2023年09月22日

第3157夜:小倉大返し【若松(北九州)】

 中国大返し。本能寺の変の際、信長公討ち死にの報を受けた中国地方へ征伐中の秀吉公が中国から超絶無比のスピードで近畿へ舞い戻り、ライバルを倒して天下を手中にするキッカケとなった戦法というか、伝説というか、必殺技である。

 情報を得るスピードの速さと引き返しの峻烈な豪快さゆえに、虚実分からぬが、本能寺の変の首謀者が秀吉公、または光秀公の決起を事前に知っていたのではないかという陰謀説も。

 大河ドラマ『麒麟がくる』では中国大返しなどが描かれずに残念だったが『どうする家康』でどう描かれるか楽しみ。スルーしてほしくない(2023年4月現在)。このあたりの陰謀説は傑作コミック『信長を殺した男』に詳しい。

 2011年から1年間だけ空白期間あれど年間数回ペースでお世話になってきた若松商店街での我がラストダンスが2023年4月中旬に始まった。与えられた期間は正味7カ月。

 今年度ミッションにおける脚本を練り直した後、9人で<煙>へ。生の後はハイボールド鯨飲。分厚い牛タン、カイノミ…。絶品肉のコーラスライン状態。ミートK山の最高級肉を思う存分堪能させて頂く。七厘で焼くと旨さが倍加する気もする。

 北九州商工会議所若松SCと戸畑SCのセンター長が入れ替わり人事。若松から戸畑へ異動されたT末氏の送別会と戸畑から若松へ赴任されたM園氏の歓迎会も兼ねる。ひたすら喰い、呑み、しゃべる。気づけ23時半。終バスなど遥か100万光年前に滅失。

 2か月以上ぶりの若松呑みである。十数年来の盟友であり、弟子筋でもあるU島氏と<ショコラ>へ。ママは不在だったが、チーママのH子嬢らと談笑。

 深夜0時を大きく回った頃、U島氏の携帯が鳴った。1時間ほど前までで一緒に飲み食いしていた最年少のM嬢である。忘れ物でもしたのか、U島氏に緊急の連絡事なのか。

 U島氏が「エェッ!?」と絶句して電話を切った。どうしたのかと尋ねると、今からここ(ショコラ)に向かいますという連絡とのこと。今度は私が目を剥き「エェッ!?」と絶句した。

 1軒目の9人のうち、商店街の重鎮お二人は帰路に。私とU島氏はショコラへ。他の5名はタクシーで小倉方面に帰られたはず。どこかで2次会していたのだろうか。

 軽い驚きを抱えたまま、ラフロイグのピッチを上げる。U島氏は弟子筋だが、私より遥かに行動力もあり、頭も良く、誠実で誰からも愛される。会うたびに新規事業を始めたり、商店街内に新規出店したり、法人組織を立ち上げたりしている。

そんな彼と話し込んでいると、ドアが開いた。M嬢だった。時間は確か深夜1時を回っていたのはなかったか。

 私とU島氏の間に座った彼女にどこで呑んできたのか尋ねた。どこにも立ち寄らずにタクシーに分乗して小倉の自宅近くまで帰ったと言う。

 最初、何を言っているのか理解できなかった。内容が頭に入ってこなかった。若松からタクシーで小倉に帰り、再び間髪入れずタクシーに乗って若松へ戻ってきたことは何度か会話を重ねて理解することができた。ただ、その意味が分からない。

 エッ?なんで?疑問を放つ私に一言。「なんか、足らなくて」。

 呑み足りないのか、話足りないのか、喰いものが足りていないのか。よく分からないが、中国大返しより豪快かつ謎の満ちたMちゃんの小倉大返しである。

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2023年09月14日

第3151夜:高級たけのこの里【合馬(北九州)】

 合馬の筍。小倉南区合馬地区で採れる筍は超絶ブランド品らしく、京都の料亭御用達という。一般の数倍高額らしい。そんな超筍の存在も高名も恥ずかしながら存じ上げなかった。

 ある春爛漫な夜。門司駅前の大好きな居酒屋で呑んでいる際、合馬の筍の刺身がメニューにあった。筍の刺身?合馬?喰ってみたら、言葉を失った。

 合馬の筍が食べたい、合馬で食べたいとその場で騒いだら、同席されていた三萩野屈指の行列店代表と門司の夜の帝王と一週間後に赴くことに。

 3月は旬のシーズンらしい。いつまでかはわからないけど。よく字を見ると、竹冠に旬。これほど旬旬した生物もないかもしれない。

 いったん神戸に戻り、再度キタキュウ入りした8日後の正午過ぎ。黄金商店街でN川氏と合流し、一路合馬へ。私は小倉南区へ行くことがない。数年ぶりどころか初めてかもしれない。

 車は軽快に南下。途中、急に山深くなった。こんな田園地帯が政令市北九州にあったのか。15分ほどで目的地着。<合馬竹膳>。ぽつんと一軒家である。絶景が広がっている。

 店内はカウンターが数席と、5人ほどが座れるテーブル。雨が降っていたためか、時間が13時を回っていたからか幸運にも客はいない。

 程なくして前夜も一緒に呑んでいた門司駅前<アンジェ>ママと夜の帝王Sワ氏、Y子嬢も合流。「たけのこ御膳」を注文。御前は1500円。ランチは1200円。筍カレー650円。カレー、安すぎないか?

 お茶を飲みつつ談笑していると、御膳降臨。目を剥いた。笑みが漏れた。眼前に百花繚乱な筍づくしが広がっている。スマホで写真を撮ろうとしても、フレームに収まらない。箸を持つ。何から手を付けたらよいか戦略がすぐに描けない。

 まずは味噌汁…。極上である。昨晩深夜1時前まで鯨飲した胃と肝臓が癒されている。味噌汁の中にも千切りの筍が。しゃくしゃくして功妙。筍の味噌汁は初めてだ。

 筍の刺身は柚子胡椒が少し添えられている。口に運ぶ…。瑞々しい。柔らかく上品な甘みが舌で弾ける。旬が体内に流れ込む。

 煮物は筍、蒟蒻、椎茸、薩摩芋、人参、さやえんどう。上品な味付けである。ビールが、日本酒が欲しくなってきた。

 天麩羅は筍、茄子、南瓜、春の息吹な山菜2種など。うっすら塩で味付けされているが、卓上のオリーブ塩を追加。旨味が倍加する。出汁も旨いが、揚げたては塩である。

 玉子焼きにも筍が細かくカットされたものが入っており、山菜と和えた筍も旨すぎ。モヤシ山菜ナムル、青菜漬、ゆで卵、ハムサラダ、切干大根も見事な脇役ぶり。

 そして、筍ご飯。たっぷりの量である。メインディッシュなのかもしれない。いくらでも食べられる。春が私の体内で噴火している。沢庵をかじりつつ、筍ご飯をかきこむ。全身が喜びに満ち溢れている。

 大満足である。1年中味わえるらしいが、オフシーズンは当たり前だが旬は味わえない。筍カレーも気になる。年に1回、3月を足を運びたい店である。

 屋外のデッキで絶景を眺めながら紫煙を燻らせていると、コーヒーが運ばれてきた。もう、何も言うことなし。合馬、天国の里である。

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孤高。

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天国。

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絶景。

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2023年09月12日

第3250夜:肉うどんと焼肉【小倉・門司(北九州)】

 <縄や>。黄金市場商店街に新オープンした肉うどん&甘味処である。春宵の夜、黄金市場関係者の皆さま9人でこの店で懇親会を決行した。

 ちょうど一週間前の昼、この店で肉うどん御膳を食したばかり。U戸彩氏に似た女性店員(奥様?)に営業時間を確認したら、朝8時から営業しているが夜はやっていないという。しかし、今回特別に開けて下さったようだ。

 眼前の盆には天麩羅、おきゅうと、銀杏、カプレーゼ(たぶん)、キンピラ、冷奴がすでに鎮座。それらをツマミに、主に私の右隣の黄金ラスボス・K松会長と談笑しながら急ピッチでハイボールをあおる。談笑と言っても、K松会長は97%お話されているが。

 メインディッシュは肉うどん(どきどきうどん)ハーフサイズとマグロ飯。呑んでいる途中にどきどきうどんは初めて。刻み葱、すりおろし生姜、一味を多めに加える。

 ただ、まだ酒の途中。肉うどんの肉をツマミに呑み、うどんをつまみに呑み、出汁をつまみにひたすら呑む。ハーフサイズうどんで濃い目ハイボール3杯は楽勝。マグロ飯はマグロをツマミに呑む。胡瓜漬をツマミに呑む。白飯をツマミに…:呑めなかった。

 デザートまで出てきた。アイスと餡子。これぞ和スィーツ。そして、これは濃い目のハイボールに合う。焼酎ロックもイケるはず。

 K松会長の下ネタの角度が急になりだした頃、お開きに。私は酒を嗜まないO中氏が運転する門司駅前呑みに行くぞ号に乗車。向かった先は、西日本屈指の焼肉人気店<太平楽>。

 その1週間前も22時ごろに今回の同行氏でもあるN川氏、O中氏と3人で<太平楽>に飛び込んだ。今回はそれにT山嬢が加わっている。

 肉うどん懐石からの、焼肉。22時過ぎから繰り出される炭水化物祭りからの肉祭り。豚バラ、カルビ、ミノをガンガン焼く。人気メニューのレバーやロースはとっくに売り切れ。

太平楽は予約せねば入れない。ただし、20時半以降の2回転目なら運が良ければ入れる。その時間帯ならまだロースやレバーはあるが、3回転目の22時過ぎはさすがに売り切れる。

 かなり満腹だが、焼肉、それも太平楽は別腹。霜降りもクドくなく、翌日胃にもたれない。レモンチューハイの後は焼酎3杯。ガンガン喰って呑む。お会計は信じられぬほど安い。

 フィニッシュは<アンジェ>。超人気鶏料理居酒屋<お福>の社長が珍しく独りで呑んでいた。程なく門司の夜の帝王・Sワ氏も合流。実質6人で呑んで歌う。

 気づけば24時半。帰ろうとしたら、Sワ氏に止められた。1階のスナックのマスターが作るたこ焼とそば焼を注文しているから食っていけとのこと。肉うどん懐石、たっぷり焼肉からの、たこ焼&そば焼。再び炭水化物祭りが幕を開ける。

 たこ焼、カリカリ旨し。そば焼に絡む半熟目玉焼の黄身がエロい。満腹の三段重ねである。

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豪華な先付。

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メインディッシュ。

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和スィーツ。

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2軒目は門司駅前の至宝。

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ガンガン焼く。

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アンジェのビルの〆。

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