2020年04月03日

第2411夜:2時間5分のイーハトーブ【盛岡⇔宮古(岩手)】

 イーハトーブ。花巻の英雄・ミヤケンことⅯ沢賢治氏による造語で、氏の心象世界中にある「理想郷」を表す言葉であるらしい。「岩手(いはて)」をもじったという見解が定説らしいが、氏自身は語源について具体的な説明を残しておらず、謎に包まれている(ウィキ参照)。

 ある師走の午後。埼玉県春日部市から盛岡駅に13時着。13時15分発の盛岡発宮古行きのバスに乗る。たまたまかもしれぬが、16時までに宮古入りするためにはもっとも便利ゆえ、2回に1回はこの時間のバスに乗っている。

 しかも、この時間のバスは1日1往復しかない夢の2階建て超豪華超特急バス。2時間15分の所要時間が2時間5分と10分も短縮される。しかも完全予約制だ。

 窓口で切符を買う。座席に十分余裕があるという。私は特に車窓に興味がないので空いている後部座席に乗り込み、パソコンを開いて猿打ちし始めた。

 ドアが閉まり、バスが動き出したようだ。しばらく猿打に集中し、県庁市役所前を通り過ぎたあたりでふと顔を上げると、誰もいない。

 立ち上がっても、誰も見かけない。……。2階は誰も乗っていない。1階は割高料金のビジネスシート。そこには誰か乗っているだろう。

 途中休憩の道の駅「やまびこ産直館」に着いた。降りる際に、1階を除いた。誰もいない。運転手さんにもしかして私だけなのかと問うと、苦笑いしながら首肯された。

 何人乗りか分らぬが、乗客、掛け値なしに私だけ。予約制なので途中乗車なし。盛岡から宮古まで約100q。試したことのある御仁と会ったことがないので正確な数値は分らぬが、タクシーなら3万円は下らないだろう。

 タクシーではなく、バス貸切である。しかも2階建ての豪華バスである。もし実際に貸し切るといくらかかるのか……。最高の贅沢さと快適さ。まさに「イーハトーブ」状態である。

 浮かれていたと、ふと不安がよぎる。今後の運行継続の懸念である。ギュウギュウ満席もツラいが、独占もツラい。1階は運転手さんだけ。2階は私だけ。車内アナウンスもすべて私のために。2時間5分の独り占め、申し訳なさも満点だ。

 道の駅で眠気覚ましの缶コーヒーを2本捕獲。1本を運転手さんにプレゼントした。

 翌朝。宮古から盛岡へは早朝7時半バス。普通車両である。2人掛けを独り占めできる程度の絶妙の乗車加減が心地よい。

 バスは定刻の10時前に盛岡到着。駅構内の飲食店街は10時オープン。11時前の新幹線で東京経由で茨城県行方市へ向かう。約1時間の待ち時間。

 朝昼兼用で「白龍じゃじゃ麺」と「柳家ラーメン」のどちらを攻めようかと鼻息荒くしていたら、いつの間にか全店11時オープンに繰り下げられていた。

 超弱小従業員ゼロ自宅事務所超零細会社一人社長(私)にとっては遥か銀河系の彼方の、働き方改革とかいう謎のレボリューションか…。イーハトーブから現実に引き戻された。

 気持ちを切り替え駅構内の立ち蕎麦屋で10時までの朝食セットに1分前滑り込み成功。たぬきそば&ミニ鮭ごはん(通常570円→朝食420円)に幸運に笑み。

 宮古ではミッション前に中央通商店街の食品スーパー<玉木屋>で大量の「宮古ラーメンのスープ」とレトルトパウチのホルモン群を捕獲した。これで我が家(一人暮らしですが)の年末年始はイーハトーブである。

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誰もいない。

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夢の2階建て特急バス。1日1往復。

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悲しいことに2020年1月上旬に閉店。

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朝食セットはどこもお得。

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こぼれる笑み。
posted by machi at 09:06| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月22日

第2401夜:Happy Ever After【宮古(岩手)】

 Happy Ever After♪。私が大学生の頃よく聴いたJュリア・フォーダム女史の名曲である。意味は「結婚おめでとう!」らしい。

 令和元年は私の神戸新長田時代の盟友、同僚、部下たちの祝賀が続いた。誠におめでたいことである。

 その極めつけが盟友・スキンヘッドM好氏。私より1歳年上の氏は数年の交際期間を経てとびっきり素敵な美女・Aコさんとついにゴールイン。お二人が交際中からよく私の自宅にも来られ、3人で呑みに行ったりもした。

 Aコさんが我が家に来られるたびに、太りすぎてボタンがはじけ飛んだ我がズボンをストックし、まとめて縫って頂くよう懇願してきた。私は裁縫など全くできないからだ。

 令和元年の師走上旬。栃木県小山市から宇都宮、仙台、盛岡を経由して岩手県宮古市入りした。

 ミッション終了後、末広町商店街の忘年会に参戦。会場は新たに商店街にオープンした<笑びす>さん。私の帰宮に合わせてセッティングして下さったようで感謝恐縮。

 店内はかなり広く、コの字カウンターと8人掛けテーブルが4脚。これを少人数で回しているのだから恐れ入る。

 着座すると、テーブルにびっしり料理が並んでい。海老フライ、牡蠣フライ、生牡蠣、翻車魚酢味噌、烏賊塩辛、貝煮、刺身3種盛、海鮮サラダ、牡蠣味噌野菜鍋。

 鮮魚に自信ありなお店らしくどれも見事。塩辛や牡蠣が苦手な三陸人とは思えぬ御仁たちからどしどしこれも食べてと皿が回されてくる。

 〆は筋子と塩鯖の「おにぎらず」。筋子と塩鯖をツマミに熱燗をヤり、最後に海苔でくるんで頬張る。……。よくぞ日本人に生まれけり。生まれ変わっても日本人になりたい。

 旨さに目を細めていると、満腹でもう食べられない貴婦人からもおにぎらずがもう一皿。今度は具材もすべて包んで頬張る。……。当たり前だが、さらに旨さが倍加する。

 2次会は8人ほどで久々に<カントリーズ>。バーボンをストレートでヤっていると、SNS上に我が盟友・スキンヘッドⅯ好氏のウェディングパーティの様子がアップされだした。私もご招待を頂いていたのだが、宮古出張のため参加断念を余儀なくされた。

 三Y氏は東日本大震災直後から数年間、アヅマ率いる「復興野郎Bチーム」WEB&NET担当として宮古市末広町&中央通を全力でサポートして頂いた。宮古の商店街の面々も当然感謝の気持ちとともに氏のことをはっきりと覚えており、今でもたまにⅯ好氏の話題が出るほどだ。

 商店街の皆さんにⅯ好氏が結婚されたこと、今まさに真っ最中であることを伝える。若手のトOルが音頭を取り、「M好さん、ご結婚おめでとう!宮古からカンパ〜イ!」。そんな氏の幸せを神戸から遥か離れた三陸宮古から祝福する。

 3次会はM好氏も絶賛のピザを提供してくれる<エル・アミーゴ>。私的世界一旨しなミックスピザを前に、再度Tオルが「M好さん、ご結婚おめでとうございます。世界一旨いピザが待ってます!」。マスターもM好氏のことをよく覚えて下さっていた。氏が来宮した際、私が無理言って毛蟹ピザを作って頂いたのだ。

 M好さん、Aコさん、ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに。宮古より、商店街の皆さまと一緒に愛をこめて。

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忘年会。

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豪華な料理がびっしり。

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「おにぎらず」旨すぎ。

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<カントリーズ>にて。


おめでとうございます!

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<エル・アミーゴ>からもおめでとうございます!

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マスターもママさんもM好氏のことをよく覚えて下さっていた。
posted by machi at 09:12| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月01日

第2370夜:Oeuf mayonnaise【宮古(岩手)】

 Oeuf mayonnaise。何のことかさっぱりわからないでしょう。Mayonnaiseは強引に発音してみたらピンと来るかもしれない。しかしOeufがピンとこないはず。もしピンと来れば、貴方は少しヘンな人かフランス語が堪能な方、もしくはフランス人である。

 ある晩秋の宮古の夜。中央通キャンドルストリートの撤収作業もスピーディに完了。3連泊中の2泊目の夜19時過ぎ。中央通商店街S本姐さんと商店街内<ラターシュ>へ足を運んだ。

 この店はオープンして約9年。私も多いときは月1回ペースで足を運んできた。ただしほとんどが深夜24時過ぎの泥酔状態。ずっとスタンディングバーと思い込んでいた。

 当夜、一軒目だったため当然空腹である。何か腹に入れようと初めてフードのメニューを観た。ナッツかチーズぐらいしかないだろうが、何か腹に溜まるものがあればそれで良い。

 そんな雑な気分を吹き飛ばす充実したメニューの数々。アルファベットと日本語が併記されているが、そのアルファベットが読めない。マスターに何だこれはと問う。フランス語という。

 この店、フランス料理のビストロだったらしい。全く気付かなかった。改めてよくメニューを観ると、確かにそれっぽい。しかし、それっぽいとしか表現できない。私にとってフランス料理など冥王星よりも彼方の遠すぎる存在だからだ。

 よくわからないのでマスターに料理は任せる。「呑兵衛セット」というフランス料理から海王星ほどに離れた名称を作ってくれた。呑兵衛とあるが、ドリンクがセットなわけではない。1枚の皿に酒が進みそうなツマミが色鮮やかに花を咲かせている。

 サンマを酢締めしたもの(マリネというのか)。豚タンらしきものの上に自家製っぽいタルタルソースがたっぷり。ピクルスっぽいもの。ハムっぽいもの。焼鳥っぽいもの。

 マスターから説明を受けた1秒後には忘れている。どれもフランス料理らしい。途中から外国産の黒ビールに切り替えた。実に芳醇。外国産の黒は冷やさなくとも旨い。

 そして、最も気になるメニューが冒頭の「Oeuf mayonnaise」。日本語は「ゆで卵のマヨネーズ掛け」。

 ……。ジョークなのかと問いただす。自信たっぷりにポピュラーなフランス料理といって譲らない。……。まあ、外国人がライスボールを日本料理ですと説明されたようなものか。しかも、1人分しか作れないという。それほど人気なのか、誰も頼まないのか。

 神戸人の私は角打ち(酒屋の立ち飲み)のツマミでゆで卵を好んでいた。今でも酒の肴としてよく口にする。しかし、宮古人はその習慣なく、居酒屋のマスターに大津波の年にゆで卵をリクエストしたら全員にドン引きされた記憶が蘇る。

 ゆで卵のフレンチが降臨。……。半分に割られ、自家製らしいマヨネーズと黒コショウが掛かっている。……。マヨネーズが自家製という点さえ除けば、自宅でも余裕で再現可能だ。しかし、この料理には正統な食べ方がある。ナイフとフォークである。

 このバカブログをご覧の紳士淑女。ご家族や恋人の前でぜひこのフランス料理をナイフとフォークで。決して尊敬されずに「バカじゃないの」と一笑に付されるだけになりますが。ちなみにご自宅で一人で実践すれば、情けなくて涙流れるままになることを必至である。

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ナイフとフォークでいただきます。

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呑兵衛セット。

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ベルギーの黒ビール。

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半熟が絶品。

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読めません。
posted by machi at 09:21| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする