2025年02月06日

第3593夜:どちらがお得?【小倉(北九州)】

 デキャンタ。ワインがたっぷりと注がれるガラス容器である。平均でどれぐらい量が入るのか知らぬが、フルボトル(750ml)は入らない気もする。

 九州南部に災害級の大雨となり、九州北部にもどんよりとしたデンスフォッグが空一面に立ち込めた水無月の小倉の午後。1か月ぶりに魚町周辺を歩く。

 半年少し前に大火災に見舞われた鳥町食堂街。積まれたガレキに仮囲いや目隠しも施されず、観光名所のようにバシャバシャ写真を撮りまくられていたが、仮囲いで覆われていた。ガレキ撤去が始まったのだろう。

 一日も早い復旧復興を祈念しつつ、2か月前に10店舗弱が全焼した魚町サンロードへ。コチラはあっという間の更地に。

 2022年4月から2年間で小倉中心部は4度の火災にさらされた。魚町4丁目飲食店街が2度、鳥町食堂街、魚町サンロード商店街。その間、枝光本町商店街でも漏電火災があった。

 ガレキは大きく2つに大別される。建物の躯体と、建物の中の設備や備品。これが同じ持ち主ならまだマシだが、異なる場合は撤去にも時間が掛かる。様々なケースを学ばせて頂いた。

 単なる再建どころか、強烈極まりない高付加価値が毎月のように追加され、3年後には完全に生まれ変わることが予知できる旦過市場ミッション終了後、小雨の中、5人で<本陣>へ。

 大瓶が380円で堪能できるこのウルトラ人気店、2カ月前の火事で数店舗隣まで全焼していた。風向きなどでこの店で喰らっていた可能性も。紙一重である。

 チンチンに冷えたビールで乾杯。瓶と生は別物の旨さ。ただし瓶は触ると痛いほど冷えているべきである。生もしかりだが。

 焼鳥盛合せ、雲仙ハムソテー、ポテトフライなどをツマミに大瓶をお代わり。10本ほど空いたあたりで、酒精をチェンジ。

 旦過市場呑み会グループは複数あれど、私が所属するチームは3カ月前までビールの後は焼酎派が多数を占めていた。ボトルを頼み、ひたすら濃い目の水割りを浴びる。

 そして20246月現在、最初から最後までビール派が主流派に。焼酎のボトルを呑み切るには多勢に無勢。ハイボールや焼酎をグラス単位で頼んでも、ピッチが速い私には注文の手間が面倒。忙しい人気店、店員さんの不可削減に少しでも協力したい。

 ふと気づいたのが、ワインのデキャンタ。銘柄も分からぬが1,100円。ちなみに焼酎ボトルは2000円弱。ワイン、ちょうど良いではないか。

 デキャンタ赤ワインが運ばれてきた。徹頭徹尾ビール派でないレジスタンスたちにもグラスにワインを注ぐ。1つのデキャンタでなみなみと5杯分あった。気づけば2度、デキャンタをお替りしていた。トータル3000円強。どっちが得だったのだろうか。

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2025年02月04日

第3592夜:鰻屋新時代【小倉(北九州)】

 特上。私には御縁のない‘特上’な2文字である。そんな私だが、鰻だけは「特上」と決めている。 鰻に関しては並でも特上でも、丼でも重でも味は同じ。サイズの違いだけである。

 鰻は年々希少な存在。値段もいくら値上がりしたのか分からないぐらいだが、もはや「嗜好品」。趣味にお金を惜しまぬ御仁同様、鰻は趣味が読書か映画か安酒を呑むことしかない私にとって貴重なレジャー。いつ絶滅するか分からぬ。味わえる時に味わい尽くさねばならない。

 夏の風物詩である牛丼チェーンの鰻や、スーパーの鰻でも1匹サイズでは2000円ほどする。専門店で味わっても、実はそれほど値段は変わらない。専門店では焼きたて、吸物、香物がお供する故、むしろ割安と言える。

 数時間後の大雨予報の肌寒い初夏の北九州小倉。15時半ごろ打合せを終え、夜ミッションまで2時間の空き時間が生まれた。夜ミッションの濃厚さから勘案し、固形物にありつけるのは21時頃か。何か腹に入れたい。それも、がっつりと。

 魚町銀天街にアジフライ専門店がオープンしていた。いつか行こうと思う間もなく、いつの間にか居抜きで鰻屋に変わっていた。この店のいつ他の業種業態に転生するか分からない。「気軽に楽しむ」とあるからリーズナブルなのだろう。

 飛び込んだ。思いっきり閑散時間帯だが、客は2組。総重量1sというメガ巨大うなぎ厚焼き玉子丼(4,950円)などもある。

 お得な丼もあったが、重に狙いを定めた。許されるならビールでノドを開いて日本酒に跳ねたいところだが、2時間後にミッションを控える身には許されぬ。

 丼が1089円、重(上)が1,980円、そして特上が2,860円。信念を貫き、特上に。有閑マダムでない作業ズボンにヨレヨレポロシャツの私には蛮勇の極み。ライスを大盛110円。

 ふしぎなページがあった。トッピングである。「うなぎによく合う」とある。その4品がネギとろ、厚焼たまご、明太子、そしてイクラ。

 この4品、どれも合うのだろうか。試してみたくなった。蛮勇ついでに最高値のイクラ(385円)召還。総額3500円弱である。

 2種の香物、吸物(肝吸いでない)、トッピングのいくらを従え特上降臨。いくらをど真ん中にぶっかける自信なく、隅っこに寄せる。別にかけ放題のタレが添えられているのも嬉しい。

 山椒をパラリし、まずは鰻を箸で千切ってテイスティング。皮が少し切りにくい。メニューにも店内にもどこにも産地表記がなかったので(見つけられなかっただけかも)、国産でないのかもしれない。ゆえに3000円以下で特上が味わえるのだろう。それでも、十分に旨い。

 この店、セルフで「ひつまぶし」に味変できる。ダシ、海苔、ごま、山葵の4種が雁首揃えたコーナーがある。ひつまぶしと言えば、名古屋。もちろん実食経験あるが、私はストレート派。それでも料金に含まれているので、コーナーへ向かう。

 器に出汁を注ぎ、海苔、わさび、ごまを入れる。鰻と米を浸すことなく、そのまま味わう。薄味の吸物である。これはこれで山葵も効いて旨い。

 ふとひらめいた。このひつまぶし出汁に、タレを回しかけてはどうだろう。多めに垂らし、啜ってみる…。ひつまぶし的な味になった。この食べ方、もしかすると発明ではないか。ノーベル賞は無理だがイグ・ノーベル賞の候補にならないか。

 もう一つの発明は、お店が提案する鰻蒲焼といくらのマリアージュ…。新婚なのに寝室は別という、倦怠期の味がした。

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敷居の低そうな店構え。

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カフェでも鰻屋でもない独特の雰囲気。

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いくらをトッピング。

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セルフなひつまぶし。

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出汁たっぷりに。

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出汁のみ(タレ垂らし)。

(付記)

オープン当初から死亡フラグは立っていたのだが、2025年に松の内が明け、魚町銀天街を抜けて旦過市場へ向かう途中、この店は閉店していた。一方、魚町は新店ラッシュ。飲食可能物件なら何かに転生するだろう。いっそのこと「宇奈とと」に転生してもらえないだろうか。

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クーポン使う機会なし。

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2025年02月03日

第3591夜:推しポロシャツ【門司(北九州)】

 門司駅前大里地区。2023年12月上旬まで毎月のように足を運んでいたが、やんごとなきオトナの事情で半年間も間隔が空いてしまった。

 北九州小倉の黄金市場商店街の再開発ニュースが流れ反響を巻き起こした翌日、黄金の若手店主たちと世界の至宝<焼肉太平楽>へ。私の強いリクエストで予約を成し遂げて下さった。

 嬉しくて15分も早く到着。まだ日が明るい中でサッポロ赤星を喉に放り込んでいると、続々とメンバー集結。門司の夜の帝王、帝王繋がりで呑み友達になった工事関係会社若社長、黄金青年部のN川氏、O中氏、H川夫妻、そして門司在住の公務員。8人で絶品を満喫する。

 泣けるほど旨い。瓶を3本やった後は麦焼酎たっぷり。この日、レバーはなかったがロース、カルビ、ハツ、ミノなどをフル満喫。いくらでも腹に入る。新たなタレにポン酢しょうゆも加わり、味変アイテムもスキなし。

 暑い日こそ、激辛豆腐チゲ。いつもより辛く感じたが、止まらない。同行氏たちはライスをお替り。私はライスを我慢し、ちりとり鍋も腹に入れる。〆のリゾットまで全力である。

 ひっきりなしに予約の電話がかかる。20時頃店を出たが、2回転目もすべて予約で満席。コロナ以降、夜間飲食店は2回転目が無くなり苦戦を強いられているが<太平楽>は関係なし。

 店を出る。日は沈み、夜の帳が下りている。ずっと工事中だった太平楽のマスターとママの恐らくご子息が経営する焙煎珈琲店もオープンしていた。

 当然、そのまま<アンジェリーク>へ。アンジェは1か月前にスナックビルの3階から路面店へ移動。店の広さも3倍に。これまでカウンターで10席程度だったが、カウンターはさらにゆったり、そしてボックス席が広々とたっぷりに。

 私の西郷バカボトルも一緒に移籍していた。「東」の前掛けがバカっぽさ全開。イチゴがらのエプロンをしており、腕を組んだ上から来ているのでオッパイにしか見えない。

 O中氏がキープした超高級ウィスキーを鯨飲。隣に座るH川夫妻の奥様は焼肉屋でも日本酒をガンガンやり、アンジェでも720mlをカラにしていた。顔も変わらない。無双の強さだ。

 半年ぶりに懐かしいメンバーと談笑し、唄を歌い、酒を浴びる。至福の時間である。

 皆さんは移転してすでに経験済のようだが、私は移転後初。ママから開店祝いのロゴ入りボールペンを頂く。そして、ママや帝王や黄金の皆さまから2着のポロシャツをプレゼントされた。6日前、私は誕生日だった。覚えて下さっていた。

 毎年、アンジェから誕生日プレゼントを頂いている。今年は…胸に私の顔のイラストがプリントされている。昨年はそのイラストの推し団扇を頂いたが、今回はそれがポロシャツに。

 痺れる。胸が熱くなる。門司への訪問頻度を増やすことを誓う。黄金の皆さまと一緒に。

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隣に<太平楽>直営の焙煎珈琲店爆誕。

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赤星をヤリながら待つ。

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至福の始まり。

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真夏でも頼まずにいられない豆腐チゲ。

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〆のリゾットまで満喫。

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拠点が移転。

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めちゃくちゃ広くなった。馴染の皆さまと。

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我がボトルもバカっぽさマシマシで健在。

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YMCA中(たぶん)。

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ありがとうございます。

posted by machi at 10:34| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする