジから本格出店に繋がるゴールデンルートが完成している。卒業生の多くは商店街の理事にも抜擢され、自店だけでなく地域全体の活性化にも尽力している。行列のできる店も多数で、成長ぶりが凄まじい。
ある1月の朝。私は約10年ぶりに近鉄奈良駅に降り立った。痛風足を引きづりながら開店前の商店街を歩く。明らかに外国人観光客が激増し、それに対応した店も増えているようだ。
市の創業支援集客施設で鰍ワちづくり奈良が運営する「きらっ都・奈良」へ。まちづくり会社社長および餅飯殿センター街理事長などを兼任するM森氏と10年ぶりに邂逅。理事長はいつまでも若々しく、発想と行動力は永遠に衰えるどころか輝きは増すばかりではなかろうか。
10年前に商店街を視察させていただいた際も圧巻だったが、凄みはさらに増している。ただ、M森理事長が10年たっても理事長なのは、いわゆる‘商店街あるある’というご愛敬である。
M森理事長、U谷副理事長、奈良市中活研S堂専務をはじめまちづくり会社や奈良市中活協議会の皆さまと意見交換の後、中心商店街をご案内頂く。
商店街は大賑わいである。歩く先々で「ここ、夢CUBE卒業生のお店」とご紹介いただく。その都度、私の口から感嘆のため息が漏れる。立地や条件等で商店街ではなく他地区で出店した卒業生も、結局は商店街に戻って開業するという。外洋に出た鮭が産卵のために戻ってくる、大いなる母なる大河のような商店街である。
昼食は夢CUBE内のうどん&丼<瑞穂>さんで。海老と野菜のかきあげ玉子とじ丼、かなりのボリュームで旨すぎ。贅沢な一品であり、チャレンジショップではなかなか味わえない超本格派。間違いなく商店街で本格店舗を構え、あっという間に人気店になるだろう。
食後もたっぷりと中心商店街を視察。どこの個性があり、味がある。歩いている客層が異なる。JR奈良駅は初めて足を運んだが、特に欧米人で賑わっている。ホテルもチェーン店も景観に配慮したファサード設えであり、古都の底力を感じさせる。
ミッション終了後、「きらっ都・奈良」2階コワーキングスペース『NARA EGG』を利用。2時間までは500円、それ以上は1000円。ワンドリンク付で利用は伸びているという。
私が利用したのは15時過ぎからだが、すでに先客は10名近く。その一角に陣取り珈琲呑みながらPC猿打。凄まじく捗るが、凄まじく暖かくて居心地よく睡魔も強烈。
私はたっぷりと2時間以上利用する。普段は煙草が吸えるcaféをコワーキングスペースとして勝手に活用しているが、本格的な利用は初めて。
2018年度に入って富良野、寄居、越谷のコワーキングスペースを利用したり見学したり活用について意見交換してきた。沖縄市のコワーキングも外観は凄かった。
夜は<ホテルフジタ>にて餅飯殿センター街祝賀パーティにお招き頂く。豪華な立食&コンパニオン付である。
一人所在なさげな私をS堂氏が色々お気遣い頂き有難い限り。おかげで予定より30分以上延長滞在する楽しき夜に。FB友人だった奈良県商工会連合会K原氏にもお目に掛かれて嬉しい限りである。
神戸まで遠し。中座して近鉄奈良駅へ向かうが、エンジンが掛かっているので呑み足りない。阪神なんば線で近鉄奈良から神戸三宮まで乗り換えなしの80分。寄居から朝霞台と変わらぬ。
駅構内のコンビニでポケットバーボンを車内一人2次会用に、テイクアウト寿司屋で半額だった助六を自宅晩酌用に捕獲。気分は古都奈良モードになり、江戸時代が舞台の田中啓文先生のミステリを読みながらという至福の帰路に。
マザーリバーな商店街、餅飯殿。平城遷都2000年祭を迎える時も、奈良の中心市街地は今まで以上に賑わっていることだろう。

伝説の始まり「夢CUBE」。

「きらっ都」。

「夢長屋」。

ボリューム満点。




古都の中心市街地を久々にたっぷりと視察。

おめでとうございます。