<U福>。気になっていたサンチカの鰻居酒屋である。何度も通りかかった。店頭メニューの惹きが凄い。なんと「鰻串」がある。首都圏以外で観たことがなかった。
盆時期の16時、店内へ。好感度抜群のバイトの若いお姉さんが16時から生ビールやハイボール、チューハイなどが安くなるとメニューを置いた。
この店は昼から通しでやっているようだが、16時から「レイトアワー」としてほぼ半額。早い時間帯のハッピー(アーリー)アワーは珍しくないが、レイトアワーは衝撃だ。
ハイボール199円をまず頼む。鰻以外もメニューは豊富だが鰻関連で攻めるべき。
‘うつまみ’コーナーから「やみつきの骨せんべい」と「ねぎまみれうな肝ポン酢」から召還。お通しの茄子煮びたしが味が染みて旨い。これだけで期待値がマックスになる。
骨せんべい、マヨが添えられている。塩加減も絶妙で無限にハイボールが進む。うな肝ポン酢、さっぱり。うざくの、鰻肝串の代わりである。ハイボールをすかさずお代わり。
鰻串は「短冊」「白短冊」から。短冊は蒲焼、白短冊は白焼。これで両方味わえる。白焼はわさび醤油で。ここは本当に神戸か?サンチカか?夢のようである。
「くりから」は定番。そのくりからをアレンジした「鰻ガーリック」はにんにくチップがたっぷりトッピング。まあ、これは想像の味。驚愕は「鰻バター」。くりからに目の前でけずりバターをたっぷりとぶっかけて下さる。そのバターが鰻の余熱で溶けていく。
鰻とバター。合わせようと考え着いたこともない。宇宙人と婚姻するようなもの。口に運ぶ…。目を剥いた。これは和でなくフレンチではないか(詳しくありませんが)。コクとコクが掛け合わさって単なる足し算でなく無限の宇宙が感じられる。
度肝抜かれたついでに「鰻ハニーブルーチーズ」も。ハニーは恐らく蜂蜜。口に運ぶ…。鰻が強くて、ハニーもチーズも負けている。これは普通の足し算だった。
「鰻のたれのカキフライ」は大きめが4ヶ。小さな小皿が嬉しい。卓上のタレを追い足し。ハイボールが4杯目に突入した。
シメもいろいろ。鰻重も惚れるが、ここはリーズナブルに「鰻のたれのチーズ焼きおにぎり」。アッという間に出てきたので少し驚く。
この時、グルメ漫画(『男の食談義C』を読みながら味わっていた。その巻の中で、居酒屋の焼おにぎりで冷凍食品は有りか無しかが議論に。私は、アリだと思った。
かなりの満足度で店を出る。16時までの「うっとり丼」を頼みたいが、16時以降の「レイトアワー」は外せない。リーズナブルでカジュアルな鰻串居酒屋。これまでは大宮だけだった。16時前でも後でも、我が拠点・神戸に新たな鰻名店を発見した喜びに体をくねらせた。
(付記)
嬉しさもつかの間、この名店が居抜きで焼鳥屋さんに変わっていた。

