2025年02月02日

第3590夜:専門店の生き残り策【飯塚(福岡)】

 豚足。私には好みでない食べ物、自分からは頼まない食べ物など複数あるが、口に入れることすらできない、入れると間違いなくマーライオンになる東の横綱料理である。

 ちなみに西の横綱無理料理は、とろサーモンを筆頭にした脂の乗り切った刺身。想像するだけで生唾、でなくえづきそうになる。大好物の人には大変申し訳ない、好みゆえ仕方なし。

 そんな2文字がこれみよがしに前面に出ている呑み屋が昭和通り<アクションクラブ>の道路正面に屹立していた。知らなかった。店名は別のようだが、看板ものぼりもひたすら「豚足」の2文字がデカデカである。

 アクションクラブ内で「専門店の生き残り策」ミッション終了後の21時。6人で向かう懇親会はその「豚足酒場」。店に入る前から私ははっきりと、豚足が食べられないという意思を伝えていた。私の顔や体形から豚足が大好物と勘違いされ大量に眼前に置かれたことが複数回あるからだ。

 飯塚には他にも豚足をメニュー化している店があるらしい。名物なのか?

 生ビールが染み込むように旨い。14時に始まり、終了は21時。数杯を流し込み、以降はそば焼酎の水割り。これがたっぷりである。

 料理はすべて同行氏たちにお任せ。豚足はを注文せず、とん平焼、厚揚鉄板、牡蠣バター焼、皮パリパリなグリルチキン、タコさんウィンナー、焼そば…。大好物のつるべ打ち。素晴らしい店である。値段も安い。お客ひっきりなしも大納得。

 ジュリーを唄いたいというN田氏と2、3年ぶりに<BREAK TIME>。この店はカラオケ熱唱用のステージがある。客層も若い。マスターがギターの生伴走をしてくれることも。カクテル、ウィスキー、生ビールなど数十種類あるドリンクが2時間呑み放題唄い放題システム。

 N田氏は長渕氏やジュリー氏を熱唱。氏は以前、この店のステージでI井美樹氏『Miss You♪』を唄った鋼のメンタルの持ち主だ。

 2軒目だが生ビールから始め、ジントニックへ。3杯目からはサントリーオールドをロックで鯨飲モードに。

 途中、ハッピーバースディトゥユー〜♪とアカペラが聴こえてきた。マスターとママの声である。私も他の客も手拍子で口ずさむ。誰かのお誕生日らしい。おめでたいことである。

 カウンターにカクテルグラスが10ヶほど並べられた。マスターが店からのサービスですと、ポンとシャンパンの栓を抜く。ご相伴に預かれるとは幸運である。

 マスターの発声が始まる。

「こちら、13日に誕生日を迎えられた、神戸からお越しになられたアヅマさんです!」

 固まった。口は半開きのまま思考が停止。1秒後、何が眼前に起きているのかを理解した。

 その5日前、私は誕生日だった。50歳。半世紀に突入である。バースディハガキが2通届いた。1通は北九州のY木田氏から。もう1通がブレイクタイムのマスターだった。

 私はこの店には3年ほど前に大勢と2回ほど訪れただけ。店内は広くいつも混んでいるのでマスターと軽く会話した程度で話し込んでいない。

 マスターはそんなほぼイチゲンな私の顔を覚えているどころか、名前も、そして誕生日まで記憶されていた。仕込みでない。2軒目にこの店に飛び込んだのはたまたまだった。

 マスターはすかさず、私の左隣に座るN田氏とのツーショット写真を撮った。程なくして、プレゼントですと手渡された。私の縄T氏のツーショット写真を飾られたフォトスタンドだ。

 上部には「2024年6月13日 東朋治さん お誕生日おめでとうございます♪とある。下部には「人間の一生」と銘打たれた相田みつを風のポエムが。

 これぞ「専門店の生き残り策」であり「大型店との差別化」であり「リピーター(常連)化の神髄」である。昼の4店舗訪問、夕方の日替ラーメン、豚足酒場、そして最後にパワフルすぎる専門店の究極が待っていた。

 フォトスタンドのポエム。凄くいいことが書いてあるのだろうけど、写真の中のN田氏のおじいちゃんっぷりが壮絶すぎて笑ってしまい、詩の内容が頭に入ってこなかった。

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夜ミッション開始前。ミッション会場の正面。

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染み込む。

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メニューにあれば頼んでしまう「とんぺい焼」。

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牡蠣バター。

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大好物。

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気心知れたアクションクラブの面々と。

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2軒目は<ブレイクタイム>。

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マスターの伴奏で熱唱するN田氏。メンタル無双。

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マスターがシャンパンを開けた。

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マスターやママから「パチリ」。

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数分後に完成。ジイさまとのツーショットだが、感激。

posted by machi at 07:47| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月01日

第3589夜:日替わりラーメン店【飯塚(福岡)】

 日替わりラーメン店。日替わりラーメンでなく、店ごと入れ替わる筑豊飯塚ほんまち商店街の令和新規出店応援スタイルである。

 初夏の爽やかな午後。1年半ぶりぐらいに新飯塚着。ブラブラ十数分歩いてほんまち商店街へ。途中のボタ山の風景が懐かしい。商店街周辺には「東流」「西流」のノボリが競い合うようにはためいている。飯塚の夏の風物詩「山笠」の準備が本格化している。

 飯塚にて初の昼夜通しミッションである。昼の部はほんまち商店街の4店舗を訪問。履物屋、カラオケ食堂居酒屋、惣菜屋、家具屋。まちづくり(商店街)屋の私にはめったにないタイプのオファーゆえ出来栄えは赤点だが、とりあえず前半戦を乗り切れたので安堵する。

 途中、3軒目の総菜屋で3ヶ入りのかしわおむすびと高菜炒め、そして胡瓜の糠漬を捕獲。

 平成になり、どこにでもあった豆腐屋と漬物屋は絶滅危惧種に。ユネスコに早期保護を求めねばならない業種である。私は1995年1月17日まで漬物屋のコセガレだった。当然のごとき、モノゴコロつかない時から漬物に親しんできた。今でも漬物は大好物である。

 真空パックされた漬物と、例えば手作りの糠漬は味が違う。甘い漬物が増える中、甘さのない糠漬は貴重。スーパーでも糠漬けは扱っていない店がほとんど。北九州の台所・旦過市場<宇佐美商店>の糠漬(胡瓜・大根・人参)が令和の今、大のお気に入りである。

 この総菜屋には胡瓜の古漬があった。一番旨い喰い方が、糠を洗い流しての丸かじり。そして、日本酒。コップや茶碗に注いでグビグビが無双である。

 ミッション終了後、その酒を捕獲すべく酒飲みにとって魅力の塊<わた惣>へ。愛してやまない世界一旨い鯖缶を3ヶ、燻製ハムと福岡嘉麻の地酒「寒北斗」をカゴに。

 この後、夜ミッションを控えているため、酒は吞めぬ。夕飯にかしわおむすびをお茶で流し込もうと戦略を練っていたら、新たに誕生したアーケード下の日替わりラーメン店から「よかったらラーメンどうぞ」と絶妙のタイミングで声を掛けられた。

 ほんまち商店街に新たに誕生した「日替わり」ショップ。名称はおそらく「街角セレクション〜シカクデパート〜」。路地の角店であり、厨房というか、店舗スペースは2坪程度か。私が訪れた日の出店はラーメン店だった。

 メニューは3種。しょうゆ、塩バター、そして香スパイス。九州に珍しい鶏ガラスープベースらしい。豚骨も好きだが、神戸人の私は今やレッドゾーンな「鶏ガラ醤油」が一番好き。

 店主オススメ「香スパイス」を選択。‘クミン’を利かせているらしい。クミンが何が存じ上げぬが、楽しみである。

 店頭の椅子に座る。遅い昼飯につい先ほどかしわおむすび3ヶ入りを買っていたことを忘れていた。深夜の夜食にするか。戦略を練り直していると、かき氷屋と間違えたオヤジが来店。「ウチはラーメン屋なのでおいていません」と軽くいなされている。

 ブツ降臨。見た目はカレーラーメンである。パクチーとつみれ団子がかなりエスニック。そして、鶏フレークだかそぼろだかを丼で手渡された。無料トッピングサービスである。

 まずはスープ…。ガツンである。カレーっぽいのにカレーでない。店主曰く、カレースパイスを使っていないらいい。店主は商店街を盛り上げたいという想いを持ちながら、本格出店も市内で検討されていた。飯塚で鶏ガラ、エスニック系は珍しいが、唯一無二の独創。いったん軌道に乗れば無双になるだろう。

 スープが余ればリゾットにできるという。余らせるつもりが、すべてスープを飲み干してしまった。

 暑い夏に商店街アーケード下で啜る熱いラーメン。筑豊のセンター・飯塚市商店街連合会は厚くて篤くて熱い新規出店が進んでいる。

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酒呑みの楽園。

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宇宙で一番旨い鯖缶。

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日替わり店舗。

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見事な仕掛け。

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この日はラーメン。

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どれにするか。

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真夏のアーケード下のスパイスラーメン。

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深夜におにぎり&ぬか漬けを地酒で丸かじり。

posted by machi at 08:35| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月17日

第3559夜:カクレガのフグ白子【小倉(北九州)】

 究極のカクレガ。私にとって北九州小倉においては紺屋町の<TH>がそれにあたる。コロナ前に旦過市場のN村氏に2軒目か3軒目かで連れて行って頂いた。その際も印象深かった。

 コロナが明けて本格的に1軒目として足を運ぶ機会を得た。このバカブログにも幾度か乱筆しているので詳細は割愛する。とにかく、毎度度肝抜かれる超絶名店である。

 私にとっては令和6年度一発目となった北九州の台所・小倉旦過市場ミッション終了後、7人でこのカクレガへ。

 旦過ミッションで4年間お世話になったT村氏が異動されることになり、その送別会と新たに着任されたT代氏の歓迎会。T代氏、かなりの酒(ビール)好きで安堵。若松区役所のコミュニティ支援担当だったそうで、U島氏など共通の知人も。

 瓶ビールで乾杯。白ワイン、赤ワイン、日本酒、麦焼酎を鯨飲。呑み放題ではないのだろうが、実質の呑みホ。剛毅の極みである。

 大皿に海鮮が乱舞。どれも料理名すら覚えられない創作の絶品。

 この夜の愁眉は、白子。酒呑みにはたまらない超A級の珍味である。

 世の中には様々な白子が存在すれど、貧乏暇すぎの私が稀に口にできる白子はほぼ100%「鱈」。湯引き、天麩羅の旨さは言わずもがな。ただし、決して安い逸品ではない。それなりに高価である。

 大皿いっぱいのフグ刺身。雲丹ソースを絡めた烏賊刺。白身魚蒸し、生ハムを何かで包んだもの…。名前が覚えられず、何のテクニックが施されているのかもわからない至福の迷宮。白ワインに恐ろしく相性が良い。

 何かの蒸し焼き出てきた。なんだろう…。巨大で白い物体。ガーリックの香りが香ばしい…。フグの白子だった。こんなに大きいのか。目を剥いた。

 鼻息マックスで口に運ぶ。溶けた。私の口も、舌も、そして脳も。すかさず白ワインで追いかける。私の中の何かが変わった。別人格になった。日本酒に切り替えてみた。凄まじい愛称。しかし、洋風料理である。キリリ辛口の白が好適だ。

 霜降りが眩しすぎる独特技法のローストビーフは西洋わさびと醤油ダレで。これには、赤ワイン。見事すぎる料理ごとに酒を合わせていく。いわゆる「マリアージュ」というヤツか。

 たっぷり3時間潜んだカクレガ生活。最後はたっぷりのスパゲティ。何味かも覚えていない。美味かった記憶しかない。ラスト1時間は最後はひたすら麦焼酎の水割を浴び続けた。

5枚目が、白子。

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他にもいろいろ出てきました

posted by machi at 04:17| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする