大満足で店を出る。ミント神戸降りてすぐのビアホール<ZAKOBA>で生ビール。ツマミはカミカツ、唐揚、ポテトフライ。同じ揚物でもこれほど異なるものか。風流と日常、雅と野、春と夏。どちらもたまらなく愛してしまう。
3軒目はM好氏いきつけのラウンジ。ビルでなく路面店に驚かされる。ボックスを勧められたが1枚板のカウンターに。ゴージャスな店である。
いくつもの花輪があった。店のレディの誕生日らしい。そのレディがガチャガチャを持ってきた。100円入れて回すとレディの顔がプリントされたバッチが出てきた。M好氏もバッチ。どうやらバッジしか入っていないようだが、微妙にデザインが違う。
私は「同伴券」を入れるように提案した。即採用。適当なメモ用紙を雑に千切って雑な字で同伴券と書いている。それをガチャガチャボックスに入れている。
気づけば23時を回っている。満席だった店内もいつのまにか我ら2人に。ママも私の横に座り、カウンター越しにはレディが6〜7人。
詳細は書かないが、この夜、謎の演劇集団となった。ベテランのボーイが撮影し、私もシブい脇役演技を決める。主演はM好氏。内容は文字に起こすのもばかばかしい。
大笑いして店を出る。さらにもう1件。東門の<風>。ママが一人で切盛りするカウンターだけの居酒屋風バー・この店のカウンターは「逆L字」。たまにこのような店もある。
私は満腹なのでハイボールだけ。談笑していると夜中1時過ぎに。タクシーで氏を西代で下ろす。タクシーは同一方向を向いて隣席なのでカウンターと言えないこともない。
翌夜。今度は新長田の愛してやまないタンク筋<寿し天>。4人だったがカウンターに。3種類の瓶ビールから、私は迷わずサッポロ。咽を開き、鯛の子、鯛肝、鰯きずしを満喫。
日本酒の2合に。鯛の白子焼、社長巻(あなきゅうのシャリ抜き)、烏賊下足焼、蛍烏賊酢味噌、鯵たたき…。至福である。とり貝は蛸を切ってもらい、ツマミに。
同行者たちは好きなタイミングで1貫づつ食べたいネタを握ってもらっている。細かい注文にも対応して下さる。カウンターの醍醐味である。当然にカウンターは満席に。
途中で赤出汁を挟む。私はこの店では赤出汁を途中で頼む。握りに移行する前の「トトノエ」である。そして、烏賊(塩すだち)、赤身、中とろを。
芽ねぎという握りがあったので握ってもらった。文字通りの野菜寿司だが、苦みがさっぱりして口中がリフレッシュされる。最後はいくらを2貫。最高である。
<天一>も<寿し天>も春しか足を運ぶタイミングが何故かない。初夏から時間が無くなる。天ぷらもスナックも寿司も、カウンターが最も味、雰囲気、会話が楽しめる超特等席である。
劇団M好
春のシアワセ

