2025年03月02日

第3607夜:異世界転生【周南(山口)】(後編)

 売店へ。徳山駅限定駅弁は売切。どうせなら山口県産、可能であれば周南市産で揃えたい。

 地酒コーナーへ。獺祭などが並ぶ中、周南市の酒造メーカーの300ml純米酒「西都の雫 原田」をカゴに。米も米麹も山口県産とある。ミニカップは付いていないが、このサイズならラッパ呑みでも好感度は維持できる気がする。

 ツマミ軍団は下関市のメーカーが強い。必死で探して…見つけた。周南市内のメーカーによる「肉のちょいつま」シリーズから「チーズウィンナー」もカゴに。温めた方が旨いとあるが、新幹線車内でそんなことはできない。楊枝もないので、冷えたウィンナーを手づかみで、地酒をラッパ飲み作戦を思い描く。野趣あふれる水軍である。

 この2種だけでは2時間心もとない。缶ハイボールのロング缶を放り込む。もう一品は周南市でなく長門市のメーカーの「活魚揚げ」。3枚入り220円。これ、超絶に旨かった。ボリュームもあり、冷えて丸かじりでも絶品。地酒にもハイボールにも好適である。

 今後の周南帰路の軍略が固まった。居酒屋で喉を開き、新幹線で地酒と地ウィンナーと地練物。ただ、ミッションが早く終わると居酒屋工程を割愛せねばならない。

 約半年間、月イチのペースで周南入りすることに。U野氏&K村氏と久々に酒を酌み交わしたい。ゴルゴ談議に華を咲かせながら。K村氏がゴルゴマニアに堕ちていることを願う。

 それから約1か月後。周南(徳山)へ再訪。初回と異なり視察無し。ミッション会場は徳山駅から南北通路で直結している異世界の風格漂うにぎわい交流施設の3階会議室。

 休憩なしでたっぷり2時間の濃密を終え、新幹線改札口へ。1時間に1本程度というレアな徳山⇔新神戸直行便は約20分後に発車する。

 徳山駅南口は日本有数のコンビナート群が広がっている。駅周辺はビジネスホテルが林立。観光客よりビジネス客が目立つ。まだまだ日差しはきついが、少し西日に傾いてきた。駅のホームは観光客よりビジネス客の数が圧倒している。

 直行便ゆえ、新神戸まで約90分。この日は滋賀県守山市から始発電車でいったん神戸に自宅に戻ってから周南へ。さすがに疲労が濃い。

 駅売店で缶ビールロング缶を1本だけ購入。冷たいうちに、駅ホームでほぼ一気飲み。人心地ついたころ、新幹線入線。乗り込み、少しだけ迷ったがPCを取り出し、電源を入れた。

 会議場所から交流拠点まで建物として繋がっている。兵庫県神戸市から山口県周南市まで新幹線で移動し、ミッション2時間で帰神。掛け値なしに一歩も地上へ出ることがない。

 これからもこのサイクルが続くのかもしれない。異世界に完全に取り込まれたスライム状態である。

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現実に戻る(神戸に戻る)ための90分間。

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ロング缶を一気飲み。

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活魚揚げ、200円ちょっとで旨い。お気に入り。

posted by machi at 05:51| Comment(0) | 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月01日

第3606夜:異世界転生【周南(山口)】(前編)

 徳山。日本有数の工業地帯であり、何かのコンビナートで有名である。毎週のように新神戸から小倉を新幹線で往復する私にとって、車窓から眺める海側のコンビナート群、山側のビジネスホテルが林立する街並みはお馴染みに光景である。

 徳山は新幹線停車駅である。何年か前に2市2町が合併し「周南市」に。

 周南へは2013年か14年ごろ1度だけ訪れたことがある。シゴトではなく、ただ吞むだけのために。役所のU野氏と商店街のK村氏と3人で商店街のどこかの居酒屋で鯨飲。私とU野氏がひたすらゴルゴの話で盛り上がってしまい、ゴルゴを嗜まないK村氏を100億光年置き去りにした記憶がある。逆に言えば、その記憶しかない。

 駅も、街並みも、泊まったホテルさえもあまり覚えていない。夜間に到着し、街並みを視察せず呑んで寝て、翌朝神戸に戻っただけだったからだろう。

 それから干支が約一回りした2024年の夏。周南へ足を運ぶ機会を得た。十数年ぶりに徳山駅で下車。イメージが全く違う。当時は無かっただろう南北自由通路や駅前図書館、カフェが誕生。新たにホテルが数棟屹立していた。

 度肝抜かれた。前回の記憶薄弱といえ、これほど強烈でパワフルで垢ぬけた街だったのか。

 市役所や商工会議所の方々にたっぷりご案内頂く。徳山駅前は再開発で大きく様変わり。凄まじく来客が増加。観光都市でない故、市民の殺到ぶりだけでもポテンシャルを感じさせる。

 商店街も老朽アーケードが順調に撤去が進んでいる。味わいのある店構えも多い。市、商工会議所、商店街、市外のプロ機関などの密接な連携が実に力強く機能している。

 ミッション終了。時間は17時。夜の店が開きだす頃合いである。十数年ぶりの周南。イッパイやって神戸に戻りたい。

 駅前の<タイヨウギョーザ>なる惹きの強い店に飛び込んだ。18時までハッピーアワーでアルコールは280円。たっぷり1時間はハッピーに楽しめる。

 1日の勤務を終えたクールビズ姿の地元(たぶん)サラリーマンがどんどん入ってくる。地元の人気店であることが伝わる。

 らっきょ、餃子の皮せんべい添えポテサラ、ポテトフライなどを先鋒に、9種類の餃子から「極み餃子」を召還。肉がぎっしりで超絶に旨い。これを食べに来るだけでも周南入りする価値が倍増する。エビマヨもプリプリで極上だった。

 生2杯、辛口レモンサワー3杯ほどイッキに。きびなご天ぷらも西日本の味わいである。

 1時間ちょっと満喫し店を出る。新幹線乗車まで15分。これを逃すと1時間待ち。広島での乗換時間含め新神戸まで約2時間。空腹でないが、何か呑みたい。ツマミたい。〔次夜後編〕

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生まれ変わった徳山駅。本屋&カフェ&図書館などが併設。

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駅前の商店街。

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中心市街地のアーケード商店街。

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駅前のオアシス。

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瞬殺。

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熱愛。

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鉄板。

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王道。

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変化。

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官能。

(付記)

このバカブログのタイトルは、一応「まちづくり」。私がまちづくり業界に飛び込んだのが1999年3月1日(新長田まちづくり鞄社)。転籍、独立を経て今日(2025年3月1日)でまさかの26年目突入。四半世紀もこんな不安定なシゴトをフリーで商いにしているとは。初老に差し掛かり、日々の著しい老化の進行に昔日の想いでありますが、仕掛かっている案件がいくつか残っており、もうひと踏ん張りと存じます。これからも御贔屓に!

posted by machi at 03:37| Comment(2) | 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月18日

第2216夜:用件を聞こうか……【下関(山口)】

 下関市立美術館。下関駅からバスで20分以上もかかるビューポイントに位置するこの美術館で、普段アートなど1gも関心が湧かない私のような輩でもスルーできない特別な催しが開催された。『連載50周年記念特別展 ゴルゴ13 用件を聞こうか……』である。

 全国各地の美術館などで巡回開催され、源平合戦終結の地・下関がフィナーレという。連載から52年目を迎えた2019年3月下旬の快晴の日、神戸から下関へ足を運んだ。フグもその他の観光スポットも軽く無視。目的はただ一つ。ゴルゴである。

 下関駅に正午着。駅構内の飲食店で海鮮ミックスフライ定食をツマミに瓶ビールをヤリながらバスの発車時刻を待つ。バスは唐戸市場、関門大橋などを通り過ぎる。つかの間の旅情気分を味わう。そして、美術館前へ。

 入り口で凛々しいゴルゴがお出迎え。自動ドアには「ズキューン」の文字が。

 館内はさいとうプロの生み出した貴重な原画の数々が。一つづつ食い入るように鑑賞する。

 連載開始は1967年。さいとう先生は御年80を超えるが、まだまだ健筆だ。シリーズ屈指の名作『海へ向かうエバ』も原画で1話まるまる読むことができる。壁一面に貼りだされたゴルゴがこれまで抱いた女たち一覧も圧巻である。

 作品に登場した数多くのモデルガンも展示されている。その提供協力が何故かすべて堺市役所。妙に納得させられ苦笑が漏れる。

 実際のモデルガンライフルを構えてみる。ズシリと重い。普段一人のワンショットなど絶対に撮影しないが、会場内の「ゴルジョ」に依頼。それにしても年配者が多い。私と同年代か、それ以上。そして意外なほど女性(熟女)が多い。

 さいとう先生の仕事場再現、先生のロングインタビューなどを満喫。売店も垂涎グッズばかり。たっぷり2時間弱、至福の世界に浸る。

 見逃せないコーナーがあった。船戸与一特集である。冒険小説の雄・船戸先生は別名義でゴルゴの脚本を数作品書かれている。私は情念と血飛沫煙る船戸節の大ファン。『猛き箱舟』『蝦夷地別件』『砂のクロニクル』をはじめ、南米三部作(山猫の夏・神話の果て・伝説なき地)、東南アジア5部作などかなりの数が我が本棚を占めている。

 会場のゴルゴファンは素通りしていたが、船戸先生のプライベートショットが割と雑にたっぷりと掲示され見入ってしまう。

 私は大学生の頃からゴルゴに似ているといわれてきた。今(2019年3月)より20年以上前で、20s痩せていた。当時からゴルゴ刈を始めた。今やゴルゴ的鋭さは皆無になり、S郷隆盛氏やBギンのボーカル氏そっくりと言われている。

 ゴルゴは世界どころか宇宙を股にかけて仕事しているが、私は日本国内限定である。

 ゴルゴは聞き手を他人に預けない(握手しない)が、私はしょっちゅう握手し、頭を下げている。

 ゴルゴの報酬は全額スイス銀行に前払いだが、私の報酬は報告書提出後に地元の地銀に2ヶ月〜1年遅れで振り込まれる。

 ゴルゴはほとんどしゃべらないが、私は飲み屋やスナックでペラペラしゃべっている。

 ゴルゴはどこに行ってもモテモテだが、私はどこに行っても気味悪がられる。

 ゴルゴの愛用武器はM16アーマライト変型銃だが、私の愛用武器はポストイットである。

 ゴルゴは18か国語に堪能だが、私は日本各地の方言のみ堪能である。

 自宅にはゴルゴ文庫版が150冊以上ある。すべて読み返すには半年以上かかりそうだが、もう一度ゴルゴ道について深く考察する所存。「世界一白ブリーフが似合う男」を目指さねばならぬ。

 これから私への依頼は、メールや携帯ではなく、KISS−FM(89.9)に讃美歌13番をリクエスト願います。用件を聞こうか……。無駄話も含めて。

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魂のレベルで震える感動。

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少々照れくさいが。

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ロックオン。
posted by machi at 08:13| Comment(0) | 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする