2024年09月16日

第3500夜:価格の答え合わせ【野田(千葉)】

 <元祥>。醤油と古武道の街・野田の街なかに屹立する激盛中華料理店である。

 野田に通って1年半。市内で昼飯を喰ったのはこれまで2度ばかり。1度は創業200年近い老舗うなぎ屋。もう1度は冒頭の<元祥>。2年に及んだ野田のラストミッションの日。予定より1時間早く野田入りしたのも、ラストゆえ昼飯を喰うためだ。

 鰻屋は調理に時間が掛かる故ミッションに間に合わぬだろう。ファミレスはスルーし<元祥>へ。営業中の看板が出ている。しかし、そのすぐ先に家系ラーメン店が視界に入った。

 迷った。しかし、ここは千葉県。何も横浜家系を啜らずとも。ご当地中華な<元祥>だ。

 入る。客は誰もいない。テーカーのチャイニーズな女性がどうぞ〜。ただし15時閉店という。時間は14時20分。ミッション会場は歩いて5分ほど。楽勝だ。

 ランチメニュー拝見。14種類もあった。ラーメン系も豊富。棒餃子が気になった。野田は丸いホワイト餃子でないのか。

 「豚バラと青菜の炒飯」を選択。小ラーメン付きである。先にお会計を頼まれた。ラストオーダーなのだろう。税込1,188円。高いか安いか分からない。その答えは後程わかるだろう。

 サラダバイキング無料という。生野菜、コーン、キムチ2種(白菜・大根)、搾菜、茶色いゆで卵(後で知ったがジャスミン茶入りという)、そしてフルーツ。

 フルーツ以外を少しづつ小皿に取り分けマイテーブルへ。卓上にお茶が置かれていた。何かの中国茶らしいが、水だけよりも嬉しいサービスだ。

 厨房から聞こえてくる鍋を振る音、麺を湯切りする音、中国語会話に耳を傾けていると、13番ランチ降臨。

 思わず目を剥いた。声にならない声が漏れた。炒飯、量が多すぎる。大盛なんてもんじゃない。ラーメンも小らしいが具沢山。炒飯の横にあるから大きく見えないが、十分な量。丼が小さいだけで、こんもり山ができている。

 まずはラーメン…。オーソドックスな醤油である。しかし、鶏ガラでも豚骨でも煮干しでもない。どれも含んでいるのかもしれないがベースが特定できない。中国6千年の奥深さだ。

 麺もたっぷり。青菜もたっぷり。チャーシューまで大きなものが入っている。

 麺を啜り切ろうとしたが、炒飯に行かねば…。旨い。豚バラ、分厚いチャーシューだった。喰っても喰っても減らない。バイキングのキムチや搾菜は残せない。味変しながら食らいつく。ラーメンのスープで喉を洗いながら。

 喰った。啜った。それでも見通せない。私としたことがスープを5分の1ほど、炒飯を4口分ほど残してしまった。杏仁豆腐も濃厚かつさっぱりだが、半分残してしまった。

 苦しい。明日の朝まで何も入らないかも。価格の答え合わせ、満点の百重丸である。

 店内は誰もいない。お会計は済んでいるのでご馳走様〜と大きめの声を厨房に投げたが静まり返っている。皆さま、どこに行かれたのか。大らかである。

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途中の気になる「素人料理」の看板。

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激盛の店。

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無限の宇宙。

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食べ放題@

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食べ放題A

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49歳オヤジの量ではない。

(付記)

野田ミッション最終回の夜も中国料理<龍華園>。この店での懇親会がたぶん最多回数。昼も夜も中華堪能。最初は昼のランチが効きすぎて全く食欲なかったが、ミドリさんに造ってもらったハイボール濃い目を鯨飲していくうちに箸が伸びだした、レバニラ、玉子トマト炒め、餃子、ポテトフライ、焼き飯…。しみじみと旨かった。野田の皆さま、ありがとうございました!

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posted by machi at 03:11| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月30日

第3445夜:親方と新弟子【野田(千葉)】

 親方。相撲の世界ではおなじみの存在である。プロ野球の監督などと違い、それほど憧れるスポーツ系職業でもないが、そのネーミングといい圧倒的な存在感を醸し出している。

 私が有する親方の仕事のイメージの中に、新弟子のスカウトがある。学生服(詰襟・ブレザー)をキツそうに着た学生横綱や将来有望な大器と親方が握手し、フラッシュライトを浴びているシーン。その握手に至るまで、さぞ大器にたっぷりメシを喰わせたことだろう。

 10月下旬の秋晴れの午後、千葉県野田市の街なかで商店街貸店舗ツアーが決行された。1年半の準備の上での本場所である。会場は商工会議所。レイアウトは土俵の円でなくロの字。

 相撲協会では理事長にあたる野田市商連O安会長の貫禄溢れるご挨拶の後、急遽カリキュラムを変更し、野田市商連の取組紹介。その大役を担ったのは、生霊に憑りつかれた肉便器ことK出氏。資料も作り込んでいた。実に有望な大器である。

 その後は私の漫談、ツアー、商店街プロジェクトメンバーとツアー参加者の意見交換会。沖縄からの参加者があったことに度肝抜かれた。

 無事終了。肉便器関が所属するギルド部屋へ出稽古に。たっぷり2時間弱PC猿打。この日は朝にカレーライス大盛を腹に入れていたが(定宿の朝食バイキング)、さすがに空腹を覚えた。ヨゴレなアヅマ親方はギルド部屋の部屋頭でもある肉便器関と彼の運転でメシを喰いに。

 最初に寿司屋を2軒回ろうとしたどちらも満席か何かで入れず、焼肉屋にたどり着いた。関取は車なので烏龍茶(たしか)。私は瓶ビール。

 山形牛上カルビ、和牛上ハラミ、レバー、上塩タンをガンガン頼む。私はセンマイ刺、レバー、ウィンナーなどをツマミながら瓶ビール2本、後はひたすらプレーンチューハイ。

 眼前の肉便器関、たしかダイエットしていたはずである。ところが彼は4人前ほどあった肉サラダをペロリ、1合は軽くありそうなライス大盛をペロリ。網で焼かれた肉を凄まじい勢いで平らげていく。見ていて気持ちがいい。新弟子をスカウトする親方の気分だ。

 女将さんらしき人に彼の大盛ライスをお代わり注文。女将、少し引いていた。

 「よく食べるでしょ。私は親方で、彼をスカウトしてるんです」とすかさずフォロー。女将、何故か納得した表情で厨房へ。

 彼とバカ話して大笑いしていたら、私の上半身からブチっと音がした。この日、上下作業着だった。上着のファスナーが何も触れていないのに弾け飛んだ。これまでズボンのボタンは弾け飛んだことはある。Yシャツの前ボタンも。しかし、ジャンパー系のファスナーは初めて。

 私はタニマチのつもりだったが、完全に親方だった。それも、引退まもない、マゲも落としていない、まだ減量していないパッツパツの。

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新弟子とダイブ。

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すべて注文。

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親方(アヅマ)のツマミ。

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親方(アヅマ)のツマミ。

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新弟子の夕飯。

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新弟子の夕飯。

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親方(アヅマ)のツマミ。

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有望な新弟子。

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2024年06月26日

第3443夜:生霊に憑りつかれた男【野田(千葉)】

 生霊。生きている人間の霊魂が体外に出て自由に動き回るといわれている超常現象である。

 ある秋の夜。野田の肉便器ことK出氏に春日部まで車で送ってもらう。多少マシになったっぽいが相変わらずの肉便器っぷり。私も最近、彼で用を足している気がしないでもない。

 車内で彼が語りだした。何故彼が肉便器に堕ちたのか。数ある理由の一つは、彼自身に直接責任があるわけでもないらしい。オンナの生霊に憑りつかれていたからだという。

 彼自身は霊感がないそうだが、何故か彼の周りには霊感体質がかなりの数おられるらしい。その中の強力な呪力を持った霊媒師が彼を霊視。霊媒師曰く「アンタこのままじゃ死ぬよ」。とんでもないぐらい危ない生霊であるらしい。

 彼に憑りついているのは「幽霊」でなく「生霊」。つまり、彼岸でなく此岸の、まだあの世に旅立っていない生ある者からの強烈極まりない恨み、怒りが生霊となって彼に憑りついた。

 彼はそのオンナの生霊に心当たりがあるらしく、霊媒師は彼がその特徴を伝えずとも姿形をズバリ当てたという。

 霊媒師は彼をお祓い。その瞬間、彼の肩あたりが凄まじく軽くなり、まさに「憑き物」が落ちた爽快感を堪能。生霊が祓われたためか、彼の肉便器っぷりも少し改善されたという。

 しかし、その生霊の怨念は超絶にパワフルらしく、2023年10月20日現在、再び彼を憑り殺そうとしているという。確かに、肉便器に戻りつつある雰囲気が感じられる。

 オンナの生霊が憑りつくとは、よほど深刻な女性トラブルがあったはず。ただし、彼の話ではオトコとオンナの色恋など1ミクロンもなく、ほぼ仕事上での逆恨みらしい。春日部までの50分、車内でひたすら大笑いさせて頂いた。

 ちなみに幽霊も悪霊も生霊も、肉便器曰く、私には憑かないらしい。相手を選ぶそうである。選ばれても迷惑だが、ガン無視されるのも幾分寂しいものがある。

 私は霊感など恐らく1oもない。もしくは気づいていないだけかもしれない。ただし、人間由来でなく店舗由来、空き店舗からは何らかの思念を感じられることが多々ある。

 ド一等地の好物件なのにお店が続かずすぐ入れ替わる店、何年も、何十年も放置され空気の入れ替えもされていない空き店舗には、何かが宿っている。人間ではない、空き店舗というモノが意思を持ち始めるのだ。

 翌日、野田で貸店舗ツアーが開催される。肉便器が引率し、ヨゴレの私がその活用方法や内装工事のポイントなどを解説。その際、参加者の前でいきなり魔よけのお札を貼りだしたらどうだろう。もしくは空き店舗に向かって九字の呪文と印を放てばどうだろう。

「臨!兵!闘!者!皆!陣!列!在!前!」。

 間違いなくドン引きし、誰一人出店しようと思わないことだけは霊感も予知能力もない私でも容易に想像できた。

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生霊に憑かれた肉便器。

posted by machi at 09:00| Comment(0) | 千葉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする