2023年09月25日

第3160夜:肉便器な男【野田(千葉)】

 肉便器。字面からして卑猥、猥褻、背徳、狂気を連想させる変態極まりない3文字である。

 日中が28度に達した4月の夜。K出氏率いる<野田ギルドハウス>運営チームとハウスから徒歩すぐの<VERY>へ。この店は夏に野田市商連の皆さまと足を運んだことがある。洋風居酒屋で、ビッグな大皿料理が絶品である。

 ギルドチームのY川嬢、L氏の御両人はK出氏に劣らず優秀の極み。Y川嬢の冷静な毒舌はいつも場を和ませる。韓国出身・L氏の日本だけでなく世界を股に掛けた007ばりの活躍っぷりに毎回驚かされる。L氏と話すたびに、隣国のポテンシャルの高さに慄いてしまう。

 今回はギルドを中心に活躍の場を広げつつあるカメラマン2氏も参戦。30代男性は現在はカメラが軸だがプロのカーレーサー。様々な特殊能力を有している異能の御仁。20代男性は大手企業を脱サラしカメラマンに。ご両人ともカメラでメシが喰えているという実力の持ち主だ。

 私はこの中で圧倒的にオヤジ。皆さんの会話についていけないことも。野田市商連の空き店舗対策チームも若く感じるが、さらに若い面々。時の流れを痛感せずにいられない。

 K出氏は野田の街なかのあらゆる難題を一手に引き受け、というか引き受けさせられている雰囲気。断れない性格に加え、リスクを背負いつつこなしてしまう能力ゆえ、頼りにされ過ぎているようだ。プラスワードではスーパーマン、便利屋。マイナスワードではドMあたりか。

 K出氏が野田ミッション時の定宿・隣町の春日部まで車で送って下さることに。私は後部座席、助手席はY川嬢。

 車中でK出氏の悲惨すぎる境遇を耳にする。目も耳も当てられない状態である。とても詳細は記せない。そんな状況を自虐し、氏は自身のことを「肉便器」と称した。

 氏曰く、AVにムナクソ系というジャンルがあるそうな。女性を徹底的に凌辱するという。一般のSMの比でないらしい。内容を聴けば、そんなモノを観るヤツがいるのかと疑問を持つが、ジャンルとして確立されているという。

「肉便器の『器』は『姫』という字になるんですよ」

 笑みを浮かべる氏の表情に狂気じみた光悦を感じる。

 肉便「姫」は出演の対価として報酬が出るそうだが、K出肉便「器」は報酬どころか持ち出しという。彼の話を聴いていると、公衆便所や犬などのワードすら上品に覚えてきた。

 春日部までの30分、ひたすら「肉便器」が話題に。そして、30分間車内爆笑。

 私の周りのまちづくり関係者に、二つ名を有している者はあまりいない。最も著名なのが、愛知岡崎幕府の上様ことM井氏。上様には「まちゼミの伝道師」という無双の二つ名がある。

 ちなみに私は自称「ヨゴレまちづくり屋」。K出氏は私の二つ名がお気に入りだったようだが、私はそもそも存在希薄かつ無名ゆえ全く浸透していない。稀に「大佐」と呼ばれる程度。

 余談ついでに、何かで私が「ミスター空き店舗」と紹介されているのを目にした。私が空き店舗を増やしているようにしか思えない死神チックな二つ名。誰も招こうと思わないだろう。

 私はK出氏に二つ名を贈ることにした。「まちづくりの肉便器」。話題は、氏以外に「まちづくりの肉便器」が全国に存在するかに移った。

 私の少ない人脈を思い浮かべる。苦労されている御仁、頼られ過ぎている御仁はあれど、ここまでの肉便器っぷりは思い当たらない。そもそもホンモノの肉便器は監禁・軟禁状態で外界の情報すらシャットアウトされているはずなので、私などにたどり着けないはず。

 私は「まちづくり肉便器サミット」を提案した。全国の肉便器が事例報告やパネリストとして自身の悲惨な境遇を語り尽くす。

 昔は肉便器だったが今は違う、という人生逆転テイストは不可。現在も肉便器のままというオチも希望もない、これぞ肉便器的ムナクソ話に終始して頂きたい。しかし、サミットを開催しようにも、私の知る限り、現状ではK出の単独講演会になってしまう。

 翌日、ギルドハウス集合解散で「空き店舗ツアー」が朝から開催される。ギルドハウスはトイレの位置が少し分かりにくい。

 参加者からトイレはどこか聞かれたらどうしよう。K出氏が聴かれたら「オレです」。私が聴かれたら「ココです」とK出氏を指さすしかないのか。


頼もしい大皿の数々。

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愛すべき肉便器の後ろ姿。

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posted by machi at 08:28| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月22日

第3175夜:ウロボロス【野田(千葉)】

 ウロボロス。古代神話における巨大な蛇である。自分自身で尻尾を喰ってしまい、始まりも終わりもない大きな円、完全という象徴であるという。

 10日後に新年を迎える師走の午後。東武線栃木駅から春日部駅を経由して愛宕駅下車。ブラブラ歩いて野田商工会議所へ。打合せを経て、16時から野田市商連&会議所の皆さまと全集中で空き店舗滅失対策会議。

 次年度(2023年度)本格着手する空き店舗対策事業の詳細、確定ではないが見えてきた。短期、中期、長期というステップアップの観点を計画に盛り込まれていた。今回は2年間1クールのシーズンTだが、シーズンU・Vにも移行しそうな気配も漂ってきた。

 恒例の懇親会はブラブラ愛宕駅近くまで歩いて<勢喜音>へ。野田に初めて御縁を頂いたのが2022年1月の松の内も明けぬ初旬。その際、二十数名でこの店で懇親会を決行した。2022年最初のソトノミが野田。1月上旬に御縁を頂き、5月末から月1回ペースで野田入りするように。

 毎月様々な店で懇親会を満喫させて頂いた。名店揃いの中でも、この店は私にとって原始。とりわけ感慨深いものがある。冒頭に紹介した、ウロボロス状態。始まりと終わりが一体となり、無限ループとなる。

 生で乾杯。どんなに寒くても「とり生(とりあえず、生)」という長年染みついた習慣は抜けるものではない。

 お通しは味噌田楽。ゆずの香りが爽やか。この日は冬至らしい。すっかり曜日や記念日、節目感覚が滅失してしている。冬至の柚子味噌、何とも嬉しい。しんしんと寒い旅先のシブい居酒屋というシチュエーションもヨロコビを倍加させる。

 ホワイト餃子は野田では鉄板。月1回ペースで味わっている気がするも、この店は焼き方が絶妙。いくらでも喰ってしまう。

 左隣のM田会長のお話をお聞きしながら、右隣のN人氏が作って下さる絶妙濃さのハイボールを鯨飲。色々チーズ乗せクラッカーも頼まずにいられない。ヤマベという魚の唐揚、酒の肴に好適。普通の鶏の唐揚すら、この店ではなぜこんなに旨いのか。

 数時間経過。気づけば店内客はM田会長と私とクライアントコンビの4名だけ。さらにハイボールを浴びるように呑む。

 M田会長にお礼と暮れのご挨拶を述べ、我ら3人は愛宕駅へ。私は愛宕駅から20分ほどの春日部に宿。しかしクライアント氏はお一人が浦和美園、もうお一人が新宿。

 首都圏の路線図、ウロボロスが何十匹も絡み合った複雑さ。どこが始点で終点か分からない。お二人とも無事帰れるのだろうか。私は乗り換えなしの春日部までが限界である。

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2023年04月04日

第3144夜:濃いめの理由【野田(千葉)】

 <住吉>。日本各地で散見される地名である。宇宙一の醤油シティ・千葉県野田市においては街なかの蕎麦居酒屋を指す。2022年1月から野田と御縁を頂き、1年間で最も結果的に私が足を運んだ店である。

 渋さを極めた店内はいかにも老舗蕎麦屋だけど、野田市商連の旦那&若旦那&女将衆や伴走支援武士としか訪れたことがない。時間は18時以降。懇親会会場としてである。よって、私は蕎麦屋に複数回通っているのに蕎麦を喰ったことがない。

 野田最強名物ホワイト餃子、巨大玉子焼も絶品。豊富な居酒屋メニューの中で私は「イカメンチ」がお気に入り。タルタルも旨いけど、とんかつソースが好適。ジャンクな旨味が溢れる逸品である。豚レバー焼も旨かった。

 人気ナンバーワンは「そばピザ」。生地がそば粉なのか、わずかにほろ苦い。さっぱりと旨い。

 全国の銘酒が激安でたっぷり呑めるのも魅力。生ビールも夏はキンキン冷え冷え。そして、ハイボール。最初は普通よりちょい濃い目。途中から明らかに濃くなり、最後はジョッキに8割ほどウィスキーがストレートで。炭酸水を別途渡される。

薄めから濃い目へ、最後はストレート。不思議な世界観である。 

 日中は暑いが夜は一気に冷え込んできた晩秋の夜。恒例の月イチ懇親会は数カ月ぶりに<住吉>。貸切状態である。全員揃ったところで本格乾杯。

 2杯目からハイボールにしようと、ママさんに注文。ママさんが私を見て「よく呑む人でしょ」。

 確かによく呑む。数カ月ぶりでまだ3,4回目なのに顔と体型とインチキ関西弁が印象に残っていたのだろうか。

 ママさんは「●●ハイボールにしない?このジョッキで」。●●は国産のメーカーで初耳だったが、ジョッキはメガ。はい、喜んで。

 何とかハイボールが届いた。重い。泡らしき気泡は1粒もない。口に運ぶ。美味しい。美味しいけど、ハイボールというより超濃い目の水割りだ。

 談笑し、旨し肴を味わい、謎のメガハイを流し込む。たっぷりの量が空になる。お代わり注文。

 ママさんが厨房に「お代わり〜、濃い目」。特に濃い目をリクエストしたわけでないのだが、濃い目が来た。ほろ酔ってくると濃さなど麻痺する。

 さらにお替りすると今度は厨房に「超濃い目〜」。なぜ、超濃い目なのか。そして、お替りするたびにママさん、最初は愛想よかったがだんだん険しい表情に変わってきた気がした。

 何故、薄めが濃い目になるのか。何故、杯を重ねるたびに表情が険しくなるのか。

 その疑問をこの店の常連である同席氏たちに投げかけた。常連氏たちは苦笑いを浮かべながら教えてくれた。ママさん、何度も作って運ぶのが面倒らしい。視界が晴れた。謎が解けた。

 ママさんは最初、私を思い出してメガジョッキにて運ぶ回数を減らすことを試みた。しかし私のペースが普通ジョッキと変わらない。濃い目、超濃い目のメガで注文ペースを落とさせることを試みた。ところが想定外のハイペース。ママさんの表情が険しくなったのだろう。

 一般のつまらない店なら、透明に近い薄味のハイボールを提供し、何杯も呑ませてお会計を加算する。それが気に入らなれば客は濃い目を追加料金するか、その店に行かないか、他の割れない酒精(日本酒・ビールなど)を頼む。

 この店は、一般的な酒場経営の逆張り。次回足を運ぶ機会があれば、私はどのように飲みものを頼もうか。いっそのこと、手酌のハイボールセットをお願いできないだろうか。もし私が最後に独りだけ蕎麦を頼めば、般若になるかもしれぬ。

 初の2軒目へ。愛宕駅近くのバー<CABIN>。なかなかの人気店である。ここでも1杯目からハイボール。バーゆえ、ジョッキではなくグラスで。炭酸シュワシュワだけど、そこそこ濃い。

 私は缶ハイボールでも7%と9&があれば迷わず9%をかごに入れる。同じ値段であるならば。

 世界一の醤油シティ・野田。地場産業(醤油)も濃いが、人もハイボールも超濃い目である。

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シブい名店。

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超濃い目。

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ホワイト餃子は野田無双名物。

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このお店の「イカメンチ」絶品。

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蕎麦屋のピザ。

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2軒目。

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野田の夜は超濃い目。

posted by machi at 08:46| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする