このラーメンを初めて啜った時、キムチベースのスープに独特の納豆臭が湯気となって鼻孔に飛び込み、目を剥いた記憶がある。キムチや納豆がそのままぶち込まれているのではなく、スープに溶け込んでいる。何とも言えない重層的な味わいである。
大量のモヤシと生卵がトッピングされ、麺もスープもすごい量。950円は最初高いと思ったが、かなり病みつきになる。じわじわと汗が噴き出て、食後30分は冬でも汗ばんでしまう。
初夏の午前10時。盛岡入りした私は、宮古行きのバス待ち時間が40分あった。朝5時過ぎに神戸の自宅を出たため、さすがに空腹が襲ってきた(注:たぶん2015年ごろです)。
盛岡駅フェザン地下の飲食ゾーン<柳家>は10時から開いているので重宝。昼時は超満員だ。じゃじゃ麺の店<小吃店>も10時から開いているので頼もしい。
ちなみに帰路では、ちょっと飲みしたい時は<えびすけ>。ランチの充実ぶりも素晴らしい立呑み屋。私にとって、この3店舗が盛岡駅地下ゴールデントライアングルを形成している。
じゃじゃ麺とキムチ納豆で心揺れたが、キムチ納豆に軍配。なぜなら、直前にたまたま捕獲した女子高生ラーメングラフティ漫画『ラーメン大好き小泉さん』で店名は伏せられていたが、主人公の女子高生が盛岡で「レアチーズキムチ納豆ラーメン」を食べてくるクダリが紹介されていた。私はどの店かすぐにピンときた。よし、レアチーズキムチ納豆とやらを攻めてみよう。
余談だが、この漫画が実写ドラマ化(しかも民放地上波)。完成度高しだが、23時頃に放映されるので危険極まりない番組といえる。啜りたくて狂いそうになるからだ。
チーズも発酵食品だから、ハッコウの3乗である。旨さも3乗だろう。レアチーズの意味がイマイチ分からぬが、粉チーズか蕩けるチーズのことだろう。定番より30円高い。この30円がいわゆるレアチーズ部分なのだろう。
注文して待つ間、メニューを熟読する。かなりバリエーション豊富だが、基本的にこのお店は創作ラーメン系。キムチ納豆以外では「担々麺こまち」「濃厚醤油はやぶさ」を啜ってきた。
岩手県産豚の上ロースライスプレートも少し食べにくいが病みつき系の実力を誇っている。まだまだ未食メニューばかり。味の想像がつかない。
私は本来、創作系はラーメンに限らずあまり好まない保守派。盛岡三大麺といえばじゃじゃ麺、冷麺、わんこそば。確かに盛岡系ラーメンというものを耳にしない。
柳家限定だがキムチ納豆ラーメンがもしかすると盛岡ラーメンのデフォルトになるかもしれない。アテルイも坂上田村麻呂も石川啄木もびっくりしていることだろう。〔次夜後編〕
(付記)
昨日か一昨日、ネットニュースのトップページに<柳家>本店が閉店すると衝撃のニュースが。私にとってはソウルフードということはないが、年1,2回、盛岡で乗り換えの際に駅構内(フェザン)でお世話になった。詳しく読み込んでいないため真偽分からぬが、バカウィルスが影響しているという。再起を祈念し、画像も見つかったので、死蔵ストックから4夜連続で柳家エール。皆さま、今夜もご安全に。
第1巻に登場。
このクダリを読めば頼まずにいられない。

