2023年05月22日

第3175夜:ウロボロス【野田(千葉)】

 ウロボロス。古代神話における巨大な蛇である。自分自身で尻尾を喰ってしまい、始まりも終わりもない大きな円、完全という象徴であるという。

 10日後に新年を迎える師走の午後。東武線栃木駅から春日部駅を経由して愛宕駅下車。ブラブラ歩いて野田商工会議所へ。打合せを経て、16時から野田市商連&会議所の皆さまと全集中で空き店舗滅失対策会議。

 次年度(2023年度)本格着手する空き店舗対策事業の詳細、確定ではないが見えてきた。短期、中期、長期というステップアップの観点を計画に盛り込まれていた。今回は2年間1クールのシーズンTだが、シーズンU・Vにも移行しそうな気配も漂ってきた。

 恒例の懇親会はブラブラ愛宕駅近くまで歩いて<勢喜音>へ。野田に初めて御縁を頂いたのが2022年1月の松の内も明けぬ初旬。その際、二十数名でこの店で懇親会を決行した。2022年最初のソトノミが野田。1月上旬に御縁を頂き、5月末から月1回ペースで野田入りするように。

 毎月様々な店で懇親会を満喫させて頂いた。名店揃いの中でも、この店は私にとって原始。とりわけ感慨深いものがある。冒頭に紹介した、ウロボロス状態。始まりと終わりが一体となり、無限ループとなる。

 生で乾杯。どんなに寒くても「とり生(とりあえず、生)」という長年染みついた習慣は抜けるものではない。

 お通しは味噌田楽。ゆずの香りが爽やか。この日は冬至らしい。すっかり曜日や記念日、節目感覚が滅失してしている。冬至の柚子味噌、何とも嬉しい。しんしんと寒い旅先のシブい居酒屋というシチュエーションもヨロコビを倍加させる。

 ホワイト餃子は野田では鉄板。月1回ペースで味わっている気がするも、この店は焼き方が絶妙。いくらでも喰ってしまう。

 左隣のM田会長のお話をお聞きしながら、右隣のN人氏が作って下さる絶妙濃さのハイボールを鯨飲。色々チーズ乗せクラッカーも頼まずにいられない。ヤマベという魚の唐揚、酒の肴に好適。普通の鶏の唐揚すら、この店ではなぜこんなに旨いのか。

 数時間経過。気づけば店内客はM田会長と私とクライアントコンビの4名だけ。さらにハイボールを浴びるように呑む。

 M田会長にお礼と暮れのご挨拶を述べ、我ら3人は愛宕駅へ。私は愛宕駅から20分ほどの春日部に宿。しかしクライアント氏はお一人が浦和美園、もうお一人が新宿。

 首都圏の路線図、ウロボロスが何十匹も絡み合った複雑さ。どこが始点で終点か分からない。お二人とも無事帰れるのだろうか。私は乗り換えなしの春日部までが限界である。

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2023年04月04日

第3144夜:濃いめの理由【野田(千葉)】

 <住吉>。日本各地で散見される地名である。宇宙一の醤油シティ・千葉県野田市においては街なかの蕎麦居酒屋を指す。2022年1月から野田と御縁を頂き、1年間で最も結果的に私が足を運んだ店である。

 渋さを極めた店内はいかにも老舗蕎麦屋だけど、野田市商連の旦那&若旦那&女将衆や伴走支援武士としか訪れたことがない。時間は18時以降。懇親会会場としてである。よって、私は蕎麦屋に複数回通っているのに蕎麦を喰ったことがない。

 野田最強名物ホワイト餃子、巨大玉子焼も絶品。豊富な居酒屋メニューの中で私は「イカメンチ」がお気に入り。タルタルも旨いけど、とんかつソースが好適。ジャンクな旨味が溢れる逸品である。豚レバー焼も旨かった。

 人気ナンバーワンは「そばピザ」。生地がそば粉なのか、わずかにほろ苦い。さっぱりと旨い。

 全国の銘酒が激安でたっぷり呑めるのも魅力。生ビールも夏はキンキン冷え冷え。そして、ハイボール。最初は普通よりちょい濃い目。途中から明らかに濃くなり、最後はジョッキに8割ほどウィスキーがストレートで。炭酸水を別途渡される。

薄めから濃い目へ、最後はストレート。不思議な世界観である。 

 日中は暑いが夜は一気に冷え込んできた晩秋の夜。恒例の月イチ懇親会は数カ月ぶりに<住吉>。貸切状態である。全員揃ったところで本格乾杯。

 2杯目からハイボールにしようと、ママさんに注文。ママさんが私を見て「よく呑む人でしょ」。

 確かによく呑む。数カ月ぶりでまだ3,4回目なのに顔と体型とインチキ関西弁が印象に残っていたのだろうか。

 ママさんは「●●ハイボールにしない?このジョッキで」。●●は国産のメーカーで初耳だったが、ジョッキはメガ。はい、喜んで。

 何とかハイボールが届いた。重い。泡らしき気泡は1粒もない。口に運ぶ。美味しい。美味しいけど、ハイボールというより超濃い目の水割りだ。

 談笑し、旨し肴を味わい、謎のメガハイを流し込む。たっぷりの量が空になる。お代わり注文。

 ママさんが厨房に「お代わり〜、濃い目」。特に濃い目をリクエストしたわけでないのだが、濃い目が来た。ほろ酔ってくると濃さなど麻痺する。

 さらにお替りすると今度は厨房に「超濃い目〜」。なぜ、超濃い目なのか。そして、お替りするたびにママさん、最初は愛想よかったがだんだん険しい表情に変わってきた気がした。

 何故、薄めが濃い目になるのか。何故、杯を重ねるたびに表情が険しくなるのか。

 その疑問をこの店の常連である同席氏たちに投げかけた。常連氏たちは苦笑いを浮かべながら教えてくれた。ママさん、何度も作って運ぶのが面倒らしい。視界が晴れた。謎が解けた。

 ママさんは最初、私を思い出してメガジョッキにて運ぶ回数を減らすことを試みた。しかし私のペースが普通ジョッキと変わらない。濃い目、超濃い目のメガで注文ペースを落とさせることを試みた。ところが想定外のハイペース。ママさんの表情が険しくなったのだろう。

 一般のつまらない店なら、透明に近い薄味のハイボールを提供し、何杯も呑ませてお会計を加算する。それが気に入らなれば客は濃い目を追加料金するか、その店に行かないか、他の割れない酒精(日本酒・ビールなど)を頼む。

 この店は、一般的な酒場経営の逆張り。次回足を運ぶ機会があれば、私はどのように飲みものを頼もうか。いっそのこと、手酌のハイボールセットをお願いできないだろうか。もし私が最後に独りだけ蕎麦を頼めば、般若になるかもしれぬ。

 初の2軒目へ。愛宕駅近くのバー<CABIN>。なかなかの人気店である。ここでも1杯目からハイボール。バーゆえ、ジョッキではなくグラスで。炭酸シュワシュワだけど、そこそこ濃い。

 私は缶ハイボールでも7%と9&があれば迷わず9%をかごに入れる。同じ値段であるならば。

 世界一の醤油シティ・野田。地場産業(醤油)も濃いが、人もハイボールも超濃い目である。

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シブい名店。

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超濃い目。

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ホワイト餃子は野田無双名物。

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このお店の「イカメンチ」絶品。

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蕎麦屋のピザ。

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2軒目。

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野田の夜は超濃い目。

posted by machi at 08:46| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月26日

第3116夜:「中国」料理と「中華」料理【野田(千葉)】

 <中国料理 龍華苑>。中華ではなく「中国」料理が絶品な野田屈指の人気店である。肌寒い10月下旬の夜、野田市商連の旦那&女将衆や伴走支援侍たち十名以上でこの名店へ足を運んだ。私は当然に初ダイブである。

 このお店に入る2時間ほど前から、「中華」ではなく「中国料理」であることが数名が強調されていた。オーナーのこだわりか、言い間違えたりすると修羅場になってしまうのか。何となくだが、訪れる前は面倒くさい香りが私の頭の中に漂っていた。

 これまで私は中国料理と中華料理の区別など意識したことなかった。そもそも区別があるのかも分かっていない。しかし言われてみれば、中華は大衆、中国は高級なイメージか。

町中華の定義は、オムライスとカレーがあることらしい。私はあまり、どころか滅多にオムライスなど注文することも口にすることもないが、カレーは別格。特に町中華のカレーは異様なまでに美味い。ベースとなるスープに秘訣があるのか。

 先入りメンバー数人でまずは瓶ビールで乾杯。参加者が合流するたびに都度乾杯。この夜は貸切。ウィスキーの角瓶が2本、焼酎1本、大量の炭酸、氷、烏龍茶や水の2gペットボトルもセッティングされている。

 ササミと胡瓜の冷菜は私好みの酢が濃い目。1発目に相応しい。焼餃子の大ぶりで旨い。形は三日月。サイズに大小あれど、日本全国ほぼ共通のフォルムだが、野田名物と言えば饅頭のような形のホワイト餃子。野田でホワイト以外を味わうことに新鮮さを感じる。

 みんな大好き、私も大好きムースーロー(キクラゲと豚肉の炒め)。酒にも合うが、ライスに最強。レバニラよりもライスとの相性良いかもしれぬ。

 揚げ焼きそばもジャンクな旨さ。麻婆豆腐は人気も納得。揚げ茄子が和風テイストで爽やかだ。

 対面のM田PJリーダーがセルフでハイボールを作って下さった。恐縮である。M田氏はまちゼミ、空き店舗対策を含め野田市中心部商店街の活性化をけん引するキーマン中のキーマン。左隣の市商連O安会長もフットワーク軽快な重鎮。素晴らしい両巨頭である。

私は月1回ペースで野田市商連と商工会議所に凄まじくお世話になっている。この夜でまだ6回目なのだが、数年前から野田ワールドに関わっているような気分になる。

 料理の第1陣が終わった。どれも絶品。ますます「中華」と「中国」の境目が分からなくなったが、旨ければすべて問題なし。店を切り盛りする年配ご夫婦、特に奥様のお愛想と接客が心がこもって素晴らしい。店に入る前の香ばしさ、面倒くささが完全に私の中で霧消している。

 ハイボールを鯨飲しつつ左右前と話し込みながら、料理を追加注文。私はレバニラを希望した。やはりハズせない。酒のツマミとして、ライスの友として。

 両巨頭の下で粉骨する事務局K出氏が出先から戻ってきた。キュートな体系のぽっちゃりキャラだが、氏はかなり本格的にダイエットに取り組んでいるらしい。よって、ほとんど食べない。食べてもわずかなヘルシー料理だけ。

 私も相当に太っているが、夜、特に呑み会では実はあまり箸が進まない。酒を呑みまくり、話をする。タバコがツマミになるからだ。後で腹が減るため、2軒目のスナックやバーの後にラーメンなどでシメてしまう。

 そして呑み会では、私は体育会系の良く喰う若手、太っている同年代や若手のために料理を大量に注文し、強引に食べさせる喰いハラ(というのかな)を楽しんでいる。相撲部屋でいうところの「タニマチ」気分を少し味わうことができる。

 ところが、K出氏がダイエットしているので、見渡せばデブは私だけ。しかも年齢も最年少かもしれない。

 M田会長は「焼飯喰うだろ?」と私に食べさせるために注文。焼飯、パラパラとしっとりの間という絶妙。しかし喰い切れるわけもなく、同じテーブルの諸氏に強引に進める。

 焼飯が無くなった。するとM田氏は「中華丼も喰うだろ?」。絶句していると、ブツ降臨。確かに、旨い。これだけ満腹なのに、これほどの旨さを感じるとは。

私はあまり中華丼を食べないが、少なくともこれまでの中華丼経験ではぶっちぎり1位かもしれない。前はいつ食べたのか覚えていないから、1位も何もないけれど。

 喰い終えながら、ふと気づいた。そういえば1か月前も、M田氏は居酒屋で私のために大量のホワイト餃子を注文し「喰え喰え」と勧めていた。

いつの間にか私はM田氏的には力士的大食いキャラになっているようだ。老眼鏡なしでは生活できなくなった間もなく50歳のオヤジなのだけれど。タニマチ気分が、いつの間にか私にタニマチが付いていた。

 翌日、乗換の大宮駅ホームで電車を待っていたら「中華料理 来来軒」が視界に。埼玉無双の町中華「日高屋」の別業態、というより同じ店で屋号が違うだけな感じの名店である。

日高屋も来来軒も、確かに安くて美味い「中華料理」。「中国料理」というイメージは何故かない…。あれ、日高屋にはオムライスとカレーが無く、来来軒には有るから「中華料理」なのか。

「中華」と「町中華」は違うのか。ちなみに「餃子の王将」は中華なのか中国なのか…。

謎が中国4000年級になってきた。まあ、旨ければどちらでも構わないのだけれど。

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中華でなく、中国。

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野田で「ホワイト」以外初めての「三日月」。

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大好き大好きムースーロー。

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麺が柔らかくなる官能。

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熱々の絶品。

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シブくて旨すぎなヒトシナ。

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炒飯の付け合わせスープ。

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宴たけなわ。

posted by machi at 09:07| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする