長崎市と御縁を頂き4年目に突入したある初夏の15時過ぎ。これまで様々なメニューを攻めてきたが、いまだ試していない機軸があった。「オムライス」である。しかも商品名は「男のオムライス」。値段はわずか600円。‘店長おすすめです!’というPOPが踊る。
ところが「オムライスは大盛りできません」と書かれている。男らしくないではないか……。気づいた。その上に思いっきり大きく「スタミナ野郎系 最初からごはん大盛!」とある。男らしすぎるではないか。
水を飲みながらぼんやり店内のTVを観ていると、ブツが飛来。……。生キャベツを従えて皿いっぱいに黄色い宇宙船が鎮座している。ケチャップではなくソースがかけられている。
みそ汁を一口飲んで戦闘モードに切り替え、まずはキャベツを平らげて「なかったこと」にする。スプーンを手に、一口分、玉子とライスのバランスを意識しながら口に運ぶ。……。大人の味である。私がガキの頃喰ったことがオムライスとは機軸が違う。スパイシーで濃厚である。子供と大人の違いが何となく感じられる。まさに「男のオムライス」だ。
童心に帰るかと思いきや、帰らない。帰れない。別腹モードが発動し、一気呵成に平らげた。
ミッション終了後、10人ちょっとで会場近くで懇親会。2次会は4人で<武将門>1時間勝負。さらに0.1トン倶楽部入会資格取得間近のタカと立ち飲み2軒ハシゴ。特に2軒目は100円小鉢が充実で人気もうなずける。
途中、若くてスポーティな女性がカバンを肩にかつぎながらいきなりお菓子を売りつけてきた。時間は23時過ぎ。その時は軽くスルーしたが、さらに深夜1時半ごろおんなじ女性が再度売りつけてきた。
気の毒になってしまい、何のお菓子かすら確認せず2ヶ(1700円)ぼったくられてあげた。ちなみに長崎とは何の関係もない観たことのないお菓子。恐らく1箱100〜200円程度だろう。「男のオムライス」を頬張った成果、妙な男気を発揮してしまう。
翌昼。空港へ向かうバスに乗る前に20時間ぶりに<キッチン政>。券売機の前で観光カップルがマゴマゴしていたので、私もじっくりメニュー確認させて頂く。今日も未食を攻めたい。
「陶板黒ごま坦々めし」。よく分からないが‘今が旬’というキャッチが気になる。最高級ラー油とたっぷり黒ゴマを使用しているらしい。味の想像もつかないが、チャレンジ精神を忘れてはならない。エイヤとボタンを押す。赤字覚悟な店主の男気が溢れているメニューばかりだ。
店内のTVでぼんやりとG20狂騒曲を眺めていると、グツグツと煮えたぎったブツが飛来。紙エプロンを装着し、まずは竜田揚げとチキンカツにかぶりつく。……。目が白黒するほど熱い。その後にコクのある刺激的な辛みと旨味が押し寄せる。
トッピングを片付けて、飯を攻める。黒ゴマが香ばしい。ぐちゃぐちゃに混ぜる。おこげが香ばしい。温泉卵を絡めながらスプーンでいただく。初体験の味だが、後を引く旨さがいつまでも口に残る。汗が噴き出す。ご飯の量もたっぷり。最初にカツを平らげるのではなく、やはりライスと一緒に行くべきだったかもしれない。
野郎たちのパラダイス<キッチン政>。すべてのメニュー制覇したくなってきた。私の出っ腹がさらにオトナの、男の魅力がたっぷりと増しそうだけれども。

男らしいPOP。

男のオムライス。

1次会。

たぶん4次会。

新機軸。

初体験の味。

男気の顛末。