2019年08月21日

第2259夜:肉吸小玉【難波(大阪)】

 「肉吸」。大阪なんばグランド花月(NGK)すぐ近くの<千とせ>さんの超弩級に有名な看板メニューである。10時半開店で14時過ぎには閉店。行列が途切れることなく、狭い店内は相席確実。明らかに観光客と思しきカップルも多く見かける。

 肉吸とは何か。簡単にいえば肉うどんのうどん抜きである。昔々、Y本新喜劇の看板役者・H紀京氏が二日酔いで訪れた際、肉うどんのうどん抜きを注文。これがキッカケらしい。

 土瓶蒸し、チャーシュー麺の麺抜き…。私は汁モノを肴に酒を呑むことに無上の喜びを感じる。出汁の中にたっぷり入った肉をつまみに、コップに注いだ瓶ビールを飲み干していく。

 麺がないので伸びる心配なし。肉の旨みが溶け込み、甘さ抑えた関西風極上ダシを啜り、ビールをノドに放り込む。休日午前中の天国である。

 4分の3ほど食べ終えた後、底に沈んだ半熟卵を潰す。クライマックスである。肉に絡めて口に運ぶ。……。マイルドなコクが口いっぱいに広がる。間髪いれずダシを啜る。ビールも肉吸も一滴残らず体内に吸収される。豆腐入り肉吸もある。

 仕事を控えてビールが飲めない平日。ビールの代わりに腹の減り具合によって「大玉(だいたま)」「小玉(しょうたま)」のどちらかを選択する。

 店内に入り、メニューも見ずに四文字熟語のごとく「肉吸大玉」「肉吸小玉」と声を発すると、常連気分を味わうことができる。店内のイチゲンさんたちから尊敬のまなざしを集めることができるかもしれない。

「大玉」とは卵かけ飯の大盛、「小玉」はその普通サイズを意味する。どちらも漬物が付いている。ほかほか白飯の中央に鎮座する黄身がセクシーだ。

 肉吸の肉をオカズに卵かけ飯を頬張る。口の中がすき焼き状態になるという至福。卵かけ専用醤油を垂らして口いっぱいに御飯を頬張ると、胃の底から力が湧きあがってくる。漬物が見事なアクセントだ。若い頃は迷わず「肉吸大玉」だったが、最近はすっかり「肉吸小玉」だ。

 「肉うどん」も絶品である。関西風のモチモチした食感が実に艶っぽい。肉のエキスが油膜を張るダシに絡めて啜ると、体内のチャクラが回ってしまいそうになる。夢中で啜りたくなるが、ものすごく熱いので要注意である。

 コンビニで<千とせ>の肉うどん再現を試みたカップ麺をたまに見かけることがある。ホンモノと味を比較することに意味を感じないが、再現しようという心意気を高く評価する。

 私はこれまでかなりの回数<千とせ>の暖簾を潜っている。9割以上が肉吸か肉うどんを注文。私も同様だ。しかし、この2品以外のメニューを迷わずに注文する客がいると、圧倒的な存在感を放つ。ホンモノ常連さんオーラのまぶしさに、思わず目を細めてしまう。ごくたまに肉吸の存在を知らぬイチゲンさんの微笑ましいウッカリも見かけるけれど。

(付記)
この本文を書いたのは恐らく5年以上前。その間、このお店に足を運んでおらず。
令和元年の七夕の昼、北Q州から織姫ではなくパンチU野氏が難波へ。氏と昼過ぎにNGK前で合流し、どこかに入ろうとしたらNGK内に<千とせ>の別館が。しかも空いている。券売機スタイルに戸惑ったが、肉吸い&生ビール。それよりも驚愕したのが、神戸長田名物「ぼっかけうどん」が券売機にメニュー化されていた。感慨深さで涙してしまいそうになった。

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別館にて。

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パンチ襲来。

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長崎駅前バスターミナル内の「肉吸い」。500円でおにぎり2ヶ付。おすすめです。
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2019年08月06日

第2248夜:地下迷宮2ndステージ【大阪(大阪)】

 年1回恒例「アヅマプレゼンツ激安はしご酒ツアー」。その第6回目が令和元年6月下旬の土曜日に結構された。

 メンバーは第1回から不動のレギュラーであるN岡氏&M下氏、第4回からご参加いただいているS藤氏、そして前回からご参加のB場女史の5名。紅一点ゆえに戦隊モノの構成である。

 今回のターゲットは西日本最強の地下迷宮・大阪第1〜第4ビル。呑み屋が地下1階と2階に密集する呑んだくれのラビリンスである。会費は1人5000円で、各ビルを一軒づつ、計4軒制覇が目標でありテーマである。

 15時、大阪駅桜橋口改札集合。まずは第1ビルから。第1と第2はそれほど呑み屋が密集しているわけでもなく、第3と第4にかけて熱くなる。それにしても、土曜の15時というのにどこもいっぱいでなかなか5人一気には入れない。

 第1ビルは<マルリキ>。板わさ、たけのこ天ぷら、きゅうり一本漬、鱧の炙りポン酢、ポテトフライをツマミにドリンク14杯。

 第2ビルは<なじみ野>。付きだし3品セット×5、ピリ辛蒟蒻、韓国海苔、たこわさ、キムチもやしをツマミにドリンク11杯。

 第3ビルは<徳田商店>。おでん盛合せ、煮込みホルモン、マカロニサラダ、ホルモン炒め、ごぼうチップス、牛ヒレ炙りポン酢、茶美豚ウィンナー、さらにもう1品をツマミにサッポロ赤星(大瓶)7本。

 第4ビルは<ふくや>。鰹わら焼2皿、手作りじゃこ天、冷やしトマト、イチオシっぽいどこかの農家のスィートコーンをツマミに生ビール10杯。

 上記すべてで一人4900円弱。完全制覇である。たまに第1、第2で全く同じ店が営業しているというトラップが仕掛けられているので注意が必要である。

 ここからは有志で延長戦。4人で同じ地下だけど阪急方面の「ホワイティ」ゾーンへ。

 <ウマカーよかばい>でツマミ4品にドリンク10杯。さらに2人で<鳥の巣><おおえす>を閉店まで。何杯呑んで、何を喰ったかこの時点で覚えていない(詳細に上記を記しているのは、延長戦一軒目(つまり5軒目)まで注文の品が印字されているレシートが残っていたから)。

 最後までお付き合いいただいたS藤先生と別れ、私は阪神特急に飛び込んで帰神。板宿で降りるつもりが寝過ごして月見山。三宮方面の電車がまだあったので板宿で引き返す。

 来年はどこを攻めようか。……。思いをはせながら板宿で乗り換えの際、オトナしく地下鉄に乗り換えずいったん地上に出てフラフラと<松のや>へ。ロースかつ丼のボタンを押してしまう。しかも「厚切り」である。私の精神回路と胃袋が底のないダンジョンである。

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開幕。

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本線A

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延長戦A

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一人で閉幕式。

posted by machi at 11:44| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月18日

第2233夜:青春の定義【上新庄・十三(大阪)】

 O阪経済大学。阪急京都線上新庄駅から徒歩15分ほどに位置するエコノミックな大学である。この大学で教鞭を振るうのがU村教授。教授が尼崎市役所に奉職されていた時からお付き合いさせて頂いている。

 そんな御縁もあり、2018年に続き今年度(2019年度)も5月の新緑美しき最高の季節の午後にお招きいただいた。キャンパスは青春を謳歌してている学生で溢れている。私のようなオヤジは明らかに異質で浮いている。ミッションのテーマは「地域資源とマーケティング」である。

 ミッション終了後、学生街でなんか喰って帰ろうとしたが私の「心のボタン」を押してくれる店がなかった。乗換の十三駅下車。となると、当然アルコールを摂取することに。

 十三でこの2年ほど愛してやまぬ二軒をハシゴ。1軒目で注文するメニューは旨カツ2本(ポン酢・ソース)、オヤジ好みの玉子サラダ、いか三昧が定番。アルコールは、瓶。赤星である。

 前日は二日酔い酷すぎで酒を呑まなかった故、二日ぶりの酒精が心地よく体内を巡る。店内を流れる80年代洋楽邦楽がノスタルジック。我が青春時代(学生時代)を思い出させられる。

 店内は大学生ぐらいのアルバイトさんがほとんどだが、皆さんより頭一つ分小柄なお一人だけ目視70代前半の女性が大活躍。私が注文し、オーダーが厨房に伝えられるよりも早く注文した料理を熟女は運んでくる。実に若々しい。揃いのTシャツも粋に着こなしている。

 一軒目のハイボール、唐揚と同じく半額セール中だが1カ月前に10円ハイボールを体感してる身には激安なのに割高感。今日の我が高座テーマのマーケティングの難しさを痛感する。

 2軒目は十三駅西口真ん前の肉屋直営立ち飲み屋。揚げたて総菜もテイクアウトで販売しているので、注文すると10秒ほどで料理が出てくる。赤星をヤリつつミンチカツとハムカツに舌鼓。焼肉皿も最高のアテ。〆は190円の肉吸いである。

 ビールの後はカップ酒に。青春時代など100万光年かなたに滅失したオヤジ呑みである。

 2軒とも大学生と同年齢の男女が接客してたが、きびきびした動きと笑顔に感動。どんな講義よりも実践が最高の教材である。二軒目の肉屋直営立ち飲みの接客も最高で嬉しくなり、3軒目行かず、テイクアウトで焼き鳥10本頼み、自宅晩酌に切り替え決断する。

 私のような自由業者は平日の昼からどこで酒を呑もうが構わない。たまに足を運ぶと、特に昼呑みできる店では客の9割以上が後期高齢者だ。異様なパラダイスが広がっている。

 この日の一軒目は朝9時から営業している。私の突入時間が15時。よって客はすべて後期高齢者か私のような職業不詳人。聞く気なくとも聴こえてくる、酒場定番「最近の若いモンは.......」話。耳が遠くなられてるゆえ声の大きさも大音量だ。

 聴きたくなかったが、漏れ聞こえてくる……。思わず耳を剥いた。若いモンは65歳前後らしい。……。私は40代半ばゆえ、若いモンですらないようだ。色んな意味でマーケティングと青春の定義を考えさせられた一日になった。

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眩しさでいっぱい。

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お粗末様でした。

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1軒目は<1軒め酒場>。ここ、チェーンだけど大好き。

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2軒目は肉屋直営の立ち呑みで。

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〆は肉吸い。
posted by machi at 10:17| Comment(0) | 大阪府 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする